自己参照
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ここ最近, 仕事のアプリ開発用の調査も兼ねたプログラミングをしていたら, 「勉強ついでにやってみよう」で自分用のアプリ開発を進めています. 技術不足でなかなかうまくいってはいないものの, 「これもほしい」「これができるならあれも何とか自力でできそう」という感じで, 妄想と実装が進んでいてなかなか数学・物理が進んでいません. 贅沢な悩みなので大きな問題ではありませんが, 次の通信講座の準備も放置したままです. 無理やりにでも時間を作って来週のメルマガでもう少し具体的な話をしようと思います.
現状ほぼロシア語しかありません. そしてこれ自体にはほぼ興味ある人はいないでしょう. しかしこれができるなら, と思って妄想しているのが定理版や物理法則版です.
実際に勉強しているとき, ちょっとした空き時間やいまひとつやる気が出ないときの気力充填用のアプリとして, 既に整備しているコンテンツから定義・定理だけ抜き出して眺めたり, お気に入りの定理や式や物理法則をパラパラ眺めるアプリがあったらいいのではないかと思っています.
これは単純に勉強する上でも実はかなり大事です. 何をやるにしても復習は非常に大事です. そして大事な定義・定理の主張だけ眺めるのはかなり大事です. 証明の細かい議論の追跡や計算の完遂も重要ですが, 個々の定義や定理の言明に親しむのも同じく大事です. 定義や定理はエッセンスをまとめた対象なわけで, 証明は証明, 言明は言明とわけて考えて慣れるのには一定の意義があります.
自作のコンテンツは基本的に自分にわかるように計算を詳しく書いているため, どうしても長くなります. 定義や定理だけ抜き出してさっと眺められると便利とは前々から思っていて, それを実現する方法としてこの手のアプリを作るのは一手と思っています.
他にも通信講座の各回のコンテンツ配布用にPWAアプリの形の配布も割と便利ではないかと思っています.
何にせよ自分自身の復習効率向上のために早くアプリ作りたいです.
7/20(水)で古典力学に関する三ヶ月間の短期集中講座が終わりました. 7/23(土)に最後にちょっとした振り返りをして感想を聞いたので, いくつかシェアします.
まずは次の二点.
週に二回, オンラインで一時間ずつ勉強会と称して時間を取っていました. 社会人で忙しくともせめて週に二回, 一時間ずつくらいは勉強してもらいたいからです. もちろんこの時間には質問も受け付けていました. 勉強会への参加がいい強制力になっていたそうです.
もう一つ, 全体が見えている人間による内容とペースの配分がよかったようです. はじめはやる気や意志の強さの問題かと思っていたが, 三ヶ月で最低限の内容を無理のないペースで進める, という視点からの配分がかなり助かったと. いまやっている議論が先々どんな意味があるか, どう発展するかもいろいろな形で伝えていた点もよかったようです. 例えば調和振動子は量子力学や場の量子論でも重要, といった話を各所で展開していました.
あともっと計算を詳しくしてほしいという要望がありました. もちろん詳しくするべき箇所は詳しくしますが, 少なくとも手元にある元にしたいくつかの参考文献よりは計算を詳しく書いてあります. 計算力がないという自覚のある方だったので, このくらいは捌けるようにもっと計算力をつけてほしいとは伝えました.
まさに計算力強化を目的にした通信講座であり, 理論の理解と同じく, 実際にたくさん計算して計算力を育ててもらわないと理論の理解も覚束ないのが現実です. 広い意味での計算力のなさが理解を阻むのは自分自身苦しんできた部分でもあり, 引き続きこの線を追いかける決意を新たにしました.
ここ何回かメルマガでもプログラミングに関して書いてきたように, 一人でやっていても効率が悪いことはよくあります. 役に立つわけでもないタイプの勉強なら必ずしも効率を求めなくてもいいでしょう. しかしむやみやたらに苦行にするのも違います. その辺をよりよくバックアップするための処方箋として, まずは自分がほしいアプリ開発も優先順位をあげて対応しています.
そしてよく言われる一番よい勉強法は「人に教える」です. 大学でのゼミ形式です. 教えるために勉強するのもありますが, 教えていると頭の使い方が変わって, それまでに思いつかなかった説明の仕方をひらめくことがあります. 私もフロントエンドまわりのプログラミングに関して, 自分の中の圧力を上げるため, 勉強会の講師役をやる前提で知人が運営しているコミュニティに参加させてもらうことにしました.
もちろんここまでの圧をかけるのは大変なので安易にお勧めはしません. ただ特に計算力涵養に対していろいろなテーマの短期集中講座で対応していく予定です. 使える人はぜひ使ってください.
最近各方面と話してて思うけど、メタバースとオンライン教育の食い合わせは完璧に近いのに、環境を整えるコストがボトルネックすぎて双方向授業やワークショップの活用事例があまりにも少ないのが悲しすぎる 既に現場にいる人が活用事例を創出しまくってオイデオイデするしか勝ち筋がない
子供たちはMMOの延長として捉えて導入がスムーズなのに対して、大人は自分たちが知らない別の世界へ連れていかれるようなモノというイメージを持ってるケースがあって…リケジョ教育もそうですが、先に伝達すべきは親御さんや先生ですね
Vtuberをやっている人と少し仲良くなったので, その人の活動を横目にしながら, 私も何かしらやろうと思っています. Vtuberを動かしつつ3Dの数学・物理系アニメーションコンテンツを作っている人もいるようですし, そういう方向性でもいろいろ遊びたいと思っています.
時間がなくてプレプリントは読めていませんがとりあえずシェア. 情報系, 割と滅茶苦茶な数学が出てくるようで時々驚きます. こういうのを見ていると関数解析をやっていてよかったと思うときもあります.
『インド数学研究』オンデマンド版ということでペーパーバックだと思っていたのですが眩しいくらいに立派な装丁の本でした.光ってます😂 先週末時間をとって取組んだのですが思った以上に難しいですね.インド数学特有の表現法に慣れないといけません.数学ってもの凄く地域的で文化的なのだと再認識.
この小学校の円の求積の説明でみかけるこの図.ギリシャ数学ではまず見かけないのですが,どうやらインド数学の図版にはあるらしいのです.こういったアイディアの(現存する)初出に触れられるのも古い科学文献を読む楽しみです.
この小学校の円の求積の説明でみかけるこの図.ギリシャ数学ではまず見かけないのですが,どうやらインド数学の図版にはあるらしいのです.こういったアイディアの(現存する)初出に触れられるのも古い科学文献を読む楽しみです. pic.twitter.com/ltgYmQa60J
— 古代ギリシャのヘルメスさん (@kodaigirisyano) July 22, 2022
私もこの図はよく使います. インド起源らしいと知ってちょっとびっくりしました.
「数学も英語も強くなる! 直訳では伝わらない意外な数学英語たち」にDST Triangleというのが出てきて、Distance, Speed, Timeとあって、悪評高いはじき、くもわの図は日本だけじゃなかったんかーい、ってなってる。
「はじき」系の話もありますが, 理工系向けの語学コンテンツの方向性もいろいろ考えているので, その参考にもなるだろうと思いメモ+シェア.
オリジナルのStacks projectのページで全体のpdf版もダウンロードできて,現在7,500頁超の模様.↓pdf直リンク注意: https://stacks.math.columbia.edu/download/book.pdf
このレベルの内容の7500ページのコンテンツ, 読むのにどれくらい時間がかかるでしょうか. 何はともあれ面白いことがいろいろ書いてあるのは間違いないので, 改めてシェアします.
私が作っている現代数学探険隊のPDFは議論を詳しくするため, 何よりも自分があとで読んですぐわかるように, なるべく詳しく定理・定義・式の参照を張るようにしていて, 参照が6000近くあります. ページ自体10000ページを越えているので, 私のマシンだとコンパイルに30分かかります.
勉強になる。古典場と量子系を共存させるのは(重力でなくても)難しい https://twitter.com/yujitach/status/1549913475425906688
曲がった時空上の場の量子論?
その例えで行くと、曲がった時空上の量子力学でも、波動関数から重力場をきちんと決めましょうね、という話 (元々は重力だけ量子化されないとするとどうなのか、みたいな話だった)
古典重力の部分と重力以外の量子論の部分が相互作用する、みたいな系ですかね。 それならば、半古典近似という呪文を使わず、全体として整合的な定式化を構築せよ、というのが本質かと(見たことないけど)。
そのとおりですね
時間がなくてオリジナルのツリーまで記録できていないものの, 専門家のこういう話を見るのは楽しいですね.
『進化思考』における間違った進化理解の解説 ここで批判の対象になっている本の内容、 進化という言葉を使ってなにかいいこと言ってやろうという人間がやる間違いのカタログみたいになっているようだ。 ある意味で勉強に良い
生物, 高校レベルですら覚束ず, 勉強しようと思って幾星霜です.
大学で教え始めた頃は、この私といえども居眠りしている学生に腹が立っていたものである。しかしニュートンの学生時代について少し調べた中で、おそらく彼も居眠りしてケンブリッジで居眠りしていただろうという想像がついたので、以来全く腹が立たなくなった。なぜならその居眠りしている学生は(1/n) きっと夜中に微積分学及び力学を構築していたに違いないからである。私はこの話が好きなので、講義の中だるみの時期、「居眠りは全く問題がない。きっと21世紀の微積分学か力学を構築しているのだろうから」と口走ると、教室は緊迫する。もちろん学問でなくても良いから、若きニュートンのように(2/n) 大いに熱中したまえ、それで居眠りをするのは偉大なことである、とフォローするのだが、Z世代の諸君はこれを甚大なる圧力のように感じるようである。私は本心で言っているし、大学人は皆そう考えるべきだと思う。一体あなたは誰がニュートンなのかわかると思っているのか?と。私は自信がない。(3/n) 講義で居眠りする学生がいたらそれはニュートンかもしれないと思うべきだ。図書館に入り浸る変な人間がいたらそれはマルクスかもしれないと思うべきだ。謎にふざけあうおっさん二人組がいたら寒山拾得かもと思うべきだし、七歳の女の子が衆生を救う教えを説くことも当然ある。そういう意味で私は(4/n) 「信仰」を持っていると言っても良いだろう(カルトは無論断罪するが)。決して「立証」されえないことを信じるのが宗教であるならば、それは確かに宗教かもしれない:あなたは私やあなた自身が思うよりもさらにすごいかもしれない、と私は信じる。しかしそれこそが教育の要諦ではないか。(5/n,n=5)
はっきりとは名乗っていませんが, ツイートを追っていると自著を紹介したりしているので, この人が誰だかはわかります. 面白い人なのでTwitterをやっている人はツイート追いかけるといいでしょう.
最近改めて定理証明系にも興味が出てきたので, とりあえずメモしておきます.
単語の語源を調べると、そこに世界史が見えてきます。 例えば英語にvandalize「破壊する」という動詞がありますが、これは455年にローマを略奪したヴァンダル族(ラテン語でVandali)の名前が語源です。 また、スペインの「アンダルシア地方」の名前の元もこのヴァンダル族です。
このあたり「理系の語学」でやりたい話でもあります. 一つ一つ丁寧に彫り込んでいくと多言語・多文化に共通の要素が見えてくる, みたいな話はまさに数学や物理でもよく出てくる面白い話で, 言語学者も言語の中で同じことを面白がっています.
特に音に関して物理で決まる言語現象がいくつかあります. 人間の口の形や音の出し方で決まることは当然言語や文化を越えます. こういう話をするべく「理工系の総合語学」という標語のもと, 日々地道に勉強を進めています. アプリを作ってロシア語などの英語以外の言語を勉強している理由もこれです.
行列リー群・リー環入門の佳境に入りつつあります. 位相と代数の絡みという関数解析でも重要なテーマを改めて眺めていて, 群・多様体の世界で何がどうなるかを見ています. 関数解析ではあまり表に出てこない連結性まわりの話が面白いです. 例えば次のような定理の言明・証明をまとめました.
弧状連結成分は単なる部分集合でしかなく, 位相的特徴こそ持っていても代数的な制約は何もありません. しかし実際には正規部分群という極めて強い代数的制約が課されます.
関数解析, 特に作用素環, フォン・ノイマン環では, ある$C^$-環$\mathcal{M}$がフォン・ノイマン環である必要十分条件として, 「$\mathcal{M}$があるバナッハ空間の双対空間である」があります. 今では境の定理と呼ばれている基本定理で, 双対空間という代数的な性質が$C^$-環の位相に効いてくる事情を見せてくれます. 実際, フォン・ノイマンはリー群, 特に行列リー群の基礎づけに深く関わった人物でもあり, 作用素環版の議論にもその影響が色濃く残っています.
幾何・代数だけではなく解析学への影響もある言明なので, ぜひいろいろ調べて遊び倒してみてください.
現状このコーナーは線型代数の宣伝のようになっています. ぜひ積極的に日々の学習に取り入れてみてください.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
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