自己参照
式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
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「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.
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ではまたメールします.
土曜日で行列リー群・リー環の基礎の基礎くらいのところ, 終わると思ったら終わらなかったのですが, さすがに日曜には終わるでしょう. モース理論入門をリー群・リー環で最低限触ろうというネタも見つけて, それも調べつついろいろやりたいところですが, いったんリー群・リー環はいったん休止して物理モードに戻ろうかと思っています.
何故終わらなかったかというと先週宣言した物理の式のギャラリーを作っていたからです.
実物を見せないとイメージもわかないと思ったので.
Twitterに先週のメルマガの内容を放流したらQmQさんからリアクションが来たので, 継続的に一日一式くらい追加してやっていく予定です. 「こんな式を載せてほしい」というのがあればぜひ教えてください. TeXで式を作って送ってもらえるとなお嬉しいです.
物理モードに入ったので改めて量子力学の基本的な理論の部分や, 相対性理論を再勉強しています. 相対性理論の本を眺めていたら, 特に一般相対性理論で計量の符号の流儀に由来する曲率の表式の違いが問題になっているのを見かけました. 数学でも曲率の符号が問題になる場面はよくあり, 流儀ごとの計算結果は現代数学探険隊にまとめているのですが, これも改めてきちんとまとめようと思っています.
フーリエ変換も$2 \pi$をどこにどう置くか, 三パターンくらいありますし, これも現代数学探険隊にまとめています. 私が参照しやすくする目的も兼ねて公開しようと思っています.
私の勉強・参照の役に立つなら万人とは言わずとも役に立つ人は必ずいるはずで, そこを狙ってやっていきます.
疲れているときや昼食の休憩時など, ちょっとしたすき間時間はだらだらしがちなのですが, そういう時間に使うアプリとして非常に楽しみです.
率直に言ってとても困った質問が来たので改めて案内します. リー群・リー環に興味があるようで次のような質問が来ました.
何回かコメントをもらったことがある人で確か理工系出身の人だったとは思うのですが, どういう背景を持つのかあまりよくわかっていません. 以前簡単な自己紹介をもらった気もしますが, 何年も前なのでさすがに覚えていません. そんな中で「物理に必要な最低限」と言われてもどう答えればいいのか全くわかりません. 同じく, どんな教育を受けてきて何を勉強してきたのか, 背景や状況を教えてくれずに「わかりやすいのを教えて」ともよく言われるのですが, 私と同程度にゴリゴリに物理と数学をやってきている人もそういないでしょうし, 集合・位相・実数論の背景がない人に勧められる数学の本もほとんど知りません.
それで「数学と物理をやってきた人だと思って期待していたが残念だ」と言われたので, 理工系の素養があってそれなりにやってきている人間からここまでどうしようもない質問が来た上で, こんな返信をもらうのかとさすがにげんなりしました.
回答の負担になるのであえてあまりくどくどと書いていませんが, アンケートには「質問があるならせめてこのくらいは情報をつけてほしい」という項目を入れてあります. 真剣な質問で回答がほしいなら, どのくらいの数学・物理・プログラミングなど項目ごとに適切な情報をつけてください.
せっかくなので上記の質問に関してここにもコメントをつけておきます.
何をやりたいかに強く依存します. そして私の知る限りの学部から修士の物理での「最低限」の線で言えば, リー群・リー環の勉強は無駄なのでやめようと言います. 一般論を勉強するよりも都度出てくる計算を処理しきれる計算力を育てる方が汎用的で重要です. 最近の計算押しもまさにここにフォーカスしています.
私の「物理」に関しても補足でコメントします. 主に修士の頃にやっていた範囲ですが, 物理としては場の量子論の赤外発散の数理・基底状態の存在, 量子統計での平衡状態の存在です. リー群・リー環の議論は全く使いません. 勉強の段階ではローレンツ群・ポアンカレ群というリー群らしいリー群, 非可換なリー群は出てきましたが, リー群の一般論をまともに勉強しきったことはありません. いま再勉強している様子を伝えている通り, 本を一通り眺めたことはありますが当時も今も身についていません. 具体的にどのくらいの勉強をしたかについては, 新井朝雄先生の『フォック空間と量子場』を見てください. その範囲しか勉強できていません.
勉強の段階でさえ私のメインの対象は場の量子論では時空並進群$\mathbb{R}^d$, 量子統計では空間並進群として$\mathbb{Z}^d$です. 後者にいたっては形式的にはリー群ですがわざわざリー群とみなす方が大変です. 自由場のボース-アインシュタイン凝縮関係で$U(1)$も少し触ってはいるものの, リー群の議論がいるかと言われれば全く必要ありません.
「数理物理」と言ってもいろいろあります. 数学的には関数解析が専門で, それ相応の範囲を勉強してもいますが, 研究で一番大事なのは収束制御のための極限処理の腕力です. 直接の修士の専門だった作用素環でも, 一番大事なのは学部四年で既に勉強済みだったGNS構成定理です. まわりまわっていろいろ必要になることは多々あります. それでもまず最低限と言われたらこのくらいです.
物理で最低限必要な数学と言われたらもっと数学の知識は減りますし, 何より数学をやるより計算力をつけろと言いますし, それへの回答として計算力養成講座を運営しようとしているくらいです. 数学の勉強よりもぜひ計算力の涵養を最重視してください. 「数学」をやるより余程役に立ちます.
わかりやすいかどうかは微妙ですが, 小林・大島の『リー群と表現論』が読んでいて抜群に面白いです.
私を越える数学力があれば難なく読めるでしょう. 自分に必要な範囲の解析学しか修めていないので, 幾何と代数に関して私程度は越えていないと気楽には読めません. リー群とその表現には届かないものの, 平井武『線型代数と群の表現I・II』は集合・位相のようなゴリゴリの数学の知識なしで読めて楽しい本です.
私は私より数学ができない人でも読めるリー群・リー環の本を知りません. 知らなくて困っているからこそ多様体ベースのリー群ではなく, 行列リー群・リー環で愚直に計算を進めるタイプのコンテンツを整備しているくらいです.
持っているだけ持っていて読めていないのですが, 物理, 特に素粒子系で有名なところだとジョージアイの本があるようです.
レビューによると独学にはつらいようですが, 物理の大学院レベル, それも素粒子系の専門性があるなら物理数学的腕力でねじふせられるのかもしれません. そもそも最近はもっといい本が出ている可能性もあります.
この間プログラムを書いていたときの話です. 一日かけて解決できなかった問題がありました. 夜寝る前に「手を抜くからいけない, 一から動く部分を少しずつ積み上げて問題を一つずつ潰そう」と, 正攻法で挑み直したら翌日10分程度で解決できました. 基礎の重要性を噛み締めています. 急がば回れとは本当によく言ったものです.
上でも少し書きましたが, 物理でも数学でも計算力は基本中の基本です. 特に物理では数学の綺麗な一般論で片付けるよりも, 泥臭かろうが剛腕で押し切るのは非常に重要です. もっと言えば私の専門の数理物理がそうであるように, その時点の数学で処理しきれない問題があって数学に頼れないこともよくある以上, その場しのぎであろうとも計算力さえあればねじ伏せられるならそれを使うしかありません. 最近では「計算力」の中にプログラミングも含まれるようになってきています.
通信講座でも計算力が足りなくて困っている人がいました. それなりに面倒な近似とその計算も含め, やはり古典力学は物理に馴染む上で最初に取り組むべき分野です. 応用上カバーする分野も恐ろしい程に広く, まさしく一生かけても遊び切れないほどテーマも豊富です. 物理, またはもっと物理を勉強したい人も読者に多い中で, 数学の話ばかりしているのもよくないと思っていたところなので, これまで以上に物理での計算の意義の強調, そして計算力向上プロジェクトの推進を進めなければと思いを新たにしています.
というわけで物理と計算です. 他のいろいろな取り組みが楽しすぎて全く準備が進めていませんが, 次の短期集中講座は「量子力学のための線型代数, 特にその計算」です. 二次または三次の行列計算をがんばってやろうという企画で, 一般論の趣が強い話はほぼ扱いません. 量子力学に関わる話もほぼ直接的には出てきません. 計算力さえ身につけば量子力学の本も自力で読めると思うので, まずはそのための力を育てるのがいま私が一番できる貢献と思っているからでもあります.
もちろん三ヶ月でできる範囲には限度があるので, 堀田量子・谷村量子あたりに挑むための基礎計算力を身につけるための第一段です.
念のため書いておくと, 学部教養レベルの線型代数の一般論は絶対に必要です. 何をどうしても一般の有限な$N$次元は処理できないと困るからです. そして具体的な2-3次元と$N$次元の処理はやはり多少のギャップがあります. さらに言えば$N$次元の一般論が処理できたとしても, 2-3次元のハードな計算をこなす腕力・計算的体力があるかも別問題です. 極端に言えば一般論は純粋な数学の人に聞いたり教えてもらう形でも対応できますし, 物理についても物理の人に聞く手があります. しかし計算を詳しくカバーするのは骨が折れます. 大学の学部でも演習系の講義はよく必修として組み込まれています.
最近大人向け数学塾的なところも増えていますし, 個人指導も増えています. そんな中, 計算力涵養講座は必ずしもカバーされていない領域ではないかと思っています. 個人指導だといくらでも聞けるとは思いますが, 個人指導に高いお金を払おうというときに計算だけ面倒見てくれ, 計算練習だけしたいという要望もないでしょう. 大事な割に軽視されがちな部分をきちんと追いかけようと思っています.
プログラミングに関してCSSを含めたフロントエンドにここ一月集中して取り組んでいます. だいぶ慣れてきました. これまで直したいと思って放置してきたこのサイトのCSSも微修正しました. 慣れてしまえば大したことはなかったものの, そこに至るまでの精神的なハードルの高さは凄まじかったのです. この一月でそのハードルが著しく下がりました. 長期間継続すると言うと聞こえはいいですが, ダラダラと長い時間やっていても必ずしも望み通りの結果は産めません. 集中するべきときは資源を全集中してガツっとやった方がいいのも改めて実感しています.
もちろん数学や物理は一月程度でどうにかなるわけではありません. 正直プログラミングは本当に大したレベルではないので, プログラミングの初期学習時にゴリっと時間を取るのはかなりよさそうな感じがします.
先週少し紹介した式を眺めるアプリ事案, 文章だけではイメージが掴めるはずもないのでさっとWebアプリを作ってみました.
イメージが違うと思う人もいれば, もっとこうしてほしいというのもあるでしょうし, 式が少なくてつまらないという人もいるでしょう. 式が少なくてつまらないのはまさにいまの私の感想です. すき間時間を潰すにもせめて500本くらいはほしいです.
物理の有名な法則や式を載せればいいのでネタは豊富にありますが, 式を打つ時間がかかります. 載せる順番の問題もあります. 「この式を優先して載せてほしい」といった要望があればぜひ教えてください. 式をTeXで打ってもらえるとなお嬉しいです.
もちろんこれの数学版も作りたいですし, 物理で言うならもう少し一般向けの内容として, 物理学者名言集のようなものも作りたいです. 数学についてはいまある現代数学探険隊から定義・定理・命題・補題を切り出してズバンと数百レベルで作ろうと思っています. そのためのテキスト処理プログラムを作ろうと思って時間が取れていない状況です. これも早く何とかしたいです. これがあればすき間時間のリー群・リー環の復習・定着に取り組みやすくなるので, 何より私がほしいアプリです.
今回ずっと計算づくしですが, そのくらい大事だからです. 最近私もずっと計算していますし, 通信講座で他の人の様子も見たのでその辺からいくつかピックアップします.
計算が進められない理由はいくつかあります. まず一つ, 文章が読めていない場合があります. 「そんな馬鹿なことがあるか」と思うかもしれませんが, Twitterを見たり通信講座で質問を受けていると, 「それ, きちんと証明の中で『こうやる』と書いてあるのですが」というところで「わからない」と言っている人が本当にいます.
このやりとりをしたあと, きちんと本を見たらそう書いてある場合が本当にあります. 根気強く丁寧に文章を読むのも計算力のうちのようです.
もう一つ, 特に初学者によくあるのは定義が頭に入っていない事案です. もっと言えば定義が大事だとわかっていない状態です. 分野のはじめの方であればあるほど使えるのは定義しかないので, 「定義に沿って計算する」, 「定義にあてはめられるように計算する」しかできることがありません. その状態で「何を計算したらいいのかわからない」のは単純に定義の重要性がわかっていないからです.
これは文章が読めていないと言ってもいいのでしょう. 何と言えばいいのかわかりませんが, 「論理的に進めるスタイル」とでもいうのか, 少なくとも物理・数学の専門書の本の読み方がわかっていなさそうな状況もよくあるようです.
次の短期集中講座でも週に一回か二回は勉強会またはもくもく会の時間を作る予定ですが, そこで問題を見たときにまず真っ先に何に着目してどうすると考えるのか, ミニレクチャーをはさんだ方がいいのかもしれません.
以前も少し紹介した事案です. 特に機械学習なり何なりで線型代数や微分積分が必要というとき, 実際には中学, せめて高校くらいの段階からみっちりやる必要もあります. それをカバーする教育体制がどこにどのくらいあるのかという話.
高校数学または中学数学くらいからのいい感じのアプローチはずっと考えている部分でもあります. これは特に私が一番やりたい部分である中高生へのアプローチとして, 先々の面白い話をどう手早く, それもきちんと腹落ちする形で見せられるかにもつながるからです. 競プロがあってコミュニティもできているから, アルゴリズム系の計算, そして計算でがんばるタイプの微分積分・線型代数, さらにはそのお絵描きがいいのではないかと思っています. 以前, 実際に微分積分・線型代数はコンテンツを作りましたが改めて具体的に要望あるでしょうか. SymPyもそれなりのボリュームで扱っていますし, 微分方程式にも触れているので, 古典力学はもちろんのこと量子力学の行列計算でもそれなりに役立ちます.
実際, リー群・リー環の場合も含めて行列計算ではsympyやnumpyにお世話になっています. 私はできる場合には数式処理的な厳密な計算をしたいのでsympyが主な対象ではあるものの, 数値的にそれなりにできれば十分という人もいるでしょう. sympyをがんばるよりnumpyで数値的に処理する方が簡単な場合も多いですし, sympyの限界でそうするしかない場合もあります. これも実際に二次正方行列の極分解でsympyだと二重根号の処理ができず, はまり倒しつつ三日かけて手計算をがんばったことがあります. 二重根号で処理できること自体, 一日半かけてようやくわかったのです. numpyで数値的に解くだけなら一瞬で終わるのですが気にくわなかったので.
大分前のメモで共有できていなかった分です. いま改めてサイト・メルマガを整理していて書きかけを見つけたのでここで供養します.
今週の問題ネタでもあります. 特殊線型リー群$\mathrm{SL}(2,\mathbb{C})$は弧状連結なので任意の要素が指数写像の像の積で書けます. 一方, 具体的な$\mathrm{SL}(2,\mathbb{C})$の要素を分解してみせるのはなかなか大変です. そこでSymPyを使って探索したらあっという間に見つかりました. 二次であっても行列の計算は面倒でミスも多発します. 試行錯誤となると余計にやりたくなくなります. それをカバーしてくれるこんなに嬉しいモノがあるかと感銘を受けました.
何でもできるとは思えませんが, SymPyには行列の指数・対数もあります. まず適当な(簡単な)行列を積で分解しておき, 各因子の対数を取れば対応するリー環の要素がすぐに計算できます. これもまた便利で感銘を受けました. リー群・リー環の計算練習系コンテンツはもちろんのこと, 次の短期集中通信講座, 量子力学と線型代数ネタでももっと積極的に使った方がいい気持ちを新たにしました.
プログラムを書いて探索するのもぜひもっと使ってほしいですね.
科学哲学・自然哲学系の人です.
山本義隆先生は,Landau-Lifshitz 物理学小教程の『力学・場の理論』の解説で,「論理的に純化したときの力学原理としての「慣性の法則」は何かと言えば〔…〕慣性座標系の存在要請ということになる」(p. 419) と述べているが,私がこの主張に賛同できない理由の一つは,下記のスライドに書いた通り.
- 第一法則は第二法則の特殊ケース($F=0$の場合)であり, 余計ではないのか? -> そうではない.
- 第二法則だけでは, どういうときに「外力が加わった」と言えるのかが明らかではない.
- 第一法則は「外力が加わっていない自然な状態」がどういう状態なのかを基底しており, 第二法則はそれを前提としている
もう一つの理由は,そもそも座標系というのは人間の都合で設定されるもので,物理現象はそれとは独立なので,力学法則が座標系への言及を含むのは不適切だと思うから. 慣性の法則は,相対論における測地線原理(質量のある自由粒子はtimelikeな測地線上を運動する)の古典的時空における対応物だと思うので,その対応が明確になるような形で(座標系に言及しない形で)定式化するべきだと思う.
もう一つ当人の補足.
整理すると,第一法則は「外力が働いていない」状態がどのような状態なのかを規定しており,第二法則はそれを前提としている.したがって第一法則を慣性系の存在要請としなくても,第二法則の特殊ケースとはならない. 第二法則から「$F = 0$ のとき加速度$= 0$」が出てくるので,第一法則はその特殊ケースではないかと思われるかもしれないが,これは「$F = 0$のとき静止もしくは等速直線運動」と同じではない.例えばアリストテレスやガリレオにとって天体の一様円運動は「変化のない運動」,つまり加速のない運動だった. 気になるのは,アリストテレスにとって天球(エーテル)の一様円運動は「自然」な運動だから外力を必要としないと思うんだけど,同時に彼は天球を動かす「不動の動者」を考えていること.このあたりの整合性はどうやって取っているんだろう. SEPによると,アリストテレスの言う「自然な運動」は「外力を必要としない運動」というわけではないらしい.https://plato.stanford.edu/entries/aristo
これに対するコメントがいくつかあります.
非常に興味深いです。そのスライドに書かれていることはまさに「慣性座標系の存在要請」のように思えるのですが、どの点が違っているのでしょうか。
スライドに書いた慣性の法則は,座標系への言及を含んでいない(座標系とは関係なく成り立つ)ので,慣性系の存在要請とは違うと思います.ちょうど相対論における測地線原理(質量のある自由粒子はtimelikeな測地線上を運動する)が座標系への言及を含んでいないのと同様です.
そもそも山本先生は,慣性の法則が第二法則の特殊ケースになってしまうのを避けるために,それを慣性系の存在要請として解釈しているようですが,私はその議論の前提(慣性の法則を慣性系の存在要請として解釈しないと,第二法則の特殊ケースになってしまうという前提)が間違っているように思います.
では、第一法則を「静止あるいは等速直線運動をおこなっている物体には(トータルで)外力が働いていない」という意味での外力の定義とみなせば良いでしょうか
そうですね.外力の定義として考えるのは良いと思います.
他のコメントその二.
特殊な座標系(慣性系)においてのみ第二法則は成立し、第一法則はそのような系の存在を要請している。
よって、座標系に無関係に成立するという主張は支持しない。
「慣性の法則」の意義の話をする時にネーターの定理を持ち出さないのは違和感があります。山本義隆さんの言うように理論的にはユークリッドな慣性座標の存在から直ちに導かれるものです
あまり真面目に考えたことがない上に正確な状況設定も理解していないのですが, 慣性以前に座標系をいつどこでどう定義したことになっているのか把握できていません. 上の当人コメントでは「外力の定義として考えるのは良い」と言っていますが, 外力以前に単純な力の定義もどこでどう設定したことになっているのでしょうか.
上で「文章が読めていない」という話をしましたが, 特にこの辺の議論の前提に関わるところはこの前段で何をどう設定したかに強く依存しますし, いちかわけんとさんコメントもそこに関わる話でしょう. そこが明示されない状態での空中戦は本当に不毛です.
ずっと構想してたけど供養す
魔法は世界に対する API の query で、図形化のプログラミング言語を利用して現実化させるみたいなやつで
言語学や民俗学も絡めて、さらに異世界薬局とかの物理や化学に基づいた物質創成・操作とか
つまり文理工の科学的世界観で考えるファンタジーみたいな設定が欲しい
自分でやる気は起きませんがこれはすごい楽しそうです. ファンタジーを作る気はしないものの, アーカイブのトップに書いた「理工系の総合語学」のコンセプトはこれと強い関係があるとは思っています. とりあえずは語学・言語学・プログラミングに力を入れてやっていく所存.
今週は行列リー群の当面の締めとして, 単連結なリー群についていろいろまとめていました. 単連結という位相的特徴と代数の関連はもちろん自明に大事なのですが, もう一つ面白かったのは次の事実です.
理由は指数関数の行列式に対する有名な等式$\det e^A = e^{\mathrm{Tr} \, A}$です. これ自体は散々見て使ってきた等式でしたが, リー環の準同型を示唆すると思って見たことがなく自分の目の節穴ぶりを見せつけられました.
現状このコーナーは線型代数の宣伝のようになっています. ぜひ積極的に日々の学習に取り入れてみてください.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.