自己参照
式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.
「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.
メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.
ではまたメールします.
先週は体調不良でメルマガが出せなかったので今週は先週分のネタもあって大量です. 通信講座の案内もできず直前の一回だけになってしまいました.
何はともあれば, 数学版の定義・定理を眺めるアプリ, React;KaTeXでいい感じにレンダリングする方法の探索にけりがつきました. 最終的には既存のライブラリにプルリクしてマージしてもらいました.
大したことはしていない上に自分で実装しきれない点もあったものの, たぶんissueやドキュメントの修正ではない, プログラムを書いたプルリクとしては初でちょっと感慨深いです.
ようやく現代数学探険隊からのデータを抜く部分も終わりました. 数学版のアプリも第一段まであと少しです. 物理版のアプリの法則集も毎日少しずつ作業して116まで来ました.
これも地道に続けます.
「三ヶ月短期集中講座 量子力学のための線型代数とその計算の募集」も明日までです.
興味がある方は申込を忘れないようにしてください.
次の文献です.
もしあなたが量子力学・量子情報に興味があるなら, P.14からの6.1.6節の具体例には必ず目を通してください. 三つ例があり, それぞれ2x4=8, 2x3=6, 2x2=4次のモデルでノイズがある系の量子通信路の例を紹介しています. 量子情報よりも物理としての趣が強い例で, 最終的に大事な対象系の解析は二次正方行列の計算です. 二次正方行列の世界の懐の深さを改めて実感しました. この三つの計算だけでシュタインスプリング表現・クラウス表現の気分がかなり掴めます.
取り上げられている例は物理的にはレーザーの原理などにも関係しますし, 物理的な筋も非常によい例です.
このPDF自体は全体的に無限次元を含めた関数解析的な用語・議論がわかっていないと読めません. しかし上記の例は完全に有限次元の線型代数の知識だけでよく, 驚くほどに教育的なよい例です. この一年, 強調に強調してきた二次正方行列レベルの具体的な線型代数の計算の重要性もわかります.
今回の短期集中講座の範囲ではありませんが, 次回以降に必ず触れるべき内容でもあり, 今後の勉強の指針にもなる部分は同梱する方針なので配布コンテンツには既に取り込んであります. まだPDFの内容ほぼそのままで計算が雑ですが, 通信講座の対象になったら計算はもっと詳しくする予定です. 勉強してみたいという人がいて, 通信講座の勉強会で質問があればその時点で詳しい計算を載せようとも思っています. そのくらい簡単なわりに重要で面白い例です.
「完全不連結で孤立点のないコンパクト距離空間はカントール集合と同相」という事実、「とても有名でよく言及される」ものだったのか。。
僕も初めて知りましたw
今検索して出てきた文献なのでガッチリそのものが書いてあるわけではないと思いますが、https://google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjmvr-UkcT5AhVQmFYBHfa9D1QQFnoECAQQAQ&url=https%3A%2F%2Feprints.lib.hokudai.ac.jp%2Fdspace%2Fbitstream%2F2115%2F6077%2F1%2FETDS13.pdf&usg=AOvVaw3zJ3kkcIDECFMU30Xd-2cMには(記号)力学系とC*力学系の文脈で完全不連結なコンパクト距離化可能空間が出てきて、引用文献のレベルですがCantor集合への言及があります。 他にも大学院の頃ではありますが、千葉大の松井さん(作用素環の人)の講演など、力学系と作用素環界隈の講演でよく言及されていた記憶があります。私の知る限り記号力学系はそれなりに影響範囲があるため、割合有名な事実の可能性があります。
カントール集合は力学系理論やジェネラル・トポロジー周りの講演でしばしば登場しますが、上記の事実はその際によく耳にしました。 最近だと例えばこの本でも証明なしで言及されてました(なお、ちょくちょく違和感のある表現があります)。 https://www.amazon.co.jp/dp/4768705707
私が学部四年のときに読んだKadison-Ringroseの作用素環の有名な教科書には, 可換なフォン・ノイマン環と同型なコンパクトハウスドルフ空間上の連続関数環の性質として載っていた性質です. 他にはエルゴード性・エルゴード理論との関係で可分で完備距離づけ可能な位相空間としてのポーランド空間も作用素環でよく出てきます.
さらに森の未知さんのコメント.
完全不連結で孤立点のないコンパクト距離空間はカントール集合と同相という、とても有名でよく言及されるけど証明を見たことがない事実だけど、和書だとこの本に証明が書かれていますね。
距離空間のトポロジー: 幾何学的視点から (ひろがるトポロジー) | 川村 一宏 本書では,単体分割できるとは限らない距離空間のトポロジーを,位相空間論的というよりはむしろ幾何学的な側面に焦点を当てて研究する理論の一部を紹介する。 このような理論は一般位相幾何学の一分野「幾何学的トポロジー」をなしており, 複雑な構造をもつ距離空間を多面体の極限としてとらえ, 無限反復および極限操作を通じて調べることにその特徴がある。 様々な極限操作で得られる空間についての考察から始めて,
この本の証明だとnerve複体(本書では「脈複体」と翻訳)で証明しているけど、古典的事実の割に証明がナウい気がしている。 私がnerve複体を知らなすぎるせいだろうか。 なお、学部生向けの教科書に見えて特殊な位相空間や連続体にやたら詳しくて研究者でも読んでて面白いのがこちら。 ついでにいうと、「だから学部生には難しい」というわけでもないのがこの本の真にスゴいところだと思う。相対位相の説明などは見事なもの。
Feynmanの言う微積分とはいわゆるcalculusのことだと思いますが,Grothendieckが独力でルベーグ積分論を構築したエピソードは有名ですね。 https://ams.org/notices/200808/tx080800930p.pdf (Notice of AMS,独文の英訳)
どなたかのブログに私訳がありますね。 https://taro-nishino.blogspot.com/2019/03/blog-post033.html
どこで見かけたのか忘れてしまったものの, ゲルファントは中学の頃に独力で関数論を建設したエピソードがあります.
Q1. ドナルドソンの定理を砕けた表現でいうならばどんなものか?
A2. 4次元多様体の古典的な不変量(交叉形式)に,可微分構造由来の極めて強い制約が存在する
補足1:このようなタイプの定理の最初のものとしてRokhlinの定理があり、Donaldson以前から知られていました。 Donaldsonの定理はRokhlinの定理と比べると適用できる状況が多く(ただしDonaldsonの定理とRokhlinの定理は互いに独立の定理なので,あくまで主観的な基準), また理論物理由来のゲージ理論を用いて証明されたトポロジーにおける非自明な定理の最初の例なので,知名度が高いのだと思います。 尤も4次元業界ではRokhlinの定理も基本定理の一つです。
補足2:交叉形式は位相4次元多様体に対しても定義される不変量です。 Donaldsonの定理(やRokhlinの定理)が与える制約を破るような交叉形式を持つ位相4次元多様体の存在がFreedman理論から分かるので、 Donaldsonの定理(やRokhlinの定理)は4次元におけるトポロジカルな世界と滑らかな世界が全く違うということ意味します。
Q2. ある多様体の非同値な微分構造の数を求めるにはどういう手法が使われるのか
A2. 5次元以上においては手術理論が使われます。 これを一言で言うと、多様体の微分トポロジー的な問題を代数トポロジーに帰着させる手法です。 また多くの場合、分類したい多様体の接束の特性類が重要な情報を持ち、それが区別に使われます。 有名なMilnorのエキゾチック球面をdetectする議論がこの例です。 しかし多様体がある程度複雑だと、帰着させた先の代数トポロジーの問題が難しいものになり、可微分構造の正確な個数が分からないこともしばしばあります。 ただ、代数トポロジーの問題に帰着できた段階で微分トポロジーとしてはとりあえず原理的に解決した、という立場を取ることも多いです。
一方4次元では、可微分構造が完全に分類できている位相4次元多様体の例はまだ一つもありません。 可算無限個の可微分構造が入ることが分かることが多いのですが、発見されている可算無限個の系列で尽きているかを確認する手段がないのです。 またそもそも2つ以上の可微分構造が入るか分からない4次元多様体も沢山あります。 とりあえず互いに異なる微分構造が存在することを示すのには、典型的にはゲージ理論から来る不変量(Donaldson不変量、Seiberg-Witten不変量)が使われます。
接束が思った以上に重要なようでびっくりしました.
リープ先生の卒寿を祝う国際会議での講演が予想以上に好評だったので戻ってから動画を作りました。「捻り演算子」だけを使って様々な定理を初等的に証明しまくるという内容で、量子スピン系を知っていれば面白いと思います。英語ですが(編集したので)字幕がちゃんと出ます。 YouTube
Lieb, もう90なのかと衝撃です.
数値計算のプログラムを書くときは「抽象的な数式を具体的な計算処理として書き下す作業」が必ず発生するので,適切なお手本さえあれば高い学習効果が得られる気がします. そんなわけで,電磁気学の難関(?)である「ベクトル解析」をプログラムを書きながら具体例で学べるように準備しています.
そういった意味では「ディジタル信号処理」はプログラミングと不可分なので,個人的にはかなり学びやすい分野だと思います.
とはいえ「回路は作れるがディジタル信号処理は一切ダメ」みたいな技術者の話もよく聞くので,良いお手本(教材)がないと「難しい数学」みたいに見えるのかもしれません. 数値計算や信号処理は「他人が用意したサンプル・コードをとりあえず写経すれば自分のパソコン上でも結果が表示される」ので,学習の過程で成功体験を得やすい.これはゲーム等と同じ構造. 抽象的な数学でも「例題を解く」という成功体験が用意されているのに,なかなか気づかない人が多いですね.
「プログラミングで数学を 中高数学虎の穴」はこれと重なるコンセプトで作っています. 興味がある方はどうぞ.
いわゆる数学・物理・プログラミングのネタではありません.
うちの息子がとんでもないことやらかしてくれました😭 友達とスマホで通話しながら対戦ゲームしてて てっきりLINEの無料通話してるのかと思ったら相手はキッズ携帯で 普通に通話してて電話代が2ヶ月で28万円😭 しかも相手の子は親から言われてこちらからかけなおさせてた😭 もっと早く気づいていれば
最近の子供は生まれたときからスマホがあります. そして機器的な取り扱いには長けていても金銭的な感覚が育っているわけではありません. 特に凄まじく便利なツールさえ無料で使えるモノが大量にありますし, ゲームでさえ無料が基本になりつつあります. いまは広い意味でのお金の教育, IT教育はどこかしら何かしらでやらないといけないのでしょう.
いま某所で話していて思ったんですけど、高校の数学の授業相当のものがYouTube等で見れるものってないですかね。大学受験対策とかではなくて、その分野を全く勉強したことがない人が聞いてわかるレベルのもので、良質なものないですかね。 なぜこんなことを言っているかというと、大人になってから数学勉強し直したいという人で、「昔勉強したけど忘れた」という人以外に「全く履修したことがない」という人もいるんですよ。高校の卒業要件が数Ⅰまでなので、学校によっては数Ⅰしか履修してなくても高卒の肩書は得られるんですよね。 履修科目の問題だけではなく不登校等でほとんど授業出てないけど卒業する人もいるし、つまり数Ⅱ・数Bあたりを一切勉強せずに高校卒業したけど、その後やっぱり勉強したいって人に対してよいコンテンツないかなあと思いました。 もちろん無料であればいいなと思うんですが、現状では有料コンテンツでもほぼないという認識なので、無料・有料問わず、いいものがあったら教えてほしいです。 YouTubeで予備校講師の動画があるのは知ってるんですが、ああいうのは基本一度履修した人向けじゃないですか。
この件色々情報を頂いてますが、僕がざっとみてよさそうだと思うものを列挙しておきます。
もちろんこれ以外はすべてダメと言っているわけではなく、内容が確認できてそれなりにおすすめできそうなものということで3つ挙げました。また、ここでおすすめしたのも、もちろんざっと眺めた程度で全部見ているわけではないです。 ここでは動画に絞って紹介しましたけど、もちろん本で勉強する手もあって、その場合まずは検定教科書をおすすめしておきます。値段も安いし質も高いです。書籍だけのほうが理解が進む人、動画のほうがわかりやすいと感じる人、両方いると思うので。
コンテンツベースとしては上でも紹介した「プログラミングで数学を 中高数学虎の穴」, そして特に文系プログラマー向けにアルゴリズム系統からやるのはどうかというテスト目的で素数判定のコンテンツも作って以前紹介しました.
この辺もいい加減本格化させたいと思っていて, これもやはり既存コンテンツをもとにした通信講座や, またはアルゴリズム系と絡めて見繕った書籍を使った勉強会的な講座を作ろうと思っています. どういう感じの内容だったら参加したいか要望があればぜひ教えてください.
一応書いておくと, ふわっと中高数学全体みたいな感じにすると多分勉強していてつらいと思うので, 何かの目的に特化して一つのストーリーを紡ぐ感じで勉強した方がよいと思います. 興味があって継続して勉強していれば数学力も上がるので, 必ずしも興味がなかったところを勉強するときにも格段に勉強しやすくなるはずです.
近藤誠先生は、昔はエビデンスの鬼でした。近藤誠先生の変節についての詳しい経緯は、こちらにまとめています。
知らない人は知らないと思いますが, 近藤誠氏は「がんもどき」などの話でがんに関する偽医療事案で悪名が高い人です. 先日亡くなったので話題になった, という文脈があります.
さる事情があって, 講義録をまとめ直してアップしました: [「ヤング図形の組合せ論講義」]https://bit.ly/3ArsZFt({target=_blank})
メモ&シェアです.
このNon-metrisable Manifoldsという本、パラコンパクトでなかったりHausdorffでなかったりする連結位相多様体について考えるという異常な内容でおもしろい。long lineには2のaleph-one乗個の異なる微分構造が入るらしい。
実数全体を2つ用意してそれぞれの負の実数の部分を同一視してできるYみたいな多様体はHausdorffでないけど、こういう枝分かれを単なるグラフではなく多様体として表現できるため量子力学の多世界解釈における時空のモデルとして使われるかもしれないとか書いてある。 「異なる」というのは単に異なるという意味でも、互いに微分同相でないという意味でもあるらしい。濃度はちょうど2のaleph-one乗であるとのこと。
上でドナルドソン理論の話も紹介しています. 距離化可能ではないため, 多様体論でよく仮定される第二可算性もなく, パラコンパクト性さえ破壞される世界です. 多様体だからといって位相多様体のレベルではいくらでも凄まじい例があって楽しそうです.
いくつか質問を整理します
1) 初等函数の積分がいつ初等函数か? リッシュのアルゴリズムです。一松さんや佐々木さんの解説がわかりやすいでしょう。
2) 初等函数の積分を全部含む函数族はあるか? Liouville拡大体を考えることになります.
リッシュの方法で、原理的にはどんな初等函数に対しても不定積分が初等函数になることを判明できますが、速いアルゴリズムを考える計算代数の問題になります。 Liouville拡大は、微分ガロア理論的には拡大群がCの加法群と見なせますが、そう見てもあまり良いことは少ないです。wiki参照。
ありがとうございます!とても助かります。もうひとつ質問なのですが、もしかしてこのリウヴィル拡大体というのは具体的にいくつかの特殊関数を導入すればいいものなのか、代数方程式の解のように具体的には書けないものもあるのか、どうなんでしょうか。
不定積分ですので、e^(-x^2)でしたら誤差函数を導入すればいいわけです。ただ、初等函数と言っても合成函数を作ればいくらでも複雑になりますので、不定積分は必ずしも知られている特殊函数にはなりません。その意味では、代数方程式の解のような感じです。
特殊関数に関わる疑問を呟いている人がRTでまわってきたので, Paulをつないだ話で, 微分ガロア理論的な話です.
/ わかったつもりなのに演習問題が解けない、そういうあなたに役立つ1冊 \
『物理科学における数学的方法』上田晴彦/訳(プレアデス出版) 先生、数学の理論はわかりましたが問題を解くことができません。 いつの時代でも紙と鉛筆での手計算が身につく第一歩。書泉オンライン⇩ https://www.shosen.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=5003144
内容はよくも悪くも20世紀の物理数学の趣があります. 大事なのは「先生、数学の理論はわかりましたが問題を解くことができません。」です. いくら数学それ自体を勉強したとしても物理の現場で計算できないとはじまりません. 大事なことなので何度でもくり返しますが, ここを鍛えるべく企画しているのが最近の計算力向上通信講座です. 今回の量子系のための線型代数は明日で締切なので興味のある方はぜひどうぞ.
(c)みたいな問題が高校の教科書には必要だと思ってる
2.3.12 次の練習を行って, 例2.3.2を完全に理解せよ.
(a) $\sqrt{3}$が有理数でないことを示せ. (b) $\sqrt{6}$が有理数でないことを示せ. (c) $\sqrt{49}$に対して同じ証明をしようとすると, その論証はどこで破綻するだろうか.
『エレガントな問題解決』という本で、日本では高校数学にあたる内容を題材に数学の問題に対する取り組み方などを中心に扱ってるとても面白い本です。 https://oreilly.co.jp//books/9784873
この「うまくいかない例」の調査という視点, 非常に重要です. 私のコンテンツにももっと盛り込みたいですね. とりあえず記録しておきます.
https://www.ma.ic.ac.uk/~jknichol/exotic-spheres.pdf これ読んでます。異種球面の作り方。面白いので共有
単純にメモ&シェアです.
博論!204ページ! 場の量子論、トポロジカル物性、トポロジカル量子計算っていうタイトルで基礎から書いてくれてるらしくて助かる。 個人的には圏論と場の量子論、TQFTのセクションが気になる。 https://arxiv.org/abs/2208.09707
物理としては物性の人間で, トポロジカル物性もずっと気になっています.
丁度多様体論的に見たLagrangeの未定乗数法をYouTubeの陰関数定理の続編としてやりたいと思っていて結局1年以上経つのですが、Submersionさんの記事を見つけました。こういう話あまり教科書に載っていない気がします。 メモ:Lagrange未定乗数法の多様体論的な見方 https://mathlog.info/articles/2376 #Mathlog
正直多様体論やってから解析力学とかでLagrange未定乗数法とか陰関数定理、逆写像定理あたりをみるとかなり見方が整理されて世界が変わる気がします。
先々に進んではじめて見える景色があるよという話です.
JAXA宇宙教育センターが出してる夏休みの宿題が面白そう!好きな天体を選んで、Pythonを使ってその星への軌道を自由に設計してパワポでまとめて提出せよとのこと。解説付きで高校数学物理が分かればできるらしい(ほんとに?) プロの解説を見るだけでも勉強になりそう。いざ。 https://edu.jaxa.jp/news/2022/j-0805-1.html
プログラム利用としてメモ&シェアします.
AIを利用し失われているテキスト部分を読み解く
http://u0u1.net/tFpw 2018年からプロジェクトがスタート 破損し一部しか解読できない粘土板を読み解く際、データベース化された他の破損粘土板から文章を引用し翻訳するシステムを構築中 完成すれば研究者らの強い助けに
これ自体は各種専門知識とプログラミング技能が必要なので首を突っ込めたものではありませんが, 言語学関係はいろいろ遊んでみたい話があります.
単語に限らず暗記にはイメージと結びつけて覚えるとよい場合があり, スマホの単語アプリには単語の意味を絵で表して選ばせるクイズがよくあります.
私がほしいのは理工系向け多言語学習アプリで, 見た限りの既存のコンテンツだとかゆいところに手が届かない感じがあります. アプリとして真面目に作ろうと思うと大変ですが, 機械学習で自動生成した画像には単語本来のイメージがある程度は載るはずで, 人間の単語学習に裏回し的に自動生成画像が使えないかと最近思っています. このあたりの研究もしないといけなくて時間がいくらあっても足りません.
ここ数日, Twitterでお絵描きAIの話題が盛り上がっていて, それにまつわる話です.
実際に仕事で少し使ったこともあったので, そのときに調べた・知った一般的な話をいくつか紹介します.
連続“果樹園荒らし”…犯人は「クマ」 モモも被害(2022年8月19日) - YouTube カメラが捉えたのは、体長2メートルほどのクマ。そばには、プラムの木が植えられていました。 今回、枝を折られたプラムの木。この木の向かい側に設置されたAIカメラに、クマの姿が映っていました。 17日午後9時ごろ、札幌市の果樹園でクマにプラムの木が折られ、実が食べられる被害がありました。少し離れた場所では、クマの足跡... こういう場面で登場する「AIカメラ」って、どういうところが「AI」なんですか?
https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-ai-camera/ 異常検知系の仕組みが入ったカメラではないでしょうか。判断法・基準は色々あるでしょうが、侵入者などの見慣れない対象を検知して報告まで上げてくれるシステム(のはず)です。
AIカメラとは?できることや活用事例・導入事例をご紹介 AIカメラは、AI(人工知能)を搭載したカメラのことです。AIカメラのディープラーニングを活用することで、従来 […]
レス、だんけです。「AI」との売り文句は本件の場合、どの程度信用していいものなんでしょう。というか、どのへんの機能を以て「AI」の呼称の根拠としているのか、「判断法・基準」はナ変に、ぢゃなくて奈辺にあるのかといったところが気になります。
AIの定義からして割と問題ですが、いわゆる機械学習的な手法による監視・巡回・点検システムはもうそれなりに一般的です。システムの作りの話で、ユーザーからは見えにくい・見えないものの、「AIによる」と言われたら機械学習なり統計的な手法で何かやっていると思って問題はないでしょう。 問題は監視・巡回・点検システムとして適切に動くかどうかで、ガワで何と呼ばれていようが適切に動くならそれでいいとは言えます。そしてAI(機械学習)システムは適切な設定のもとでの稼働なら十分に動くレベルであろうと思います。問題はそもそもこの「適切な設定」を作る難しさにあります。 例えばソーラーパネルが壊れているかどうかの異常検知問題があります。比較のために正常な画像と異常な画像をいくつか準備する必要があるのですが、正常はともかく異常な画像を準備するのが大変です。何を異常とすればいいかがまず難しいからです。 例えば鳥のふんが引っかかっていたら清掃が必要でアラートが欲しいですが、それを検知できるだけの画像の鮮明さが必要です。他には「点検画像の撮影時にパネルの上をたまたま鳥が飛んでいてその影を異常と判定した」といったケースもあります。 「パネルを置いていた場所の草が伸びてきてパネルを塞いでいる」といったタイプの、システム導入当初には起こらない、時間差で現れる異常もあります。こういうモグラ叩きが必要です。人間が目視で点検していれば「そういう異常」と判定できますが、それを適当な形にシステム化する必要があります。 良くも悪くも人間だと柔軟に対応できる部分を機械化・自動化しようと思うとこの手の判断基準の設定・更新が必要です。これが適切な設定を作り維持する難しさです。いわゆる条件分岐によるエキスパートシステムのAIが頓挫した理由の一端でもあります。 余計な話ですが動画を使うとなると鮮明さと動画容量と一定期間の保管を両立させるシステム上の難しさもあります。あっという間にGBレベルの容量になり、異常検知の解析自体にも時間がかかります。運用にはシステムと現場のプロの高いレベルの連携が必要です。困難は色々ありますがそれは別の話なので。
いたって素人臭い連想に過ぎないのだろうとは思うのですが、たとえば、 集合写真からも人物特定、議論を呼ぶ最新の顔認証技術 - YouTube https://youtube.com/watch?v=B6Fsyc_DgSY のようなものから想像すると、そのあたりはすでにコストの問題なのかもしれませんね。 集合写真からも人物特定、議論を呼ぶ最新の顔認証技術 「クリアビュー・AI」の顔認証技術は、世界で最も有名だが、プライバシーや個人情報、自由といった観点から、最も議論の的となっている。BBCのジェイムズ・クレイトン北米テクノロジー記者が、同社の共同創業者である ホアン・トン=ザット氏を取材した。BBCニュースサイトの記事はこちら。https://www.bbc.co...
高齢化の問題もあって発電所のような場所でも巡視点検のニーズが高まっているそうなのですが、発電所といえば原発さえ含むためいわゆるパブリッククラウドは使えず、サーバー管理などもセキュリティをガチガチに固めた内部にとどめざるを得ません。施設内のネットワーク設備もあれば、 人間が動く前提で作られた設備内の移動をロボットにやらせる(電線などの高所や僻地もあれば、下水など入り組んだ地下施設さえある)ためのインフラづくりなどもあって、コストの問題は凄まじい問題になります。 カメラは固定され、映像中から変化を検知し撮影を開始するといったレヴェルなら、そうとう安上がりに出来るということでしょうか。 そもそも誰がどういう場所でどう使うかという問題があります。https://securityhouse-network.net/blog/%E6%9E%9C%E6%A8%B9%E5%9C%92%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8B.html には果樹園だと電源が取りにくいといった話もあります。果樹園を例にするなら、むしろ対象に応じた最適な解決策の提案の方が重要なように思います。鳥獣対策ならむしろ侵入させない方にコストをかけたいはずなので
クマが食い荒らしていたことをメインにした報道からは、おそらくはヒトを怪しんでカメラを据えたのだろうといえそうですよね。ヒトが対象だとすると、果樹園を狙った不届き者の身元を割り出すことが最優先のではないでしょうか。鳥獣対策は本件に関する限り、これからの課題ではないでしょうか。
話を拡散させすぎたのと、状況に応じて何をどうするのがベストかという視点にこだわりすぎたのが失敗だったと反省していますが、コストと実用という話でいうと、侵入者検知ではないものの、農業用環境管理IoTだと https://japan.cnet.com/article/35167509/ で「機器費用が2万4750円、システム利用料が月990円」
畑の異常を電話で知らせる低価格な農業IoT「てるちゃん」--KDDIウェブが提供開始 KDDIウェブコミュニケーションズは3月9日、センサーが圃場(畑)の温度・湿度・照度の異常を検知して農業生産者へ電話・メール・SMSで通知する農業IoT「てるちゃん」をリリースした。
といった話があります。ハウスの環境制御だと https://pr.nepon.co.jp/lp/mc01 いわく「地上部の統合制御が50万円から」、参考までに農機具一般として中古トラクターが https://ummkt.com/market/category/tractor/ くらいの値段帯です。最初の月990円はおそらく容量も少なく抑えられ、事前処理もしやすい数値データを素直に解析すればいいだけのはずなので月額990円、メールなどの通知系で必要に応じてもう少し課金というのは妥当な値段と思います。画像・映像解析は安ければ数千円から数万円レベルだろうと推測しています。農家の収益・コスト感覚は把握できていないのですが、
なるほど、それくらいのコストなら、農耕機など他のコストに加わることがあっても、さほど懐具合に厳しいということはなさそうですね。
今週の問題はメルマガのタイトルでもある例です.
これのP.14, 6.1.6節の三つの例を眺めてください. シュタインスプリング表現とクラウス表現それぞれのご利益もよくわかる上, 量子開放系・ノイズの議論と熱力学や統計力学での環境に対する感覚も深まります. 計算上では本質的に二次正方行列の世界であり, ありとあらゆるいい話が書いてある例です.
現状このコーナーは線型代数の宣伝のようになっています. ぜひ積極的に日々の学習に取り入れてみてください.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.