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ここ最近いまひとつ気分が乗らずメルマガが隔週になってしまっているものの, 数学・物理・プログラミング自体はのんびり進めています.
統計の勉強会で永井本のイジング部分を読んでいます. 微分方程式はあまりにもつらいものの, 何かしら物理に関わる数値計算はやりたいと思っていたところ, 改めて格子模型をいじっていたら「そうか, これもあるか」と今更ながらに気付きました. 格子模型の数値計算ネタや本がないか, 勉強会で読み終わったらちょっと永井さんに相談してみようと思っています.
あと最近よく触っていて, Juliaの統計パッケージのライブラリ読みも飽きてきたので, sympyのソースを読もうかとも思っています. プログラミングも改めて純粋に数学・物理に絡んでくるような方向が見えてきたので, とても楽しみです.
数学・物理に関しては通信講座関連で特殊相対性理論ノートがもう少しで雑に組み上がります. 一般相対性理論はいまひとつやる気が出ないので, 特殊相対性理論ノートができたらいったん熱力学ノートを作り, イジングでの統計力学ノートを作る方向に進もうと思っています. 上で書いたようにイジングは数値計算もセットで遊ぼうと思っていて, いまから楽しみでなりません.
これ講義聞いてみたいと思うでしょう.ところが実は動画が全部無料で公開してるんですが https://sites.google.com/view/lecture-algorithm/ なぜか誰も聞きにこない.
そしてネット上で入手できる壮大な文献リストまでついているのである https://sites.google.com/view/lecture-algorithm/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E6%96%87%E7%8C%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
計算物理関係の文献リストもあるのですが, いまひとつ何からどう読んでいけばいいかわかりません. よく知らないところに対して文献リストをボカンと出されても困るのを改めて実感しています. 今年に入ってからの通信講座・計算練習もこの反省というか実感に基づいて展開しています. よく知らない上に吟味する時間も取りにくい状況だとそれだけで困るので, とりあえずこれをかちっとやろうと出してくれると楽だろうと.
これ(機械学習のための関数解析入門)は名著です。関数解析ガチ勢は、著者が「何を狙ったか」たぶんすごくわかって感動するのでは。内容は易しいが、理念はあくまで高い!
ありがとうございます!『線型代数対話』もいずれは関数解析までいくつもりなのですがまだ道は遠いのです。関数解析の方にむしろ読んで(ニヤリとして)いただきたいのは『指数関数ものがたり』ですね(付録は圏論)。下記Grassmannianさんという方のレビューが詳しいです。
11,12章は著者の専門に若干寄せた発展的なトピックというところだろうか。Fourier変換からGelfand変換へと話を進め非可換確率論に触れ、超関数を定義し中心極限定理で幕が下りる。本当はここからさらにBrown運動の話をしようと思っていたらしい。続編に期待したいがそれは演習問題とされていた。 私は付録がとても面白いと思った。本文で位相の話ができなかったからということで、圏論的に集合、超準解析、距離空間を取り扱っている。
西郷さんは比較的専門が近いので前からかなり気になっています. 『指数関数ものがたり』も読みたいですがとにかく時間がないですね.
作用素環も学生の頃にノートをTeXで作ろうと思ったものの, あまりに時間がかかるので断念した記憶があります. 今から思えば時間がありあまっていた大学院の頃にこそやっておけばよかったと非常に後悔しています.
函数fについて、「任意のxについてf(x)は0以上」と「fの最小値(正確には下限)は0以上」は同値な主張ではあるが、学生視点だと前者の方が圧倒的に難易度が高い。それくらい(数学者以外の)人間にとって述語論理は難しくて分かりづらい。 現実に学生を指導する際には、「正確には最小値でなくて下限だけど、下限概念は難しい」とか「前者のように理解する方がより自然」とかあったりするわけですが、前者のような表現が学生の理解に負担をかけていること自体は意識したいと自戒。
この手の言い換えは受験数学のテクニックみたいに思われがちだけど、大学以降の数学でも実は大事で、リーマン積分の理論は過剰和と不足和を導入することで実質的にこの手の言い換えを駆使して記述を大幅に簡略化しているんですよね。 こういうものの見方は私も最近できるようになったもので、学生時代の理解力だと教科書や授業ノートの議論をフォローする(それもできたのか怪しい……)ので精一杯で全然ゆとりがなかった。 これぞ年の功である。
最近よく引用する森の未知さんのツイートです. 森の未知さんはかなり教育熱心で, かつツイートで知見を共有しているのでとても参考になります.
ちなみに上記引用の一番最初のところ, 実際にどちらの方がわかりやすい・わかりにくいというのはあるでしょうか? 私はむしろ前者の方がすっと入るくらいですが, それほどふつうではないと聞いてむしろびっくりしました.
実物を見てない人がわいわい言うのはアレかもしれないですが、これ多分名著なので皆さん買いましょう。 というのも、この手の本にはしてはとても珍しいことにself-containedらしいんですよね。
グリーン・タオの定理 |朝倉書店 「素数には任意の長さの等差数列が存在する」ことを示したグリーン・タオの定理を少ない前提知識で証明し,その先の展開を解説する。〔内容〕等間隔に並ぶ素数/セメレディの定理/グリーン・タオの定理/ガウス素数星座定理/他。
21世紀に発見された大定理を一冊の本でself-containedに証明全て説明すると普通はガチ専門家にしか読めない本になるわけですが、非専門家(と言いつつ学部レベルの数学はある程度知ってた方が良いかもしれないが)向けで証明全て説明するのはとても珍しいです。
これも森の未知さんツイートです.
ちなみに関さんはいわゆる素数大好き人間です. 私は学部が物理, 修士は解析学専攻だったのであまりこの手の人に実際にお目にかかる機会がなく, 関西すうがく徒のつどいではじめて話を聞いたときに「素数大好き人間, 本当にいたのか」と思った記憶があります.
いま通信講座もやっている量子力学関連でまた本が出ます. いわゆる「21世紀の量子力学」的な内容でピンと来る本にいまだに出会えていないのですが, Twitterでの様子を見る限り, 中平さんの議論のスタイルはかなり肌に合いそうなのでとても気になっています. Amazonでもうポチっておきました. 10/21発売だそうなので到着が楽しみです.
リーマン積分とゲージ積分で微分積分学の基本定理の主張と証明がどう違うのか比べると結構面白い。 リーマン積分だと証明に平均値の定理を使う関係で被積分函数の可積分性の仮定が必要だが、ゲージで区分だと単に微分の定義なので被積分函数の可積分性は仮定ではなく結論となる。
これまた森の未知さんツイートで, 私の中で微妙な盛り上がりを見ました.
ルベーグを一般化できている面もあるようで, 何年も前からそれなりに気になる話ではあります. 私がルベーグ積分を使う・使いたい場面は, $\mathbb{R}^n$を越えた一般の測度空間上の議論が大事な局面が多いので, どこまで「使える」のかが気になっています.
関数解析・関数空間論的な方向も重要で, クルツワイル-ヘンストック積分可能な関数の空間論がどこまで論じられているかも問題です. ここがよい性質を持ってくれていないと使いづらく, リーマン積分の一般化だけに集中されて関数空間論に踏み込んでもらえていないとさすがに食指が伸びないですが, そこまで調査する気力と時間がないです.
どなたかご存知の方がいればぜひ教えてください.
オープンアクセスになりました。無料でPDFをダウンロードできます。 ついに始まった小学校プログラミング教育 -その現状と課題-, 情報処理, Vol.61, No.8, Aug. 2020 http://id.nii.ac.jp/1001/00206050/
中高生向けの動きで何をするかずっと考えているので, 参考資料としてメモ+共有です.
題名は「ラテン語派生語表」だが、内実はラテン語由来の英単語を系統的に集め訳語を添えた解説書、ラテン語幹を記憶の鍵とし芋づる式に英単語を整理できる。ラテン語の英訳と和訳に用いた漢字とがなるべく意味の上で一致するよう配慮、相互関連が看取し易い。まさかの無料😳 http://bit.ly/3c8rIWs
ラテン語は学術用語として数学・物理に息づいています. そんなかたいことを言わずとも, アニメ・漫画・ゲームでもちょこちょこと出てきます. 文系人向けの「語学からの理工系入門」的な調査も進めているのでそれ用のメモ.
二十台半ば、既に人生は本番中だったと気づいた。その頃は、まだ人生の準備中で勉強したり経験を積んで力を蓄えているのだと思い込んでいた。でも、それでは何もできないで終わると気づいた。今も時々思い出さないと、勉強や成長の快楽に逃げてしまう。 だから、何かを勉強してできるようになったら挑戦するとか、自分自身にとって大事なことを先延ばしにしている人には、あなたの人生も本番が始まってますよと言ってあげたい。勉強が得意な人生を歩んできた人ほど、この事実に気づきにくい。 確かに何かの目標に向けて勉強が必要という場面はある。しかし、自分の場合は、本能的に勉強が好きだから、勉強するのは仕事をサボっていることが多いと自覚している。だから、がんばって勉強するという精神がわからない。むしろ、勉強を我慢することが大事だと思ったりする。 研究者になる人にとっても、勉強フェイズから研究のフェイズへの遷移は難しい課題だ。勉強すると、短時間でたくさんの知識を蓄積できるのに、研究をすると、ほんの少しの知識を生み出すのに、無駄に終わるかもしれない行動をたくさん取らないとならない。
上でもずっと書いているように, 勉強ばかりで中高生向けの活動を行動にうつしていないので非常に反省するツイートでした. 地元の政治家に何か進める手立てが打てないか, 改めて話を持ちかけたので少しずつでも何か動かしたいですね.
つい先程ノートを作っていたローレンツ変換の導出に絡めて一つ.
ローレンツ変換の導出には光速度の不変性と相対性原理を使うことになっています. しかし実際には座標変換を線型変換に制限するために空間の一様等方性も使っています. 改めてノートを作って線型変換に帰着する部分の理解の曖昧さに気付きました.
こんなところも線型代数です. 特殊相対性理論でも線型代数は重要です. 一般相対性理論・微分幾何でも局所理論は線型代数で, ベクトル束とその演算としても線型代数は酷使します. 一般相対性理論の入門段階でそこまでどぎつい微分幾何は必要ないものの, もしあなたが数学としての幾何に興味があるなら避けては通れない対象です.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
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