自己参照
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もう少しで量子力学と線型代数の三ヶ月間短期集中の通信講座が終わります. 先日の勉強会で受けた質問で, やはり行列と線型写像の区別に関する難しさを実感しました. 量子力学と線型代数もまだ最低限取り組んでほしい内容の残りがありますし, そもそも復習としてもう一度取り組む部分さえ需要があるとは思っています.
とりあえず量子力学をもとにした線型代数を続けますが, その先は自分の頭の整理も兼ねた熱力学もやりたいですし, 物理を考えずただただ数学する方向までいろいろ考えています.
数学ノート作りでは幾何ノート整備に向けて, 解析学編の位相空間論の整理もはじめました. 改めて見ると書きはじめた頃はまだノートを作っていなかった定義・定理も大量にあり, 並行してその参照もつけています. あとは箇条書きノートの見やすさが気に入ったため, 箇条書き化も進めています. 定義や定理の言明も箇条書きで整理した方が見やすいため, 必要に応じてそれらも整理し直しています.
やはりある程度幾何にけりをつけないと落ち着かないのがわかったため, 指数定理までの一通りのノート作りを今後二年の目標に置きました. やる気が出ないときに指数定理の本をパラパラと眺めていると, 解析学編でがんばって作ったノートの内容がゴリゴリと出てきます. 偏微分方程式はもちろんのこと, 閉作用素など作用素論も出てくる部分はテンションがあがります. 当たり前といえば当たり前であるものの, 執念深く整備してきたノートの内容はだいたい全て必要で, もちろんわかっていたことではあるものの, 案内ページに書いてきた内容の嘘偽りのなさを改めて実感しています.
最近ずっとこの話をしている気もしますが, 幾何のためのノート整備をしていて痛感しているため何度でも強調して書き続けます.
特に多様体のノートを書いていると, 一度はある程度勉強しているため本当に身が入りません. ノートの参照などもあるため, いま証明は抜きに定義と命題だけシコシコと追記しています.
何となく一回はやっているが身についていない内容があるのはもちろんですが, それ以上にそもそもまともに勉強したことはない内容もたくさんあります. しかしもっと面白い話がたくさんあるのを既に知っているため, そうした基本的な内容に取り組んでいるとうんざりしてきます. だからこそ今改めて幾何まわりの基本的な内容に関するノートをがんばって作っています.
熱力学のノート作りでは, 内容は学部二年レベルのド基本であるにも関わらず, 頭の再整理の視点で取り組めてものすごい楽しいのと対照的です. 一度徹底的にやった上で思い出しつつ理解を深める楽しさとは全然違います.
先の話を知ってしまうと基礎的な内容に取り組むのにうんざりしてしまいます. 自分基準でよいので, やはり早いうちに一度基礎を徹底的にやるのをお勧めしたいです. そう思うとやはり学部一年の必修で実数・集合・位相があったのは, 私にとって本当に決定的でした.
AtCoder ProblemsでMediumまで終わってから数ヶ月, しばらくAOJに取り組んでいましたが, 今年も残りわずかになってきてAtCoder Problemsの300題を終わらせたい機運が高まってきました. 残り56題で, これから一日二題取り組んでいったん年内に終わらせるのが目標です.
最近は10分考えてアルゴリズムを思いつかなければ解説を見て実装し, 30分経っても実装できなかったら他の人の提出コード, 特にHaskellコードを見て気に入った読みやすいコードをF#に引き写すようにしています. どうせ300題を一周した程度で身につくわけでもないので, ある程度問題量をこなすのが今の目標です.
AOJの基本的なデータ構造やアルゴリズムの対応も進めたいところですが, お気に入りのF#が使えないのが難点です. そんな中, 少し前に最近競技プログラミングの鉄則という本が出ました. 本の評判が非常に良いようですが, AtCoder対応しているいい話があります. せっかくなのでこれをF#/Haskellで取り組もうと思っています. これも150題程度あるらしく, 取り組みやすいところでF#が使えるのはAtCoderしか知らないため来年の楽しみです.
まだまだ量が圧倒的に足りていないため, これらをくり返して復習しつつ, 飽きないように新規コンテストで追加された問題などにも取り組んでアルゴリズム系の技能を鍛えようと思っています. 数学・物理系のプログラミングだと馬鹿みたいな計算量が必要ですし, 数値計算法もまさにアルゴリズムなので, この意味でも私にとって競プロは物理や数学です.
行列解析系のネタです.
【ポッキーの日問題】 ポッキー(数字の1)を並べて目指せ高得点!
※行列式の計算は計算機を使用しても構いません(リプにサンプルコードをつけておきます)
Z^{n×n}の行列式の上界に関する定理何かあったはずだけど思い出せない Hadamard's inequalityだ。 Wikipedia
私の現代数学探険隊解析学編にも収録していますが, 実はFeldmanらによるRenormalization Group and Fermionic Functional Integralsという本があり, この中にもアダマールの不等式が証明つきで載っています. 以前, この本の誤植を送ったことがあって, タイポのPDFに私の名前も載っています.
ツイートに行列式の計算に計算機を使っても構わないとあって, こうしたお遊びネタとプログラミングの話もあれば, 上限を決定する不等式とゴリゴリの数理物理の関係もあります. 最近こういうのが面白くて仕方ない感じになってきて, 学生時代とは大分違う視点が得られている実感があります.
ツイートで渡辺さんの何かの話が流れてきて, 改めてこの本が読みたいなと思ったため宣伝ついでのメモです. 先日も情報理論と物性の論文を紹介したように, 幾何も量子多体系・物性の関係が強くなってきて, いよいよ幾何で遊ぶのを本格化させたいと思って改めて幾何ノート整備に乗り出した部分があります. 幾何それ自体で遊び倒すのも兼ねていて必ずしも物理だけに比重があるわけでもありませんが, 日々遊びたいおもちゃがどんどん増えてきて楽しいことこの上ない日々を送っています.
これもちょっとした記録です.
佐古先生、可分なヒルベルト空間は有限次元でない限り全て非可算次元ですよ・・・。
可算個の正規直交系が存在しても非可算次元なんですか
はい、可算個からなる完全正規直交系が存在しても非可算次元です。これは例えばBaireの範疇定理から簡単に証明することができます。
文章で書くのは少し手間ですので、次のURLを見ていただけると幸いです・・・。https://planetmath.org/banachspacesofinfinitedimensiondonothaveacountablehamelbasis
なるほど分かりました 可分/非可分の区別を可分/非可算次元と勘違いしていたわけですね
Hilbert空間に対して次元というときは,特に断りが無ければCONSの濃度を指すことが多いと思います. 勿論,例えば線型空間としての次元と混同する恐れがあれば,Hilbert次元/Hamel次元のように呼び分けるのが妥当ですね. 以上は一般的な話です. 一方,Mathラブ娘さんの投稿については,かかる用語の選択そのものを取り上げられていると思います.これは概説全体で統一されているかどうかが問題の焦点になると思っていますので,引用されている画像からは判断しかねることを踏まえ,言及を差し控えます.
わたしはHilbert次元を単に次元というのはごく少数という認識です。特に、そういう言い方をしたいならHilbert次元/Hamel次元と言い分けるべきと考えています。が、この件については押し問答とならざるを得ないと思いますので、これ以上の議論は止めておきたいと思います。
そうですね,流儀の問題ですからね(蛇足ですが,個人的には言い分けるのも結構好きです).
これ大昔,大学の演習助手の就職試験で聞かれて間違えたことがありました.ヒルベルト次元と代数的な次元を全くごっちゃにしていて,へんな答えをしてしまったのですが,面接官の一人だった組み合わせ論で有名な Hanfried Lenz先生が,まあこれはいいとして,と次の質問に移ってくれ結果合格しました.
ちなみに物理バックグラウンドの人がヒルベルト次元を使う傾向があるのかはわかりませんが、試しに素論系の知人にインタビューしたところヒルベルト次元で答えました
物理学で使う数学のほとんどは,reverse mathematics で言うところの Big Five の弱い方の体系に落とし込めることがほとんどなので,集合論的な非可算がそこでは必要になっていないわけですが,これは,非可算性が hidden variable のようなものとして物理世界のどこかで本質的に機能していること↓ ↓ ↓ ↓の可能性を完全に否定しているわけでもないと思います. 少なくとも,数学世界では非可算性は,"hidden variable" 以上の役割を果たしているし,これをさらにどう考察するかが,数学の未来にかかっている,と個人的には思っています (人類の未来がないのに数学の未来があると言えるのかはちょっと疑問ですが).
まさに私はよくヒルベルト空間の次元をCONSの濃度の意味で使っているため, よい習慣ではないと反省しました. 齟齬が起きかねないのは間違いないため, 自分用のメモも兼ねてシェアします.
知っている人は知っているでしょうが, eigenはドイツ語でeigenvalueはドイツ語と英語のチャンポンです. ついでにいうとvalueはフランス語valeurに起源があり, さらにラテン語に起源がある変な合成語です. この文献によると量子力学の発展に伴って現れた用語で, 固有といってよく使われる英語properでproper valueというと他の言葉と紛らわしく, あえてeigenを使ったという話があるようです.
語学・言語学が好き・興味がある人がどのくらいいるかわかりませんが, ちょっとシェアしてみます.
行方先生の新刊本。ジュニア新書ですが、これまでの著作から考えるに、また、取り上げられている著者の名前から判断しても、大人でも十分やりごたえのある英文が出てくるのだろうと想像します URL: 読解力をきたえる英語名文30
こういうのは人文・社会科学系の人にはいいのかもしれませんが, 理工系の人間は必ずしも楽しくありません. 最近語学系の動きが全然できておらず情報収集さえ微妙です. 忘れてはいない・忘れてはいけないのと, 「こんなコンテンツが面白かった, 勉強法が楽しい」という読者コメント収集も兼ねてシェアしておきます.
理系女子、建築系や化学系に流れているだけでいないわけではない。工学系が少ないだけ。そして、工学系に女性が少ない理由はこの画像が全てを物語っている。安い床屋でスポーツ刈り、お母さんがしまむらで買ってきた服を着ている人が大半を占めている限り難しいでしょう。
例えばある看護学校が女性ばかりの点を議論してる際、「いる学生が化粧も服装もダメな醜く太った女ばかりだから。男は行かない」と言う人がいたとして、そんな感情は考慮に値しないどころか発言者が差別的と批判されるべきもの。この発言もそれと同水準の差別的暴言。 世の中には「黒人貧民街訛りの人間は受け付けない」「同性愛者は生理的にアウト」のような人もいるのだろうが、そのような心理は差別的発想に起因するもので、社会的には一切考慮すべきでないとされる。先のtweetのような露骨な差別的発想を表立って正当なものかのように語るのは論外。 こういう「恥ずべき感情」を抱いてしまう人がこっそりとその心理に従って選択をすることはあろうが、そうした差別的な侮蔑を当然のごとく語り、それに共感や賛同を送る人が多数いるという事実は、こうしてステレオタイプに語られた「理工系男子」への差別がいかに根深いかを図らずも明らかにしている。 理工系学部の女子率の低さはこうした心理が主要因ではないと思いたいが、少なくともここで語られたような心理の存在は、「理工系が不当な偏見と差別を受けている」がゆえに理工系の女子率が下がってしまうという、理工系が差別被害者である側面を明らかにしている。
最近またTwitterで『高専に進んだ女子が「こんな気持ち悪い男達ばかりの環境には耐えられない. 高専の内容には興味はあるが, もっとふつうの高校生ライフを送りたいと悩んでいた」』という伝言情報が流れてきました. 個人的には白血病で一年留年した上に吃音という言語障害まであるので, その「ふつうの高校生活とかいうのはありとあらゆる意味で何だ」という感じがあります. 一方で上記の世間的な理工系イメージと実態もそれ相応に知っています. よくも悪くも当たり前すぎて言われるまで気付いていませんでしたが, 確かにゴリゴリの差別と言えばそれはそうです.
私個人の話で言えば, 私はもういいおっさんですが, ファッションには全く興味がない一方, 変な格好をしているといろいろな意味でまずいため, 困り果てた最果てで十年くらい前から和装の方向に進んでいます. (おそらく)社交辞令ではなく似合うと言われることも多いので, 考えるのも面倒だから似合うらしいこれで行こうと決めました. ここ数年は普段着から作務衣にして, 一年中自宅でも(プライベートの)外出でも, 夏には夏用の, 冬には冬用の作務衣を着ています.
いわゆるチェックシャツ以外の理工系ファッションも何か考えた方がいいのだろうという気分があります. ワークマンのスーツという概念さえ出てきているので, ファッションに頭を使いたくない理工人向けファッションももっと提案した方がいいのではないかと最近思いはじめました.
ワールドミュージック界隈で話題騒然、世界中の民族音楽が聴ける慶應大Global Jukebox 、マジで直感的に操作できるのがすごく良い…。世界地図からも行けるし、動画後半のように円グラフ状に表示された地域一覧からも調べられます。 https://theglobaljukebox.org
最近面倒というか幾何ノート作りの方が楽しくて止めている物理学ギャラリーがあります. 現代数学探険隊や通信講座をはじめとして, 「こんなのがほしいが誰も作ってくれないので自分で作る」は私の大きなモチベーションなので, 「こんなサービスもあって喜ぶ人もいるのか」というのは参考になる場合があります.
正直このサービス自体にそこまで強い興味があるわけではないものの, 言葉にできない感じるモノがあったため, メモがてらシェアします.
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