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2023

2023-09-23

コリオリの力の実演

江沢先生の訃報

統計力学でのエルゴード性

魔法少女から: 超準解析的超関数論

佐藤超関数を含め既存の超関数論の超準解析的表現は色々と研究されている. https://doi.org/10.1016/S0019-3577(00)88579-1 https://doi.org/10.1007/978-3-211-49905-4_6

魔法少女から: 超準解析と完備性

超準解析、超実数体で完備性が崩壊するだけでも関数解析系市民には直感を育て直す必要があってかなり厳しい。

内的部分集合(内的論理式の解集合として書ける)に限れば完備性が成立しているというのがポイントになっている.有理数体の実閉包(代数的実数全体)rcl(Q)は完備ではないが,半代数的集合(多項式の連立不等式の解集合として書ける)に限ってみれば完備性が成立しているのと同様.

テレンス・タオも使っているLean

Nice, Terence Tao (Fields Medal 2006) found a bug in one of his papers using Lean 4.

Sourcegraph, ソースコード特化の検索エンジン

ソースコード特化の検索エンジン「Sourcegraph」、コードリーディングが10倍捗る

GithubやGitlabなどのpublicリポジトリを爆速で横断検索

定義元へのジャンプや関数などがどのファイル、どの部分で使われてるかなども見れる

勉強や実装方法などで迷った時にpublicリポジトリを参考にする時に超便利

数学科的な数学と、それ以外の数理科学者の平均的な数学の違い

元ツイート

数学科的な数学と、それ以外の数理科学者の平均的な数学の違いとして、よく証明の厳密性が言われると思うが、それに関係して概念の規定の厳密性があって、すると当然表記方法もかなり変わってくる

確率や確率過程に関わる表記方法の違いなどは、一つの良い例ではないかと。なんか、各々のシンボルの身分をあまりきちんと決めず、前後関係でボヤッとやってしまうのが数理科学者流 確率変数とその実現値を同じ記号で書いて心が痛むかどうか、など 確率変数とは事象の空間から確率変数の値域への関数だ、 と説明した時、 それは決定論的な関数なの?と聞かれて虚をつかれた 解析学全般も似たようなところがある。

非数学者の数学の証明が厳密性を欠く、といった時、「そうか、証明の途中のステップがたくさんとんでいるんだね」と思うかもしれないけど、実際には土台のところからずれてるわけです 厳密化で失われるものもまた結構あって、やっぱり過度に煩雑になりすぎる。 。。。のかもしれない。僕自身は学部時代はラフな数学が主軸でだったから。数学の本も読み込みはしたが、修士を出て確率過程の研究室に就職した時、学生時代の勉強では全然足らずに苦労した。 なお、「出発点があいまい」というのは「定義が十分細かくない」という意味ではないです。例えば微分可能性仮定してるのかしてないのかわからん、程度の曖昧さならそんなのは適当に補えば良いのであって。概念の階層のようなところが曖昧はわけです。 よく冗談で、数理科学者が積分や極限の順序交換しちゃってごめんね、みたいな冗談ツイートがあるけど、本当をいえばあれで困惑する数学者はあまりいないと思う。適切に条件を足せば良いだけだから(条件を確認してくることはあると思う)。 あと、収束しない級数を収束させてごめん、みたいなのもそれで戸惑う数学者は更に居ないと思う。むしろ定義の拡張は彼らの得意技

私のコメント

後のツイートにもきちんと言及があるが、概念が雑なところにきちんとした証明がつくわけがないみたいな部分があまり通じていなさそうな印象がある。あと簡単に厳密化できる部分とそうではない部分の感覚も多分だいぶ違う。

そう、それです。ツリーにも書いたけれども、自分は基本は数理科学者的な数学でベースを作っているので、「雑な」と言われるとちょっと嫌ではありますが。。。。

深谷賢治さんが何かの本で「厳密性を気にしている物理学者の講演はつまらなかった。そんなのは我々がやるから、あなたたちはあなたたちの視点で自由にやってほしい」と言っていて、興味関心が違うのに無理に合わせる必要はなかろうという気分です。

https://x.com/gejiqmq/status/1718283817730056237?s=46&t=cytbgQ_rsSixpyGQuSuvRw この土台から違う事案、次のやり取りが意識の違いを表す様子を示す一つの例になっているのではないかという霊感がある。 URL

的確にコメントできなくて申し訳ないのですが、数学的に言えば正準不変量・正準不変式に関して定式化される対象である以上、何を根拠にしてラグランジュ括弧が正準不変量か保証する議論全体を精査しないと的確な仮定は洗い出せないのではないかと思います。

この収束に関する話はむしろ数学以外が困惑する部分で「収束させるために適切な位相を頑張って定義して関連する定理・理論を整備しました」と言われて出てくる数学に面食らう人の方がはるかに多いのではなかろうか。シュワルツ超関数くらいなら捌ける人はいるだろうが、 かなりの代数が必要になる佐藤超関数の議論を追うのは解析系の数学者でさえかなり際どいと思う。もう少し関数解析的なネットの収束でも特にサブネットの収束は部分列の収束よりもはるかに嫌な現象を引き起こすため、私はいまだに感覚が掴めていない。

簡単に厳密化できる部分とそうではない部分に関して、例えば近似が絡むと一気に修羅度が増す。例えば相対論的場の理論だとHaagの定理によって共変的な摂動論が破綻していて、数学的には現状大体何も解決できていないと思う。基底状態の存在さえ激烈に非自明だろう。 量子統計でも平衡状態の存在を示すだけでとんでもない大仕事で、何かするならLiebレベルの化け物を連れてこい事案になってしまうはず。

おかしさに気付く方法

物理の人が物理的なおかしさで計算間違いに気づくように、数学の人も数学的なおかしさで計算間違いに気づくんだよなぁ…

メモ

取扱注意!高校数学を大学数学で解く「チート解法」

続きはFANBOXで!じゃなくて… ここだけの話ですが、出版社の方に依頼され、こういう解法をまとめて本を書きました! 他の応用例やより詳しい解説はこちらの本をご覧ください。 来年2月20日発売予定で、まだ表紙も未定ですが、既にこちらから事前予約できます。 https://7net.omni7.jp/detail/1107463537

2023-12-18 これは嬉しい ChatGPTプロンプト書き方のコツ、OpenAIが公開

4年間、7色だけでUIをデザインし続けた話

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『微笑みの爆弾』、それからのこと。歌手・馬渡松子が初めて語る『幽遊白書』の前と後

模写でプロ級の制作スキルを身につけよう!:mosya.dev

自閉スペクトラムの世界

今朝の新聞に掲載されていた中学3年生の自閉スペクトラム症の男の子が書いた作文 こんなにわかりやすく自閉症の人の心理状態を言語化できるのはすごい! 自閉症が正しく理解される世の中になればいいなと思う

第73回全国小・中学校 作文コンクール 文部科学大臣賞

私は重度自閉症である。いつも叫び出したい衝動を感じている。でも叫ばない。叫んではいけないと学んだからだ。この作文で私から見える世界を、みんなに共有したい。

小学校は支援級に在籍していたが、現在は中高一貫で少人数制の私立中学に通っている。4歳の時に注意欠陥多動優勢の自閉症スペクトラムと診断を受けた。小学6年生の時に身長が止まり、成長ホルモンを毎日注射している。身長は146センチで、15歳男子平均より20センチ以上低い。

家族とファミリーレストランに行くと、店員が「子供椅子はいりますか」と笑顔で聞く。耐える私に、今度はキッズメニューを差し出してくる。見た目で判断しないでください。そう伝えたいけれど、見た目で子供なのだから、店員を責められない。やりどころの無い怒りを抱えて私は黙る。

私は授業中によそ見をしてしまう。宿題のお知らせを聞き逃し、やってこない。不真面目で意欲を持っていないと評価される。悲しい出来事で、何度も泣いた。

真面目に授業を受ける気持ちで座っているが、教室はその気持ちを阻む様々な情報であふれている。クラスメイトの動きやきぬ擦れの音がとても不快な音でジャリジャリと聞こえる。ノートの上を動くシャープペンシルの音は不協和音で合奏している。エアコンの音がごおごおと鳴り、隣の教室からも似た物音が聞こえてくる。等々きりが無い。

私はいつも叫び出してしまいそうで、疲れ果てている。先生の声は、200メートル先の、遠くのトンネルの向こうから聞こえる感じで、なかなか拾えない。

自閉症なのによく喋(しゃべ)ることが出来るね、と言われる事がある。私は人と関わるのが大好きであるし、お喋りも好んでする。だがコミュニケーションがしっかりとれているわけではないようだ。私を母はたまにラジオと呼ぶ。一方的に喋って満足してしまうからだ。

人の気持ちを読み取るアンテナが通常なら5本立っているならば、私は1本しか立っていないからだ。私は自分の気持ちも分からない。心を自分に感じない。だけど、相手を泣かせた時は、私の目から涙が出てくる。悲しい気持ちだと教わるけれど、なかなかつかむことが出来ないでいる。

自閉症の子供が産まれて、悲しむ家族もいるだろう。でも私達(たち)は学ぶし、成長する。人の気持ちが分かりにくいけれど、人が嫌いではない。小学校では床で寝転んでいたが、今は椅子に座り、必死に勉強している。

私達にはみんなと同じだけの未来があり、期待を持っている。私が間違った時は、あきらめないで教えて欲しい。私もこの困難な世界に向き合い、痛みを知っているぶんだけ、弱さを持っているぶんだけ、他の誰かに優しくなれる大人になりたいと考えている。

「首を斬る快感」を語るおやじが許せなくて 武田鉄矢さんと父の物語

stratificationは滑層分割

ホイットニー stratification を初めて知る. ところで stratification の日本語訳って何? 階層化?

特異点論の人たちは滑層分割と訳すことが多い気がします

「最悪」のLGBT理解増進法看護学者が語るそれでも見る希望とは

はてな匿名ダイアリー: ほぼ叔父に育てられた

父親はモラハラで母に興味が無く気まぐれに私を殴り

母親はアル中で不倫中毒で家事一切しない

共働きで父母どちらも炊事洗濯掃除全くしない

そんな家庭で育った

乳幼児の頃から本当に叔父に助けられて育った

叔父は母の年離れた弟で叔父が大学生の時に私が生まれた

私が生まれたばかりの頃から母の子育てを危ぶんだ叔父は私の世話をかって出た(らしい)

それから小学校に入学するまで母の実家で祖父母と叔父と暮らしていた

高齢者のパート賃金と大学生だった叔父のバイト代、叔父が就職したら新卒の給料が頼りだったので裕福とは言えない暮らしだったが穏やかだった

小学校入学とともに父母に引き取られた

地獄だった

叔父は土日に遊びに連れ出してくれたり母の実家にお泊まりさせてくれたりした

母はなぜか実家にあまり来ないので叔父と祖父母といられて懐かしいごはんが食べられて嬉しかった

10代になると自分の家庭が明らかにおかしいことがわかって心が荒んだ

それでもぐれたり非行に走ったりしなかった

叔父が仕事帰りに勉強を教えに来てくれていたのが大きいかもしれない

素直に勉強しようと思えたし勉強して進学するのがこの家を離れられる手段だと言葉ではなく感覚でわからせてくれた気がする

両親に学校や部活関連のお金を払ってもらえない

それどころか光熱費も滞納で家が機能しない

叔父は全部渋らず出してくれた

嫁に行った姉の家に金を出すなんておかしいと中学生でもわかる

すごく申し訳無かった

叔父はこんなことのためにお金を貯めてきたんじゃないだろうに

叔父がずっと独身なのは私のせいだと思った

金銭も勉学面も叔父に支えられ大学に進学した

上京して一人暮らしすることになり父母とは縁を切った

祖父母と叔父とは連絡を取り続けるつもりだったがちゃんと自立し叔父を解放してあげたいと思った

私が大学合格する頃に叔父は結婚した

叔母となった人は叔父よりも若いが私の状況も理解してくれて打ち解けてくれて本当に良い人で私も大好きだ

私が生まれた時の叔父の年齢と同じ年齢になった

叔父の子が生まれた

私のいとこにあたる

祖父母と叔父以外親戚づきあいもなかったので初めて身内に小さい子ができた

子守りをしに頻繁に叔父宅へ行くようになった

かわいい

ものすごくかわいい

何をしていてもかわいい

寝ていてもかわいい

泣くのもかわいい

寝返りもかわいい

はいずりまわるのもかわいい

つかまり立ちもかわいい

不安定に歩くのもかわいい

だんだん言葉を覚えるのもかわいい

名前を呼んでくれるのもかわいい

本やおもちゃを欲しがるのもかわいい

おいしいと思ったものを必死に食べてるのもかわいい

覚えたてのひらがなで私の名前を書いてくれるのもかわいい

かわいすぎてなんでもしてあげたい

色んなものを買い与えて叔父に怒られた

社会人になったし一人暮らしもちゃんとこなしているのでこれくらいいいじゃないと思う

いとこをかわいいと思うたびに泣けてくる

叔父は感情表現があまり無く強く怒りもしないが大きく喜んだり幼少期でも私を判りやすくかわいがったりしなかった

なので私は叔父は同情と義務感から私の面倒を見ているんだと思っていた

叔父の人生に私は邪魔だと思っていた

もしかして私はものすごく愛されていたのではないだろうか

幼い頃に見たビデオを思い出す

赤ん坊の私が寝転がってごきげんに風に吹かれているだけの5分間の映像

寝返りをするわけでもない

ただ時折笑い声をあげるだけの赤ん坊

それに合わせてカメラを構えているであろう叔父が小さく笑う声がする

ただそこにいるだけのいとこがかわいくてスマホのカメラを起動するたびにあのなんでもないビデオの映像を思い出す

この子が生きる過程で父母以外の拠り所を求めるなら私がそうでありたい

それが私にできる1番の叔父孝行な気がしている

【惜別】江沢洋さん / 理論物理学者・学習院大名誉教授:朝日新聞デジタル

内村直之さん @Historyoflife による江沢洋先生の追悼記事です。(有料記事ですが11月26日 21:26まで誰でも読めます。「プレゼント」というやつですね。初めて使った。) 細かい補足ですが、Ezawa-Sweica は(公理的な場の理論の枠組みでの)南部・ゴールドストン定理の証明であり、対称性の自発的破れの証明ではありません。 もっと細かい補足ですが、写真の右の方でマイク持ってる態度悪そうな奴は、みなさんご存知かもしれません。

小学5年生、生成AIを活用したボタン会話アプリを開発

ちゃんと使える生成AI。

公開から約1年経った生成AI、ChatGPT。その受け答えの賢さに多くの人が衝撃を受けて爆発的に広がりましたが、素のチャットとして日常的に使う人はそんなに多くはなく、ユーザーが減ってるなんて話もありました。

でも、これならたしかに使えそう!と希望が広がるアプリを見つけましたのでご紹介しますね。

それが、場面緘黙(かんもく)症(特定の状況で声を出して会話ができなくなる)の当事者である上田蒼大氏が開発したアプリ「Be Free」です。

上田氏は人前での会話全般ができないので、普段から筆談やジェスチャーで会話をしていましたが、時間がかかったり、細かいニュアンスが伝わりにくかったりするのが悩みでした。そんなとき、自分の言いたいことをパッと言葉にしてくれそうなChatGPTの存在を知って、すぐにアプリ化を思い立ったそうです。

実家の犬に 弔事

実家の犬が昨日亡くなったそうだ。東京からは帰省も出来ず、会えなかった。

我が家には過ぎるくらいのいい犬だった。

犬との思い出を書こうと思ったが、そんなことをしていたら辞書くらいの分量がいる。

どうしてもなにか書きとめておきたいkら、誰に聞かせるわけでもないけれど弔辞だけ書いた。

犬よ

おれが10歳のときに拾ってきた犬よ

バイパスの高架の下に捨てられていて

みかんの箱で連れて帰って

獣医さんにもに連れていって

うちの軒下に住むことになった

6月6日の小さな犬よ

おれが散歩に連れて行った犬よ

昔はなんでもちょっかい出して

よせばいいのにマムシをいじめて

鼻面がビビるくらいに腫れていて

獣医とておまえが悪いと言っていた

夏の散歩が大好きな犬よ

おれの家出についてきた犬よ

おまえはおそらく散歩のつもりで

おれは二度とは帰らぬつもりで

あくる日は隣の町で見つかって

おれたちは泣きながら帰った

冬のある日のあたたかい犬よ

おれと彼女をつないでくれた犬よ

おまえのためのドッグランで

おまえは完全に犬見知りをして

その姿をみてあの人は笑って

おれと彼女は知り合った

ついに一度も走らなかった犬よ

おれに似ずかしこくなった犬よ

おまえは見事な番犬で

無駄には吠えずに仕事をこなし

病気のひとつもせずに育って

上京するとき見送ってくれた

頼れる男の背中の犬よ

犬よ

おれはおまえの最期を知らない

16歳でもかくしゃくと歩き

脚が弱ろうともトイレは間違えぬ

たいした犬だと母から聞くのみだ

死んだと聞いて言葉もなかった

犬よ

おれは悲しい

おまえの死に目に会えなかったこと

共に悲しむ彼女はもういないこと

仕事はうまくいっていないこと

上京したのを後悔していること

犬よ

おれはもう少しがんばることにした

それを喜ぶものがいるかはわからぬ

それでもいつか高架の下で

おまえのような犬を見つけたとき

家族にできるくらいの働きはしたい

ロク

ありがとう

対象に対する知識の有無で受け取り方が変わる例

Zenn book: つくりながら学ぶ!AIアプリ開発入門 - LangChain & Streamlit による ChatGPT API 徹底活用

Generative AI for Everyone

生成AIに興味のある全ての方にお勧めしたいのが、スタンフォード大学Andrew先生の「Generative AI for Everyone」です📺↓。ビジネスマンや非エンジニア向けの入門クラスで、英語ネイティブなら6時間で修了できる分量。講義内容を一通りを見たけどMOOCの入門としても超オススメです。しかも、無料👏。

『インド人の謎』

「インド人の謎」(著:拓徹、星海社新書) 未知の版元とキワモノ風の書名で敬遠してたんだけど、読んでみたら良書だった。特に前半、ヒンドゥー教の成り立ち、カースト制の辿ってきた道のりをコンパクトに解説した部分は、初心者に是非ともお勧めしたい。ネットでトンデモを浴びる前に読んでほしい。

せっかくなので私からもレビューを(`・ω・´) だいぶ前に読んでとても好ましく感じる部分とちょびっとだけ気になった部分があった本です。

いい本だなと思ったのは、初めてインド旅行した人が感じるような疑問(冒頭がトイレ問題🚽)を丁寧に説明してくれているところで、在印歴が長い人だからかありがちなぶっ飛んだインドになっていない。インド興味があるけどまだ行ったことない…くらいの人に特におすすめです。とても読みやすいよ~ 戦争で大変なことになってますが「なぜイスラエル人旅行者がインドには多いのか」という章があって、だいぶ面白かった。北の人だな~。特に貧困問題やそれに対するNGO活動の説明が詳しめで、これは大変によかった。オブラートに包んでいるけど実際に経験しないと書けないことだと思う。 でも現代カシュミールの問題とかは、専門ということなのでもうちょっと詳しく見たかったな。廣瀬さんのキルド・イン・ヴァレイを知ってるからね。インド国内の紛争の問題は専門家の書いた文章(と忌憚のない意見)をもっと読みたいといつも思っている。

インド過去編(宗教と神さま)で他の一般書と違って面白いと思ったのは、「超訳インドの宗教思想」で細かい話はなし(ブラフマンちょっと間違ってるの気になるけど)というのを理解した上で、瞑想や梵我一如を取り上げた後それを直にバクティに結びつけていたこと。うおおまじかよと思った。 「宗教」と題しているので哲学視点ではないとしても、アートマン=ブラフマン思想からバクティというのは古代中世インドの極めて限られた視点で、一方でそれはヴィシュヌ教の歴史と切っても切れない関係にある。宗教的アプローチは他にもたくさんあるからね… 「二人の思想家」としてシャンカラとラーマーヌジャ(!!)が挙がっていることから明らかなように、これはインド思想を満遍なくやった人なら絶対やらない挙げ方で、作者の人も後に述懐してますがこれは一般の、それもヴィシュヌ教信仰者の目線から過去のインドを十把一絡げにした見方です。

ひとつ明らかなミスがある。シャンカラは「最高神信仰から遠ざかった」人ではない。彼こそがそれまでの正統派の宗教哲学にヴィシュヌ信仰を持ち込んでその後の歴史を変えてしまった戦犯です。 シャンカラとラーマーヌジャの思想的立場は確かに違っているけど、違いは有神論への傾倒の差などではない。 二人ともがっつりヴィシュヌ信仰です。シャンカラの前後でインド哲学史には明らかな違いがあって、そこでヴェーダーンタ哲学が有神論化してしまったのよ。それはもうその時代の思想家の著作を見れば明らかです。 シャンカラとラーマーヌジャは間違いなくカリスマではあったけれど(黄金像建ったしね…) 天才ではない。天才なら他にいくらでもいる。彼らはバクティ思想という面でインドを見たときに際立ってくるだけで、中世インド思想を代表していた訳ではないです。インドは南北で分けると北の方がヴィシュヌ教が強い傾向があるから、北の影響を受けるとこういう宗教思想の見方が生まれてくるんだろう。 これ読んだときバクティについてちょっと考えたけど、タミルのバクティだけがインドのバクティの源泉である~てやるのも確かにそれはそれで問題があるけど、ギーターとシャンカラ(+それ以降)だけでバクティ思想を語るのも同じ位偏ってるな~と感じた。シャンカラがどこ出身だと思っているのだ。 あとシヴァ教がアンダーグラウンドてなんや。これはあかん。ヴァルダナ王朝やパッラヴァはアンダーグラウンドでしょうか。海洋覇権を握ったチョーラはアンダーグラウンドだったのか。そんなわけないですね。シヴァ教が6世紀頃からずっとインド各地で王家の信仰対象となっていることを忘れている。 シヴァ教はそもそもカシュミールで極めてオーソドックスな宗教として確固たる位置を占めて、見事な哲学と神学を発展させ、その後インド全域に伝播したんですよ。そこで一旦ヴィシュヌ教は完膚なきまでに負けている。シヴァ教は最盛期にはそれこそヴィシュヌ教など敵ではなかったのです。

漢字検索, 異体字検索

異体字が検索できる便利なサイトを知った。適当な字を入れるとバババっと異体字が出てきて、見ているだけでも楽しい。 漢字検索、異体字検索

イタリアのカトリックと新型コロナ

これはもう「歴史」やな 社会って「科学的に正しいこと」とか一面での合理性だけで成り立つわけではないのでこれは「必要・緊急」だったろうな、その上で人のために奔走した人に敬意を表したくなる

なんか派生してコロナ禍のイタリアのキャソリック司祭について。

伊政府が「外出するな、自宅に籠っていろ」と指示し、地方警察に代わって陸兵が街を巡回していた時期、ヴァチカンは極めて強い口調で司祭たちに対して「教会を出よ、信徒の恐怖を和らげよ、それが司祭の義務だ」と連呼していました。 ペストだろうがスペイン風邪だろうが我々は常に宗教的義務を果たしてきたのだ、というわけです。 イタリア政府も流石にこれを押し留めることは出来ません、緊急事態のため動員された陸兵と似たような存在と捉えられ、後期には軍が司祭の衣類の消毒処理を手伝ったりしていました。 まだコロナがどういうものか良く判っていなかった(非常事態と認識されていなかった)時期から、司祭は熱心に家々を巡って、特に重症で寝込んでいる人たち(特にお年寄り)を精力的に見舞っていました。 軍事教区の従軍司祭の場合は、基地の病院で寝込んでいる軍人や軍人家族たちを見舞っていました。 既に書いたようにキャソリックでは瀕死の者に懺悔させ秘跡を与える「終油の秘跡(ウンクティオ・インフィルモルム)」をしないと信徒が地獄行きになってしまうという深刻な問題があります。 懺悔の際、司祭は信徒の顔に頭を寄せて、小さな声も聞き逃さず、また耳元で許しを与えることを宣言します。 相手がげほげほしていても、そうするしかないのです。

コロナについてある程度判ってきてからも、流石に「2メートル離れて懺悔を聞く」という訳には行かず。 医療従事者のように使い捨てガウンにマスク姿で接する訳にも行かないと考えられました(後期には司祭も防護を固めるようになるのですが)。 エアロゾルで感染、などが良くわかっていなかった時期には、当然司祭は同じ服を着たままで病人の出た家々を順々に回っていくことになります。 司祭が出掛ける場合、小さな簡易礼拝キットを持ち歩くのがふつうです。これは野戦で礼拝をする従軍司祭だけでなく、民間司祭も同様。というか軍用の原型。 これには十字架や蝋燭(今はオイル式)のほか、エウカリスティア(聖餐式)のためのプラエ・ホースティアーエー(ウェーファー、パン)も含まれています。 この小さなおせんべいみたいの、米では教会向けに大量に袋詰めで売られてるのが多いんですが、伊の地方教会だと信徒たちが焼いてる場合が多いのです。 小麦粉を水で伸ばして小さな薄焼きにしただけのものなので簡単ですし、湿気やすくて日持ちしないので。 初期にはマスクもせずに焼いて、布の上に並べて冷ました後で、司祭が聖別して、チボーリウム(教会用の保存容器)やピィクシス(携帯用の小型保存容器)に収めていたことでしょう。

*コロナ禍以前には百枚まとめて袋詰め、みたいな売り方が一般的だったんですが、コロナ禍以降は日本のお菓子みたいに一枚ずつ個包装されたものが売られるようになりました。 それを見て「やっぱり危険性が考慮されたんだなぁ」と思ったりしました。

こういった事情により、二つの可能性が出てきました。

  • 司祭の感染率が劇的に上がる
  • 司祭が巡回した家々にウィルスをばらまく

まあ後者はほとんどが「既に病人が出ている家」のためほぼ無視できるレベルと考えられましたが、前者は「敢えて危険な環境に繰り返し暴露された状態」なわけです。 さらに礼拝のために地域の人たちが教会に集まり、通例風通しの悪い教会の長椅子に並ぶわけです。 古い教会ほど窓はただの明り取りであることが多く、開けることが出来ません。 そこで賛美歌を歌ったりするわけです。 お葬式も同様。参列者は互いにハグしあい、死者の額や手にキスなどするわけです。 程なくして司祭たちは次々と体調を崩し、老齢の司祭から順番に呼吸器系疾患で亡くなっていきます。 司祭急死となると、ヴァチカンは大急ぎで代わりの司祭を派遣しなければなりません。 しかし各地で老司祭が次々と亡くなり、あっという間にまともに対応することが出来なくなって行きました。 この時期に聞かされた話は、相手が司祭であれ軍人であれ、ほとんど戦争同然でした。聞いている感じだとアメリカより酷い雰囲気というか。 リミニで司祭をしてた友人は「重病者のために来てくれと言われても、国道72号が渋滞で進めず、パトカーに先導して貰って信徒のところまで行かねばならなかった。 あの渋滞はまるでアルマゲドンから逃れようとするかのようだった」と愚痴りました。 国道72号はリミニからサン・マリノ共和国国境へ続く道で、サン・マリノには国土規模に相応しくないほど大きくて立派な病院があり、周辺のイタリア人が地元の病院に愛想をつかしてサン・マリノを目指していたのです。 ガリバルディ旅団のベルサリェーリ(速歩行進兵)だった友人は、「兵力が圧倒的に足りない」と嘆きました。 兵力削減の一途であった当時のイタリア軍では、「連隊」を名乗っている部隊が実質一個大隊であることが多く、それを市街地警備や民生支援に回すと戦力ゼロになってしまうため、州知事権限で 郷土予備役兵が招集されたのですが、みんな体調不良を理由に出頭しないという。 そりゃまあ「各地で死者が出過ぎて棺桶を収容出来ない(街の路傍に棺桶が並んでる状態)、衛生上の理由で土葬に出来なくなったため火葬にしなければならないが、火葬にできる施設は限られている、陸軍が輸送隊を編成して 棺桶を収容し、火葬場へ移送せよ。その後遺灰を詰めた瓶を各家庭に届けよ」と言われたらみんな震えあがってしまうでしょう。 特にキャソリックには基本的に火葬の概念が無いですし。 当時は医療用マスクなどの最低限の「装備」も足りず、「マンマが縫ってくれたマスク」だけが対抗手段という状態の かわいい花柄のマスクつけた若い兵とか、「これしかないから」とガス・マスクつけて現場に登場して市民に恐れられたりとか。 ちょっとしたホラーでしょうそんなの。 陸軍は病院の収容能力の低さ(僅かな街医者と待ち時間の長い病院という医療制度の貧弱っぷりはイタリアにとって長年の大問題なのです) を補うために、病院の隣にテント村を作ってベッドを並べて収容能力の拡大をはかったのですが、お年寄りが巡回してる兵士に「おい坊主、あのうるさいの(発電機)を止めろ」と怒って、「それ止めたらあんたの横の機械も止まって、あんた自身も『止まる』んだぞ」と喧嘩になったりしてたそうです。泣ける。 こういった経験を「俺は戦争には行ったことが無いが、あれは限りなく戦争に近い経験だったと思う」と後にしみじみ語ってました。 テント村なんて実質野戦病院でしょうし、しかも一人ずつしか収容出来ず、お年寄りが寂しがって「おーい」と言い続けていたそうで……イタリアのお年寄りだもんなぁ……。 そんな風にしてコロナの大被害をどうにか生き延びたわけですが、長生きすることが多いイタリアの老司祭たちは壊滅的打撃を受け、友人曰く「たぶん平均年齢が20歳くらい若返ったんじゃないか」と言っていました。 何も無ければずーっと元気に長生きしたであろう世代が、まるっと被害に遭った、と。 なお、頻繁に着替え・洗濯する必要性が出た関係で、教会向け衣類を作ってる仕立て屋さんは薄っぺらいナイロンの安物カソック(夏物っぽい体裁)を大量に作って、若い助祭が感染覚悟で毎日洗濯しまくってたそうです。 宗教の教義を文字通り「死守」するのはほんと色々大変というかなんというか……orz

コメント見失ってしまったのですが、unctio infirmorumは日本語訳だと「塗油の秘跡」というそうです。失礼しました。 秘跡を受けないと絶対地獄行きというわけではないのですが、司祭は極力生前(本人の意識があるうち)に秘跡を行うべしとされています。事故などで急死した場合はどうしようもないため、 やむなく遺体に秘跡を与えることになります(それでも一応問題はありません)。 ただ、コロナ禍では、亡くなってしまうと直ちにボディ・バッグに収められて隔離され、そのまま棺桶に入れられ(棺桶不足で東欧から粗雑な急造品を大量輸入したほどでした)、二度と顔を見ることも出来ないままに収容されて、 火葬されてしまうという、かつてない事態になってしまったのです。ボディ・バッグに入れられた後は二度と開けることは出来ず、流石に教会もそれを開けろとは言えません。 閉じられた棺桶を前にして、屋外で、ごく少数の近親者のみで、非常に簡易的な葬儀を行うという程度のことしか出来ませんでした。 このため司祭たちは、まだなんとか接触可能である「生前」に、なんとしてでも秘跡を与えねばならん、となったのです。 当然ながら(特に初期は)司祭自身の罹患はほとんど避けられず、次々と倒れ、天に召されることとなり、司祭が足りなくなります。 ここで立ち上がったのが既に引退した老司祭たち。 「この歳になってもまだ信徒のために尽くせる日が来ようとは!」と大挙現役復帰して、秘跡を与えて回り、やはり罹患して天に召されていくという人海戦術じみた展開へと突入して行きました。50~60代に続いて70~80代の司祭が壊滅。 当時のニュースで85歳の司祭が「(指示の通りに)家に居るのが正しい、 だが私は司祭だから、人々の求めに応じるため法を曲げる必要がある場合もある」と言っているのが記事になっていました。 政府の公式命令で礼拝その他の集団活動が「禁じられる」地域が出てきた後は特に、信徒を巻き添えにせず司祭一人で行える秘跡はより重要度を増したのです。もう泣くしかない。 教皇フランチェスコが(伊政府が外出禁止令を出したその日に)「我らの司祭たちが外へ出て病を得た者たちの許へ行く勇気をお与えください」と朝のミサで公式に祈りを捧げて「政府方針と真逆だ」と一瞬だけ問題視されましたが、それほど重要なことだったのです。 今調べたら2020年3月10日のミサでした。 老司祭たちの大挙復帰とかどこのバトルシップですかという雰囲気かも知れませんが、そうやってでも教会は自身の使命を果たした、といいましょうか……。

小学生が書いた詩

みどりちゃんへ

天国での夏やすみどうだった

天国がっこうで

たんぼの田ならった?

くものプール

ほしのこうえん

つきのすべりだいに ベッド

いろいろなものがあるのかな

かみのけ ながくなった?

ゲームで学ぶプログラミング: カルネージハート

プログラミングを学ぶ教材で言うと、ロボットゲームのカルネージハートとか面白いかも知れないですね。 ロボット格闘ゲームですが、プレイヤーはロボットを直接操作できず、ロボットの行動はゲーム上でロボットがどう動くかのフローチャートを事前に書いて、それで戦わせる。 ロジック間違うとただぐるぐる回るだけのロボットとか作れる(私です)。

「プログラミングを教える上でも効果的な方法!!」…父親にピーナッツバターサンドを作ってもらう指示を試みるも、失敗ばかり

識別子としてのタトゥー

タトゥーのことを「普通に考えて入れるデメリットが大きすぎる」と認識していたけど、世の中には遠くの身内に届く自分に関する唯一の情報が動画に映る身元不明の人体の映像とかになる可能性のある人生というのが割と存在していて、タトゥーがただ一つの識別子になったりもするんだな…と気付くなどした

Amazon Prime見放題での「マジカル・ガール」

アマプラ見放題の『マジカル・ガール』は、ただお父さんが娘のために日本のアニメのドレスを買いたいだけなのに、関係者が全員もれなく地獄に堕ちる素晴らしい映画なので、まだ観てない方はぜひ観てください。

Vercel、自然言語からUIを生成するサービス「v0」を実験的に公開。Tailwind CSSとShadcn UIをベースに

UI/UXデザイナー向けのChatGPTプロンプト集15選

つの丸の漫画「サバイビー」: こんな悲壮な兵士を描くのうまいギャグマンガ家がいてたまるか

2023-09-16 物質の安定性の物理/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 作業動画の重要性
  • 物質の安定性
  • 量子情報と線型代数

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感想をください

「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.

メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.

ではまたメールします.

近況報告

Web系のプログラミングに数年のブランクがあるため毎日ちょこちょこと勉強時間を取らねばならず, 数学・物理またはこれに関わるプログラミングの勉強はやや滞りがちです. 必要性に迫られたのもあり, ようやく本腰を入れて勉強しはじめると, 昔と比べて劇的に便利になっていて感心します. 「こういうのがほしかった」という機能なり何なりも比較的簡単に使えるようになっていて, その意味でもとにかく楽しいです.

そして現在事実上の一人エンジニアな上にUI/UX含めたデザイン関係もやらねばならず非常に苦戦しています.

数学・物理関係のメルマガで何故こんなことをいちいち書くかというと, 専門外の内容の勉強 または最新事情のキャッチアップに関する初学・独学の厳しさの体験が数学・物理の勉強に苦労するのと重なる部分があるからです.

新型コロナとインフルエンザとのセットでの大流行も出てきていますが, 5月からジム行きも再開しました. 筋トレは広く言えば生物系の話, 実験科学として捉えていてこれもなかなか楽しいです.

作業動画の重要性

仕事用に最低限のCSS・Webデザインをどう勉強するかずっと悩んでいます. 普段見ていじるWebサイト・アプリの画面からある程度「こんな機能がある」というのはわかります. ただしそれを実装しろと言われると厳しいことがよくあります. 勉強するべき内容はいろいろありますが, フロントエンドはある程度までコードが完全に見られるにしろ, 自分のところにデザイン崩れを起こさずに整合的に組み込むとなるとかなり面倒な場合はよくあります.

あと, 料理などでも最近は単なるレシピではなく動画による解説も増えてきました. 筋トレも微妙な違いの動画解説が便利な場合はよくあります. それでふとというかようやくという,あ ようやくCSSまわりもライブコーディングが一つ参考になるのではないかと気付きました. YouTubeで調べてみたらやはり上げている人がいたため, ちょこちょこ眺めています.

多少人によって違いはあると思いますが, TeXやふつうの文章作成と同じく, まずは基本的なタグだけドコドコ書いてからCSSをあてていく様子を見て, CSSでもきちんと大きく構造を捉えて似ているところは似ているようにする, html, bodyタグなど大枠の設定を決めてから細部にうつる流れはどこでも同じか, 広義の文章作成と思えば基礎・基本は変わらないのを改めて実感しました.

講義動画ではなく, 数学・物理でも何かしら作業動画が参考になる分野があるかふと気になりました. 物理の実験とはまた違うでしょう. 最近の量子情報系の線型代数の問題演習でプログラムを書いて計算させて試行錯誤することが何回かあったため, そういうのは参考になるのかもしれません. 初見時の試行錯誤の様子はダラダラと間延びしがちな部分もあり, 完成品を出すのでは講義動画と変わらなそうで, どういう感じがいいのかよくわかっていません.

物質の安定性

最近, 幾何系のための層とコホモロジーのノート作りがあまりに面倒で, 現実逃避のために物質の安定性のノートをシコシコ作っています. 物質の安定性はふつうの物理でめったに議論されないため, 前にも何度か書いた気がしますが, 物理的な意義を簡単に説明します.

量子力学のことの起こりはいくつかあります. その中の一つが原子の安定性の問題です. 学部レベルの電磁気学のハイライトの一つは輻射の理論です. 荷電粒子が加速運動すると電磁波を出します. 物理的には全系のエネルギーが保存します. 電磁波もエネルギーを持つため, 電磁波にエネルギーが持っていかれた分, 電子のエネルギーが減ります.

現代的な原子模型では, 原子核のまわりを電子が円運動することになっています. 円運動は加速運動である以上, 電子は電磁波を放出します. 高校でも出てくる等速円運動では円運動の半径または円運動の速度は電子のエネルギーと関係します. 大雑把に言えば電磁波を出した分だけ円運動の半径が小さくなり, やがて電子は原子核に落ち込んで原子が崩壊します.

これが古典力学と古典電磁気学の破綻で, 量子力学では水素原子の基底エネルギーの有限性として理論の破綻が救われました. この対象系のハミルトニアンに対する基底エネルギーの有限性は第一種の安定性と呼ばれます.

ここまでは量子力学の基礎として物理を勉強すれば必ず学ぶ内容です. 次の第二種の安定性は物理では重要なものの, 「量子力学の本」には滅多に載っていません. 実際, 数理物理の研究分野としての議論以外ほぼないようです.

第二種の安定性を一言で言うと熱力学的な安定性です. 熱力学には熱力学関数の相加性・示量性があります. 大まかに言えば系のエネルギーは物質量に比例します. ミクロな量子力学の視点で言えば, 基底エネルギーは粒子数に対して$E(N) = -cN$と線型であるべきです.

もしエネルギーが$E(N) = -cN^{\alpha}$で$\alpha \neq 1$だとすると, $N$が大きくなるほどエネルギーがどんどん下がります. 特に平衡統計力学では熱力学的極限と称して密度$\rho = \frac{V}{N}$を一定にしたたまま, 系の体積$V$と粒子数$N$を無限大に飛ばす極限を取ります. もし$E(N) = -cN^{\alpha}$で$\alpha \neq 1$をみたす場合, 平衡統計力学で一粒子に対する平均エネルギーなどが定義できません. 平衡系は近似概念である以上, そこに数学的な矛盾があっても問題ないと言う立場はありえますが, おさまりが悪いと感じる人はいます. そういう人達ががんばって議論しているのが物質の安定性に関わる数理物理です.

この分野は「難しい数学を使う」のではなく, 「数学の使い方が難しい」分野です. もちろんルベーグ積分を中心にいくつか解析学に対する知識は必要ですが, それ以上に不等式処理に関わる数学科水準の凄まじい剛腕が重要です. 私と同等以上の不等式処理能力が必要です.

興味がある方は次のLieb-Seiringerの"The Stability of Matter in Quantum Mechanics"を読むとよいでしょう. 尋常ではないほど難しいです.

私も細かいところはあまり気にせず緩く読んでノートを作っているところです. 難しいものの面白いのは間違いありません.

熱力学もそのうち勉強会つき通信講座を作る予定です. 気長にお待ちを.

量子情報と線型代数

これは改めて石坂・小川・河内・木村・林の『量子情報科学入門』を読んでいます.

この分野だとニールセン-チャンが有名で, 実際にこの二章の線型代数部分を通信講座で取り上げています. まずは大雑把にゆるふわで勉強しようと思い, 日本語でそこまでぶ厚くもないこの本をゆるく眺めています.

全八章のうち六章の途中まで読み進めていて, これはかなり読みやすくてお勧めです. 付録で線型代数も一通り書いてあり, 少し進んだ内容は証明もついています. 線型代数が大事なのはわかっているが数学の本を読む気はしない・読めない, 数学としてやる気が起きないという人でも, わざわざ私のメルマガを読むくらいの人なら量子力学には興味があるでしょう.

類似の内容は勉強会つき通信講座でも扱っているため, 一人では続かない人はそちらもどうぞ.

知らない人がいるかもしれないため念のため書いておくと, 量子情報は数学的にも面白い話がたくさんあり, 有限次元の線型代数レベルでも数学としての研究が続いています. 作用素論・作用素環論的な話ばかりではなく, 行列不等式・行列解析のような話題もあります. 行列と解析学と言えば数値計算の数理からのアプローチもあります. ある程度数学フレンドリーなスタイルの本で, 純粋な数学的興味から量子力学に触れたい人にも上記の本はお勧めです. 状態の扱いなど気に入らない部分がいくつかあり, それを前提にしたノートを作っている最中です.

行列解析は興味がありつつも勉強しきれていない分野でもあり, これも勉強したいとずっと思っています. エントロピーに関わる行列不等式も大きく見れば行列解析のテーマと言えます. 作用素論・作用素環でも重要な議論がたくさんあります. 作用素環的なところは学生時代に論文を読んだこともあり, それ自身前から興味関心が強い分野でもあります.

メモ

AIPでのLiebへのインタビュー

Elliott Liebのinterview. 朝鮮戦争時に韓国に行ったり、Edwardsの学生だったり、基研でポスドクをして、山崎和夫さんと共同研究をしたキャリアが興味深い。IBMに行ってから花が開いた様に、どちらかと言えば晩成タイプ。AKLTについての言及もある。

Leanと型

数学をLean等の証明支援系でプログラミング言語として書くときに「型」という概念を使うのですが、それについての数学者向けのわかりやすい解説記事(Xena projectの記事)の和訳が出ました: Mathematics in type theory https://lean-ja.github.io/math-in-type-theory-ja/index.html

素因数分解ゲームSOINSU

2023-09-09 年を取っても勉強しよう/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告: Lean勉強会が面白かった
  • 年を取っても勉強しよう
  • 谷本溶さんの講義ノート: ntroduction to Algebraic Quantum Field Theory Nagoya University, 2023 May 15-19
  • よいものにはきちんとフィードバックしよう
  • 『非平衡統計力学入門:現代的な視点から』田崎晴明 Hal Tasaki "A Modern Introduction to Nonequilibrium Statistical Mechanics"
  • 量子リソース理論と量子熱力学
  • well-definednessをill-definednessから理解する具体例
  • 計算トポロジー入門
  • 確率変数の定式化と頻度論・ベイズ統計
  • 線型代数の重要性

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近況報告: Lean勉強会が面白かった

仕事が忙しく, しばらくメルマガをさぼっていたらもう四ヶ月近くになっていました. もちろん適当に数学なり何なりは続けていたものの, ホモロジー代数はTeX打ちがあまりに面倒で嫌になってきたため, 逃避行動で物質の安定性と量子情報関係のノート作りを進めていました. 久しぶりの解析学がとにかく楽しく, もっと共有したいとは思いますが, どうしても学部四年から修士程度のパワーがいる内容なため, なかなかつらいところです.

この一年, これまた久しぶり仕事で本格的にプログラムを書くようになったため, 仕事に絡めてふつうのプログラミング関係の勉強も再開しました. バックエンドは本当に書くのが楽になってきた感じがあります. フロントはまだまだ地獄というか, node.jsのエコシステムがただただ厳しいです. F#が気に入っているものの, 情報が少なすぎてつらいため.NETエコシステムを特にC#で進めています. フロントエンドはJavaScriptまたはTypeScriptではなくBlazorでどうにかできないかと勉強を進めています.

量子力学・線型代数の勉強会も第三回を放置したままなため, いい加減それも進めたいところではあります.

あとメルマガで宣伝しようと思って忘れていたLean勉強会に参加しました. これも言語のバージョンアップでライブラリが死ぬ問題があるとはいえ, Pythonなどでプログラムを書くよりはよほど「数学」ができそうです. まだ全然書けるレベルに到達していませんが, 何かしら貢献できないかと考えています. 日本語コミュニティも作ったとのことで, 興味がある方は参加してどうでしょうか.

「すうがくぶんか」の梅崎さんがYouTubeに解説動画も上げています.

年を取っても勉強しよう

物理のための数学で、いつも最前列で講義を受けてらっしゃる年配の男性が気になっていたので、講義後声をかけ、2時間ほど色々お話をしました。その方は現在74歳で、定年退職してから、科目等履修生として毎期1, 2コマだけ大学で講義を受けている、とのことでした。 今までに薬剤学や薬理学、現代史学、工学、電磁気学など、色々な授業を受けてきたそうです。とても朗らかで話好きな方で、沢山のことを話してくださいました。これを是非若い人たちに伝えたいんだ、というお話もありましたので、許可を得た上で、一部をまとめて書き残したいと思います。

「退職して暇になったときに、やっぱり学問をやり続けたいと思った。こうして講義を受け続けているのも、年齢がどうとか衰えがどうとかで自分に自分でブレーキをかけてしまいたくないという思いがあったから。自分は若い時でも、京大生のような超一流の学力は全くなかったし、」 「ましてや今なんて当然、当時より遥かに頭の回転も遅いし記憶力も衰えている。けれど、有り余った時間を使ってゆっくりじっくり考えて、学んで、頭を使って、ということを続けていると、まだまだやれるという気が湧いてくる」 「学生さんたちにも解けなかった問題が解けたり、2週間じっくり作ったレポートでA+の成績をいただいたりしたこともあって、そのことがすごく嬉しかった。当然学生さんたちの方が忙しい中で学問に取り組んでいるわけだけど、こんな後期高齢者目前の人でも、できることがまだまだあるんだ、と」 「高校時代の同級生にA君というやつがいた。僕らは両方とも成績は悪かったけど、彼は豪快で派手な性格で、勉強なんて別にできなくていいや、というようなことを言っていた。運動も得意で一緒に石垣に登ったりもした。でも彼は、内心では少しコンプレックスを抱えていたらしかった」 「また彼は『男は若さ。40過ぎたら終わりで、後は老いてくだけだ』というような考えを持っていた。その後大人になって、色々と上手くいかないことが重なり、躁鬱症のような状態になった。そして感情の起伏がどんどん激しくなり、結局、40歳を目前に自分で命を絶ってしまった」 「そのことがとても悔しく、『年老いてからでもやれることはあるんだと、自分が30年40年早く気づいていれば、あいつに何か言ってやれたのかもしれない』いつもそう考えている」 「今の時代、研究者になる道は険しく、金銭的にも厳しいものがある。理由は分からないが退学届を出しに来るところの学生を見かけたこともあった。東大京大とかの超一流の学生さんたちには是非この衰退しつつある日本の科学技術界を引っ張り上げてほしいとは思っている」 「しかし、若いうちに研究者にならないと良い結果は出せないとか、この道しかないと思い込まずに、人生は長いのだから、ブレーキをかけなければ大抵のことはいくつになってもできるもんだと思っておいてほしい。今20歳の君なら、50年後にだって僕みたいに講義を受けられるんだから」 「歴史上でも現代でも、歳取ってから素晴らしい業績を残している人もいる。人生百年時代というから、お金を稼いで中年になってからまた学問をやるとか、色んな道はあると思う。若い頃の方が思い切って行動できるけど、たとえ年を取ってからでも、気持ち次第で行動はできるのだと知ってほしい」 「自分も、この物理のための数学はなかなか難しくて、訊きたいところがいくつもある。けど、なんとか頑張って理解したいと思っているので、学生さんたちも、今はサークルやバイト、勉強で忙しいとは思うけれども長い人生、頑張ってほしい」

これ以外にもたくさんのことをお話しましたが、自分なりにまとめるとこのようなお話でした。物ためを今取っている京理の人たちは、良ければぜひとも話しかけていってもらいたいです。学生として、質問や理解したいことがたくさんあるそうなので、

谷本溶さんの講義ノート: ntroduction to Algebraic Quantum Field Theory Nagoya University, 2023 May 15-19

名古屋大学での集中講義のノートを書きました https://www.mat.uniroma2.it/~tanimoto/teaching/2023NagoyaAQFT/nagoya_lecture23.pdf Wightman と Araki-Haag-Kastler 公理の関係、自由場の構成、 Bisognano-Wichmann property, modular nuclearity と split property の関係、それを使った相互作用するネットの構成などをやりました。

院の先輩の講義ノートです. 修士レベルの解析学ができないと全くもってわからないとは思いますが, 面白い分野ではあるため興味がある人はぜひ眺めてみてください.

よいものにはきちんとフィードバックしよう

何度でも言うけど私はめちゃくちゃ絵の上手い神絵師がマイナーCP永遠に描き続けていたのに、ある日突然「誰も話しかけてくれないし感想もくれないから」というあまりにも哀しい理由で筆を折ってしまった件を見たことがあるんや。 そしてその神絵師が筆を折る宣言をしたら、突然マシマロやリプに感想が届きまくったんや。「ずっと見てました」「また描いてください」「◯◯さんの作品大好きです」と。 神絵師は静かに言ったんだ、「もっと早く言ってくれればよかったのに…」と。 その神絵師はそのCPから去った。するとどうだろう、その神絵師しか描いてなかったはずのCPの作品がチラホラあがりはじめた。 みんな「◯◯さん(神絵師)が描いてるから私は書かなくていいか!」状態だったのだ。こんな哀しいことがあるかよ。

これ読んで「そっか……じゃぁ…」つって好きな作家に感想を送る人が1人でも増えればいいと思いました。 伝えなきゃ伝わらないので……

『非平衡統計力学入門:現代的な視点から』田崎晴明 Hal Tasaki "A Modern Introduction to Nonequilibrium Statistical Mechanics"

ちょっと読みたい.

量子リソース理論と量子熱力学

量子リソース理論(QRT)と量子熱力学(QT)について、いまだにかなりモヤモヤとした感じだが私の現状での暫定認識をまとめる。間違いがあったら教えてください。 まず、QRT, QTどちらにもいくつかの源流があるが、どちらも Lieb&Yngvason(1999) の影響を強く受けている。 https://arxiv.org/abs/cond-mat/9708200 QRT,QTは、Lieb&Yngvason(1999)による熱力学の公理的定式化をなるべく忠実に量子論にも適用しようとするのだが、全く同じとはいかず、いろいろ変更が必要となる。また「量子論への適用」と一言で言っても、細かく言えばその適用分野はいろいろである。 QRT,QTは、Lieb&Yngvason(1999)による熱力学の公理的定式化をなるべく忠実に量子論にも適用しようとするのだが、全く同じとはいかず、いろいろ変更が必要となる。また「量子論への適用」と一言で言っても、細かく言えばその適用分野はいろいろである。(続く) https://arxiv.org/abs/1806.06107 では、量子熱力学がQRTの一分野であるように書かれているが、実際はQRT全体がLieb&Yngvason(1999)[LY99]の熱力学の影響を受けていて、その意味ではQRT全体を量子熱力学と呼べなくもない。しかし[LY99]への忠実度は様々で、特に忠実度の高い研究を慣例的に量子熱力学と呼ぶ(?) QRTの様々な応用のうち、entanglement theoryが最も典型的なものである。ただし、そこでは[LY99]の熱力学原理になるべく忠実な公理化を果たそうとしてきたのだが、なかなか綺麗にはいかず、完成からは程遠い。それどころか、(続く) ごく最近の以下の論文では、entanglement theory(ET)については熱力学の第2法則が成立しないということが主張されている。さらに、ETは熱力学のみならずQRT全体と適合しないと言いたそうである。これが正しいとすれば、ETはQRTの「典型例」から外れるかもしれない。 https://arxiv.org/abs/2111.02438

熱力学はとにかく楽しいので.

well-definednessをill-definednessから理解する具体例

well-defined の説明, そうである例を話すよりそうでない例を話す方が初見はわかってもらえそう

有理数全体からの関数fを分母と分子の和で定義してみましょう ワオ!!!!! f(1/2)=3 なのに f(2/4)=6だ!!!!!!!!!! みたいな感じで

確かによい例だと思い, 現代数学探険隊にも収録しました.

計算トポロジー入門

計算トポロジー入門,近刊 https://kyoritsu-pub.co.jp/book/b10032973.html この本の和訳らしい https://maths.ed.ac.uk/~v1ranick/papers/edelcomp.pdf ちなみに微分幾何版でこんな本もあります https://link.springer.com/book/10.1007/978-90-481-3564-6

これの微分幾何版がほしい.

確率変数の定式化と頻度論・ベイズ統計

物理なのか何なのかはよくわからないが、確率変数の「ランダムに値を取る」的な話と「可測空間上の可測関数」の間の話、後者の数学的定式化がどこまで応用上の要請を満たせる定式化なのかは時々気になる。

ベイズだと後者の解釈を使います.頻度論はp(ω)を「ランダムサンプルしたときにωが出る頻度」と考えるのでXも「ランダムサンプルしたときに出る値」と考えますが,ベイズはp(ω)を「ωの確からしさ」とだけ考える(サンプルはしない)ので,Xも「ωに対する値を記述したもの」とだけ考えます.

これは考えたことがなかったため, とりあえずX(Twitter)で放言しておくものだと思った次第.

線型代数の重要性

森田茂之先生も、

線型代数というと大学 1 年で終わっていると思っている人も若い人にいるとすれば,これはとんでもない事で,数学の中でも線型代数は永遠に大事で…

と言われているように、数学の人は微積や線型などの「基本的な学部の授業」こそが本質的に重要だと思ってる訳ですが、 この価値観が必ずしも教員にも学生にも共有されていないことは、数学側の人間としては残念だと感じています。 (計算に使えればいいという立場があることも理解した上で)

引用元 『特性類と不変量』森田茂之 https://www.math.chuo-u.ac.jp/lecture_notes_almostwhole.pdf

一般理工系にはまだ量子力学(など)をモチベーションに線型代数に触れた方がよいと思ったため, 勉強会つき短期集中講座を展開しています. 近々第三回をやる予定なのでご興味がある方はぜひ参加してください.

メモ

ジョーンズ追悼の数理物理関連の業績紹介

06/03: アメリカ数学会から頼まれて書いた Jones 追悼の数理物理関連の業績紹介記事がオンライン出版されました. https://ams.org/journals/bull/0000-000-00/S0273-0979-2023-01799-0/S0273-0979-2023-01799-0.pdf

霜田光一「水はどうして透明なの?」

霜田光一先生の「水はどうして透明なの?」という文章を読むと、レジェンド級の研究者は問題設定の出発点をここまで持って来るのか、と驚かれされる。

ちなみに 「水分子は可視光を吸収する遷移がないから」 は答えではあるけど、そこで「問い」が止まらないのが面白い。 以下、「」内は上記の文章から引用

「水分子の振動回転状態の遷移は赤外線を吸収し、電子遷移は紫外線を吸収するが、可視光線を吸収する遷移はないので、可視光線に対して水は透明なのである。これは正しいが、これで、水がどうして透明なのかわかっただろうか。」

「裏を返せば、赤外線や紫外線で見ると水は透明ではないのだ。電磁波の広いスペクトルで見ると、すべての物質はある波長では電磁波を吸収し、ほかの波長では透明である。水はどうして可視光線(波長380nmと760nmの間)に対して透明なのだろうか?」

「コップの水は確かに透明だが、川や海の水は青く見える。10mの深さの水では、波長が440から520nmまでの光は80%以上透過するが、400nm以下の光も、590nm以上の光も、40%以下しか透過しない。だから汚れのない水のなかは青い世界であることは、水中カメラの映像でよくわかる。」

「ヒトの眼の水晶体も硝子体も主成分は水であるから、ヒトは水を透過しない波長の光を見ることはできないはずである。だから水を透過する光が可視光線なのである。水が透明なのは偶然ではなくて、水が透明になる波長の光に感ずるようにヒトの眼の網膜ができたのではないだろうか?」

上記の引用元はこちらの本↓の霜田先生ご執筆のところなのですが、 「物理って面白いんですか?」 ってお題に対するエッセイに、(あれほどの先生が)自分の研究歴の話を書かず、エッセイ全体の残り2/3くらい生物の眼の進化に考え巡らせてるの、すごいと思うんですよ。

先生、物理っておもしろいんですか? パリティの1ページコラム連載記事をまとめて単行本化。 69本を収載。 物理系を中心に多彩な研究者の物理や科学に対する考え方、世界観、研究姿勢、生い立ちなどがわかり、 大変おもしろく、また、教育的効果もある内容。物理関係者のみならず広くいろいろな人に読んでもらえるエッセイ集。 ○短編の読み切りで読みやすい。 ○多彩な内容で、興味をもって読み進められる。 ○高校生、大学新入生に、将来を考えるため... 前にも呟いたのですが、レジェンド級のモノ作る量エレ実験系物理研究者は、問題にあたる時、その測定デバイスのことまで深く考えてるんだな、と。 今はそういう時代じゃないとは言え、デバイスをブラックボックスとして使ってる自分をちょっと省みたくなります。

霜田先生は「レーザー研究」で、光電効果の説明に本当に「光子」(電磁場の量子化)が必要かなど考える連載も書いてて、それっぽい説明でそのまま納得してはいけないんだなと考えさせられます。 https://twitter.com/drboar/status/1489561158994386946 直接の面識はほぼない、玄孫弟子くらいの量エレ研究者の身ですが (というか、今の日本の量エレ実験系研究者って、師匠筋を辿って行くとかなりの確率で霜田先生まで行きつくんじゃないかという気もしますが) 霜田先生のご冥福をお祈りします。

「太陽系最強の相転移の教科書」

「太陽系最強の相転移の教科書」を含む、西森先生の教科書が3冊オープンアクセスになったそうです。今すぐゲットして、あなたも太陽系最強に! open access books

製造業での機械学習の状況(?)

いま製造業で起こっていること⤵︎⤵︎

『とりあえずよく分からないけどデータをscikit learnに突っ込んだら予測精度が出ました!AIで出来ました!説明変数〇〇が重要です!』

→実際にはデータリークしてる、解釈間違ってる。

リアルにこんな感じです。もうカオスすぎて本当に収拾がつきません。 パッケージが簡便化して誰でもデータサイエンスが出来るようになってきてますが、同時にその弊害も生まれていると思っています。 個人的にこの状況は危険も大いに孕んでいると思います。 データサイエンスの民主化が進むと共に、正しく理解されないままデータサイエンスが使われる事案も増えてます。 これがまずいのは、本人も周りも間違いに気づかないって所ですね...。 発表してたらそれっぽく聞こえるけど、プロのデータサイエンティストでもコードの中身を読まないと合ってるかどうかまでは分からない。 でも仕事が増えるのでそこまですることは無いですよね。こうやって暴走していくわけです...

RT>この辺りは 数理をわからない人が簡単にAIツールが使えるようになった弊害だぬ。 昔は数値計算ライブラリができた時にも起こったことだよぬ。何も考えず、逆行列計算とか。 ちょっと前は、数理がわからない人がOpenFOAM使う例かな

幾何学的計算量理論

というわけで,数学は計算しちゃいけないが,どうやって計算するかは数学の問題である.(^^;; GCT=幾何学的計算量理論 http://ramakrishnadas.cs.uchicago.edu/gctcacm.pdf

教育系YouTuberのまなざし

星の物理と湯川英樹

星の進化って物理なの?って学生さん、日本で星の物理やろうって言い始めたのは湯川秀樹だよ https://www.jps.or.jp/books/50thkinen/50th_03/002.html

「世界史」の世界史

LLMの技術サマリー

1+1は定義か定理か

リーブ先生はものすごくいろいろな分野の「神」である

『リーブ先生はものすごくいろいろな分野での「神」である』田崎晴明

リーブ先生のガウス賞受賞に際して『数学セミナー』に寄稿した半年前の記事を許可を得て公開します。 https://www.gakushuin.ac.jp/~881791/pdf/Lieb_Gauss_pub.pdf

人月の話の例

経験上、人月の話も並列計算の話もタスク分割と並列化の話なので100マス計算を例に出すと説明しやすくて、

「100マス計算の紙があって、1マス1秒、計100秒で計算できます。では100人で取り組めば1秒で計算できそうですか?紙は1枚だけです」

と言うと多くの人にわかってもらえる

統計学の気分

統計学がどういう学問分野なのかを把握すると少し感覚が掴めるかもしれません. ちゃんとした文献は先述の https://plato.stanford.edu/entries/statistics/ ですが, お気持ち表明としては https://wmbriggs.com/post/3169/ の「Statistics rightly belongs to epistemology, the philosophy of how we know what we know」が好きです.

「数理科学を使えば統計の”主義”を争う必要ない」という主張について検討する

英語が上達する方法

英語が上達する方法:

「ある語の "定義・説明" を尋ねる Q&Aの問いかけを、 頭の中で繰り返す。」

という勉強法がオススメです!

What is ○○? It is 〜20語程度の英語で説明〜.

↑ これを、頭の中で日常的に いつも繰り返すんです。

例えば、 What is language? →答えられますか?

古代ギリシャと化学

「文系だし、化学は頑張らなくていいか……」と流してた高校時代の私を「馬鹿ッ!古代ギリシャ語の錬金術パピルスを読む未来の自分のことを考えろ〜!日本語で化学の教科書しっかり読んどけ!いったい誰がその学問の源流を作ったと思ってるんだお前は〜!!」と往復ビンタで諭したい 高校の全教科が必要だったな!古代ギリシャの全てに付き合うためには……。 古代ギリシャのそういうところが好きなんだけどさ(惚気)。 現代化学、元素や物質の名称が統一されていてマジで便利だ……。 古代ギリシャだと各派閥によってどの物質をどの神の名前で呼ぶかが違うので、「この化学反応が起きるってことはここでの『ディオニュソスの石』は石灰だな」という逆算をしなければいけないが、高校化学を疎かにしていたためそれが困難

はっ。これもバズっているのか……。 古代ギリシャの錬金術、興味ある方はこれも超よろしく。 NHKオンライン講座「古代ギリシャ・ローマの錬金術にせまる」、ただいまアーカイブの再販期間中なのです。 https://nhk-cul.co.jp/sp/programs/pr

マツダがmazdaの理由

  • URL
  • マツダの英語表記がZの理由、これは知らなかった…「90年前のエピソード」に思わず感動

「物理学は数学の一部です」

物理学は数学の一部です、って言われたらどうするよ?rt 「18世紀の力学は、数学の一分野だった」 画像

ベルヌーイ、オイラー、ダランベールの時代ですね この時代のある側面を強調するために出された言葉なので、ここだけ抜き出すと誤解を生じてしまいそうですが。 ただ、時折、かなり時代錯誤的に物理学や数学という区分をこの時代にも当てはめて、物理学が数学を作った!とか鼻息荒く言う人がいるので、解毒剤にはよかろうかと。

cambridge.org Mechanics and Experimental Physics (Chapter 15) - The Cambridge History of Science The Cambridge History of Science - March 2003

なお元つい 引用 部品(森七菜) @tjmlab · 7月8日 「数学は物理学の一部です...20世紀半ば、物理学と数学を分離することが試みられました。その結果は壊滅的なものであることが判明しました。数学者は何世代にもわたって科学の半分も知らずに育ちました。」

→争いが起きそう

例えば、ベルヌーイはダランベールの風についての論文に、「この論文をよんでも、風についてわかることは何もない」。また、弦の振動の方程式の解についての論争は、もっぱら数学的な側面に集中して、物理的な側面はほぼ無視された。 解かれた問題の多数派が、実験との関わりを持たなかった。。。などといったことが紹介されています。

JPNIC: 生きたNW設計や今のトレンド等参考書ではあまり学べない沢山の公演資料が

ネットワークエンジニアにとって有益なのに全然知られてないんだけど、JPNICから生きたNW設計や今のトレンド等参考書ではあまり学べない沢山の公演資料が落とせます。 SP分野が多いけどビギナー向け資料もあるので自身が気になる資料がないか探してみると良いかも。 https://nic.ad.jp/ja/materials/

押井守による宮崎駿

良すぎる。 「押井それに宮さんはすごく細かい。一度、山賀(博之)と庵野(秀明)、前田(真宏)の4人で宮さんの別荘に行ったことがあるんだけど、宮さんはがみがみ怒ってばかり。この3人は本当に何もしないから、仕方なくわたしがご飯の支度をやっていた。…」 https://bunshun.jp/articles/-/64140?page=2

ペアノの公理が何を指すか?

数学教育の話題で「ペアノの公理」が出てきたら、「あなたのおっしゃるのは一階ペアノ算術、二階ペアノ算術、ペアノ構造のどれですか?」と尋ねてください。答えが返ってこなかったり的外れな答えが返ってきたりしたら、そこで話を打ち切るのが吉です。 それぞれが何かについて. https://mathtod.online/@kamo_hiroyasu/110647080208958487

大雑把にいえば、こういうことです。

  • 一階ペアノ算術:自然数だけがある世界
  • 二階ペアノ算術:自然数と自然数の集合(自然数を要素とする集合)だけがある世界
  • ペアノ構造:あらゆる集合が存在する世界における自然数全体の集合

よく教科書にあるこれは間違いなんですか?

これはペアノ構造です。 引用先の著者に「あなたのおっしゃる『ペアノの公理』は一階ペアノ算術ですか、二階ペアノ算術ですか、ペアノ構造ですか?」と尋ねたら、「ペアノ構造です」が返ってくるでしょう。それで支障ありません。

ああ、"ペアノの公理"が「ペアノが提唱した公理」という解釈が可能なので「ペアノの公理」という言葉は相応しくないという意見ですか?

「ペアノの公理」がダメだとは言っていません。複数の意味があるので、そのどれであるかが明確でないと蒟蒻問答になります。相手が複数の意味をちゃんと区別できていると確認できれば支障なく会話できますし、そうでないことが確認されたら会話を打ち切るのが推奨というだけのです。

『微分形式と電磁気学』の補足解説

「割引は引き算ではない」

実は昔、とある大学(勤務校の兵庫教育大学ではないです。名前は伏せます)で『数学』の授業の非常勤を数年したことがあるのですが、内容はほぼ算数でした。 その初回でプレテストとして(状況把握のために)いくつか問題を出して、そのうちの一つが「1000円の2割引はいくらですか」という問題でした。 そのプレテストの解答の中には、 「1000−2=998円」 「1000÷2=500円」 他にも 「2割=0.2である。よって 1000÷0.2=5000円」 という解答もあった。楽しい。 プレテストを返却するときに言ったんです。 「割引き、っていうから、割り算か引き算だと思ってるみたいだけど、掛け算だよ」(どよめき) そのあと色々ありましたが、割合というものを理解せずに大人になると、こういう風になるんだなぁ、というのを目の当たりにした感じでした。もちろん、速さなんて理解してなくて「時速4kmで2時間進と、何km進みますか」という問いに対しても、多くの学生が「はじきを忘れたので、解けません」でした。 面白いことに、そんな彼らも、数の計算ができないわけではないのです。例えば、280×3.2を計算してといえば、計算できます。(もちろんケアレスミスをすることもありますが)しかし、 数直線を書いて、100、200、300、という目盛をつけたあと、280はどこ?(これは分かる)を確認したあと、280×3.2はどのあたり?と聞くと、「そんな難しい計算はやってみないと分かりません」というんですね。なるほど、と思いました。 大事なことは計算の練習ではなくて、割合の表現が何を意味しているかの理解なんですね。そんな彼らに、割合とは何か、速さとは何か、彼らがつまづいてしまったところからきちんと授業しましたよ。 授業の最後の感想文には、「これまで買い物の時、割引ってわからなくて、いつも心配でした。でも先生の授業で、安心して買い物できるようになりました。ありがとうございました」と。ちゃんと、教えれば分かるんですよね。 ちょいバズしそうなので、置いておきます。 本学では、算数・数学教育について、本気で学びたい方をお待ちしています。

ジェネラルトポロジーの本

10年位前、general topologyをちゃんと勉強するなら何を読めばよい?と専門家に聞いたところ、「とりあえずEngelkingのGeneral topologyとArkhangelskiiのTopological function spacesをよめ」と言われてた。 前者は有名なgeneral topologyの本。後者は連続関数全体に色々な位相をいれた空間を扱っている本。最近の一般位相空間論やるんだとそこらへんの空間は結構な頻度で出てきます ということで、みんなもこいつら読んでgeneral topology勉強しよう なお、私はEngelkingは半分くらい(演習問題は除く)、Arkhangelskiiは必要になったとこだけしか読んでません…

Paulによる佐藤幹夫情報

共同通信配信の記事で、北海道新聞さんはカラー写真付きで掲載してくださった。いつ頃の写真か、よく撮れております: https://hokkaido-np.co.jp/article/863790 佐藤幹夫さん(数学者)1月9日死去94歳金字塔の理論、次々と発表 2023年6月19日 10:37

パレスチナの数学教育

目次あり。「批判的思考力の育成という同じ目標を掲げつつも学習内容や方法に様々な類似点と相違点があるパレスチナと日本の数学教育。…」 ⇒田中義隆 『こんなに違う!パレスチナの数学教育 日本の中学校教科書と比較する』 https://www.akashi.co.jp/book/b630599.html 「…分数、割合、関数、図形、統計・確率などについて両国の中学校段階の教科書の記述内容を比較し、その背景にある理由を分析・考察する。」 パレスチナ自治政府の歴史から始まる数学(教育)本というのは中々すごい。ほかの目次を見ると特にパレスチナ側の教育内容に結構ツッコミが入っているようだ(基本的な概念が書いていないとか、定義が不明瞭とか)。日本側にも入っているけど。 と目次を眺めていったら……

人工知能研究の新潮流2~基盤モデル・生成AIのインパクト~ エグゼクティブサマリー

佐藤幹夫関係資料: 講義ノートおよび講義録音, 1984-1986

曲面と結び目のトポロジー

  • URL
  • これいいよ。 この本読むと とにかく 閉曲面の基本群が 生成元 と 関係式で書き下せる。 まあ それがどんな群になるかは別問題だけどね。(^⁠_⁠^;;

生物の本

  • URL
    • 生物やっている友人に聞いてみようくらいのノリで呟いたら、いろんな有識者にアドバイスいただいたので、お礼に変えて一覧にしておきます(多すぎて、抜けがあったらごめんなさい)
    • URL
    • 【緩募】(すっごいざっくりした質問だけど)遺伝子とか生物について独学するのによい教科書ある?高校2〜3年か、大学1〜2回生くらいのレベルで楽しく学べる教科書、募集。(基本的に)趣味です。
  • [1] 数でとらえる細胞生物学 http://amazon.co.jp/dp/4758121060
  • [2] 細胞の物理生物学http://amazon.co.jp/dp/4320057163
  • [3] カラー図解 アメリカ版 新・大学生物学の教科書http://amazon.co.jp/dp/4065137438
  • [4] キャンベル生物学 原書11版http://amazon.co.jp/dp/4621302760
  • [5] Essential細胞生物学 原書第5版 http://amazon.co.jp/dp/4524226826
  • [6] Physics of Life https://nap.nationalacademies.org/resource/26403/interactive/
  • [7] 基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版http://amazon.co.jp/dp/4758121087
  • [8] 現代生命科学第3版http://amazon.co.jp/dp/4758121036
  • [9] 小説みたいに楽しく読める生命科学講義http://amazon.co.jp/dp/4758121141
  • [10] 休み時間の分子生物学http://amazon.co.jp/dp/406520173X
  • [11] カラー図解 進化の教科書 第1巻 進化の歴史http://amazon.co.jp/dp/4062579901
  • [12] 生命のメカニズムhttp://amazon.co.jp/dp/4916166620
  • [13] DVD&図解 見てわかるDNAのしくみhttp://amazon.co.jp/dp/4062575825
  • [14] 遺伝子―親密なる人類史http://amazon.co.jp/dp/4150505713
  • [15] タンパク質の一生: 生命活動の舞台裏 http://amazon.co.jp/dp/400431139X
  • [16] 遺伝子の川http://amazon.co.jp/dp/479422043X
  • [17] 自我の起源http://amazon.co.jp/dp/400600205X
  • [18] 新しい高校生物の教科書http://amazon.co.jp/dp/4062575078
  • [19] マンガでわかる分子生物学http://amazon.co.jp/dp/4274067025
  • [20] 生物と無生物のあいだhttp://amazon.co.jp/dp/4061498916
  • [21] 精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか http://amazon.co.jp/dp/4163444300

物理ができないとはどういうことなのか(はじめの講義)

日中韓共通語彙

  • URL
  • URL
  • 「日中韓共通語彙」 これはすごい資料だ。震える。3言語どの学習者にも有用すぎる。 日中韓で使用される漢字語のうち厳選された658語について、それぞれの意味と使われ方を例文付きで360ページに渡って掲載。ビジュアル的にも実に見やすい。すごい! < https://tcvd-asia.com/wp-content/uploads/2020/05/(JP)TCVD.pdf>

英語史学習・教育とhellog

逆像写像がよい性質を持つ理由

狂犬病予防法違反を見かけたときの対処

うちの子は狂犬病ワクチン打ってません☺️と云う飼い主を見つけた時はどうするかというとですね

その暴露ツイートのURLをインターネットホットラインセンターの通報フォームに入れて「狂犬病予防法違反」と一言書き添えて通報ボタンをぽちっとします

子供のための心臓マッサージ

【注意喚起】 昨日の仕事の帰り道、パパさんと5-6歳くらいの子がお話しながら歩いてて、ベビーカー(B型)に1歳らへんくらいの👶🏻が乗ってるっぽかったの。 ぽかったって言うのは、日除けのために幌に生地重めのブランケットみたいのをぶら下げてて、お顔が見えなかったのね。 ちょっと気になって見てたらベビーカーの👶🏻、手がダランってしてるのが見えてよく見たら真っ青... え!?と思って「すみません!赤ちゃん大丈夫ですか!?」って声掛けたらパパさんすぐブランケット取ったんだけど、口の奥深くにまで突っ込んでたみたいでチアノーゼ。 パパさん大パニックで話ができない状態だったので私が脈と呼吸確認したら微弱。どんどん真っ青になっていって、私もプチパニック。 けど、お姉ちゃんがすごく冷静でいてくれて、「救急車呼べるかな?」て聞いたら「ママと練習したことあるからできるよ!」と言ってくれ、電話掛けてくれた(素晴らしい) 幌にぶら下がってたブランケット地面に敷いて👶🏻おろして、「心臓マッサージできますか?」とパパさんに確認するも、パパさん震えて「わからない」となっていたので許可を得て👶🏻に心マをして3分くらい経ったら👶🏻がけほって咳き込んだ後泣き始めてくれて... 回復体位にして救急車を待って、救急隊員に状況を説明して、パパさんはパニックだったのでお姉ちゃんに私の連絡先を教えて私はダッシュでこえびのお迎えに行きました。延長保育になる1分前。こえび待たせてごめんな🥲 その夜ママさんから状況の確認とお礼の電話が来て、👶🏻も落ち着いて元気にお喋りしてると報告があって一安心...本当に良かった。 おそらくぶら下がってたブランケットで遊んでいたら飲み込むように口に入れてしまったことが原因だとのこと🥲

一晩考えて注意すること沢山あるなと思ったので以下まとめ

①幌を伸ばすなら必ず後付け幌を使う。布で代用しない ②ベビーカーに乗っている時は親が何かしていても必ず数分に1回は様子を伺う(お姉ちゃんとお話していて気づかなかったよう) ③いざという時の心マ等は必ず練習、イメトレしておく! 我が家は週1で夫と復習をしていたからすぐ動けたんだと思う

あとは私は第三者だから冷静になれたというところもあるし、周りに助けを求めるのはもアリだよなと思った。

我が家はコレをLINEのノートに貼って週1復習、人形で練習しています! https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=38705

心マはアンパンマンのマーチを気持ちゆっくりめに頭で歌いながらやると良いです!

【医師監修】早く始めるほど命が助かる!赤ちゃん・子どもを救う心肺蘇生法を覚えておきたい理由|たまひよ 心肺蘇生法 意識がない、呼吸がないなどのときは、迷わず、心肺蘇生を始めましょう。心肺蘇生は早く始めるほど命が助かる可能性が高くなります。呼吸が3分以上止まっていると、脳に酸素が行かず後遺症が残る危険があります。

本当どんなことでも事故に繋がるから...母はしないことでも父が良かれと思ってやってくれたことが実は危険なことだったりね...(今回の件もそうだったみたい) みんな...毎日子の命守ってて偉いよ... 頑張ろうね...! 散歩行ってくるわ...

アンパンマンのマーチを気持ち"ゆっくりめ"っていうのは我流です! 私はそういう時気持ちがはやって歌も爆速で頭で流れてしまうのでゆっくりめを意識して丁度良くなるから、落ち着けてる人は普通のテンポで良いと思う!

補足②突っ込んでくる人増えてきたからいうけど昨日の夜の電話の際にママさんに注意喚起をSNSであげることは許可得てるし、なんなら今度ご飯に行く約束までしてます😌 私はN○Kに無許可で記事にされたことあってムカついてるので絶対に無許可でこういうことは載せません!

大量の宿題

取材に協力した記事が公開されました。様々な形の宿題に苦しめられ、結果として頑張っているのに何一つ身につかない。その悲惨な現実を知って考えて頂きたいです。 「学校の宿題は最低限のもので必ずやるべきものだ」という、一昔前の親世代のイメージからすると想像もつかないくらい多量の宿題に、今の小中高生は苦しめられています。そして、超人的努力を要するのに見当違いなものも多く、いくら頑張っても受験で通用する力は何一つつかないまま時間を奪われます。 そうした宿題からどのように若い世代の学習時間を守っていくのか。「お子さんに宿題をやりなさい!」と言う前にどんな宿題がどれだけ出ているのかを必ず確認したほうがいいです。フィードバックのかけらもないやりっぱなしの多量な宿題ばかりなら、抗議していくことも大切です。 中高生は、「学校の先生が『やれ』と言ったこと」を是非疑いましょう。分厚い、誰もが知っている問題集を薦めてくる先生は、恐らくそれ以外の教材を研究していない可能性が高いです。理解していないことを演習しても仕方がない。ダメな宿題に付き合って、自分の人生を棒に振らないようお気をつけて。

Emacs, rxマクロ

Homotopy Type Theory: Univalent Foundations of Mathematics

『グラフェンの物理学』

『グラフェンの物理学』は,グラフェンの物理学を理論的側面から解説する教科書!グラフェンだけでなく,Dirac 粒子,Berry 位相,エッジ状態,バンドトポロジーといった新しい内容の基本的な部分も習得できるように書かれています!

UX

しっかり学ぶ数理最適化

5/23新刊『初等相対性理論 新装版』高橋 康

5/23新刊『初等相対性理論 新装版』高橋 康3300円(講談社) 高校レベルの三角法と微分積分だけから始まる名講義。泰斗が語る老練でエキサイティングな講義は、読者を相対性理論の本質的な理解へ導いてくれる。

チラシ厳禁, 着払い返送します

AQFTのレビュー, 2023

there seems to be a series of review papers on mathematical QFT. here is one by Buchholz and Fredenhagen on AQFT Detlev Buchholz, Klaus Fredenhagen, Algebraic quantum field theory: objectives, methods, and results

[2305.11709] Detlev Buchholz, Klaus Fredenhagen: Arrow of time and quantum physics http://arxiv.org/abs/2305.11709

初等的な不等式のPDF

柳田『初等的な不等式Ⅰ』 http://izumi-math.jp/I_Yanagita/emath_ver1.1ps.pdf 柳田『初等的な不等式Ⅱ』 http://izumi-math.jp/I_Yanagita/emath_ver2ps.pdf

ウクライナのゼレンシキー大統領は21日、訪日日程の終わりに記者会見を開いた際に、日本国民へ向けた演説

親愛なる日本国民よ!平和を大切にする世界の全ての人よ!

私は、戦争によって歴史の石に影のみを残すことになってしまったかもしれない国からここへ来た(編集注:ロシアの全面侵略戦争でウクライナが消し去られてしまう可能性を指している)。しかし、私たちの英雄的な人々は、私たちが戦争をこそそのような影にしてしまうべく、歴史を戻している。

私は、世界に戦争の居場所はないと信じている。人類は、とても長い道を通ってきたのであり、血塗られた対立で多くの命を失ってきた。死が空から降ってきて、死が海からやってきた。放射線が死をもたらした。人々は、互いに死を持ち寄ってきた。ある者は、人類の歴史は戦争抜きには想像できないと述べる。私たちは、人類の歴史は、戦争抜きにしなければならないと述べる。

ウクライナは殲滅戦の中心地にいる。私たちの大地には、私たちウクライナ人を単に服従させたいだけではない侵略者がやってきた。ロシアは世界に嘘をついている。あたかも「ウクライナ人など存在しない」と。

もし私たちがこれほどまでに勇敢でなければ、ロシアの私たちに対するジェノサイドは成功してしまっていたかもしれない。ウクライナは影だけになってしまっていたかもしれない。全ての人々が、影だけに!

しかし、ウクライナ人は、果てしなく勇敢である。果てしなく自由を愛している。そして、私たちは生きていく!そして、私たちは自由に生きていくのだ。

敵は核ではない兵器を使っているが、ロシアの爆弾と砲弾で焼き尽くされた町々の廃墟は、私が先ほどここで見たものと似ている。私にとっては、その平和記念館を訪れられたことは光栄である。そのような機会を与えてくれたことにつきとても感謝している。あなた方の民が自分たちの歴史で目にしてきたことは、何千という家族のありふれた生活の代わりに、灰だけが残り、町の代わりに焼け落ちた廃屋が残り、建物の代わりに瓦礫だけが残る、というものだ。

今、広島は復興している。そして、私たちは、現在、ロシアの攻撃の後で廃墟となっている全ての私たちの町、一軒たりと無傷のものの残っていない私たちの一つ一つの村の復興を夢見ている。

私たちは、自分たちの領土を取り戻すことを夢見ている。ロシアに占領されていた北部の領土を取り返したように、私たちは、東部と南部のウクライナ領を取り返さなければならない。私たちは、現在ロシアに拘束されている人々を取り戻すことを夢見ている。それは、捕虜や、民間人や、追放された大人や拉致された子供だ。私たちは、勝利を夢見ている!私たちは、勝利の後の平和を夢見ている。

しかし、そのためには、その侵略者が負けなければいけないだけではなく、現存する戦争の野心が敗北せねばならないのだ。そして、それは世界中の全ての人にとって重要なことである。私は、世界にウクライナの団結の呼びかけを聞いてもらうために、ここ、広島にいる。

ロシアは、文明的なものの全てを踏みにじった。ロシアはもう、1年以上私たちの最大の、欧州にて最大の!原子力発電所を占拠し続けている。ロシアは、戦車から原子力発電所を砲撃した世界のテロ国家である。原子力発電所を武器や弾薬の保管用演習場にした者は他に誰もいない。ロシアは、私たちの町を多連装ロケットシステムで砲撃するために、原子力発電所によって身を隠しているのだ。もし世界の誰かが、ロシアの他の戦争犯罪をまだ無視することができるのであれば、そのような人道に対する罪は、間違いなく全ての人を行動に駆り立てしまうことだろう。

これを話しているのは、1986年にチョルノービリの放射線の惨劇を経験せざるを得なくなった、私たち、ウクライナなのだ。私たちの大地の一部は、いまだに立入禁止区域、汚染区域である。想像して欲しい。ロシア軍はその区域を通って進軍してきたのだ。彼らは、ソ連時代に放射線に汚染された物質を埋めた森に塹壕を掘っていたのだ。

そのような水準の悪と愚行のロシアの行動が悪い結果をもたらすことなく放置されるのだとすれば、世界は間違いなく破滅するだろう。国の要職に就く他の犯罪者たちが同じような戦争を望んでいる中では、それは時間の問題に過ぎない。

もしロシアに占領した領土をほんの一片でも与えてしまったら、国際法はもう決して機能することはないだろう。

ウクライナは「平和の公式」を提案した。公正で現実的なものだ。その最初の項目は、放射線・核の安全だ。ロシアは、放射線・核で世界を脅迫することを止めて、現在占拠している原子力発電所をウクライナと国際原子力機関(IAEA)の完全な管理下に戻さねばならない。

私たちの平和の公式には、全部で10の項目があり、その1つ1つの意味が国連(総会)決議によって確認されている。そこには、私たちの国に対するロシアの戦争を終わらせるために機能するあらゆるものが含まれている。

しかし、ウクライナの「平和の公式」の力は、ロシアの侵略の野心を止めて、ロシアが侵害した安全を回復した後でなお、世界にもう1つの追加的な結果をもたらすものでもある。それは、他の潜在的侵略者を麻痺させる、というものだ。戦争を望む者一人一人が、世界が平和を望む時にはどれだけ団結し、どれだけ覚悟を示すのかを目にしたら、戦争を始めることには意味がなくなるのだ。

これまで世界には、侵略者を止められるような公式がなかった。ウクライナはそれを提案している。ウクライナは世界に、戦争からの救いを提案している。そのためには、団結して、ロシアを最後の侵略者にしなければならない。そのロシアのウクライナへの侵攻の敗北後に、平和のみが栄えるようにだ。

私たち、人類は、異なる文化、異なる見方、異なる国旗を有している。しかし、私たちは、自分のため、自分の子供、孫のために等しく安全を望んでいる。そして、戦争が訪れてしまったら、私たちの命は、等しく灰じんと化してしまうのだ。

戦争からは影のみが歴史の石に残るよう、それが見られるのが記念館だけとなるようにするためには、世界の誰もが、あらゆる可能なことをしなければならない。

世界の誰もが、他国の人々を尊重しなければならない。

世界の誰もが、国境を認めなければならない。

世界の誰もが、正義を守らなければならない。

世界の誰もが、命を大切にしなければならない。

世界の誰もが、自らの義務として平和を受け止めなければならない。

広島よ、この数日間、通りで見られた青と黄の旗について、私はあなたに感謝している。ウクライナの旗があるというのは、自由への信念、命への信念、私たちを信じる心があるということを証明している。ありがとう!

日本よ、ありがとう。岸田文雄首相よ、全ての日本の人たちよ、包括的な支援をどうもありがとう!

戦争の全ての犠牲者を永遠に追悼する。

平和が訪れますように!

ウクライナに栄光あれ!

「女性君主なら平和」というイメージは真実なのか

数年前に「女性君主の方が男性より約39%戦争を起こしやすい傾向がある。」って論文が出て話題になったんですけどねぇ。 (此処のnoteから論文「Queens」のリンクに飛べますよ。当然全文英語ですけど。) 「女性君主なら平和」というイメージは真実なのか

東大理学部物理2023の学生展示, 数理物理班

  • URL
  • 微分幾何ノートの出来が良いらしい.

魔法少女によるTogetter: 法と論理と言語

徳川慶喜の玄孫が「家系の断絶」を決意した理由とは…120年以上続く名家の「家じまい」事情 徳川慶喜家第5代当主・山岸美喜さんインタビュー

法律用語としての「差別」

「不当な差別」という用語でどうこう言ってるの、これくらいには目を通してくれという感じだが。 http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000967115.pdf

>1.法律や条例における「不当な差別」及び「差別」の用例 ○ 法律においては、「不当な(に)差別」、「差別」のいずれも使用されているが、 「不当な(に)差別」のほうが多い傾向にある。

>また、「不当な差別的取扱い」と いう形で使用されていることが多い。 (例)「不当な差別」:人権教育及び人権啓発の推進に関する法律

>従来の憲法学の通説や判例では、「合理的差別」、「不合理な差別」というように、「差別」という言葉をいわば価値中立的に用いてきたとされている。

AIテセウスの船

  • 背景は自分 キャラはAIの絵は…
  • キャラは自分 背景はAIの絵は…
  • 構図はAI, 手直しは自分の絵は
  • 構図は自分, 出力はAIの絵は…
  • 絵の描けなくなった老人が、介護ロボットに命じて描かせた絵は
  • メインキャラは自分, それ以外のモブはAIが出力している場合
  • ロボットを墨汁にぶち込んでそれを振り回して人間が描いた絵
  • メインキャラの顔は人間, それ以外の全部をAIが描いてる漫画
  • ロボットが人間に命じて描かせている絵
  • 上司ロボットが人間に絵を描くように命じ、その人間が下請けロボに命じてその下請けロボットくんによって描かれた絵
  • 人間の脳を完全にトレースして作られた人造人間 ヒューマノイドが描いた絵
  • ドラえもんが描いた絵
  • 人間の脳をコピーした後そのデータをチップに詰め込み、脳を摘出したのちチップと置き換えた人間が描いた絵
  • 設定 キャラデザ 世界観など全てAIが考えたが人間が描いてる漫画

2023-05-13 競技プログラミングによる中学生へのプログラミング指導/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 競技プログラミングによる中学生へのプログラミング指導
  • GPT-4による論文の概要把握
  • 三平方の定理の新しい証明
  • 「これからの集合と位相」
  • ChatGPTでの語学学習
  • 生物学と物理学の境界
  • ヤウのインタビュー
  • 小松彦三郎先生の『グロタンディク空間と核定理』
  • 白石直人さんによる「ゆらぐ系の熱力学」の教科書

メルマガページへのリンクは次の通りです.

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メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.

ではまたメールします.

近況報告

何かいつの間にか一月もメルマガを書いていませんでした. 仕事関係のプログラミングの勉強ばかりであまり数学もできていません. 久しぶりにプログラミング関連をかなり基本的なところから再勉強していて, ようやくわかってきたこともあれば, ただの勉強ばかりで実戦投入できずいまひとつ身についていなかった知識も実戦投入で血肉になりつつあり, とても楽しいので問題視しているわけではありません.

数学と言えば久しぶりに現代数学探険隊を一から眺めて記述を整理しています. そしてようやくコンテンツ販売している分の解析学編の整理ができました. 改めて眺めていたら自分にとって「こういうのがほしかった」をまとめたコンテンツなだけに, 読んでいてとにかく楽しく飽きが来ません. 焦点がバチバチに合っているときに書いた多少複雑な部分で, 久しぶりに読むともう少し記述を追加しなければならないところもいくつかありますが, 全体的に後で行間を埋めるのに時間を使わなくて済むように詳しく書いているため, その意味でもすらすら読めます.

まだまだ磨くべき部分はあるにせよ, 少なくとも自分が心からよいと思える内容にはなっていてとても気分がよいです.

あと, プログラミング学習と言えばいわゆるAI(機械学習)利用がなかなかよいです. とんでもない嘘をつかれる場合があるとはいえ, ChatGPTはGoogle検索で見つけづらいピンポイントの話題を解決したいときにかなりの威力を発揮します. phind.comもいろいろなサイトを取りまとめてくれるため, 検索で重宝しています. 人間絵の(?)イラストレーター界隈では相変わらず燃え上がっていますが, それぞれ高度な専門性がある(とされる)翻訳や確定申告については「さっさとシステム・人工知能でどうにかしてくれ」と言い, 同業であるはずの背景関係の生成ツールは「これで絵を描くのが一段と楽になった」とまで言ってきていた人が人間絵の生成は駄目だと言い出すのはさすがに筋が通らないだろうとは思います. 欧米だととりわけ児童ポルノに関わる形で問題視されているようですが, どうなることやらという感じがあります.

この間Twitterでコンサル系の人が「ChatGPT+Midjourneyを使って中小企業向けのロゴ制作の会社を作れる」と言って, デザイン系の人達で「あんな質の低いロゴでは話にならない」と言っている様子を見かけました. ただプロの目から見て, 実際にプロの仕事を比較したら優劣がわかるとしても, 比較対象がない中でそれだけ見せられたら十分ではないかと思えるようなものではないかとも思います. それこそ医学などの微妙なところはともかく, 数学や物理での明らかな嘘が平然とまかり通っている以上, プロの仕事を判定するにもプロの力が必要です. そもそもプロの仕事がオーバーキルで, 伝統工芸のように腕のいい職人の製品は高くて買えない贅沢品になる可能性もあるのでしょう.

もちろんプログラマーの処遇ももはや自明ではないと思っていて, それもまたどうなることやらといった感じです. Wolfram alphaと機械学習連携の話も出ていますし, 数学・物理もどこまで敷居が下がるか, それとも逆に上がるのかが気になっています.

競技プログラミングによる中学生へのプログラミング指導

やるやると言っていた中高生向けの話, ようやくはじまりました.

様子を見ているとタイピングスピードと正確さがないようです. 中学生がゴリゴリタイプする機会もそうそうないでしょうし, それはそうだと思ってタイピング練習の時間も作っています.

それで調べていたら私が中学生の頃, タイピングソフトは3000-5000円くらいしていた記憶がありますが, いまやネットでフリーでちょっとしたサイトがいくつもありました. 確かにいまやそのくらいでお金を出す人もいないのかと思うと, 一種のジェネレーションギャップを受けました.

GPT-4による論文の概要把握

GPT-4のWeb Browsingを使うと、「(論文のタイトル)について内容を教えて」と指示出すだけでいい感じに内容を要約してくれるので感動した。

最近研究者界隈のこの辺の話をよく見かけるようになりました. 試す機会もないため論文レベルでどうかはよく知りませんが, ちょっとした文なら読むだけではなく書く方も英語ならだいぶ便利です. 機会がないためあまり調べていないのですが, 会話関係はどの程度できるのでしょうか.

ああ、さっきから僕が言ってるボイチェンはこれの話です。声を作らなくても完全地声でちゃんとかわいい美少女ボイスに変換されます。 ただし発音・発声・口調の汚さは補正されないので僕みたく品がない人はまず品を手に入れましょう……(

『「RVC」+「VC Client」で自分の声を任意の声にリアルタイム変換しよう!』という記事を書きました。 https://eyatu-vrc.hatenablog.com/entry/2023/04/06/193512 DiscordやVRChatで任意の声へのボイチェンをするための手順を書いた記事です。 動画はずんだもんの声になったEヤツです。 不明点があればリプやDMでご指摘ください!

方向性は違いますが, コンテンツ制作関係でこの辺も気になっています.

三平方の定理の新しい証明

ニューオリンズの高校生2人が、無限級数を使ったピタゴラスの定理の新しい証明を発見。彼女らがこれを米国数学会で発表して話題に。 Here’s How Two New Orleans Teenagers Found a New Proof of the Pythagorean Theorem

アメリカの高校生が発見したという、三平方の定理の新しい証明法だそうです。高校数学でも新発見ができるものなのですねぇ。

さらにこんな話も.

【JKが学会で発表】 アメリカの女子高生が、三角関数を使ってピタゴラスの定理を証明する方法を発見しました。 三角関数を使ったピタゴラスの定理は、循環論法を回避するのが難しく、2000年間不可能だと考えられていました。 すごい。

❌2000年間不可能 ️ピタゴラスの定理が発見されてから、1度も発見されていなかった

「これからの集合と位相」

基本事項の羅列ではなく、議論の流れが読み取れるようにまとめ、自習に利用できるテキスト 『これからの集合と位相』梅原 雅顕/一木 俊助(裳華房) 「圏論」の普及に伴い、空集合・空写像の概念が重要視されつつあることをふまえ、付録の最終節として、空集合の扱いについての解説を掲載!

『付録の最終節として、空集合の扱いについての解説を掲載!』が特に気になります. あと以前英語版を紹介した記憶がある, 「圏論による位相空間論」的な本も和訳が出ました. 英語の方を読もうと思いつつ本だけあって読めていなかったうちに和訳が出てしまいました.

ChatGPTでの語学学習

なんかなんでも今更なんだけど、ChatGPT で語学を勉強するの楽しすぎてやばいんだけど 以前のノートを整理しながら文法を直してもらったり、文法や表現の不明点を解説してもらったり、用例を作ってもらったり、至れり尽くせりだよな クラスの先生は疎か、一対一の語学先生よりも百倍便利で草生える

ほんの一例だけど、ノートに溜まってた謎のフランス語とドイツ語の文を解説してもらいつつ、新たにまとめていくことをやっている https://sharegpt.com/c/QHKAISZ 自己紹介のテンプレートを書かせつつ、短くしてもらったり、文法をやさしくしてもらったり、解説してもらったり、記入してもらったり、追加情報を入れさせてもらったり、もうやばいん なんなら特にやることがわからないときでも、graded reader(易しい文法レベルまで落とした読み物)を童話からの bilingual text 作ってもらって、有名な話なんであらすじはわかるから comprehensible input になるし、わからないところば質問していいし、飽きたら新しい物語を作ってもらってもいいし

私もいま自分が所属している語学コミュニティ向けにちょっとした語学学習用のサイトを整備しています. 英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語あたりをいろいろまとめています. 語学学習用のコンテンツにはまだ載せていませんが, 最近はアラビア語とサンスクリットもやっています. ChatGPTも使っていろいろ取りまとめていて, やはり時々とんでもない嘘をつきます. 将来はともかく, いまはある程度の知見がないとChatGPTはうまく使えるツールではないように思います.

生物学と物理学の境界

生物学と物理学の境界について、少し前に思うところを書いた文を公開します(PDF)。双方の研究者がどういうところで仲違いしているのか、寺田寅彦が研究者の間で好かれてたりそうでもなかったりするのはどういうことか、

寺田寅彦の随筆をだいぶ前に読んだことがあるのですが, いまひとつピンと来ませんでした. この辺の味わいがわかる人に解説してもらう勉強会なども面白そうと思って幾星霜です.

ヤウのインタビュー

これもなかなか面白かったです. 数学・物理勢にはお勧めです.

小松彦三郎先生の『グロタンディク空間と核定理』

小松彦三郎先生の『グロタンディク空間と核定理』がウェブで公開されました。 https://digital-archives.sophia.ac.jp/repository/view/repository/20230419101

白石直人さんによる「ゆらぐ系の熱力学」の教科書

ゆらぐ系の熱力学の教科書がついに出版されました!確率過程の基礎やゆらぎの定理、情報熱力学、熱力学的不確定性といった定番トピックスはもちろん、2022年までのこの分野の主要な結果は大体網羅した決定版です。 https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-19-8186-9

確率過程とその熱力学・統計力学への応用はずっと気になっていたため, この本もかなり気になっています. もちろん情報熱力学にもずっと強い興味がありました. すぐに読む時間が取れそうにないのが悲しいところ.

メモ

Yahoo!きっずを使うライフハック

ライフハックなんだけどGoogleとかで検索した時に、情報がクソみたいなまとめブログしか出ない時は、「Yahoo!きっず」で検索し直すといい。 これすると、マジでクソまとめブログが激減して、必要な情報にたどり着ける可能性が上がる。

岸田首相の海外からの評価

我々が「海外から見たバイデン、習近平、プーチン」を見れるように、 「海外から見た岸田文雄」という非常に有益な情報なので政治齧ってる人は全員見るべき

Exclusive: Prime Minister Fumio Kishida tells TIME's @CharlieCamp6ell about his plans to transform Japan's role in the world https://ti.me/3nRThwX

男なら死ねい

たまたまyoutubeで流れてきたhttps://www.youtube.com/watch?v=Q1CSrD5kbQA&t=137s「お母さんが幸せでなければ、誰も幸せになりません。お父さんが幸せでなくても、誰も気にしません。」、まさしく江田島平八のhttps://livedoor.blogimg.jp/suko_ch-chansoku/imgs/c/0/c0b95be0.jpg?fbclid=IwAR32uL5UGCZ0cUMn3MbPKMLHIn_oNeLtw2IzgARJYMVVKLS3gHwDAVP7L8wで、男塾は英語圏でも通じるのかと深い感銘を受けている。

Creating Software with Modern Diagramming Techniques - Build Better Software with Mermaid, Ashley Peacock

ChatGPTで無料で学べる『英会話AI』の作り方

「『ChatGPT』に『Voice Control for ChatGPT』を入れるだけで、永遠に無限の英会話の時間を自分の部屋でできるようになった。しかも完全に無料である。」 ChatGPTで無料で学べる『英会話AI』の作り方(神田敏晶) ChatGPTで無料で学べる『英会話AI』の作り方

生江シェフの修士論文

2023-04-08 スペクトル理論と一変数関数論/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • スペクトル理論と一変数関数論
  • 京都大学2回生の統計力学の期末試験を解いた論文
  • ヘリウム危機
  • ChatGPT+Wolfram Alpha
  • メモ: Document IDを使う

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スペクトル理論と一変数関数論

継続的に対応している現代数学探険隊のノート整理で, スペクトル理論の章を整理しています. 思った以上に関数論をゴリゴリ使っていてちょっと驚いています. もちろんレゾルベント(グリーン作用素・グリーン関数)は作用素値正則関数である以上, 関数論の結果が援用でき, 実際にいろいろな応用・展開があるのは嫌というほど知っていますが, 久しぶりに見るとこんなにも空気のように使われていたのかと驚いたのです.

現代数学探険隊では関数解析のあと, 無理やり関数論に進んでいて, 関数論が必要だからというのはもちとんわかっていたものの, なぜこういう構成にしたか, その理由を改めて実感しています.

さらに強く, 多変数関数論のバナッハ環論への応用といった話題もあります. ヘルマンダーの本にも(何故か)一章割かれていて, 時代的にも重要な対象だったのかもしれません. 詳しく読めてはいませんが, 実際に書名がバナッハ環への多変数関数論の応用という洋書があるのは知っていて, これも読んでみたいと思って幾星霜です. いま読んでいる層とホモロジー代数が終わり, トポロジーのノート・指数定理のノート・モース理論のノートが作り終わったら読みたい本のリストには入れてあります.

京都大学2回生の統計力学の期末試験を解いた論文

「京都大学2回生の統計力学の期末試験」を解いて論文にしました。 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.130.148101 ゲルにおける「負のエネルギー弾性」の統計力学にもとづく説明です。 試験問題の公開から3年以上がたち、試験時間は大幅にオーバーしてしまいました。 https://t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2023-04-05-001

三重大学の白井さん(@nobucshirai)との共同研究です。研究の経緯は、プレスリリースにも書きました。白井さんとは、オンラインで出会い、一度も対面で会わずに原著論文にまで仕上げました。オンラインで理論物理の議論は厳しいと思っていましたが、双方の努力次第でなんとかなることがわかりました。

作道さんのゴム弾性の研究の話を聞いたことがあり, 非常に面白かったです. このあたりは統計力学・物性論の多彩さと面白さで, 熱力学熱と統計力学熱が高まります. 先日, 2022年のフィールズ賞受賞者の業績が$\phi^4$の自明性の証明だったとも聞き, イジング熱が高まっているため, 改めて原-田崎本を読む機運が高まっています. 早く幾何系のノート作りを終わらせたいです.

幾何は幾何で学部一年で深谷賢治さんの本を読んで以来, ずっと憧れの分野で, これはこれできっちりやりたいのです.

ヘリウム危機

Twitterで貴重な資源であるヘリウム浪費問題が流れてきました. 関係する記事も流れてきたのでシェアします. どうも嵐がコンサートで凄まじい浪費をしたために世界で大問題になったこともあるとか. 知らなかったのでちょっと驚きました.

産業・医療応用が重要な対象をエンタメで消費するのはいいのか悪いのか.

ChatGPT+Wolfram Alpha

ついにChatGPTと数学が融合、Mathematica開発者ウォルフラムさんの生の興奮が伝わる記事 ChatGPT Gets Its "Wolfram Superpowers"!

これで数学系のグラフ作成・動画作成が楽になると数学・物理教育にもいい影響があります. 私もプログラミング関係のコンテンツを作って管理する必要がなくなるので, 早くいい感じに使えるようになってほしいです.

メモ: Document IDを使う

今回のIPAのサイトリニューアルでわかったように、URLは脆弱なので、djb先生の唱えるDocument IDを使おう https://cr.yp.to/bib/documentid.html UUIDでも何でもユニークっぽい文字列をページごとに書いておいてそれをURL代わりに使えば、ググればページが見つけられる

先日サイトリニューアルした上で, さらにWordPressで作った本サイトも潰してこちらをメインに据える予定があります. 今回はもういいやと思っていますが, 次回何かあったときはちょっと考えたい内容です.

2023-04-01 数学・物理 熱力学が楽しい/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • サイトをプチリニューアルしました
  • 近況報告
  • ChatGPTに数値計算コードを書いてもらう
  • 全悪質時空
  • トレースの定義

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サイトをプチリニューアルしました

メルマガを載せているこのサイトはテキストファイルからmkdocsで作っています. 変換・アップロードが長くいい加減面倒になってきたため, 分散させていたファイルを一つにまとめました. リンクがメチャクチャになってしまっている部分もありそうですが, 気付いたら修正します.

一部のページは重くなってしまっているため, 必要に応じて適当に分割する予定です. 私自身はローカルで必要に応じてgreprgで検索をかけて読んでいるため, Web版の重たさになかなか気づけません. これまでいちいちgrepしていたのがファイル内検索で済むようになり, 私としては効率がよくなったのですが. メルマガページも少し重いかもしれません.

WordPressで作っていた旧本体サイトも, Webのインターフェースが重いのが嫌です. いまのアーカイブサイトのローカルのテキストファイルは, 複数ファイルにわたってちょこちょこ必要な記述を追記・修正できる点で, 個人のサイト・情報管理としてはもうWordPressは面倒なので, はやいところ移行したいですが, その作業も面倒で止まっています. WordPressを潰したら, このアーカイブも本体に格上げ予定です. いつになるかわかりませんが.

近況報告

熱力学のノート作りが一段落してちょっと気が抜けたのか, あまり数学・物理をやる気が出ず, 仕事がらみのプログラミングの勉強というか, ドキュメントの読み込みをしていました.

最近の公式ドキュメントは確かに充実していてよいのですが, いつも気になるのはハイパーリンク構造のドキュメントそのものです. リンクがあるとついつい踏みたくなってしまうため, あちこち意識が飛んで気が散ります. こういうときは紙でもPDFでも, 余計なリンクも少なく気が散らないように前から読める(必要なら適当に飛ばせる)本の形式はよいなと思います.

プログラミングと言えばGitHub Copilotが時々「これが書きたかった」というコードをぼんと出してくれるので, 確かに快適です. まだうまく使い切れていないのですが, いま仕事で使っているフレームワークの挙動に慣れてくれば, 基本的な枠組みをサクサク書けてGitHub Copilotとよく協調できるようになるのではないかと期待しています.

会社では一人エンジニアで技術的に質問・相談できる人がおらず, とうとう本格的にStackoveflowやGitHub Issueなどの質問サイトデビュー的なものをしてしまいました. 技術系の質問ならそれほど苦労せず英語で書けますが, それでも考えると面倒なときはChatGPTにも英作文のお手伝いをしてもらっています. 他にも語学学習でChatGPTにお世話になっていますが, 少なくとも現時点ではまだまだ思うようにいかない面が多々あります. 一人でやっていると本当につらいため, 何事にも先達はあらまほしきことなりの心を改めて痛感しています.

来週は数学ノート作りに戻りたいですね. ホモロジー代数もさっさと仕上げて, トポロジーの基礎のノートを作って, はやく指数定理とモース理論あたりまでは整備したいです. それができれば他の好きな解析学, または数理物理系の議論に舞い戻れます.

全悪質時空

名前が面白くて気になっています. 特殊・一般相対性理論もそのうち通信講座で扱いたいですね.

トレースの定義

えへへ,内緒.というのは冗談で,学生向けだとやはり対角成分の和.大学院向けだと固有多項式の (n -1) 次の項の係数 x (-1) かな.もっと intrinsic にやりたければ Σ (一般固有空間の次元)x(固有値). でもこれでは無限次元で使えないので,やはり線型汎関数 T であって T(xy) = T(yx) を満たすとするのがいいのかな. もっとも,これは T(x) の定義ではないね.やはり x のみの情報で定義したいなぁ. そうだね,自己隨伴作用素に関していえばトレースってのはスペクトル分解そのものって言っても良い気がしてきた.それが核関数で書ければその関数をトレースって呼んでもいいね. 忘れてた.トレースの重要な特徴付けの一つ. 一般線型群の不変式のなかで斉次一次式のもの. しかし,これも A のトレースだけ,っていうピンポイントじゃないなぁ.しかし,私の専門はだいたいこれなので忘れちゃいけない. この視点にたてば,det と trace の間にある残り (n - 2) 個の不変式を hyper trace っていうか,degenerate det っていうか,そういうものとして考えられる. 要するに基本対称式だけれどねぇ.

無限次元ではトレースが収束する作用素は極めて強い性質を持ち, 物理的によく現れる作用素の大半はトレースが取れません. 特に量子統計で出てくるトレースはそのままでは数学的に正当化できません. これに関わる理論が冨田-竹崎理論です.

2023-03-25

数学・物理 熱力学が楽しい/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • ChatGPTに数値計算コードを書いてもらう
  • Wolfram alpha+ChatGPT
  • 熱力学のリハビリ

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  • 今回のページ
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近況報告

先日からホモロジー代数を止めて熱力学の復習を進めています. ようやくあと少しでギブスの自由エネルギーまで一通りノート作りが終わります. 具体例に対する修行がまだまだ足りないものの, 一般論はだいぶ復習が進みました.

やはり熱力学は楽しいですね. 何度も書いているように力学のようにハードな計算が必要なく, 簡単な偏微分の計算程度の数学的な負荷しかない割に, 神秘扱いされがちなエントロピーへの理解も深まり, 応用上の威力も高い熱力学は得られるメリットに比べて苦労が少ないです. 変な言い方ですが非常にコスパがよいです. はやく基本的な数学のノート作りを終わらせて統計力学, 特にイジング模型の再勉強がしたいです.

そういえば仕事関係の勉強ばかり最近の動向追いかけてきれておらず数日前にはじめて知ったのですが, 2022年のフィールズ賞の受賞者の主要な業績が相転移・臨界現象まわりで, いわゆる$\phi^4$の自明性がようやく完遂されたとか.

長年未解決だった構成的場の量子論の問題である4次元時空のφ⁴ モデルのtrivialityは、2022年のフィールズ賞受賞者のH.Duminil-Copinらによって示されたのですが、先日、日本数学会で東京に滞在中に書泉グランデでその解説記事がある過去の数学セミナーが買うことができよかったです。

当然イジング模型との関係も深いためイジング熱が再燃しています. 楽しみが増えました.

ChatGPTに数値計算コードを書いてもらう

ワイ「二次元の熱伝導方程式をPythonで解きたい」 ChatGPT「Sure!この拡散方程式を解くよ!コードだよ」

ワイ「いいね。計算する時間を4分割して、それぞれの時刻で温度分布を出力するコードに修正できる?例えば2.0秒だったら、0, 0.5, 1.0, 2.0、みたいな感じで」 ChatGPT「Certainly!」

まだ自分できちんと試していないものの, 数学・物理の勉強もますます勉強しやすくなってきています.

書いたことがある人はよくわかるように, 数値計算コードは書くだけでも大変です. 特にバグ取りが地獄です. 計算したあとの可視化も楽ではありません. そもそもプログラミング学習自体が簡単ではありません. 数学なり物理なりがやりたいのに余計なプログラミングを勉強するのも手間です. まさに学生時代の私です.

一応書いておくとプログラミングだけできても, 数値計算の結果の理解となるとやはり数学や物理の知識が必要です. いろいろな都合・理由で適切な結果が得られるとは限らないからです. 結果が物理的に妥当か判断するだけの物理の力量が必要です. そもそも現実的なモデルをきちんと組んできちんとしたシミュレーション結果を出すのはプロの仕事になるほどです.

それでも物理がある程度わかっている人であっても, 実際にシミュレーション結果を見ると割と感動する場合があります. これも前に書いた記憶がありますが, 統計関係の勉強会でスターリングの公式の数値検証をして, 「学部一年から知っている内容だが, 実際に数値検証でグラフを見るとこれまでとは違った感慨がある」という話をしたことがあります. 物理で博士を取っている人とも意見が一致しました.

数学や物理の勉強にも手軽にプログラミングが使えるようになって, それ自体は明らかによい話です.

Wolfram alpha+ChatGPT

数学・物理界隈でも機械学習利用が加速しています. 私は本業こそプログラマーですが, あまりそこにアイデンティティは持っていません. しかし飯の種ではあるため, 職業としてのプログラマーがどうなるかはそれなりに大きな問題です. 心配しすぎてもどうにもなりませんが, 身の振り方が本格的に問題になってくる可能性も視野に入れないといけないのかと言う気はしています.

熱力学のリハビリ

あと少しでギブスの自由エネルギーまで一通り復習が終わります. 近況報告でも書いたようにやはり楽しいですね.

やはり慣れは大きく, 温度を変数にした議論はさくさく読み進められます.

改めて勉強していて, 理論構成の上でヘルムホルツの自由エネルギーはいい具合の落とし所という実感が強まっています. 流体系に限らない一般的な熱力学で物理の理論という前提に立てば, 常に存在を仮定できる変数はエネルギーです. 熱力学固有の量として孤立系(断熱系)特有の量がエントロピーです.

一方, 環境との相互作用を考えるとき, 環境を特徴づける量として温度を導入するなら温度も自然な量です. 流体系を越えた一般的な熱力学を考えるなら仮定できるのはここまでです. 一方ギブスの自由エネルギーはふつう流体系を前提に, 温度・圧力(と物質量)を変数にした完全な熱力学関数です. 特にヘルムホルツの自由エネルギーからルジャンドル変換を取る変数が体積で, 変数として体積を持つ系でないと意味を持たない量です.

例えば強磁性体はふつう体積をパラメーターに持ちません. 特に温度と磁化を変数に設定してヘルムホルツの自由エネルギーで議論するのがふつうでしょう. 完全な断熱系だけを議論の対象にしない限り温度を全く考えない熱力学はありえないため, ヘルムホルツの自由エネルギーは温度に対する直観も導入しながら一般の示量変数に対する理論も展開できる便利な熱力学関数です. 相転移, 特に三重点まわりでの議論がうまくいかなくなるのも, かえって熱力学の難しい事情を浮き彫りにしてくれると思えば教育的とさえいえるでしょう.

日々の自分用メモ

物性物理とトポロジー: 非可換幾何学の視点から

物性物理とトポロジー: 非可換幾何学の視点から

内容詳細: 本書は,物性物理学における物質のトポロジカル相(topological phase)の理論の一部について,特に数学的な立場からまとめたものである.とりわけ,トポロジカル相の分類,バルク・境界対応の数学的証明,の2つを軸として,分野の全体像をなるべく俯瞰することを目指した.

  • 導入
  • 関数解析からの準備
  • フレドホルム作用素の指数理論
  • 作用素環のK理論
  • 複素トポロジカル絶縁体
  • ランダム作用素の非可換幾何学
  • 粗幾何学とトポロジカル相
  • トポロジカル絶縁体と実K理論
  • スペクトル局在子
  • 捩れ同変K理論
  • トポロジカル結晶絶縁体
  • 関連する話題
  • 補遺

「よく漫画で出てくる神社の神様が女の子で〜みたいなやつあるけど、そういうの見るたんびに、こいつ戦時中は出征する若者やおっさん達に沢山祈られて、一生懸命ご利益振りまいたけど誰も還ってこなかったんだろうなとか勝手に思ってる」

よく漫画で出てくる神社の神様が女の子で〜みたいなやつあるけど、そういうの見るたんびに、こいつ戦時中は出征する若者やおっさん達に沢山祈られて、一生懸命ご利益振りまいたけど誰も還ってこなかったんだろうなとか勝手に思ってる

というか100年くらい存在しているあらゆるキャラクターの戦時中の動向を無意識に考えてしまう そういう病気

草臥れた山村の最後の一人だった親戚の遺品整理にやってきた旧軍オタの前に、戦時中に出征したまま骨も帰ってこなかった昔の村人と勘違いしたのじゃロリババアが現れて喜ぶも、途中で時間の経過に気づいて正気に戻ってしょんぼりしながら誰も帰ってこなかった話をし出す。

ニューギニアで壊滅しましたからねぇ・・・と言う言葉に、行先が分かるのかとBBAが食いついてきたので、どうせもう住人も居ないんだから帰ってこなかった連中の骨を探しに行こうと言い出す旧軍オタロリババア神様と旧軍キモオタのドタバタ地獄参りが今始まる!

ここまで妄想したそういう病気なんだよほっといてくれ

お前が神様になってしまってどうするんじゃ!って言わせたいね?それが言いたいだけ

女性差別と男性差別のメタな違い

これが女性差別との違いですよね、メタ性

・男性は社会的に差別されている ・弱い男性はさらに激しく差別されている ・差別に抗議する男性は弱いとみなされ、激しく差別されるため、抗議できない

ここまでは周知徹底したい 具体的な差別(強くあらねばならないとか女を守れとか)に言及しても「そうだね、どっちもなんとかしていかなきゃいけないね」になってしまう、悪くすると差別コストとか言われてしまうから、メタ性に焦点を絞っていかなきゃいけない

ヨスガノソラ

多分俺たち世代は近親相姦で連想するのはヨスガるという単語で 公共放送としてはヤりまくった問題作ではあるんやが あの作品自体は性行為と背徳感を非常にテーマとして重視してるのでこのテーマに関心ある人には勧めたい作品 近親相姦とそれを周囲がどう解釈するかの生生しさもいい描写でしたしね

エロと創作の基本

エロには創作の基本が全部つまってます

  • ・ターゲットが許すならOK、NGならNGという基本
  • ・釣り詐欺や裏切りダメという基本
  • ・辻褄合わせは二の次という基本
  • ・真実は求められてないという基本
  • ・大事なのは棲み分けであり統合ではないという基本
  • ・性癖と妄想をぶちまけるのが創作という基本

R18はエロいか、そうでないかが全てやからな 画力や辻褄よりやっぱりエロいかどうか

  • ・読者はシャイなので感想はレアだという基本
  • ・全体に合わせるより一点特化という基本
  • ・エロい(面白い)ければこまけえことは全て許されるという基本
  • ・何をおいてもキャラとシチュという基本
  • ・エタってもいいという基本
  • ・基本褒めという基本

創作入り口には大変オススメでございます

  • ・テンプレが山程あるが、そのテンプレに沿っててもちゃんと受け入れられるという基本
  • ・なんなら沿ってるほど褒められる基本
  • ・でもニッチはニッチでありがたがられる基本
  • ・予想(エロに至る道筋)は外してもいいが、期待(エロそのもの)は外すながこの上なく理解されてる基本

ちなみに推理を入り口にすると…

  • ・エタは絶対に許されないという思い込み
  • ・矛盾は絶対に許されないという思い込み
  • ・お前のルールよりリアルを優先しろという思い込み
  • ・キャラよりも話の構造という思い込み
  • ・世界設定はガッチガチにしろという思い込み

推理は創作の基本の逆に位置してます

創作の基本は大喜利だったり「こういうのどう?」からスタートするというのが学べますね

これはマジで仰る通りですね(スケベめちゃくちゃ楽しく書いてる人) 付け加えるなら、Twitterでつぶやく程度の文字数のアイデア、性癖語りからいくらでも膨らませられますしね 『Twitterにネタ・あらすじだけ書いて満足して作品にしない』やりがちだけど、スケベはツイートがまんまネタ帳になりやすい twitter.com/kazakura_22/st…

ChatGPTによる教育

やばいやばいやばい!!ちょーーーやばい!!!

AIが生徒に連立方程式を教えてる…ヤバすぎる…

GPT-4がマジでヤバい!!! (ChatGPTの進化系みたいなもん)

とりあえず学校の先生はみんな見て!!!

教育にも革命がががががが…(語彙力

画像見たらわかるけど、その生徒の回答にあわせてAIが教えてる。

これは今まで先生がずっと付き合ってなかったらできなかったやつですよ。それをAIがやってくれてる。

何がヤバいって「いつかそんな時代が来るよね」とか"ミライのハナシ"してたつもりが、多分もうすぐそこw

貼り付けてた画像の引用元はこちらね。Google翻訳で日本語にして出してます。 https://openai.com/research/gpt-4

「個別最適が〜」とか言ってた教育界隈はホントに見た方が良い。もちろん100%正確というわけではないし、それはOpenAIも指摘してる。

それでも、「それなりの正確性を持った学習のアシスタントが生徒一人ひとりに付く」という影響は計り知れないほど大きい。

まだデモ画面での動きやし、実際に教育現場で使うにはUIとかも未熟だとは思うけど、教育関係者なら画像のAIが「かなりのレベルで指導してる」ことがわかるはず。

ちなみに、GDP-4のレベルは司法試験の上位10%程度らしく、領域によっては大体の人類を超えましたね。

模擬司法試験に受験者の上位 10% 程度のスコアで合格します。対照的に、GPT-3.5 のスコアは下位 10% 前後でした。

あと、画像の通り「大学院入試の模試」でほぼ満点取ってますw

AI先生すごい!!

重点解説! TeX Live 2023はココが違う!

64ビット版で何がうれしいのか

32ビット版のバイナリでは「使用可能なメモリ領域は2GBまで」という制約がありますが、64ビット版にはありません。TeXにおいてメモリ領域の制限が問題になることは滅多にないのですが、一つだけ、とても大きな違いがあります。

64ビット版ではLua(La)TeXで巨大なフォントファイルを多く使ってもメモリ不足で落ちることがなくなる。

LuaTeXでのOpenTypeフォントの処理は大量のメモリを消費します。特に日本語のフォントはそれ自体のサイズが大きいので顕著になります。5個くらいの書体を使おうとしたり、あるいは「游明朝」のような“複雑”なフォントだとそれ1つを使おうとしただけで、メモリ不足で異常終了する事態が簡単に発生していました。

TeX Live 2023ではWindowsユーザでも安心してLuaTeXの「強力なフォント処理能力」を使えるようになります。

AI界隈とある予測

2023-03-18

数学・物理 機械学習系アプリの活用/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • GitHub Copilotの導入
  • Rust本格参戦
  • アラビア語
  • 熱力学のリハビリ

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近況報告

今週はChatGPT4旋風が巻き起こっていたような印象があります. 後で書くように私も重い腰をあげてGitHub Copilotを導入しました. 見た人も多そうですが, Twitterで評判になっていたのでとりあえず結城浩さんのGistを共有しておきます.

フロントエンド学習および機械学習系の動向をゆるく追う勉強会を一緒にやっている人がもともと車系のエンジニアだった人で, いま映像系のフリーランスをやっている人です. 主に映像系の活動をしているTwitterで機械学習系の話をしているとイラスト・映像系の人から「危機感を覚えないのか」と言われる機会が増えたようで, 当人は「仕事の面はあるにせよ, 何を恐れているのかわからない. 楽しく描いたらではないか. それはAIには奪われない.」と言っていました. 「AIは純度嘘発見器」なのかもしれないとも.

飯の種になっているとなると純度だけで割り切れなくなるとはいえ, 何にせよ楽しめるかどうかは大事なのでしょう. どこまで適切な比喩・比較になるのか現時点で予断を許しませんが, むかし写真が出てきたときも絵描きの仕事はどうなるという話が出たようですが, 絵と写真についていまでも絵は絵で楽しい営みとしてあり, 一方で写真は写真やジャーナリズムだけではなくそれ自身アートにもなりつつあり, 今度はアプリによる加工で写真が事実を写してくれなくなりつつあり, といった多重構造が出ていると聞いています.

数学・物理がどうなるかはわかりませんが, プログラミングに関しては競プロなど楽しみでやっている部分もあり, 飯の種にしている部分もありで, どこまで楽観視していられるのかはよくわかりません.

これまたTwitterで「いまはAI生成のプログラムもテスト回りで責任問題と関連して人間が関わらざるを得ない部分ではないかと言われているが, 昔電卓で計算したのを算盤で計算しろと言われたナンセンスだとなったのと同じように, AI生成のプログラム・システムを人間がチェックするのは老害の証拠になるのかもしれない」と言っている人も見ました.

何にせよもはやこれと付き合わざるを得ないのは間違いないので, 世間的な行き着く先はきちんと観測して, 自分自身の身の振り方を考え続けないといけないなとは思っています.

GitHub Copilotの導入

重い腰を上げて今日の朝導入しました. 昨日の夜, Rust系の人が「自分もようやく導入した. 思っていた以上にコーディングがはかどったのでもっと早くから入れておけばよかった」と言っていて, 競プロでRustを本格的にはじめようと思っていたので踏ん切りがついた形です.

まだ実感できるほどプログラムを書けているわけではないので, 二ヶ月のお試し期間で遊び倒せれば, と思っています.

Rust本格参戦

去年から本格化させた競プロ学習で, 参考のためにいくつかの言語のコードを同時に眺めています. 見ているとPythonやRustはデータ構造系のライブラリが強力で, ライブラリへの外出しによって問題ごとの重要なアルゴリズム構成に集中できそうな気がしてきました. ただでさえF#は命令型系の機能・構文がいくつかないためにC++・Pythonのコードの直移植がしにくいところでも頭を使う必要があります. はじめこそ「ヒープなどはよくわかっていないからライブラリに外出しせずにきちんと書きたい」などと思っていましたが, もうさすがにそこまで書きたくありません.

中学の頃, 初等幾何で「『以下同様に』が気にくわない. そのような省略はやっていいのか. そもそも本当に『以下同様にで』処理しきれるのかもよくわからない」と以下同様にと書かずにしばらくやっていました. 何かのタイミングでふと「同じことしかやらないのにいい加減何度も書くのは面倒だ」と思う瞬間があり, 「これが『以下同様に』の心か」と思ったのを思い出しました.

私はHaskellから入ったため, F#自体はじめは無理に完全な関数型的な書き方をしていたものの, 特に競プロでは非純粋性をうまく使った方が読みやすく書きやすい現実にぶちあたって, 程よく命令型系のコードも混ぜ込んで書くようになりました. もともとHaskellの凄まじい部分に踏み込むようなコードを書くわけでも書けるわけでも読めるわけでもないため, RustもF#での経験を活かして, 自分にとって気持ちよく書く方法を探します.

外出しと言えば, 数学や物理では省略箇所は定理や公式の結果だけ頭にロードすればいい一方, プログラミングでは頭でわかってもライブラリなどが使えなければきちんと書くしかありません. そしてきちんと書かないとバグってひどいことになります. 機械学習アプリに書かせる・GitHub Copilotのような補助を使うのも含め, 自分自身のプログラミング学習方針についても考え直す必要があるのでしょう.

アラビア語

これも1月から本格的に再開しました. 以前何回か, 語学学習のコミュニティでペルシャ文字入門の勉強会があって, そこでアラビア文字を雑に勉強して都度完璧に忘れるのをくり返していて, 今回は2ヶ月半, 毎日朝一時間程度の時間を割き続けるられるように習慣化しました. はじめはつらくてよくさぼっていたのですが, キーボードでアラビア語配列が少しずつ頭に入って打ちやすくなってから耐久力がつきはじめ, いまでは気がつくと一時間経つような状態になってきました. 年始の段階は5分で地獄のようにつらかったため, まだ何もわからない状態でも2ヶ月続ければこのくらいの精神的な負荷にはなるのかと実感しています.

Rust学習も以前にやったときは進捗が一気に死んで嫌になったのが二回ほどあります. 今回はアラビア語のおかげと進捗が死んでもRustをやると振り切ったおかげで, Rust学習ものんびりじっくり進められそうです. Rustは最近のフロントエンドで速度を求めるべくツール開発がRust一辺倒になっている印象があり, Rustは書けなくても最低限読めないと今後つらいのではないか感があります. これもRust再学習のモチベーションの一つです.

何にせよ初学の苦しみを忘れないためにも新しいことに挑戦するのは大事だと改めて実感しています. ようやく文字が認識できるようになってきたものの本当にそれだけで, 文字は認識できるが必ずしも全単語がスペース区切りされているわけでもなく, 活用も覚えていなければ単語も何も覚えられていないので何もわからない状態です. 「何が書いてあるのか本当にわからない」は今でもHaskellでよくあります. 競プロの短いコードでもさっと読めないプログラムがいまだに大量にあります. 数学や物理でも初学・非専門の人はこういう気分なのだろうと.

通信講座でも一回のボリュームをだいぶ削りました. 以前は「こんな簡単な問題をこれだけしか出していないのでは満足してもらえないのではないか」と思って, 復習の問題もかなり出していたのですが, 改めて初学またはしばらく触れていなかった社会人だとこれでも血を吐くほどつらかろうと思い直し, 量を減らして確認問題の内容もかなり変えました.

高いお金を払って最初はやる気まんまんでもすぐにつらくなるのは何度となく経験しています. アラビア語も勉強会をやって人を巻き込んでいるからこそぎりぎり勉強時間を確保できています. 仕事でも一人エンジニアで技術面で質問できないのがつらく, 最近はStackoverflowやGitHubのイシューに質問を出すようになりました.

熱力学のリハビリ

一旦田崎さんの本を雑に読んで雑にノート作りをしています. 他のノート作りを止めていて雑にまとめているだけなので, 来週, せめて今月中にはほしいところまで一通り終わらせたい見込です.

力学から手作りで理論を構築する様子を見せてくれる点で田崎さんの熱力学の本はやはり抜群によいです. さすがに教養レベル程度の力学を知らないとどうにもなりませんが, 一定以上の物理をやる上でそれはもうどうしようもありません. 力学に慣れていないと困るからこそ私の通信講座+勉強会企画でも初回に力学を据えたわけで.

力学的・物理的にこうあってほしい要請, 実験事実に基づく要請から「それは確かにそうだろう」という結果が出てきます. しかも一つ一つのステップで力学のようなハードな計算はあまり出てきません. そしてそれを積み上げるとエントロピーのような量とその強く非自明な性質が出てくる点が面白いです. 計算もハードではなく(田崎さんの本なら)議論もクリアなので, 熱力学はとても取り組みやすい分野です. 応用上の重要性もさることながら, 世間的に神秘的な扱いをされるエントロピーにも挑めます. 昔の自分を思い出しても量子力学・相対性理論に並ぶ「素人」垂涎の分野ではないかと思っています.

みんなもっと熱力学をやってほしいです.

日々の自分用メモ

図解

図解制作がなぜ稼げるのか、全力で解説します。


📌『"図解制作者"が圧倒的に少ないから』これに尽きます。

とはいえ、『コンテンツ制作代行』と銘打って活動をする人は多く存在します。 図解制作から始まって、動画編集からサムネイル作成、YouTube台本の制作からアナリティクス分析など、幅広く請け負う最強のジェネラリストです。

図解1本でやるよりも、当然仕事の幅は広がりますし、1件あたりの単価も雲泥の差が生まれるでしょう。

それでも、ありがたいことに僕は"図解だけ"でフリーランスとして多くのお仕事を頂けて、稼げている状態にいます。


📌僕が図解制作者として稼げているのは、文章をメインで発信されている方から依頼を頂戴しているためです。

動画に挟む図解と、文章に挟む図解。 作るものは全く同じでも、求める層(発信ジャンル)が違うため、コンテンツ制作代行を行なっている方とは競合になりません。

競合が居なければ、多くの方から声をかけていただけるのは必然。 言うなれば『"文章をメインとした"コンテンツ制作代行』というポジションを取れたから、忙しく仕事をさせていただけているのだと考えています。

動画全盛期とはいえ、文章で稼いでいる人も計り知れないほど多く存在します。 そういった文章で稼ぐ方へ向けて、『図解』というコンテンツのお手伝いをさせていただいているということです。


📌さらには、図解は多くの発信者が『欲しい』と考えています。

図解が欲しいのは、1万人以上のフォロワーが居るインフルエンサーや、数百万を稼ぐアフィリエイターに限りません。

フォロワーが100人未満でも、PV数がゼロに等しいブロガーでも欲しいんです。

✔︎あなたのツイート全てに図解が付けられたら? ✔︎あなたのブログの見出し全てに図解が付けられたら?

発信者として活動をしているなら、欲しいと思いましたよね。

文章を分かりやすくしてくれて、完全オーダーメイドの画像なんて、SEOの観点でも最良です。 影響力を付けたい発信者から見ても、図解ツイートに手を伸ばしたくなるのは当然ですよね。

ーーー

📌図解作りの上手い人が『1枚500円でツイート図解のお手伝いをします』と声を上げたとしましょう。

✔︎図解が10枚あれば、週に1回投稿して2ヶ月半くらい使える ✔︎図解が20枚あれば、週に1回投稿して4ヶ月くらい使える ✔︎図解が30枚あれば、週に1回投稿して半年間は使える

半年前に投稿された画像を覚えている人は ほとんどいません。 ということは、30枚の図解を、半年に1回を目安に循環させれば、毎週定期的に図解ツイートを発信できるようになる訳です。

1枚500円を30枚で掛け算する。 結果、1万5千円払えば、あなたのアカウントで、週1投稿の図解ツイートが年間を通してできるようになるんです。

そう考えると、1万5千円なら投資してもいいかな…と感じる人は多いはず。


📌話を戻せば、1枚500円なら、発信者から当たり前のように図解が買われるということです。

2枚の納品で4桁のマネタイズ達成。 20枚の納品で5桁のマネタイズ達成です。

500円はぶっちゃけ低単価すぎるので、将来的に見れば単価UPの施策は必須です。 それでも、マネタイズの難易度は、その他の副業と比較しても圧倒的にカンタンです。


📌インフルエンサーの無料プレゼントは図解の宝庫です。

「図解が上手くないからできない」と考えるなら、スライドの無料プレゼントを受け取って、徹底的に模写を繰り返してください。 100枚単位で最高品質のスライドを配布して下さっているのだから、それを参考にしない手はありません。

それに手を伸ばさず、ただ自己満足で「見やすくなったかも!」なんて状態じゃ絶対に上手くなりません。 『買われている図解』の特徴を、自分の中に落とし込んでください。

※当たり前ですが、丸パクリして発信は絶対NGですよ!


📌本気でマネタイズを目指すなら発信スタイルも変えてください。

あなたのフォロワーが『発信者』でなければ、マネタイズまで辿るのは少し難しいです。 美容アカウントの運用者が、美容の情報を知りたいフォロワー対して『図解が欲しい人いませんか?』なんて呼びかけても反応されません。

アイコンも、名前も、ヘッダーも、プロフィール文も、固定ツイートも、全部見直してください。

ついでに、実際に図解が欲しい人=発信活動をされている方と交流ができると、なお良いでしょう。 個人的に、オンラインサロンへ参加して交流を増やすのがおすすめです。


📌まとめ

✔︎図解制作者は圧倒的に人数が少ない →今なら図解制作者として稼ぐ枠が空いている

✔︎1枚500円なら買いたい人が大量に居る →速攻でマネタイズできる可能性を秘めている

✔︎参考の図解が無料で配られまくっている →いくらでも演習できる

結論:稼げる!!!!!!!

ガーシー参院議員「除名処分」 参院懲罰委で決定

ガーシー参院議員「除名処分」 参院懲罰委で決定 あす正式決定 | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230314/k10014007601000.html “参議院懲罰委員会は、14日、改めて審査を行い、ガーシー議員の弁明について、党の浜田政策調査会長は「不登院という事情をもって除名処分に至ることは違法だ」と述べました”

同志社大 武蔵教授「処分はやむをえない」

参議院事務局の元職員で国会の制度に詳しい同志社大学の武蔵勝宏教授は、ガーシー議員が不当逮捕される可能性などを理由に帰 国しないことについて「国会議員には会期中の不逮捕特権があり、日本の司法手続きを理由に出席できないというのは正当な理由 とは言えない。陳謝の懲罰に対して、出席すると回答しながら欠席したことは参議院の権威をおとしめるもので処分はやむをえな い」と指摘しました。

そのうえで「ガーシー議員が集めた28万票余りは重みがあるが、国会議員は投票してくれた有権者だけでなく全国民の代表で、高 額の歳費が支払われ続けることも理解は得られない。議員が主張するオンラインでの参加には国会改革として道理はあるが、実現 するには法改正が必要で、議員として国会に出席したうえで主張するべきだった」と述べました。

一方で、議員資格を失わせる除名処分については「戦後3例目の非常に重い処分で、裁判で争うこともできず、本会議の決定が最終 決定となる。慎重の上にも慎重な検討が必要で、本人に弁明の機会がなかったのは残念だ。会期末までまだ3か月あり、登院停止処 分を踏まえたうえで会期末に除名にするやり方もあり得たのではないか」と話していました。

麗澤大 川上教授「国会議論が極めて重要 有権者は認識すべき」

政治心理学が専門でネットと政治の関係に詳しい麗澤大学の川上和久教授は、ガーシー議員が当選した背景について「参議院の比 例代表はテレビで全国的な知名度があるタレント候補が当選するケースが多かったが、近年はネットユーザーから支持を集める人 が得票を伸ばす現象が出てきている。芸能人のスキャンダルを取り上げる『暴露系ユーチューバー』として活動し政治の闇を暴く と訴えたガーシー議員が政治不信を抱く有権者のニーズをくみ取った側面はあると思う」と指摘しました。

そのうえで「ネット社会では自分の考えに近い情報だけに接触する『フィルターバブル』という現象が広がり、社会の分断が加速 することが懸念されている。こうした中で言論の場である国会で合意を見いだしていく努力を続けなければ、民主主義は崩壊する 危険もはらんでいる。国会の場で考えが違う人たちと議論することは民主主義社会で極めて重要で欠かせない手続きだということ を今回の除名処分を教訓に有権者は改めて認識すべきだ」と述べました。

AWSサーバーレス環境でのロギング

ラプラス変換の厳密な処理

フーリエ変換に関して厳密に書かれている本はとても多いと思いますが、ラプラス変換に関して厳密に書かれている本はじつは一度もみたことがなく、もしご存じの方がいたら教えてください。

ベクトル値のLaplace transformでよろしければ,以下のArendt et al.の本が厳密かと思います. https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-0348-0087-7

なぜ表現を考えるのか

群Gのベクトル空間への線型な作用を表現という.もちろん一般の空間 X への G 作用は線型でないし,ベクトル空間への作用だってほとんどの場合は線型でない. では,なぜ表現を考えるのか. 一般に,空間 X に対して X 上の関数環 F(X) を考えるとそれは『とても X に近い』.たとえばコンパクト位相空間上のゲルファントの表現定理は,F(X) の極大イデアルとして X が復活できることを主張する. もちろん F(X) はベクトル空間で,X への G 作用は F(X) 上の線型な G 作用,つまり表現を引き起こす.だから表現の性質(例えばプランシュレル型の既約分解)は X の性質を反映している. 惜しむらくは,F(X) の積構造が表現自体には反映されないこと.もっとも掛け算をテンソル積 F(X)⊗F(X) = F(X × X) と関連付けることで X は『ほとんど』再生される. ちょっと惜しいのはそのような『関数環』のような莫迦デカイ空間上のテンソル積の分解理論がよく理解できていないこと. これはやってみる価値があると思うが,かなり難しそう.まずは X が有限集合の場合から始めるのかな. ところが,なんと

隅廣の定理:正規射影多様体への線型代数群の任意の作用は『線型化』できる

という信じられないほど強力な定理がある.ある意味線型代数群の作用は表現からやって来るわけ. びっくりするね. 隅廣の定理 作用の線型化

2023-03-11

数学・物理 スペクトル分解のハマりポイント/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 記事紹介: 「ChatGPT」に浮かれる人が知らない恐ろしい未来
  • 競プロの進捗
  • スペクトル分解でのハマりポイント
  • 熱力学のリハビリ

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  • 今回のページ
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近況報告

ゆるくChatGPTとの付き合い方を考えています. とりあえずは簡単な提案をしてくれる高機能な検索くらいの気分で付き合おうと思っていて, 冷蔵庫の余りものから献立を提案させるツイートなどを見かけました.

先程このようなツイートを見かけてちょっとやりとりしました.

流体の教科書で式変形が死ぬほど間違ってる本とか見ると、やはり人類の注意力に依存するのは悪い文明!粉砕する!!となるわけですが(´・ω・`)

一回性が強い計算をチェックしてくれるのは機械学習系では無理そうで, とりわけ「詳細は読者に任せる」とされがちな細々とした計算の話をどう処理するのかはかなり気にはなります. 数式処理と機械学習の組み合わせみたいな話も, 私が非専門だから知らない・見えていないだけで何かしらあるのだとは思いますが.

記事紹介: 「ChatGPT」に浮かれる人が知らない恐ろしい未来

最近いろいろと評判の悪い新井紀子さんへのインタビューです. この記事に関しても批判的なコメントがいくつかありますが, とりあえず次のコメントは私もかなり気になっています.

そのとき、われわれは過去30年間享受してきた「ウェブ」という資源を失うことになるかもしれませんね。

メルマガなりウェブサイト運営なりで少しでも数学・物理関係の面白い情報が届けられれば, と思っていろいろやってきたわけですが, これまでとは違う工夫が必要になってくるのかもしれません. コミュニティベースの口コミ的な要素がますます重要になってくる気もします.

競プロの進捗

評判がよいので買ってみた鉄則本で, A問題・B問題が70問程度あり, C問題が20問程度ある中でいったんA・Bが終わってCが残り10問程度になりました. はじめのうちはがんばって考えつつやっていたものの, 後半は息切れしてまずは他の言語のサンプルをもとにF#版を作るだけで手一杯になったため, もう何周かしないといけないものの一周目はもう少しで終わります.

いまさらながら数学・物理学習とプログラミング学習の違いをもっと意識して取り組むべきだったと思うようになったため, 自分用の備忘録がてらいまの所感を共有します.

基本的なアルゴリズムやデータ構造はそれ自体をきちんと読み書きするのは実際によい勉強になります. よくも悪くもF#(.NET)はデータ構造関係があまり充実しておらず, そこを埋めるのはよい勉強になったものの, 競プロの問題を解く中で基本的なコードを何度も書かないといけないのが非常に面倒で嫌になっています. 何だかんだ一番読み書きできるのがPythonなためPythonコードも参考にしていたものの, ライブラリ利用で簡潔に終わらせている場合がよくあります. アルゴリズムを組む上では重要とはいえ, 競プロとして本質的な頭の使い方をするにはF#は向いていないと痛感しています. もう一つ, パラパラとコードを見ているとRustも標準ライブラリ(またはAtCoderで使えるライブラリ)が割と充実していて, 特にAtCoder上での本格的な言語はRustに移行しようかとも思っています. Rust自体, 最近はWebのフロントエンドの処理系やツール開発で標準の言語になりつつあるようで, 多少なりともRustに慣れておくとよいような気もしています.

鉄則本の一周分はF#をメインにするものの以降どうするか検討中です. F#自体はその程良いREPLも含めて非常にお気に入りなので.

スペクトル分解でのハマりポイント

通信講座・勉強会で簡単な二次対称行列の平方根と対数を計算する問題を出題しました. そこで検算も入れていたものの検算の計算を間違えていたのですが, この間違いがハマりポイントでした. ウェブ上で式を書くのが大変で, 何度も書きたくないのもあって詳しくはここでは書きません. 興味がある人は次回の通信講座・勉強会に参加してください. メンテナンスまで含めていつどこでどう公開するか悩んだままのPython/SymPyによる検算用コードなども共有しています.

それはそれとして, やはり具体例をきちんと計算して確認する意義を改めて痛感しました. わかっていると思っていた議論にこんな落とし穴があるとは思ってもいませんでした. 二次の対称行列とその計算を馬鹿にしたものではないと実感しています.

熱力学に関わる凸性の議論でも三次のヘッシアンの半負定値性を示す苦労も実感したところなので, 行列の計算は本当に大変です.

熱力学のリハビリ

思っていた以上に細かい議論を追いきれないため, いったんふつうに教科書の一般論を読んで復習するモードに切り替えました. 特に学生時代に一所懸命読んでいた田崎さんの本を読み直しています. やはり慣れた流れなので読みやすいです. 大きく言えばおそらく新井先生の『熱力学の数理』も同じ流れと思います. 特に新井先生の本は前書きで「エントロピーや絶対温度は導出するべきものとはみなさない」というコメントがあります. もちろんLieb-Yngvasonの論文をうけた話です.

エントロピーの導出はともかく, 絶対温度の導出にはさほど興味がないのですが, いまは力学と同じく孤立系から議論をはじめて相互作用系に進むという流れで定式化したい意図があります. 田崎さんの本のように絶対温度をはじめから仮定すると当然外界との相互作用がはじめから前提になるため, ここを整理し直すのが当面の目的です. もちろん「孤立系」とは言ってもいわゆる「外界」がないだけで, 適当な意味で系の相互作用を考えなければいけないのが熱力学ではあります.

次の次の通信講座開催には計算問題整備が間に合えばいいなとは思っています. 今度は線型代数ではなく, 多変数の微分に関わる計算練習と熱力学というテーマで通信講座を組もうと思っています.

日々の自分用メモ

ChatGPTメモ: 春におすすめのダイエット用冷スープレシピを提案してください

春におすすめのダイエット用冷スープレシピとして、「トマト冷製スープ」を提案します。

  • 【材料】
  • トマト … 6個
  • キュウリ … 1本
  • 赤パプリカ … 1/2個
  • レモン汁 … 大さじ2
  • オリーブオイル … 大さじ1
  • 塩 … 適量
  • 黒胡椒 … 適量
  • 【作り方】
  • トマトは皮をむき、ヘタを取ってざく切りにする。
  • キュウリは皮をむき、種を取ってざく切りにする。
  • 赤パプリカは種とヘタを取り除き、ざく切りにする。
  • フードプロセッサーに1〜3の材料を入れ、なめらかになるまで混ぜる。
  • 混ぜたスープにレモン汁、オリーブオイル、塩、黒胡椒を加えてよく混ぜる。
  • 冷蔵庫で冷やしてから、器に盛り付ける。

トマトにはダイエットに必要な栄養素が含まれており、また、トマトの酸味やレモン汁の酸味が食欲を抑えてくれる効果があります。キュウリや赤パプリカも低カロリーで、食物繊維やビタミンCを豊富に含んでいるため、ダイエットにも役立ちます。オリーブオイルはヘルシーな油で、味のアクセントにもなります。是非お試しください。

ジャガイモやカボチャを使った冷スープレシピも提案してください。

ジャガイモやカボチャを使った冷スープレシピとして、「かぼちゃとジャガイモの冷製スープ」を提案します。

  • 【材料】
    • カボチャ … 300g
    • ジャガイモ … 150g
    • 玉ねぎ … 1/2個
    • 牛乳 … 150ml
    • コンソメキューブ … 1個
    • 水 … 400ml
    • 塩 … 適量
    • 黒胡椒 … 適量
    • クレソン … 適量
  • 【作り方】
    • カボチャは種と皮を取り除き、小さめの角切りにする。
    • ジャガイモは皮をむき、小さめの角切りにする。
    • 玉ねぎはみじん切りにする。
    • 鍋に1と2と玉ねぎ、コンソメキューブ、水を入れて火にかける。
    • 煮立ったら中火にし、野菜が柔らかくなるまで15分ほど煮る。
    • 火から下ろして、粗熱が取れたら牛乳を加え、フードプロセッサーでなめらかになるまで混ぜる。
    • 塩、黒胡椒で味を調え、冷蔵庫で冷やしてから、器に盛り付ける。
    • クレソンを飾って完成。

カボチャとジャガイモはどちらも食物繊維やビタミン類が豊富で、低カロリーなのでダイエットにもぴったりです。また、牛乳を加えることでまろやかな味わいになり、食欲を満たしてくれます。クレソンは栄養価が高く、彩りも良いので、ぜひトッピングに加えてみてください。

公理的凸集合論

  • URL
  • Van de Vel, Theory of Convex Structures

全さんの社会物理学

複雑系物理学の細菌の発展の一つが「社会物理学」です。私自身の最近やってる仕事はこのあたり見てください。 https://twitter.com/Quantum_Zen/status/1613110136415088643 こおゆう話、寺田寅彦に聞かせたらきっと喜ぶ事間違いなし

複雑系物理学的、数理科学的手法を使っての社会現象の研究の、数式使わない解説が拙著の次の章に見つかりますので、本持ってる人は参考にしてください 「銀河の片隅で科学夜話」第13夜 「渡り鳥たちが語る科学夜話」第13夜、第15夜

そいえばプロ向けの本が最近出て、これはストロガッツ読み終えたレベルで読んだら、社会物理学の研究最前線に即達するすごいやつです。社会物理学の創始者の一人、小田垣孝先生たちの本 https://amazon.co.jp/dp/4320036190 「社会物理学-モデルでひもとく社会の構造とダイナミクス」

TeX 参考文献リストに本文引用ページ番号をつける

\usepackage[pagebackref=true]{hyperref} とすると参考文献リストの末尾に本文引用ページ番号がついて非常に助かっているのだが,単に数字が出るだけなので,本文のページ番号なのかどうか,パッと見わからんなぁと悩みだしたが,再定義方法があった.

リベアルアーツ大学の死

米国で「リベラルアーツ大学の死」が始まった英文学も歴史学も資本主義に抗えず

2月にバージニア州のメリーマウント大学が、英文学や歴史学、哲学、社会学などの専攻をなくすことを決めた。全部で10の専攻が削減されたが、そのほとんどがリベラルアーツだ。

これらの学問は人気がなく、専攻する学生が少ないからだという。講義科目としては残るが、専攻したりその学位を取得したりすることはもうできなくなる。 米国では2016年以降、87校ものリベラルアーツカレッジが閉鎖、あるいは近くの大きな大学に合併された。

宗教二世問題から考えるべきこととは

トランス差別, 性別で区分されたスペース編

ここ最近のトランス差別の盛り上がりについてみんなたちに伝わる言い方でののべから発信しようと思って考えてたんだけど、疲れてRTばかりしているトイレ風呂は100万回擦られてる話で、ここにわかりやすい解答があるから見てみてね 「素朴な感覚・疑問」って、「あんまり考えてなくて何も知らなくてまったく調べてない」ってことだから、あんまり開陳しない方が良いと思う……ののべは……

みんなね……リンク踏まないよねたぶん……簡易に書くからね……

トイレはどれ使うの? →自分の状態やその場の状況に合わせて適した方を使うみたいだよ

公衆浴場ではどうしてるの? →性器の形に従うみたいだよ

100万回擦られてる風呂トイレの話を「今」盛り上げてるのって、「差別を禁止したら、マイノリティを自称することで何をしても無罪になる」みたいなあり得ないことを主張してる人たちで、ここ最近のTwitterを眺めてて「確かにトイレに男の人入ってきたら怖いよねー」と何となく思ったみんなたちは、 その先に「だからセクシャルマイノリティの差別を禁止するのはやめよう」を用意している人たちがいることを覚えていてほしいみんなたちはたぶん「そんなつもりない」んだろうと思うので

冷蔵庫の残り物からChatGPTにレシピを提案してもらう

主婦の皆へ、これがchatGPTのとても便利な使い方です。夕飯に悩んだら冷蔵庫の材料を伝えて見ましょう。うちの冷蔵庫の中身が少なかったのと、和洋折衷それぞれレシピについて提案してほしいと伝えたらもっと解像度高いかもしれません。

2023-03-04

数学・物理 思った以上に熱力学がつらい/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告: 最近のAIを試しはじめてみた
  • 熱力学のリハビリ

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近況報告

ここ最近アラビア語学習に関連してChatGPTを使いはじめました.

比較的最近はじめた知人とゆるくやっているWeb系のオンライン勉強会があり, その知人はイラスト・映像系の仕事もしているため, Midjourneyなど最近のAI関係の話もゆるく共有していました. 数学・物理に関わる教材でイラストや動画を作るのにも転用できないかとずっと興味はあったものの, なかなか具体的な遊び方が見つからず悶々としていたのですが, ふとこれまた別途やっている(教えてもらっている)アラビア語勉強会で, アラビア語学習に使えないかと思い立ち, ちょこちょこ使っています. 簡単にその状況を紹介します.

はじめは翻訳ついでに母音つきアラビア文字を書くのに便利だと思ったものの, 実際には間違いが多いのでこの方向は捨てました. 他の人はともかく私はEmacsで母音まで自力で打てるため, 余計な確認・調整が不要な点で自分でやった方がよほど早く正確にできる結論にいたりました.

他に便利な点があります. 特に勉強会で教えてもらったあとに「これはどう取ればよかったか」とわからなくなったとき, 簡単な文の文法的解説をしてもらうときに役に立ちました. オンライン勉強会なので録画すればよかったものの忘れていたのでその補助です.

文字からして勉強が必要なロシア語・アラビア語・ヒンディー語, そして格変化が激しい言語を勉強するとよくわかるのですが, 単語の認識と文法的な役割の把握がとにかく大変です. そして単語はよくても熟語の把握が大変です. 単語さえ覚束ない状況で, どんな熟語があってどの組み合わせで熟語になるか判定するのも大変です. 一度勉強会で聞いたあと, 大雑把であっても本に解説がある文を復習する目的にはかなり役立ちます.

微妙に使いにくい(不正確)なことはあるものの, 大雑把に発音を調べたり, 動詞や格変化の活用を調べるのにも多少は役に立ちます. ちなみに「たまに(少し)間違えている」という勉強への利用が難しい状況もあるため, あまりお勧めはできない用法です.

他にはためしに一つ数学の証明を聞いてみたらまるで駄目でした. 全く期待していなかったので単に共有です. 全然関係ないですが, 割と前から初等幾何の定理の発見と自動証明というテーマがあります. グレブナー基底の有名な本にも書かれているので興味がある人は読んでみるといいでしょう.

最近新版の和訳が出たはずです.

あと最後に言葉遊びとして数学川柳も作らせたりしてみました.

他にも勉強会で共有した内容として, ブレストに付き合ってもらうとか, 一日の最後にAIに褒めてもらっていい気分で一日を終えるといった応用をしている人もいるようです. 何かを教えてもらったり検索するばかりが応用ではありません. 少なくとも簡単なプログラムについては自分で考えるよりChatGPTに聞いた方が早い場合もあれば, 最近の知見を踏まえてプログラムを提案してくる場合もあってよい再学習にも使えるという話もあります. 私も自分なりの付き合い方を考えるために今後もちょくちょく遊んでみる予定です. 一番はコンテンツの挿絵・動画作りに応用できるといいのですが.

熱力学のリハビリ

タイトルの話です. 思った以上につらいです. いくつか本を漁りつつ具体例を引っ張って計算しているのですが, 具体的な関数に対する多変数としての凸性の証明で一週間以上悶絶していました. 微分可能な関数はヘッシアンの半正定値性や半負定値性を示せばいいものの, 計算ミスしたりどう示せばいいかすぐにわからなかったりと大苦戦しました. 多変数の凸関数に対してここまで理解が浅かったかと反省しています. 学生時代は一般的な状況下でのいわゆる微分形式的な微分の計算などで苦戦していた記憶があり, 学生のときに読んだ田崎さんの教科書も一般論中心に読んでいたため, 熱力学に対する具体的な例の計算がここまで弱いかと自分で驚きました.

凸関数に対する肌感覚もなく, 具体的な命題の定式化や反例構成にも苦労しました. 証明を読めばわかるものの慣れていないと簡単な命題さえ自力で証明するのは一苦労です. ついでにヘッシアンの議論などを現代数学探険隊にきちんと収録していなかったのにも気付いたため, いい機会と思ってそこからノートをまとめています. 改めて物理にも触れながら多変数の微分と極値問題の計算練習ができる教材として, 熱力学はなかなかよさそうという気分も出てきています.

ちなみに多様体上でのヘッシアンは座標系への非依存性を課す必要があるため, 臨界点でしか定義されません. ユークリッド空間上での議論ではそうした点への言及なく定義されます. 多様体上での議論に持ち上げるときには注意するべき要素でもあり, ヘッシアンの定義と議論だけでも実はそれなりの背景があります.

ところで清水本の第一版を読んでいて, 定理4.9などでエネルギー$U[S,X_1,\cdots,X_n]$が$X_i$達に対しても下に凸などの議論がありますが, あれは正しいですか? 具体的な$(U,V,N)$変数なら他の本などとも合わせてそうなるのはいいとして, 清水本の一般的な設定から一般の示量変数に対して4.6節の内容がどこまで成り立つのかさっぱりわかりません. $U$が$S(U,X)$の$U$に対する逆関数であるだけでは変分原理も自明ではないのでは? 凸関数に対する肌感覚がないため, 自力で証明がつけるのが困難で苦しんでいます.

日々の自分用メモ

An Algebra of Observables for de Sitter Space

Wittenらによる論文。de Sitter空間上でのオブザーバブルのなすフォンノイマン環が、通常場の量子論の文脈で現れるIII型と違い、重力の影響でII型になるらしい。そのうち読みたい。 An Algebra of Observables for de Sitter Space

ChatGPTと認知症

chatGPTって凄いのよ。と母に説明したら、「私の友達の認知症の人に似ている」というびっくりする感想が帰ってきた。母曰く、その人はなくした記憶を補完するために勝手にエピソードを記憶して、辻褄を合わせるのだという。 母は健康のためにプールに通っているのですが、その友達は先生の指示をよく忘れて間違える。例えば腕を〇〇回回してください。みたいな指示でも間違えるのだけれど、聞いてみると、忘れてしまったという自覚は一切なく「先生が途中で指示を変えた」などの存在しない記憶を言うのだという。 そう考えると、これも脳の働きなんだろうかという気になってきました。例えば私達の視覚は盲点とか、結構抜けがあるんですが、脳の方で処理して辻褄を合わせるために普段はおかしいと気がつけない。で、もしかしたらですが、視覚がそうであるなら、記憶や認知も似たようなもので、 抜けがあった場合、そこを無理やり補完して何事もなかったかのように処理を続ける機能がついているのではないかと。認知症になって、記憶自体がボロボロ抜け落ちるようになっても、そのつじつま合わせの機能は動き続けているので、勝手に記憶を捏造する。ということが起こると。 chatGPTにお題を2つ入れると、その点と点を時にはアクロバティックにつないでくれるんですが、この動きってもかして、人間も同じようなことをやっていて、だからこそ、人間っぽく見えるのかもしれません。 人間は記憶を思い出す時、細部を勝手に捏造する(ので思い出すたびに微妙に変わっていく)という話を聞いたことが有るので、もともとそんなものであるのかもしれません。

2023-02-25

数学・物理 数学で外語大に行きたい/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 量子力学のための線型代数
  • 熱力学のリハビリ
  • ファイバー束の話
  • AIと安全保障

メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.

  • 今回のページ
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近況報告

Twitterで次の記事を見かけました.

何が1.1倍になったのかまだ調べていないのですが, もしや数学利用なら外語大にも比較的簡単に入れるようになっているのか, と思い, 大学に行きたい熱が出ています. 特にここ数年は「理系のための総合語学」を謳いはじめた以上, 言語学をもっときっちりやりたいと思っているため, 渡りに船という感じがあります.

もちろん生活を考えながら勉強に集中できる環境を作る必要があり, 勉強以上にこれが問題です. お金もきちんと稼ぎながら言語学まで含めた学習環境を構築し, さらにそれを提供したいですね.

先日書いた中高生向けの(競技)プログラミング学習も乗り気な子がいるらしく, 具体的に話がしたいという話もあります. 英語でエラーメッセージを読む部分でも何かしら語学教育に関係する話が必要で, この辺の具体的なノウハウも必要になってきそうです.

量子力学のための線型代数

先日募集した通信講座+勉強会が本格的にはじまりました. 記号や用語に関して指摘が入って確かにそれはそうかという指摘があったため, 念のためこちらでも共有します.

特に作用素(演算子)の共役と随伴です. 行列のエルミート共役は英語でHermitian conjugateと書く場合もあれば, Hermitian adjointと書く場合もあります. 前者は日本語で共役と訳す一方で後者はふつう随伴と訳します. さらに英語でself-adjointと呼ばれる概念は作用素論では自己共役だと訳す一方, 直訳は自己随伴です. これに関してself-conjugateは見た記憶がありません. このように英語と対応する日本語がぐちゃぐちゃになっています. 慣れてしまっていてもう何とも思わなくなっていたところに質問が来て, 確かに, と思っていろいろと補足しました.

あと複素共役の記号, 作用素の共役(随伴)の記号, 内積の定義も数学・物理で食い違いがあります. 私は育った文化圏・読んだ本の関係で数学・物理の記号がこれらのチャンポンになっていて, 余計に注意しないといけないのを久し振りに思い出しました.

熱力学のリハビリ

理論もいいですがやはりここ二年程度の計算練習へのフォーカスもあるため, まずはいろいろな本を参照しつつ計算ノートを作っています.

変分原理を具体的に計算するところで具体的な多変数関数の極値問題を議論する必要があります. これがとにかく面倒です. 多変数だと図に描くのが大変なのもさることながら, 単純な導関数の計算も大変で, 導関数を計算したあとに広義の増減表を書く必要もあります. もちろんグラディエントやヘッシアンの計算・評価です. これがまた大変で辟易しています. いったんプログラムを書いて図示して濁していたのですが, 先程風呂に入りながら考えていたら楽に計算できそうな方法を思いついたため, メルマガを出したあとに計算する予定です.

あと改めてエントロピーに対する制約も眺めていて, 熱力学は本当に強烈だという思いを新たにしています. 一次同次関数の制約があるため, エントロピーに恐ろしく強い制約がかかっています. 計算しやすい問題を自作しようと思ったものの, この制約をみたす範囲で作らねばならず, まずはふつうの本に書いてある典型的な例で肌感覚を育て直そうとしているところです.

ファイバー束の話

この間ファイバー束の話をしてほしいというアンケート回答をもらったので, 私の認識まとめ・復習ついでに簡単な勉強の指針のようなものを書きます.

ファイバー束はある図形の各点に別の図形が連続にぺたっと張られた図形がもともとの動機です. 例えば三次元空間のxy-平面に円周を置いて, 円周の各点からz軸に平行に直線を生やすと無限に伸びた円柱が得られます. これは特に各点から直線(線型空間)が生えているためベクトル束の例です. 直線の代わりに円周の各点を中心にした小さな円板を生やすと中身の詰まったドーナツが得られます. 円板を円周にすればトーラスが得られます. これはファイバー束の例です. 当たり前すぎるからか幾何の本に書いてあるのを見かけた記憶がないのですが, まずはこれをアーキタイプと思うとよいでしょう.

問題は数学の本の一般論とのバトルです. 単純に勉強が足りていない(実際に勉強中)ため, 私自身ファイバー束の一般論は本当にわけがわかっていません. 玉木大さんの「ファイバー束とホモトピー」の講義録版PDFを眺めたとき, ファイバー束の具体的構成が書いてあって, 比較的簡単な例でも構成をきちんと書くと非常に面倒なことがきちんと書いてありました. 一般論も大変なら具体例の構成とそれをきちんと書くのも大変な対象です. 何にせよ数学を勉強するなら絶対に一定以上の気合は必要なので仕方ありません.

もう少し楽な上, いろいろな応用もある主束から攻めるのがよいのではないかと思っています. 主束は同伴するベクトル束もあり, ベクトル束の気分をある程度持ち込めるのが便利です. ベクトル束と言えばもとの多様体の情報を直接持っている接束・余接束があり, 計算し倒せる具体例としてもこれ以上なく便利です. もっと言えば主束もまた楽ではないため, さらにベクトル束から攻めるのがよいと思っています. 実際私が地道に進めているアプローチです. 特にリーマン幾何は接束・余接束の解析と直接関係し, ホッジ理論のような基礎理論とも関係するためちょうどよい目標です. 解析的に(コンパクト)多様体上のソボレフ空間のレベルまできちんと詰めようと思うと大変なので, 進め方と解析学の素養次第で多少調整は必要でしょう. 何にせよ面白い対象ではあります.

ただで幾何部分だけで添字や記号の嵐で大変なところに解析学まで含めると負担は計り知れません. 適当に調整して進めてください. 多様体上の線型代数としてホッジ理論に挑むだけでも本当に骨が折れます. ベクトル束の議論も多様体上の線型代数の側面があるため, やはり線型代数は一定以上の素養が必要です. 単なる計算だけではなく抽象論が必要な点には注意が必要です. いま展開している量子力学のための線型代数では, まさにクロネッカー積による具体的なテンソル計算に入ったところです. これだけでどうにかなるわけではありませんが, 量子系の物理・数理に興味があるなら一つの道としてお勧めできるアプローチです.

AIと安全保障

松尾豊先生が政府のAI討論会で発表した資料を読んでいて動悸が止まらない。 賽は投げられた。

個人的には安全保障上Aを直ぐに、しかも先ずは100億ででも。計算資源は今直ぐ産総研ABCIを実質割当て、かつ拡張も同時に。理研でも富岳を用いつつ密結合したLLM学習マシンを横に構築しABCIとダークファイバで3.2Tbpsで直結しデータやモデルを共有。AIP, AIRC, NICT, 大学や民間の言語AIコミュ総動員

なるほど。「言語の本質を解明する道が拓ける」とか「宿題が解けるw」とかそういう次元とは全く違うところで重大なことがおきている。

上で外語大に入りたいという話を書きました. この辺, いわゆる文理融合系の話で今後本当に大事になってきそうです. 最早私はこの辺の実務に携われるような人間ではありませんが, この領域を目指す人間の数学的基礎体力向上には役立てる人間にはなりたいと思っていて, 何とかして外語大に入って関連する領域を(再)学習する機運が私の中で高まっています.

日々の自分用メモ

営業力を鍛えよう

東京一工の賢い学生がマッキンゼーだの投資銀行だのに集まる根源的理由は『そこで働くことが自分が賢いという証明になる』、『営業なんてブルーカラーでなく戦略や投資のがホワイトカラー』的価値観だと思うんですが

結局そこに行っても案件取ってくる『営業力』がないと行き詰まるから営業力こそ命

まだマッキンゼーがどこの馬の骨ともつかない頃、大前研一御大なんてリクルート営業方式にビルの上から下まで片っ端からどぶ板営業かけて、頼まれてもないのに勝手に分析レポート作ってプレゼンして案件取ってきてたんだからな? MIT卒の博士がそこまでやってんだぞ? 見習おうぜ?

特異値分解

ああ「特異値分解」は,行列の対角化と比較するよりも,いわゆる「階数標準形」と比較する方が理解しやすいですね.そう思えばまったく自然な考え方.実 (m,n) 行列に対して GL(m,R)×GL(n,R) 軌道を考えるのと O(m)×O(m) 軌道を考えるのとの違いです.複素ならば U(m)×U(n) です. そう考えると,GL(n,R) の極分解,すなわち O(n) 軌道の記述から「特異値分解」が<存在する>ことがしたがいます.つまり,代表元のパラメーターとして r=rank(A) 個の正の実数からなる列がとれます. GL だとベクトルの長さを自由に変えてしまうので階数の情報しか残らないけど「応用」の場面ではノルムは大切な場合が多いので直交群(ユニタリー群)の作用を考える.そうすると「特異値」が意味のある量として残る.そういうことか. すると p 進数体上の「特異値分解」とその応用もあるかな.

p進数体だと開コンパクト群が格子の自己同型群つまり成分がp進整数の行列群で、極分解に対応するのはPID上の格子の標準型ですよね。

階数の計算においても,変換行列を覚えておくと,例えば逆行列が計算できるけど,忘れてしまう場合も結構ある.特異値分解では変換行列(左右の特異値ベクトル)はとても大切な情報で,その先の計算に使う.A =UΣV と書くのと UAV=Σ と書くのでは,ちょっとニュアンスが違うわけ.

例えば『東京大学工学教程線形代数I, II』(室田一雄、杉原正顯著)にも,ちゃんと読めばそう書いてあるんだけど「AA を考える」から始まると,計算に目がうばわれて意味をとらえるのに時間かかった💦 「正方行列の対角化を長方形の行列に一般化するのが特異値分解である」という導入(Anthony Bosman さんなど)はなんか変だな〜と思った. だって階数標準形も「対角化」だからね!! ノルムを保つ基底変換のもとでの線型写像の標準形といえばいいだけ. エルミート行列 A を UAU(Uはユニタリー行列)と変換する話を特異値分解の特殊な場合だと説明するのは間違い(誰もそうは言ってないかもしれないけど)で,特異値分解のように U*AV とするのとは別な話と思うのが自然. 特異値分解はさまざまな行列分解の一般最終形ですというのは confusing だ.

なるほど。確かに階数標準形(対角に1を並べて残りは0)は、V→Wで両側空間の基底を独立に選んで、Eに近い形に同値変形(ランク不変変形)するA=PE'Q⁻¹(P, Q は基本変形行列)。この基底を直交に限って対角化すると表現行列が特異値で対角化されるA=UΣV⁻¹(U, Vは直交行列)、ということか。

加法的関数の連続性について

定数倍を与える関数 $x \mapsto ax$はこのようなものとなっているが, (∗) f (x + y) = f (x) + f (y) を満たす関数で定数倍関数でないものは存在するのだろうか?

一見非常に単純に見える問題であるが,実は,この問題の答は選択公理を認めるかどうかで違ってくる: 選択公理の下ではコーシーの方程式を満たす関数で定数倍関数と異なるものが無数に存在するが,選択公理を認めないときには,「コーシーの方程式を満たすすべての関数は定数倍関数である」という命題が正しいものでありうる.

シャファレビッチの代数幾何の本

シャファレビッチ,代数幾何の2冊本もとってもオススメ.これでもか,これでもかっていうくらい驚くべき例が書いてあります.(私が無知なだけですが.) 入門書だけど,こっちも哲学的で好き.↓ 代数学とは何か

マンフォードの本

この本,Algebraic Geometry I で,II が出てないよなぁと思ってたけど,今回 Mumford の website で II がフリーアクセスで公開されているという驚愕の(?)事実を知った. なんと共著者は小田忠雄さんだぁ.読むべし.(^^;; Mumford ComplexProjectiveVarieties PDF

Texromancers, Quillen's "Homotopical Algebra"

Boosting: Quillen's "Homotopical Algebra" has been LateX'd up by the Texromancers group!

Link: http://aareyanmanzoor.github.io/assets/books/homotopical-algebra.pdf

Dyslexic friendly version: http://aareyanmanzoor.github.io/assets/books/homotopical-algebra-dyslexic.pdf

性を売るのは合法にして、性を買うのは犯罪にしろ?:北欧モデルvs非犯罪モデル

この「売るのは合法だけど、買うのは犯罪」という北欧モデルは、直感的には売る側有利に見えるけれど、実態としては圧倒的な買う側有利をもたらすわ。この法案を2009年に採用したノルウェーも、今では「北欧モデルが売春を買い手市場にした」と認めているくらい。

アルゴリズム全体主義

世界思想の最新版の、成田悠介論説の結論。こいつ、ホントどうしようもないなあ。今さらアルゴリズム全体主義ですか。

このツイートの存在にずっと気付いてなくて、昨晩読んでしまって笑い転げた。 やっぱり「知的レベルが低い」としか言いようがない。 今時の中学生はこの手のことを言うと馬鹿にされることをネットで見てよく知っているので、現代的には中学生にも馬鹿にされるレベルだと思います。 統計学ファンであれば、ゲルマンさんのブログで成田祐輔さんに関するNew York Timesでの記事が話題にされていることをすでに知っているはず。 ゲルマンさんのブログで悪い意味で取り上げられることは統計学方面では相当に怖いことだと思われます。 Yale prof thinks that murdering oldsters is a "complex, nuanced issue"

p値は使うべきではない

そもそも p 値は難しすぎるので使うべきでない(過激派) 「コインを 12 回投げたら 3 回表が出た。このコインが偏ってないといえるか」に対する答えが事前にどういうルールでコインを投げることにしたかに依存しちゃうし,事前にどういうルールにしたかなんて本人の申告以外に信用する手段がないんだから原理的に厳しい.(→実験の事前申告性へ) それを乗り越えたとしても,有意だったらなんなのかがよくわかんない.本来欲しいのは p(仮説が正しい | 観測) のはずなのに p(観測 | 仮説が正しい) を測ってるから,例えば p(仮説が正しい) がめっちゃ低くても高い値が出ちゃう.

位相的場の量子論のノート

Ko Honda 教授@UCLA このノートすごいよ.リー群とリー環を2ページで済ませたあとsl2とsl3に.ここまでは普通. KacMoody, Virasoro, 経路積分,WZWモデル,KZ方程式,ブレイド群と結び目,リンクとジョーンズ多項式,Witten不変量,写像類群にChern-Simons理論と続く. https://math.ucla.edu/~honda/math635/notes.pdf これ半期の授業でやるんだ.演習つき. UCLA なかなかきてるな. Ko さんの講演もすごく良かったね.

生物多様性

あんまこれも見せたかないんだけど。

私みたいな生物系の資料とか探している方は バイオダイバーシティ遺産図書館ではさ。

生物系の数十万枚以上の資料あって それが現代ではなく18世紀~19世紀の 航海記録や動物誌、植物誌のまとめ。

で「全部著作権フリー」 自由に使ってええのよ

無駄は一度しか削れない

前々から思っていた「無駄は一度しか削れない」という概念を図にしました。

北大の統計力学シラバス

準備学習(予習・復習)等の内容と分量

そんなことをとやかく指示されては不愉快であろうから任せる. 大学は自由である. 範囲外も立入禁止区域も無い. 本能と闘争心の赴くままに, 演習書と戯れ専門書に手を伸ばしたら好い. ただ物理の読書は, 文字通り『読む』のではなく, 『考え』て『手を動かす』ことであると, 貴重な10代, 20代に叩き込んで欲しい. それから, 志を同じくする身の回りの物理っ子と沢山議論をしよう. そうした中でなお, 自身の理解では不安だったり, 計算に悩んで座礁したり, その時この講義がオアシスや助け舟の役割を果たせたら良いと, 心から思う.

ティコ-ブラーエ

デンマークの天文学者ティコ・ブラーエはヘラジカを飼っていたが、←!? そのヘラジカはあるとき、宴席でビールを飲んで酔っぱらい、階段から転げ落ちて足を折り死んだ←!!!?!? 一言ごとに「!」を挿入したくなる逸話 鍵の方から教わったネタもとを貼っときます

沖縄と台湾

昨日沖縄で開かれた「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」のシンポジウムは現状維持と平和を目指す台湾社会への無理解と侮蔑的な姿勢が重なった。特に沖縄タイムスの宮城栄作編集局長による台湾に対する筋違いの図々しい「要求」は台湾側の神経を逆撫でする対話とは正反対で今後の議論を困難にしかねない衝撃はあった。シンポジウムは昨年10月に行われた「沖縄対話プロジェクト」の発足イベントに続いて行われたもの。台湾側から2名の識者を招き、沖縄の「識者」と議論する形だった。台湾側の2名は一般的にそれぞれ民進党と国民党の立場に近いとされているものの、見識を深く備えた学者である。シンポジウムはまず10月に行われた発足イベントの議論内容の紹介から始まった。10月の内容自体が台湾海峡の現状と構造を全く正しく認識できていないものだったが、今回のシンポはそれを踏まえる形式をとって始めてしまった(10月イベントの詳細は下記ツイートをご参照ください)。

すでに嫌な展開となったがその後の稲嶺恵一元知事の基調講演や招かれた台湾側識者2名のプレゼンは時間やまとめ方などテクニカルな問題を除けば大変有意義だった。これはシンポの流れも改善されるかと失望状態から少しだけ希望を持ちはじめてすらいた。しかし、次に行われた沖縄側の一部識者のコメントや対話セッションでのやりとりで再び失望した。コーディネーター(司会)である前泊博盛氏による台湾への理解が全くないからなのか要領を得ない質問の振り方は失望の象徴である。台湾側の識者は彼らにとって外国語である日本語で台湾有事の引き金を引くのは中国であって、ボールは台湾側になく、有事を招かないよう台湾は抑制的に振る舞っていることを懸命に説明し、有事の可能性についても台湾海峡の情勢を踏まえて冷静に論じた。だが、前泊氏は「どう台湾有事の可能性はないと2人に言わせて帰すか」「戦争はない、有事はないと2人にどう伝えるか」などあたかも両名が好戦的であるかの前提で議論を振り続けた。途中で「台湾が武力衝突を回避してきた知恵は何か」との質問を振っていたが、それこそ「台湾独立」など有事を招きかねない動きを台湾社会全体はバランス感覚を持って抑制してきたとともに、中国を台米日などで淡々と抑止して中国による台湾侵攻を先送りさせてきたからにほかならない。その認識も共有せずにコーディネーターをやっていたのならあまりにも準備不足だったと言わざるをえない。そして沖縄側の識者として出た高嶺朝一氏(元琉球新報社長)は「(有事は)ないでしょう笑」と一笑に付した上で、「あってほしくはありません」と言った。台湾側もあってほしくないと平和を求めているにもかかわらず、嘲笑的態度だったのが前泊氏の振り方も相まって実に失礼に思えた。続けて高嶺氏は台湾側論者が例示した米国高官による2027年までに台湾危機が顕在化するとの警告について「(高官は)次の仕事を探すためにそういう発言をする、煽られないように気をつけないといけない」と反論した。これはシンポで議論する上であまりに雑な扱いだ。求職活動のためという目的が含まれていたとしても政府・軍高官がなぜ公聴会やインタビューなどの公式や公の場でそのような発言をするかといえばシグナルの役割があるわけで、それは何の意味をもつかを着目して分析する必要がある。2027年までに台湾侵攻を中国が整える可能性が言及されているのは、中国の経済力と軍事力の強化に伴い、台米日等による対中抑止力とのギャップが埋まりつつあり、野心的な指導者(習近平氏)の登場で台湾の武力統一の可能性が過去と比較して高まりつつあるからでそれをこれまで通り有事を先送りさせるために防衛強化が必要なことを訴えるためだ。本当に侵攻が起こる可能性はまだ低いものの、有事の目を摘むための防衛強化議論が各国として必要となっているがゆえの発言だ。煽っているのは確かだが、それによってようやく必要な防衛強化議論ができるわけで、その背景を踏まえて台湾側の識者は例示をしている。前提のおかれた専門的な見方を揚げ足をとるように一蹴して議論の発展を期さないのは全く対話の姿勢が感じられない。そしてとどめを刺したのは対話セッション終了後にコメンテーターとして登壇した沖縄タイムスの宮城栄作編集局長の次の発言だ。「台湾の人たちも有事にならないように、あるいは日本や沖縄に迷惑をかけることのないようなしっかりした世論を築いていっていただきたい」。一体何様のつもりであるのか。この発言は台湾で昨年行われた世論調査で台湾有事に自衛隊が参戦するかとの問いに参戦を信じると答えた割合が4割を超えていたことを受けてのものだ。確かに憲法9条をはじめとした制約を理解している人からすれば台湾社会の日本に対する理解不足は目につくが、これは台湾政府や台湾の専門家も危機感を覚えている。日本が有事に際して直接台湾に自衛隊を派遣することはないと台湾の政策担当者は誰もがわかっているし、誤った認識の自国社会に現実を理解してもらい、台湾は台湾自身で守るのが前提で、対中抑止強化をまず自国で高めようと注力している。そもそも自衛隊の参戦期待は一昨年の調査では5割を超えており、日本への過度な期待は落ち着いてる傾向だ。せめて「台湾にも日本の政策や理念への理解を深めてもらいたい」など相互理解を前提にした指摘をすればよかった。台湾社会は70年以上戦争の脅威に直面し続け、大国間に揉まれながらも有事を回避して平和を保とうとバランス感覚を身につけ、それこそ迷惑にならないよう成熟してきた。そんな台湾社会に「迷惑をかけるな!ちゃんとした世論を作れ!」と要求するのは台湾をどこまで愚弄すれば気が済むのかと本当に怒りを覚えた。シンポのアーカイブを見た台湾政府にいる友人はこの発言を受けて「そんなに迷惑な存在だと思われてるということは沖縄の主流民意は台湾が中国に統一されることを望んでいるのか」と私に聞いてきたが、「わからない」と答えることが精一杯だった。ここまでで名前をあげた方々には強い言葉で申し訳ないが次の言葉を贈りたい。恥を知れ、と。それほど今回のシンポには失望を通り越して絶望した。救われたのは山本章子先生(琉球大)が最後に発言されたウィットに富んだ次のコメントである。「議論のスタート地点を明らかにした意味で有意義だった。願望や政治的主張でなく現実として我々が今のどこに立っているのか台湾と沖縄のそれぞれの立場から確認できた。今後も事実として我々が今どこに立っているのか、立たされているのか絶え間なく確認したい」。このコメントに私は全面的に同意するとともに沖縄の識者にこの言葉が通じることを私は期待している。また同じく沖縄側で出席した神谷美由希氏の姿勢もありがたかった。台湾や中台関係についてわからないから知りたいとの姿勢は対話において重要に思えたし、台湾側もそれにうまく応える環境が整っていればよかったのにと悔やまれる。そして、台湾側も同じように沖縄が何を考えているのか自分たちの考えを理解してもらいたいのと同じように知る上で、神谷氏の姿勢は学ぶところがあったと思う。ここまで感情的な点も含めて今回のシンポジウムについて長々と書いてきたが、改めて最大の問題は基本的な知識と理解が欠如して相手に対して敬意ある姿勢を示すことができずに対話にならない点と指摘する。プロジェクト主催者には中国や台湾の専門家を名乗る人物も含まれているが、彼らは明らかに台湾や中台関係に対する認識とそのフレームが20年以上前の状態から更新されず、見方が政治的にも偏ってしまい、現在の台湾の主流民意を理解できていないことが窺える。あと2回のシンポをどのように展開するのかわからないが意義ある対話が今後できるとはとても思えない。プロジェクトを継続して健全に発展させたいなら早急に最も簡単なものでいいから台湾に関する基本書籍を読むか然るべき人からレクチャーを受けてほしい。最後には台湾政府にもプロジェクトのまとめとして意見書を提出するようだが、今回のシンポの内容を見る限りとてもじゃないがまともに内容を相手にしてくれないだろう(出すことが目的化しているなら気にしないだろうが)。今回のプロジェクトがせっかくの機会だったのは間違いない。台湾と沖縄はともに「帝国」の狭間で翻弄された歴史をもち、自分たちの権利や主権が蔑ろにされてきた過酷な運命を背負ってきた。相互理解とともに平和を求める共通の利益も本来あるはずだ。歴史的経験と共同体の記憶の違いから埋めがたい差があるものの、それを乗り越えて大袈裟に言えば東アジアの平和のパートナーの一例になる契機にもなり得た。だから他の人が私に「出席者みたら無意味だとわかる」「沖縄左翼の自己満足」と批判してきても趣旨に賛同して期待もし続けた。対話は相手を尊重し、まずは受け入れることが重要だ。今回、対話を仕掛けた側は本当にその姿勢をもっていたのか。結果を見る限り、それは全く感じられない。何度でも言うが、台湾は有事を起こそうとはしていないし、日本や沖縄を巻き込もうとも思ってない。私を含めて多数の台湾人は日本に参戦しろとも求めていない。過去70年以上、中国による台湾全面侵攻を回避し続けた事実とその経験をもとにこれまで通り一緒に平和を求めていこう、そのために協力することがお互いの利益にもなるはずだとの考えである。それは端的に言えば中国の現状変化にあわせて台米日も対中抑止の度合いを変えるという長年の構造を継続しようというものだ。よく中国は経済関係上重要な相手で対中抑止を行うことはむしろ国益に反するとの主張を聞くし、今回のシンポで前泊氏などが中国との経済関係を例に挙げたが、これまでも対中抑止を続けながら経済関係を発展させてきたわけで尖閣諸島での対立激化時のレアアース禁輸や米中のハイテク覇権争いなど個々の特異な事象を含めて全体として対中抑止と経済活動の両立という構造が大きく変わっているわけではない。中国が軍事拡張を続けているのにそれに対応しない方がこれまでの東アジアの平和と安定の構造を変えようとする新しい動きだ。その結果として中国の台湾侵攻など台湾有事を招けばサプライチェーンは破綻し、抑止強化反対の理由に使われる経済的利益すら守れずに失われる。だからこそ対中抑止は日本の利益でもあるはずだ。現在日米で進む抑止強化の方法に問題や議論の余地があるのは確かで、かつ経済面の抑止力が過小評価されていることも確かだ。それを議論することは重要だし、これまでの平和の方法論に異論があれば、歴史と事実を踏まえた上で新しい平和の形を議論していくこともできる。対話を名乗り、仕掛ける以上は議論に必要なものは何かを理解して臨んでほしい。沖縄対話プロジェクトにもう期待はないが、残りが少しでも実りあるものになればと祈る。

今後の自動車業界

ホリエモンが再三ヤバいと述べている日本の自動車業界について。欧米を中心とする政治的なEV化の動きの中で、内燃機関のアドバンテージを失う日本メーカーがヤバいと言うのはその通りだし、最後の巨大輸出産業を失う日本がヤバいと言うのもその通り。その先について少し思うところを述べたい。(1/n) 米欧中がEV化で日系メーカー封じ込めを図り日系は孤立無援と語られるが、どこに活路を見出すかと言えば、まあ当たり前なんだけど「米欧中以外」なんですよね。この三極はEV化で巻き返しが図れる可能性があるから巨額の政府補助金を投じてEV化を進めてる訳だけど、その他の国にはそれが難しい。(2/n) なので今後も内燃機関が売れるのは中南米、アジアの発展途上国、中東、アフリカ、旧ソ連諸国とかその辺りな訳。ただ今の日系メーカーは北米、英、EUとか結構コストが高い地域で現地生産をやってて、そこから発展途上国に輸出するとか発展途上国に工場移すというのは相当辛いはず。(3/n) 自分もそう言う方向性を聞いた時は驚愕した。今までみたいに稼ぎまくる自動車業界みたいのはもう厳しくなってしまうかも知れない。(4/n) しかも米欧中が国内の全EV化に成功すれば、今度は環境対策をネタに新興国にも全EV化の圧力をかけてくる。環境保護とか温暖化対策を訴える国というのは事実上帝国主義と一緒なので、欧米中を敵に回す日系が内燃機関に拘るなら政治的にもかなり苦しい事になるだろう。(5/n) もう一つの大きな流れは自動運転なんだけど、これは車を使う習慣や街の作り自体を変える大きな変化だから政治的な調整がたくさん必要で各国で国内/域内メーカーが圧倒的に有利になる。そうすると日本メーカーはまずかなり狭い日本市場で仕組みを作って商売する事になる。(6/n) すると国内でタクシー業界とか路線バス業界と激しく利害が対立してくる事になる。タクシーや路線バスに自動車業界ほどの政治力があるようには見えないし、高齢化や地方の過疎化が進む中では自動運転車に優位性があるから、海外で失った売上を国内交通の共食いで感じになるだろう。(7/n) イメージとしては日本のIT業界が国際競争力を失って官公庁向けのシステム開発にシフトしたように、自動車業界も国内インフラへの依存度が高くなっていく。あんまり明るい未来ではないよね。(8/n) そのシステムが構築されれば、あわよくば上に書いた米欧中以外の国に自動運転車をシステムごと売っていくことになる。これは鉄道インフラの輸出と同じで日本が割と得意な分野でもあり上手くいくかも知れない。一方でこれまた国際関係が大事なので自動車業界は政府よりの産業になっていく。(9/n) 自動車産業が失った輸出をどこで挽回するかというのはかなり予測が難しい。一番良いのは需要を失ったメーカーが航空宇宙やロボットなどに技術や技術者を転用することだけどそれに失敗した場合は、最悪一次産業に回帰してより自給自足的な国になっていく可能性もあると思う。(n/n)

機械学習メモ

新しいMicrosoft Edgeは、論文の読み方を根本的に変えうるテクノロジーかもしれません。 この1年のAIの進歩で、ダントツの衝撃です...

↓は、指定した形式で論文を要約させた動画です。 「考えうる応用方法」として、論文には載っていないポイントを複数挙げてくれた点に、畏怖すら感じました。 この方法で論文を読む時間が仮に半分になれば、単純に情報収取の生産性が2倍になる。 さらに、内容についてインタラクティブに質問することもできるので、生産性は確実にそれ以上になる。 チャットAIを使いこなす能力は、研究者としても必須のスキルになりそうです。 特に今年に入ってから、「最低でも1日1時間は最新の情報やツールを追う時間に当てないと、人工知能の進歩についていくことすらできない」と強く感じます。 「人工知能を活用することで時間を節約し、その時間をキャッチアップに当てる」ことが、研究者としても必須の時代になるかもしれません。 DeepLの登場により、論文を読むのにかかる時間が僕の場合は半分程度になりました。 チャットAIが日本語で内容を要約してくれることにより、かかる時間がさらに半分程度になりそうです。 浮いた時間でチャットAIにインタラクティブに質問することで、従来より短い時間で深い理解ができそうです。 なお、使ったプロンプトは以下です。

論文「XXX」の内容を以下の構成で教えてください。

  • abstract
  • background
  • methods
  • results
  • discussion
  • limitation
  • possible application

途中で止まってしまった場合は、

続きを書いてください

で書いてくれます。

2023-02-11

数学・物理 通信講座+勉強会に関する重要な連絡/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 通信講座+勉強会に関する案内
  • 近況報告
  • 通信講座案内: 量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始
  • 熱力学のリハビリ

メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.

  • 今回のページ
  • メルマガ バックナンバー

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「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.

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通信講座+勉強会に関する案内

直接メールもしたものの反応がないため, 念のためメルマガでも連絡します. 支払いまで済ませた上で通信講座用のSlackに参加されていない方がいらっしゃいます. 勉強会用のZoom連絡などはSlackで対応するため, 勉強会に参加される場合はSlackに参加してください.

単に勉強会に参加しないならいいのですが, そもそもコンテンツに関するメールなどまで迷惑メールに入ってしまっているために連絡がつかないのではないかと心配しています.

近況報告

通信講座再開に合わせて仕事関係のプログラミング漬けだった生活からゆるく数学のリハビリをはじめています. 物理も軽くリハビリをしようと思い, どうするか思案中です.

ホモロジー代数のノート作りは地道に続けています. 相変わらず, とにかく可換図式を書くのが大変です. そして慣れていない分野であるため, 「詳細は読者に任せる」系の議論で四苦八苦しています. そのうち慣れると思って穴はそのままにして放置しています.

通信講座案内: 量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始

今回の締切は明日までです.

いつかまた同じ内容で開催する予定はあるものの, いつになるかはわかりません.

熱力学のリハビリ

物理のリハビリがてら, 熱力学の通信講座の構想をつらつらと書こうと思います. 何度か書いた話ではありますが, 新たに登録された方もいますし, 一度読んですっと頭に入る方ばかりでもないでしょう.

日常的な感覚からすれば, やはりはじめから温度を導入してそれを軸に据えて議論するのは一手です. 記憶にある限りまず温度の概念を導入している本も多かったように思います. 「統計力学を勉強してはじめてエントロピーが理解できた」と評判の統計力学でも重要なパラメーターです. しかし温度の概念以前に温度を導入するための設定が実は厄介です. そのために古典力学と比較しながら進めます.

古典力学では他に何者も存在せず, 相互作用もない状況からはじめ, 相互作用がある場合は運動方程式で力を導入する形で議論をはじめます. 温度の導入は温度を持つ対象として相互作用する外界を理論に導入する必要があります. 古典力学で言えば等速直線運動を飛ばしていきなり相互作用系から考えはじめています. 温度が日常的に見慣れた量だから親しみやすく感じるだけで理論的には複雑な扱いが必要です.

特に熱浴と切り離された系を孤立系と呼びます. 孤立系自体は日常的な対象として近似的に実現されています. いわゆる魔法瓶です. 冬場は特に飲み物を暖かく保つために重宝している人も多いでしょう. これがまさに外界と遮断した孤立系を作る装置です. この意味で孤立系は身近で重要な対象で, 一番最初に取り上げて議論する価値と意味がある系です.

必要以上に話を複雑にしないように流体, 特に気体を想定してパラメーターを設定します. 特に体積$V$と物質量$N$を考えます. 結論を先取りすると, 直接制御できるパラメーターではないものの, 温度の代わりの示量的なパラメーターとして(内部)エネルギー$U$を取ります. このときヘルムホルツの自由エネルギーやギブスの自由エネルギーに対応する, 完全な熱力学関数がエントロピーです.

エントロピーの面倒なところはパラメーターとして物理的に直接制御できないエネルギーが指定される点です. この点, 制御のイメージが持ちやすい温度の便利さが光ります. 一方でエントロピーをいつまでも謎のままの量にせず, 完全な熱力学関数としての地位を最初に与えておくのも意味があるのではないかと思っていて, 話の筋をどうつけるか考えています.

いま書いていてふと思ったのですが, 完全に一致するわけではないものの, 位相空間論と形式的な類似があります. 位相空間論も基礎を開集合系に取るか, 閉集合系に取るか, 近傍系に取るか, ネットに取るか, フィルターに取るか選び方があります. 標準的には開集合系である一方, 解析学としてはネットやフィルターが便利な局面があります. どの系を選ぶかと熱力学関数の選び方に似ている点がないでもない気分があります. 物理の人にどう説明するとよいかはともかく, 数学系の人に説明するには一つ便利な物言いなのかもしれません.

逆に熱力学を知る非数学系の人に位相空間論の様々な定式化の意義を伝えるには, 熱力学関数の取り方を例に挙げるとよいのかもしれません.

日々の自分用メモ

魚の生臭さと水圧耐性

「うまみ成分である 『トリメチルアミンオキサイド』が たぶん水圧守れる原因じゃね?」

中性子ビームを当てて高圧化した結果。

そしたらただの水は歪んでしまって 形が保てなくなったのですが 『トリメチルアミンオキサイド』

を加えた水は見事に安定化したわけです。

中学1年生が開発した「カラスからゴミを守るシステム」の成果 Python、TensorFlowLite、Raspberry Piなどを活用

ChatGPT活用

可能性空間を限定することが重要。

1.役割を与える 例:〇〇の観点で答えて

2.文脈,前提条件を与える 例:改善点教えて/危険度チェックして

3.英語で命令しよう

4.マークアップ言語で書き分け (続く)

【深津式プロンプト・システム①】

命令書: あなたはプロの編集者です。 以下の制約条件と入力文をもとに、最高の要約を出力してください。

制約条件: ・文字数は300文字程度。 ・小学生にもわかりやすく。 ・重要なキーワードを取り残さない。 ・文章を簡潔に。

入力文:

出力文:

【深津式プロンプト・システム②】 (これを追加すると精度が上げられる) このタスクで最高の結果をだすために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。

【深津式プロンプト・システム③】 (これはやり方の話) まずベストプラクティスを聞いて、 その回答を前提に回答してもらうと精度が上がる

理系の英語

国際会議に行ったら主催者が「ここの公用語は下手な英語だ」とスピーチして喝采されてたり,フランス人と日本人が英語でやりとりしてて英語ネイティブが何言ってるか聞き取れないのになぜか当人達は意思疎通できてたとか,あるある……。

英語のコミュニケーションの話で、僕が1番好きなのは@mkuze せんせのこれ 「英語でのコミュニケーション能力が求められます。これにしても英会話の技術というよりも言いたいことを(日本語の段階で)論理的に整理できているかどうかが重要な点です。」

子供のアカウント乗っ取り

スマホを持つお子さん及び保護者の方気をつけて下さい・・・ 長女がインスタで知り合った人に電話番号やpaypayのパスワード等を教えてしまいアカウントを乗っ取られて、チケット詐欺の受け渡し場所となっていました・・・ チケット詐欺被害者からの直電で判明し、明日警察に届けます。↓

まずは友達として仲良くなってから言葉巧みにPayPayアカウントを作らせて、娘のスマホに送られてくる認証コードも聞き出しそのアカウントを詐欺の金銭譲渡に使用していた。被害総額20万強。↓ 私は以前小中学生向けのネットリテラシーを講師をしていまして、娘がスマホを持つ際は、何のために制限するのか・どのような事に気をつけるか・使用時の約束を記して貼る・ペナルティを作り実行する・フィルタリングをかけるetc対策出来てると思ってたのですよ、、↓ 色々話できる環境も作っていたし、そんな人いても絶対わかるし騙されないから大丈夫と言っていた子がこんなにも簡単に引っかかってしまったのは私の緩みと思春期の好奇心ゆえだと思います(犯人イケメンアイコンだった)。手綱離すの早かった。まぁ大丈夫だろって色々甘く見てたわー。↓ 親の許可がないと課金できない仕様にしてあるからPayPayとか登録しても意味ないだろーとか油断してたのもある。けど、金銭授受の箱としてだけ使うなら口座登録も本人確認もいらないので成立してしまっていた。。。 警察と連携をとり被害にあわれた方に対してもどのように責任を取っていくべきかを考えつつ、子どもと学び直して今後のスマホとの付き合い方に関してじっくり話合わなければ。↓ もはやスマホを禁止すればいいという訳ではなく、避けられない世界の中で、自分にとって有益なツールにする為に必要なのは何より知識だと思います。知らなかった分からなかったではすまされないのですよね。↓ 文部科学省等で親子向けのHP等もあるので、これから買う方は必ず親子で知識を共有してほしいなと思います!失敗者からのお願いです、、、 追記ですが、SNS利用の約束として、実際に会った事がある人以外とのDMや個別でのやり取りを禁止していました。もちろん破った際のペナルティも有で。 被害例を元にイケメンアカウントも実際は良からぬ輩ばかりであるという意識でいなさいと頻繁に伝えていましたが、中学生チョロすぎました。

「刑務所が無料の老人ホーム化」「刑務官は廃墟のような家に…」杉良太郎が64年間、刑務所改革に取り組み続ける理由

なんだこれは。これは売名とか偽善とか以前に、善悪で語るもんじゃない何かではないか。なんなんですかこの人、爪の垢煎じて飲ませてもらっても真似できっこないこんなの。

記事引用

半世紀を優に超えて歌手や俳優として活躍する杉良太郎(78)は、60年以上にわたって私財を投じた福祉活動に取り組んできた。「特別矯正監」「特別防犯対策監」などに任じられている杉は、どのように矯正施設の改革に携わってきたのか。その思いを本人が語った。

***

【写真を見る】15歳の頃、あどけない表情の杉良太郎この頃から刑務所の慰問を開始した

15歳の時に刑務所の慰問を始め、国内外で福祉活動を続けて64年が過ぎました。人からはよく「なぜ」「どうして」と聞かれますが、そういう質問が一番困ります。自分でも明確な答えを持ち合わせていないからですが、おそらくこれは私の性分。生まれる前、母親の胎内にいた頃に染みついた、一種の性(さが)だと思います。母は「人に親切、慈悲、情け」が口癖のような人でしたから。

現在は法務省・特別矯正監(永久委嘱)、厚生労働省・健康行政特別参与、警察庁・特別防犯対策監(永久委嘱)として福祉活動だけではなく対策活動を行う機会も増えています。すでに全国の税関、刑務所は視察を終えており、警察はこの2月、すべての都道府県警察本部を訪問し終えます。その後は各警察署にも足を運び、現場に近い声を聞いて対策に生かす考えです。 杉良太郎

慰問活動を始めた15歳の頃(他の写真を見る) 名誉矯正監になった理由

なぜ、全国を回る必要があるのか。例えば警察組織にしてもそれぞれの地域特有の県民性や地域性があります。だから、治安の維持という使命は同じでも、アプローチの仕方は微妙に異なる。それは私が矯正監として接している、受刑者や刑務官たちも同じです。

私が矯正施設で見るのは、彼らがどんな所で生まれ育ち、なぜ犯罪を起こしたのかという、根っこのところ。私が矯正監に任命されるまでには、幾つかの段階がありました。まず、15歳から始めた慰問を続けるうちに一日所長として視察するようになった。すると当時、5~6人の閣僚が集まる席があって、「何十年も取り組んでいる杉さんが一日だけの所長っていうのはおかしいんじゃないの?」という話になり、その後「一日所長じゃなく、何かポジションを作れないのか」と、法務大臣に伝えたという。そんなことはまったく知りませんでしたが、名誉矯正監や名誉所長という肩書きを受けてくれないか、と打診をいただきました。

そもそも私は「名誉」では引き受けたくなかったのですが、お飾りではないということを念押しし、名誉矯正監を拝命しました。

刑務官に「何が欲しいか」と聞くと…

それまでは受刑者の更生を促進する活動が中心でしたが、刑務官や職員の方の規律や指揮監督、処遇といったあらゆる角度から矯正施設の問題に取り組むようになりました。とくに現場の声を聞くことを大切にし、その後も全国の矯正施設を回り続けました。「なるべく若い人たちの意見を聞きたい」と思っても、所長や部長などの上司が横にいると、彼らはなかなか率直な気持ちを言えません。だから、看守長ぐらいまでの中堅クラスにメンバーを限定し、話を聞いていきました。

多くは30代半ばから後半ぐらいです。処遇から教育、経理や医務といったすべての部門から出席してもらいます。最初はまったく意見が出ませんでしたが、こちらから「日頃、仕事をする中での不満を聞かせてほしい」と促したら、多くの声が上がるようになりました。

例えば、勤続年数によって時計がもらえる制度がありました。私が「時計をもらってうれしいか?」と尋ねると「うれしくない」と。「じゃあ、うれしくないものはうれしくないと言いなさい」と話した。それで「本当は何が欲しいんだ?」と聞くと「長期休暇です」と言う。

当時は休日にポケベルが鳴ったり、受刑者が過剰収容されていた関係で仕事が多くて息つく暇もない。長期休暇がないから、お盆に墓参りすら行けないとも。「それじゃあ、まずは長期休暇を出そう」と、すぐに本省に掛け合って休暇制度を見直しました。長期の休暇が取れないことは、離職率の上昇にもつながるからです。 自己犠牲の精神 杉良太郎

東京税関に寄贈した麻薬探知犬のタロー号と(平成6年)(他の写真を見る)

刑務官がしっかり受刑者を指導・監督できるようになるには、広い知識や見聞、人間的な包容力を持つことも大切です。塀の中しか知らないような世間知らずでは務まりません。長期休暇を活用して、旅行も含めて見聞を広め、体験を重ねることも重要なのです。

また、この仕事は成果が見えにくいという側面があるので、職員にはやりがいとプライドを持たせることが必要です。自身の職業へのプライド、誇りがなければ、海千山千の受刑者にはなかなか対峙できません。そこで、専門官を作るなど、刑務官の心理面での育成につながることも考えました。

刑務官たちが最も喜んだのは、彼らが住む官舎の改善でした。これを言うと大抵の人に驚かれますが、刑務官を含めた職員たちに「刑務所と自分たちの官舎と、どっちを先にリフォームしてほしい?」と尋ねると、100人が100人とも「刑務所を先にお願いします」と答えます。職場を優先してほしいというわけです。

世間的にはこうしたイメージは薄いかもしれませんが、職員たちも人間です。受刑者に情が移るのか、「ちょっとでも甘い物を食べさせてあげたい」とか「少しでも処遇を良くしてあげたい」という気持ちの人が多い。自己犠牲の精神というのか、自分より受刑者の待遇改善を優先する意識が強いんです。だから私は、「あまりそっち寄りに行くなよ。被害者を忘れるな」と注意しているほどです。

刑務官は6畳と4畳半の2間で子どもを育てている

官舎というと「公務員住宅だから、さぞ良いところに住んでいるんだろう」といったイメージが強いと思います。赤坂や青山の国会議員宿舎などの印象があるからでしょうが、とくに地方にある国家公務員宿舎の多くは、想像以上に老朽化が進んでいるのが現状です。

施設課長が「居住環境を改善しないと職員が居着かない」と訴えてきたことがあります。そこで実際に足を運び、「どうしていままでこの事実を誰も口にしなかったのか?」と、気付けなかった自分にもがくぜんとしたことがあります。

視察に行く前に、法務省の職員に「間取りは幾つ?」と聞いたら「二間あります」という。私は「8畳と6畳の二間かな」と想像しましたが、実際には6畳と4畳半でした。いまどき4畳半なんて一間に含まれるのかと驚きましてね。受刑者には三食が付き、夜中でもガードマンが見回ってくれるから安心で安全な住環境にある。一方で、彼らを監督する刑務官は6畳と4畳半、そして台所という狭い部屋で、子どもを育てていることが分かった。

すぐに全国の官舎の写真を取り寄せ、それを超党派の再犯防止議員連盟のメンバーたちに見ていただいた。それで「近いうちに川越少年刑務所に行きます。みなさんも一緒に来て下さい」とお誘いしました。 「これ、廃墟じゃないですか」 杉良太郎

1986年。日本政府要人から中国政府への親書を携え、郵政省から贈られた制帽と郵便かばんを身に着け「幸せ配達人」を務める(他の写真を見る)

実際に現地を視察した後で、議員の方たちに「みなさんはここに住めますか?」と聞くと、全員が「住めません」と口をそろえた。中には「これ、廃墟じゃないですか」と驚く議員までいたほどです。そこで私は「ご自分が住めないところに、職員に住めと言うのはいかがなものでしょう」と窘(たしな)めるように続けた。率直な印象として「ひどいな、こんな住宅がまだあるのか」というほど老朽化が進んでいたので、いまも少しずつ住宅の建て替えやリフォームを進めているところです。

警察官とは違って、刑務所の職員にはなかなか陽が当たらない。子どもに「お父さんは何の仕事?」と聞かれて「刑務官だよ、とは言いにくい」と話す職員はいまも少なくありません。「自分の子どもに胸を張れない」というのです。だから私は全国の施設を回って「プライドを持て」と、指導したり勇気づけたりしてきたのです。

医官の処遇改善

刑務所に勤務する医師である、医官の離職も深刻な問題でした。以前の規則では、彼らが診療の対象にできるのは受刑者に限られていました。国家公務員だからというだけで、刑務官がちょっと体調を崩した時でも診察すらできない。以前はこんな非常識なことがまかり通っていたんです。だから私は、刑務官はもとより、近所に住む町の人々も診られるようにすべきだと訴えたことがありました。

医官は刑務所の近くに住んでいます。同じ地域の人々の理解や信頼は、人間的な触れ合いや結びつきから生まれてきます。高額な予算を投じて最新鋭のMRIを導入したのに、それを使ってもらえるのは受刑者だけ。それではあまりにもったいない。だから、医官の仕事は臨床に限らず、希望すれば研究もしていいようにした。給与水準のアップを含めた処遇改善にも手を付けて、医官の離職率が下がるように工夫したわけです。 「長く刑務所にいたい」という受刑者たち 杉良太郎

東日本大震災の被災地で行った炊き出し(他の写真を見る)

さまざまな刑務所の改革には、受刑者の処遇改善も不可欠です。ところが衣食住の快適さが増すと、居心地の良さから「長くここに置いて下さい」と訴える受刑者が増えてしまった。当たり前ですが、刑務所は「置いて下さい」なんて言われる場所じゃありません。

とくに高齢の受刑者ほどその傾向が強い。理由の多くは「出所したら死ぬしかない」「保険証がないから医者に診てもらえない」というもので、実際、持病があったり、身寄りがなくて出所しても身を置く場所がないんです。一方で刑務所なら食事はあるし、布団で寝られます。病気をすれば治療だって受けられますから、受刑者が高齢になればなるほど刑務所を「無料の老人ホーム」みたいな感覚で捉えているんですね。

刑務所にもさまざまな種類がありますが、最近は医療刑務所が非常に大きな役割を持つ時代だと感じます。違法な薬物に関する治療もありますが、心臓や脳の病気をはじめ、がんを患う受刑者も珍しくはありません。

麻薬や薬物の常習者の更生には、専門の病院や施設で徹底的に対応する必要があります。専門医も必要ですが、何よりものすごい手間がかかるんですよ。

受刑者の認知症問題

加えて最近の医療刑務所の守備範囲はかなり広がっていますが、喫緊の課題の一つが、仮に受刑者が刑務所内で認知症を発症したらどうするか、という問題です。自分が誰だか認識できない受刑者にはどう罪を償わせればいいのか。こういった贖罪のあり方の本質に関わる問題への対処など、刑務官の役割やありようは大きく変化しています。

心臓病や胃がんという具合に脳の機能に影響がない時はいいですが、アルツハイマー型認知症などの場合は罪を犯した事実やその罪名どころか、自分の名前すら覚えていないこともあります。入る刑務所もA級(犯罪傾向の進んでいない者)とB級(再犯や累犯、反社会的勢力といった犯罪傾向の進んでいる者)、L級(刑期が10年以上の者)などの等級によって分かれますが、長期で入っている人は症状がどんどん進んでしまいます。

認知症を患う受刑者の面倒、つまり介護も刑務官の任務とするのか。あるいは、別に収容する施設を造るのか。仮に介護施設を造った場合、刑務所とは異なる環境で生活する受刑者は本当に罪を償っているといえるのか。そもそも、介護施設が罪を償う場所になり得るのか、といった問題も出てきます。 資格取得まで導いても出所すると… 杉良太郎

愛媛県警を訪問(他の写真を見る)

かねて私は、刑務官が受刑者の介護に苦労していることを知って、「これは本来の刑務所の姿じゃない」と感じていました。だから刑務官だけでなく受刑者も介護ができるよう、さらに出所後にその経験が生かせるようにと、刑務所で介護福祉士の国家資格を取得できるようにしました。

ところが、ここで新たな問題が出てきました。仮に500人の介護資格を手にした受刑者がいたとして、その中の何人が出所後に介護職に就くのか。私の感覚ではせいぜい30人ぐらいだと思います。そもそも受刑者には勤労意欲が乏しかったり、働くのが苦手という人が多い。幾らこっちが「再犯防止につながるように」と資格取得まで導いても、ほとんどが出所したら働かない。

よく耳にする話に「出所後に雇ってくれるところがないので働けない」「収入が得られないから再犯してしまう」というものがありますが、「働きたくない」「仕事は苦手」という人たちの再犯率を下げることが、いかに難しいかということがお分かりいただけるでしょう。

欧米では寄付が節税対策に

私は平成8年に「名誉矯正監」を、平成20年に「特別矯正監」を拝命し、それに伴って私の役割も変わってきました。最も大きなものは、改善すべき点を明確にして必要な予算を獲得することです。平成28年4月に発生した熊本地震の後には刑務所や少年院などすべての刑事施設を、地震や津波、河川の氾濫といった災害が起きた際、市民が避難場所として利用できるようにしました。

本来、こうした取り組みは政治の役割かもしれません。しかし、特別矯正監という立場だからこそできることがある。だから私は全国の矯正施設を回り、目で見て耳で聞いて問題点を炙(あぶ)り出している。それがいまの私の役割だからです。東日本大震災で炊き出しなどの支援活動をした時など、これまでには「売名だ」とか「偽善では」と言われました。しかし、私はただ自分にできること、すべきだと思ったことを行動に移してきたに過ぎません。

ところで、日本と欧米のボランティアや寄付のありようには大きな違いがあります。文化や習慣も異なるからでしょうが、実は税制面でも大きな差があります。

例えばアメリカでは、個人が100万円をチャリティーとして寄付すると、手続きをすることでほぼ全額が所得から控除される。つまりは税金対策にもなるわけです。日本で杉良太郎が1億円を寄付するのと、ハリウッドスターが1億円を寄付するのとでは本質的な意味合いがまったく異なる。それを多くの日本人はご存じない。

いま、私がどこかの慈善団体に1億円を寄付したとしても、控除されて戻ってくる額はごくわずかです。もちろん、私はそれも寄付しますが、アメリカで1億円を寄付したら、日本よりも還付される額ははるかに多いんです。 1億円借金してまで寄付 杉良太郎

佐賀県庁を訪問(他の写真を見る)

日本テレビに「24時間テレビ 愛は地球を救う」というチャリティー番組がありますね。以前その会場へ、新聞紙に包んだ現金を会社の経理担当に持って行かせたことがありました。すると、たまたまテレビに映った彼を見た税務署の職員から「あれは杉さんの会社の人ですよね。課税の対象です」と連絡がきたことがあります。世間の多くは「寄付金は全額が控除の対象になる」と思っているようです。ところが実際は違います。日本は軽々に寄付ができない制度になっているんです。

昭和61年ごろに中国に残留していた日本人孤児の問題に取り組んだ時、自分で何とか4億円は都合できたものの、どうしても残りの1億円が不足したことがありました。そこで住友銀行(当時)の磯田一郎会長に「5億円のうち4億円は用意できたけど1億円足りない。1億円、私の体を担保に貸して下さい」とお願いに行ったんです。

会長は「銀行は体を担保に金を貸さないよ。だけど杉さん、老後はどうすんの?」と。私は「お粥を啜って生きていきますから」と答えた。そうしたら会長は1億円を融資して下さった。返済額は利子を含めて1億7500万円になりましたが、会長は「金を借りてまで寄付する人は初めてだ」と仰っていましたね。

刑務所を株式会社に

私は十数年以上前から刑務所の株式会社化を提言しています。これは民営化や半官半民とはまったく異なる世界初の試みです。受刑者の数が減少傾向にあるいま、廃止される刑務所などを活用し、株式会社化して運営したい。ここを社宅付きの職場にして、出所者や定年退職した刑務官たちを雇い入れる。互いに見知った関係ですから何でも相談できるだけでなく、出所者は得た収入から1カ月に千円でも2千円でも被害者への送金が可能になる。いつまでも被害者のことを心に留める意識が大切ですから、その一助となる取り組みとして、近いうちに本格化させるつもりです。

そこでは受刑者が出所後に即戦力として仕事を得られるよう、畜産や農業などの知識と技術を教えたい。すでに網走刑務所では「網走監獄和牛」という名前でA5ランクの黒毛和牛を育成したり、〈おつとめごくろうさまです〉といったロゴ入りのTシャツを販売していますし、鹿児島刑務所では日本茶に加えて紅茶作りが始まっています。函館少年刑務所では〈〇(マル)獄シリーズ〉という、「獄」の文字を丸で囲ったデザインがプリントされた前掛けや手提げバッグなど数多くのグッズが人気を集めています。 達成感はない 杉良太郎

大阪府泉佐野市役所を訪問(他の写真を見る)

このように、私は刑務所を一種のブランドにして新たな価値を生み出そうと考えている。そこが元受刑者の再就職先になれば、彼らの勤労意欲の喚起だけでなく、働くことの意味を理解させられると思うからです。

私は法務省のほかにも、厚生労働省で予防医療や未病という概念の普及と対策活動を、警察庁で特殊詐欺対策を中心とした防犯のあり方や、犯罪加担者を減らす取り組みに従事しています。私の活動は多岐にわたりますが、すべてに共通して言えるのは、「自分ができること」や「こうすべきだ」と思ったら、それを、すぐ行動に移してきたということです。

とはいえ、私は一度も「やってよかった」というような達成感や満足を覚えたことがありません。次々と問題が出てきますし、新たなアイデアが浮かんでくるからです。私にはいまも多くの課題が残されていますから、この道はずっと続いていく。まだまだ、これからですよ。

杉 良太郎(すぎりょうたろう) 昭和19年兵庫県生まれ。同40年に歌手デビュー。同42年にNHK「文五捕物絵図」の主演で脚光を浴び、以降は長年にわたってテレビや舞台で活躍。法務大臣顕彰、文部科学大臣表彰など数々の大臣表彰にとどまらず、紫綬褒章や芸能人として初めて緑綬褒章も受けた。平成26年に内閣総理大臣より感謝状を贈呈されたほか、同28年には長年にわたる国内外での文化交流が評価され文化功労者に選出されている。

週刊新潮 2023年2月2日号掲載

旧字体とは?【レトロデザインのための近代日本語講座〈1〉】

婚姻制度

憲法学者「同性愛という愛のありかたは個人の自由。しかしそれを国家が法的婚姻制度で保護することは別問題。生殖可能性がない以上、現状国家が保護すべき利益が見当たらない」 https://sn-jp.com/archives/112565

賛同する。制度の利害調整は婚姻者と独身者との間のもの。独身者の犠牲で婚姻者を利する理由が問われる。次世代の国民を産み養育するというところに認められる。 子供のない夫婦は「制度」の遊び。 婚姻が子供づくりを前提にしていないという人は、民法が近親婚を禁じる理由を説明してみよ。 そもそも結婚は、その女の腹から生まれてくる子供の父親を決定し、その子の養育に責任を負わせる制度。母親は自然と決まるが、父親は制度的に決定しないと絶対に分からなかったためだよ。

奇妙な国境や境界の世界地図

noteでたまに地理関連の書評記事を書いていたので、創元社様から出た新刊の『奇妙な国境や境界の世界地図』をご恵贈いただき、さっき読み終えたところですが、予想していた以上にマニアックな国境・境界の事例が取り上げられていて驚きました。1/ https://www.amazon.co.jp/dp/B0BT15YH88 もちろん、カリーニングラードの飛地や、キプロスを南北に分断している境界といった、政治地理でお馴染みの事例も若干ありますが、目新しい事例の方が割合としては多かったです。ベラルーシの領内にサニコヴォ=メドヴェジエというロシアの飛地があるのは知りませんでした。2/ 原発事故の影響で放棄され、無人地帯になりましたが、著者のニコリッチの調べによると、ロシアの行政管理が及ばないことを利用して、狩猟が禁止されているシーズンに近隣の住民が密猟を目的として進入するようで、典型的な無法地帯になっているなと思いました。3/ 個人的に中国の政治地理に興味があったので、手に入れたときに真っ先に調べましたが、残念ながら中ロ国境にあるユダヤ自治州の事例を除くと中国関連の事例は取り上げられていませんでした。そこはちょっと残念でしたが、欧州と北米に関しては詳しく調査されていると思いました。4/ 世界地図のスケールでは見落とされることが多い小さな人為国境について学ぶことが多い一冊でした。気取らない文体で書かれており、青を基調にした地図も読みやすく、よい意味で学術書らしくない著作だと思います。5/5

恐怖のアルコールその1(酢を昼間から飲んでいた酒豪のクラスメートの謎がようやく解けた)

2023-02-04

数学・物理 通信講座+勉強会の募集は来週まで/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 通信講座案内: 量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始
  • 物性論に対する場の量子論の教科書的レビュー

メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.

  • 今回のページ
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「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.

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近況報告

今回は通信講座の簡単な再案内に留めます.

私自身通信講座開始に合わせて数学のリハビリをはじめています. ホモロジー代数のノート作りをしているのですが, 可換図式がとにかく重たく, TeXでのノート作りにうんざりしています. しかしここでまたやらなくなると手が出なくなるため, 歯を食いしばって対応を進めています.

あとは中学生向けプログラミング学習の話をしてもらえないかと頼まれました. いわゆる組み合わせ爆発お姉さんの動画を紹介したらそれに食いついたようです. 二月中旬の予定です. まだ詳しい状況を聞けていないものの, 必ずしもよい環境でなくてもどうプログラミングで遊ぶか, 情報系・数学で遊ぶかの試金石でもあり, ゆるく長く続けてもらうため, そして楽しんでもらうために何を提供できるかいまからいろいろ考えています.

通信講座案内: 量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始

案内は次のページにまとめました. 言うべきことは全て書いたのでここでは詳しく紹介しません.

募集期間は2/12(日)までとします. 募集期間が終わったら勉強会の日程を決め, 翌週から本格的に通信講座・勉強会をはじめます. そこから三ヶ月, 5月半ばまで続きます. 参加について何か相談があればメールなどで連絡してください.

申込をしたらメールが送られます. 通信講座の内容だけでなく, 連絡・質疑応答用のSlackやコンテンツ一覧ページのURLもいったんメールで送るため, 迷惑メールを確認してもメールがない場合, このメルマガ用のメールアドレスに連絡をお願いします.

物性論に対する場の量子論の教科書的レビュー

Field Theoretic Aspects of Condensed Matter Physics: An Overview https://arxiv.org/abs/2301.13234 凝縮物性における場の理論の教科書的レビュー。 125 pages, 380 referencesはすごいね

日々の自分用メモ

結婚精度

結婚制度というのは、別れたくても、そう簡単には別れることができないようにするための制度で、通常であればそういう契約は人権侵害になるので国家(裁判所)が強制的には実現できないところ、憲法24条によって特別に人権侵害が認められているわけですよ。 そういう人権侵害を特別に許してまで秩序を守る必要が、異性同士だけでなく同性同士の場合にもあるかどうかというのが議論になっているわけです。 別れたいと当事者が言っても、国家が介入して簡単には別れさせないために強制力を発揮する制度を用いて、同性についても統制することの必要性ですね。 異性の場合は歴史的にそういう慣習が存在してしまったから、いきなり廃止はできず必要悪だ、とか、異性の場合も結婚制度は廃止すべきだとか、異性の場合にできるのなら同性の場合も平等にそうすべきだとか、進んで婚姻届けを出すのだから当事者の自己責任だとか、色々な価値判断があるわです。 そこに紐づいている社会保障とか税制とかの問題は重要ではありますが、結婚制度「自体」の持つ効果というのは、当事者が別れたくてなってもそう簡単には別れさせないための強制力を国家が提供することなわけでして。

永田雅宜先生の思い出

永田先生はお茶目でちょっとカワイイところのある白髪頭のちょっと無精髭が生えたオジサンというのが私の印象で,いつもニコニコしてらっしゃったのが特徴. しかし,その伝説は数多い.いくらでもあるが... そのうち2つ. 理学部の学生の線型代数と微積分は,理学部数学教室の先生が面倒を見ることになっていた.たしか6クラス中2クラスぐらいはそうだったのではないかと思う. 伝説の線型代数は,永田先生は一般の体上の線型空間で教え,丸山先生は行列環の成分は可換環で教えてたというもの. 丸山先生は確か,環の方が複素数や実数よりも簡単だという理念のもと教えられていたと思うが,割り算しなくてよかったのか定かではない. 私も普通の環の方が複素数や実数よりもよほど簡単だという意見には賛成.分かりやすいかどうかは別.(^^;; 永田先生は線型代数では四則演算しか係数に表れないからというこちらも至極まっとうな理由だったと思う.固有値をどう扱ったのか(拡大体?)は定かでない. どなたか経験者がいたら体験談ゆる募.

もう一つの伝説: 永田先生の科目はほとんどが可で若干の良,優または秀が1,2名という成績評価だったように思う.毎回掲示板に張り出されていた.(そういう時代 (^^;;) ある年,代数学の講義で一人の優を除いてすべて不可になったことがあったらしい. 合格したK中先生が廊下で永田先生とすれ違ったとき「追試をします.君もついでに落としといたから受けなさい」と言われたという.お茶目炸裂. きっと永田先生はK中先生に追試の問題を解いて貰いたかったんだと思う.先生ってそういうものです.

データベースのでRelationとRelationshipの混同

DB 設計における Relation と Relationship の混同を最近でもよく見かけるけど、この間違いがなかなか減らないのは、そもそも名前が似すぎているという問題がありそう。慣習としてそれぞれ関係、関連と訳すけど、こちらも紛らわしすぎる。 リレーションとリレーションシップの誤用に注意

40+ Elegant Books for Designers and Math People

40+ Elegant Books for Designers and Math People Things that are functional yet appealing have good designs. The books you will see below are extraordinary ones. They may seem like coffee table books, but they have the power to inspire your imagination. https://abakcus.com/40-elegant-books-for-designers-and-math-people/

クリエイターやアーティストに向けた文化庁のサービス

【クリエイター・アーティストの方へ】 クリエイターやアーティストに向けた文化庁のサービスが充実しすぎているので、ここで簡単にまとめときますね。 いずれも(裏で)すごい専門家の方々が関わってるのに、すべて無料です。 ぜひ多くの方にご活用いただくのがよいかと! 契約の基礎を知りたい方にはこちら。 「契約とは?」「口約束でも契約は成立する?」「覚書にサインしたら契約したことになる?」など、多くの方が疑問に思うことをQ&Aで解説しています。 さくっと見るだけでも、契約への理解が深まります。 https://bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/kibankyoka/faq/index.html 舞台関係者向けですが、すべてのクリエイターの方へ。 わかりやすいテキスト、豪華講師陣のeラーニング、ワークショップ、いずれも無料です。 舞台関係を前提としていますが契約書のひな型(しかも解説付き)もついているという充実っぷり。 まずは①契約入門編にトライを。 https://sites.google.com/onpam.net/keiyaku/?pli=1#h.3nhe59b0skhw 契約などについて無料で相談できる窓口も。 相談員の弁護士の方々は、ふだんはなかなか依頼できない方も… 2月末までとのことなので、ふだん疑問に思っていることや困っていることがあれば、ぜひご相談を。 相談窓口はこちらから↓ https://bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/kibankyoka/madoguchi/index.html 契約だけでなく、「フリーランスって?」「社会保障って?」などのベーシックな情報はこちら。 今後、契約や著作権についての情報も追加されていくもよう。 第二東京弁護士会がやってるフリーランス向けの相談窓口の案内も。 https://bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/kibankyoka/kisochishiki/index.html 文化庁の回し者みたいになってますが、海老澤自身は文化庁にもこれらの事業にも特に関わっていません。 いずれも素晴らしいサービスなので、ぜひ多くの方にご覧いただけるとよいなと。 こういうサービスって各省庁でバラバラにやってるので、本当はどこかにまとまったサイトなどがあるといいですよね…

Stephanie Ann Houghton, Damian J. Rivers. (eds.) Native Speakerism in Japan

Stephanie Ann Houghton, Damian J. Rivers. (eds.) Native Speakerism in Japan (https://multilingual-matters.com/page/detail/NativeSpeakerism-in-Japan/?k=9781847698681) を楽しく読んだけど、この本には、一般の native-speakerism 論ではおそらく見かけない、かなり特殊なメッセージがある。それは「日本では英語ネイティブが差別されている」(!?) 「英語のノン・ネイティブ・スピーカーが差別されている」の書き間違いではない。 「英語のネイティブ・スピーカー」が日本では抑圧される側だ、というのが特異な部分。 実はこれは謎でもなくて、日本における外国人差別が、英語母語話者に対する差別と切り分けられていないために、こういう一見奇妙な話になる。公平のために記せば、著者のほとんどはおそらく気づいているし、明示的に言及している人も多い。しかし、理論的に整理している人はいない。 まあ、たしかに「伝統的な日本社会」においては、英語の母語話者は、外国籍者であったことはほぼ「伝統的」であったので、この辺の切り分けは難しいのだろうなというのはわかる。「伝統的」な日本社会ではね。 実質的に、在日コリアンをはじめとした「伝統的」マイノリティを排除するために制度化されていた外国人差別が、英語母語話者にも適用されていた面がある、という話は、本書のどこにも書いてなかった。 "Native-speakerism in Japan" とフレーミングすると論点がぼやけるので、「国籍と日本語能力という教職への排除障壁」あたりにしたほうが建設的じゃないかな? 「排除障壁としての国籍」は典型的な外国人差別の話だとして、日本語能力は問題が複数絡んでいるので結構ややこしいですよね。(以下)

0) 日本語力(初歩的なものも含めて)が、「日本社会への忠誠度の指標」として機能することがある 1) 一般論として、現地語の事務能力はどんな社会でも必要 2) その例外のひとつが高等教育。世界には、英語だけできれば事務遂行ができる大学もある。 3) 日本の高等教育は、日本語事務の範囲が支配的

native-speakersim をより理論的に一般化したらしいけど、定義拡張っていうのはやればいいって話ではない。悪い一般化だってあるんだから…。実際、その当然の副作用として、国籍差別的なフレーミングがぼやけてしまっている。/公立学校の外国籍教員 - 株式会社明石書店

機械学習アプリ対策と教育

ありきたりの定量的な問題より、抽象的な○×問題の方がずっと難しい。答えるのが人間でもAIでも同様。記述式の試験が常に○×問題や多肢選択より難しいとか思考力を問うというのは幻想で、思考力をつけさせるには○×問題や多岐選択問題を課すべき。その方が採点も簡単だし。

2023-01-28

数学・物理 通信講座+勉強会の募集開始/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始
  • 円周率の$n$桁目を求める論文
  • 無限次元での級数の収束
  • 倉橋太志, 不完全性定理の数学的発展
  • Paulによる佐藤幹夫お勧め文献集
  • 日合文雄, 行列解析から学ぶ量子情報の数理
  • 田崎晴明さんの第二量子化のノート

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  • 今回のページ
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感想をください

「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.

メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.

ではまたメールします.

近況報告

やるやる詐欺になりつつありましたが, ようやく量子力学のための線型代数とその計算の通信講座+勉強会の開講案内を作り終わりました. 先月末から今月は仕事用のプログラミング関係の再学習ばかりで, ほぼ数学らしい数学をしませんでした. 一月も数学を放置していたのはおそらく10年ではきかないのではないかと思います. 勉強会に合わせて私も数学のリハビリをはじめます.

熱力学のノートや, 微分方程式の計算練習ノートなども作りたいですが, 一つずつ潰していくしかありません.

量子力学のための線型代数とその計算, 通信講座+勉強会の募集開始

案内は次のページにまとめました. 言うべきことは全て書いたのでここでは詳しく紹介しません.

募集期間は二週間で2/12(日)までとします. 募集期間が終わったら勉強会の日程を決め, 翌週から本格的に通信講座・勉強会をはじめます. そこから三ヶ月, 5月半ばまで続きます. 参加について何か相談があればメールなどで連絡してください.

申込をしたらメールが送られます. 通信講座の内容だけでなく, 連絡・質疑応答用のSlackやコンテンツ一覧ページのURLもいったんメールで送るため, 迷惑メールを確認してもメールがない場合, このメルマガ用のメールアドレスに連絡をお願いします.

円周率の$n$桁目を求める論文

円周率の10進数でのn桁目を直接(それまでの桁を計算せずに)導く方法が2022年に発見されていたらしい

I just learned that the first formula for calculating the n-th decimal digit of pi (without calculating all the preceding digits) has been found by Simon Plouffe in 2022

上記の論文を見るとわかる通り, ベルヌーイ数などが出てくるため簡単に評価できる量ではありません.

超越数論もやってみたいと思いつつ幾星霜.

無限次元での級数の収束

「条件収束する実級数は項を並べ替えればどんな値にも収束させられる」という世にも奇妙で有名なリーマンの再配列定理は少し変えれば2次元以上へも拡張できます。 ところが、無限次元では、絶対収束しないにもかかわらず、どんなに項を並べ替えても同じ値にしか収束できない級数が存在します。

Levy-Steinitzの定理, Dvoretzky-Rogersの定理ははじめて目にしました. このくらいの基本的な事実でもまだまだ凄まじい現象があるのを知ると, 数学は本当に一生遊べるという思いを新たにします.

倉橋太志, 不完全性定理の数学的発展

数学会の論説に寄稿した解説論文"不完全性定理の数学的発展"が無料でダウンロードできるようになりましたね. https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku/73/1/73_0731060/_article/-char/ja/ ご興味のある方はぜひご一読ください.

そういえば一点訂正があり,定理48の"IΔ_0 において SC が成立すれば NP ∩ co-NP = P である."は今のところ"IΔ_0 において SC^U が成立すれば NP = co-NP である."までしか分かっていません.

書きかけの超準解析学習録もありますし, 数理論理・公理的集合論も勉強したいと思ったまま幾星霜. せめて超準解析ノートは一通り仕上げたいですが道は遠い. 超準解析は小澤正直さんによる量子系の数理物理への応用もあります.

Paulによる佐藤幹夫お勧め文献集

再掲。佐藤超函数でお勧めの文献は原論文 http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/handle/2261/6027 http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/handle/2261/6031 日本語なら雑誌「数学」 数理研講究録(浪川記)

森本さん「佐藤超函数入門」, 金子さん「超函数入門 新版 オンデマンド版」は、お二方が佐藤超函数を咀嚼した上で著者が自分の言葉で書いているので、それはそれで素晴らしい本なのですが。

現代の教育的な視点からは、金子さんの超函数入門が層係数コホモロジー入門としても読みやすいと思います。超函数までたどり着けなくても勉強にはなります。また、少し値は張りますがジュンク丸善からオンデマンドが買えます。佐藤さん本人の言葉がわかりやすいというのは、私個人の特殊事情によるもの

大分前のPaulのツイートを見かけたので転載しておきます. 森本さんの本は持っていて, これも読みたいと思って幾星霜. やはり場の量子論への応用でいくつか議論があります.

日合文雄, 行列解析から学ぶ量子情報の数理

量子力学のための線型代数とその計算でも重要な本がタイムリーに出るようです. もう家に本を置く場所がないため早くPDFを出してほしいです.

田崎晴明さんの第二量子化のノート

場の量子化、ここでは生成・消滅演算子の説明を含む、としては田崎晴明先生の明快で大変わかりやすいノートがarxivにあげれられています。私はここに書かれていることで物理的に疑問に思う点など全くないです。 Hal Tasaki, Introduction to the "second quantization" formalism for non-relativistic quantum mechanics: A possible substitution for Sections 6.7 and 6.8 of Feynman's "Statistical Mechanics"

高江洲さんによる紹介があったため, 念のためここでも紹介しておきます.

現代数学探険隊を持っている人向けにアナウンスしておくと, 関数解析の章の「ヒルベルト空間のテンソル積」や「テンソル積と対称群: 量子力学的粒子の統計」, 「場の量子論・量子統計のヒルベルト空間論・作用素論」で議論しています.

日々の自分用メモ

Texromancers

日本人ブラケット

mathematics - What is the origin of the "Japanese bracket"? - History of Science and Mathematics Stack Exchange 日本人ブラケットなる概念があるらしい

むしろ素人のほうが「マニアックな売り場」を作れる…国文科卒の書店員が神保町に"数学の聖地"を築くまで 5000冊の数学書が揃う「書泉グランデ」の秘密 #プレジデントオンライン

水道修理検索などで役に立つ検索戦略

[ご案内]凍結で水道が壊れた時に「●●市 水道修理」で検索すると広告がたくさん出て高額な修理代金を請求されることが多いので「●●市 配管 組合」などで検索してみてください。お住いの地域で良心的な事業所が見つかります。 ●●はお住いの市町村を入力してください

マチカネワニ

友人の青木良輔氏は著書「ワニと龍」の中で、中国の龍は想像上の生物ではなく、大阪で発見された化石種マチカネワニが古代中国には生き残っていて、それを龍と呼んでいたと推測しています。 それが証明されました。 An intermediate crocodylian linking two extant gharials from the Bronze Age of China and its human-induced extinction Masaya Iijima , Yu Qiao , Wenbin Lin , Youjie Peng , Minoru Yoneda and Jun Liu Published:09 March 2022https://doi.org/10.1098/rspb.2022.0085 この論文によれば、マチカネワニの近縁種が数百年前まで中国に生き残っていて、人間による刀傷のある骨が古代の遺跡から複数見つかったそうです。論文では、マチカネワニ近縁種が滅びたのは人間によるメガファウナ絶滅の一つということです。 つまり、ワニは古代中国の文明の初期には、生きた生物として、人間に狩られていたことが証明されました。 これは青木氏の主張する、「マチカネワニが中国古代まで生き残っていて、人間が畏怖していた」という説を証明するものです。 青木良輔氏の説は一見荒唐無稽に見えますが、私は初めて聞いた時、「龍虎合い討つ」という成句が凄くリアルに思いました。つまり、龍はトラ程度の動物だったのです。 これはアフリカのライオンとナイルワニの関係に似ています。 竜巻を引き起こすような想像上の動物ではあり得ないです。 青木説は正しいに違いないと思いました。 それが証明されて本当に嬉しいです。 論文で、マチカネワニの学名はToyotamaphimeia machikanensisとなっています。この属名は青木氏がこれは新属であるとして記載した属名です。 この論文ではその分類学的な重要性も示しています。 この論文は昨年の3月に発行されたようです。 彼がコロナに罹る前なので、彼自身も喜んだでしょう。 残念ながら彼はコロナで亡くなりました。 生きていれば、まだ多くのことがなされたと思います。 残念です。 彼の著書、青木良輔著「ワニと龍」平凡社出版、2001年

研究ネタに悩んだときは20-30年前の文献を読もう

1980年代の古井先生「研究ネタに悩めば、20〜30年前の論文を読めば良い。計算機が発達する前の論文には、人間の創造力に溢れた内容が沢山ある。」

古井先生の著書 > AI時代の大学と社会-アメリカでの学長経験から-

論理学の教科書

大西論理学、意味論で様相論理や直観論理を記述してそれらの間の関係まで詳しく書いていて、邦書ではなかなか類がないのでガチでオススメです。 入門書とは言いがたいのはそうだけど……。 RT

昨日ある人に「論理学入門一歩「前」みたいな本書かないんですか」みたいなこと言われて、なるほどなあと思った。まあ出してくれる本屋があればね。去年出した本は完全に論理学入門一歩「後」。

塾の経営者の話

塾の経営者の話が面白かった。 「昨今はプログラミング教室が活況に見えますが、都会の一部だけの現象です。塾の市場規模は1兆円ありますがプログラミング教室市場はわずか200億円。伸びてはいますが全体の50分の1でしかありません。これはプログラミング技能を測ることが難しいということが背景にあります。偏差値や大学合格実績などで親が子供にプログラミングを習わせる"成果"を実感できないと、継続的に通わる動機が弱くなるんですよね。プログラミングの重要性を理解している親でも、子供のプログラミング能力の成長を測るのは容易ではない」

「少子化で塾市場は縮小するといわれてきましたが実際は増加傾向にあります。これは少子化に伴って一人当たりに注げる教育費が上がったからであり、父親だけがポケットだった昔と異なり、今は父母と祖父母の6人がポケットになっているからです。シックスポケット論といいます」

「塾に通う比率の増加も市場規模の増加に寄与しています。昔は塾に通う子と言えば進学目的という意識が強かったのですが、今は公立の学校の授業についていけるようにする目的での塾通いが増えています。一種の学童のような目的で通わせる家庭も多くなっています」

「私はサラリーマンの不自由さが嫌で辞めて塾を始めましたが、塾の自由度は意外にもかなり小さいとわかりました。教育指導要領を超える範囲の指導は保護者から全く求められていないので、実質的には文科省の指導にガチガチに縛られます。あの指導要領の影響力は民間も含めて極めて大きいですよ」

「複数の教室を運営するなら、塾長を雇う目がとても重要になってきます。塾長は年収400万円で雇えるのですが、これは塾の経営に必要な資格は何もないのでどんな人でも応募できるからです。だからこそ玉石混交で、"資格がないせいで埋もれている才能"を見つけなければなりません」

「学習サポート塾と進学塾では固定費の考え方も違います。公立学校の学習サポートであれば大学生のアルバイトでもできるので講師費用は変動費です。でも進学塾となるとハイレベルな講師を正社員で雇わなければなりませんから固定費の桁が一つ上がります」

「最近は百貨店が塾と提携する動きがあります。なぜだかわかりますか?塾自体は大して儲かりませんが、固定客になるんです。塾は一度通うとなかなかスイッチしません。百貨店は別の店でも同じ商品が手に入るのでスイッチが容易です。逆に塾は知名度と集客力が弱い。互いにシナジーがあるのです」

$\sqrt{2}$の無理性証明

TeXでのSI単位の書き方: siunitx パッケージ

1
2
\usepackage{siunitx} %% SI単位系の出力
\SI{数値}{単位}

Counterexamples in algebra

Counterexamples in algebra https://ncatlab.org/nlab/show/counterexamples+in+algebra

Mark Hunacek, Combinatorics and Finite Geometry

"covers an astonishing amount of material [...] a third or fourth year class in combinatorics or discrete mathematics from this text seems perfectly reasonable" Good book review by Padraig O ́Cathain in the Irish Math Soc. Bulletin https://irishmathsoc.org/bull90/wef/Reviews/OCathain/OCathain-wef.pdf

"an instructor looking for a text for a somewhat unusual combinatorics course should certainly take a look at this book" @maanow review of Steven Dougherty's 'Combinatorics and Finite Geometry' by Mark Hunacek: https://bit.ly/3CSjexR Book: https://bit.ly/3p5DLKq @SpringerMath

composerizeでDockerコマンドラインをdocker-composeファイル形式に変換する

おかしい人からは早く逃げよう

頭のおかしい女性が向かってきたら逃げてください。

相手が出してくるのが猫パンチか刃物かは受けるまで分かりません。

我々は男性に「殴り返してはいけない」というより先に、「逃げろ」と言うべきです。

今の日本には「女から逃げるな」の呪詛めいた社会圧があり、戦うか逃げるかの選択肢が実際は一択であることも少なくないでしょう。特に男性だと、女相手に逃げたなどという理不尽極まる不名誉を押しつけられる可能性と、相手の女性が単なるイキリでそのまま制圧できる可能性を、天秤にかけてしまう場合があるのではないでしょうか。 一般通念として男性の第一選択が「逃げる」になってほしいと思います。 女性が加害者になった暴力の実際の事例

これだけでは何なので、アメリカで起きた、女性加害者のDVがエスカレートし殺人に発展した事例を紹介します。

A2. おかしい人に半端に「やりかえされる」ことを学習させてはいけない この手の暴力的な人間は、相手を支配して思い通りにすることしか頭になく、やり返されると先手刃物が圧倒的に有利になることに気づく。 顔見知りなら武装して報復に現れることもある。

では逆に、どこから反撃して良いのか? みんな大好きアメリカには、武装者が建造物に侵入してきたときの行動指標として「RUN, HIDE, FIGHT」というものがある。日本語訳すると「まず逃げる、次に隠れる、それもだめなら戦う」というものだ。 この「戦う」を選択するときには「はさみや先端の尖ったもので突く」「消火器で後頭部を奇襲する」といった、相手に致命傷を与える可能性が高い行動が推奨されている。 反撃するならここまでやれということでもあり、ここまで追い詰められたときでなければ反撃は最善策ではない、ということでもある。

キャットハウスに頭を突っ込んで寝る

最近、IKEAで買ったキャットハウスに頭をつっこんで寝ている。バカみたいに見えるけど、これがとてもいい。

・頭まわりの温度と湿度が保たれる ・鼻やのどの調子がよくなる ・ほどよい遮光性

睡眠の質が明らかにアップ。ここに至るまでには変遷があった。(続く)

その結果がキャットハウス。たぶんファイナルアンサー。「LURVIG」という商品で1499円と手頃。最初と色違いなのは、ひっくり返してピンクにもできるからです。 布団に潜って足先が飛び出すクセも解消。バカッぽいビジュアルは自分には見えず自尊心もオッケー。すごくいいです。(かぶりもの話おしまい)

DI: new is glueと疎結合

IRの海外用語

こ、こ、これはすごい!!「売上/利益」を英語ではSales/Revenue/Earnings/Profit/Income/Gainのうちどれを使えばいいのか迷うことがある人は必読です。辞書を引いてもわからないこの使い分けを、単複の文法も含めて1万5千字で詳述されています。これがタダなのは完全なミスプライス。2千円払いたい。

IR系アドベントカレンダー、最終日🎄を担当させてもらいました。テーマは思いっきり実務・実用的にし、海外IRで必須の用語についての解説です。IRはもちろん、コミュニケーション全般に通じる内容にしていますので、よろしければぜひご一読を。 https://irisjapan.exblog.jp/29454127/

アンハッピーエンドとバッドエンド

どうしても主人公が死ぬ悲劇を書きたい人が後をたたないので,せめて「アンハッピーエンド」と「バッドエンド」の区別はつけて欲しいって話.別にアゴラの雑談で話す分にはどっちがどっちでもかまわないのだけど,ディオニュシア祭での上演を考えているなら詩人は明確に認識しておいたほうがいいです

FsLab, FSharp.Stats

2023-01-14

数学・物理 解析系数理物理100本ノック/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

  • 近況報告
  • 次の通信講座
  • 荒木先生の訃報
  • 佐藤幹夫の訃報
  • IAMPのセミナー
  • まだ燃えるかけ算の順序問題
  • 競技プログラマーハンドブック
  • 野海正俊, 「Macdonald多項式入門」の講義録
  • 論計舎, 自然演繹100題ノック
  • pythonで学ぶ計算物理
  • 雑誌「数学」の過去の記事の電子版
  • いろいろなAI活用

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近況報告

去年末, Packtの一冊5ドルキャンペーンもあって, ずっと仕事関係のプログラミングの勉強をしています. 特にここ数日は現代数学探険隊の改訂の手も止めている状態で, ふつう数学と言われるような活動は全然していません. こんなに長期間, 世間的な意味での狭義の数学をしていないのも久しぶりです.

ちなみに, 興味がある人がどれほどいるのかわかりませんがC#(.NET)の勉強をしています. JavaScriptで作っていたコンテンツがありましたが, エコシステム的な意味でJavaScriptがあまりにつらいです. 競プロはF#でやっているわけで, いっそ.NET系でBoleroによるWASMだとどうかと思い, 情報が少ないからとりあえずC#でBlazorを調べてみるかと思ったら, 衝撃的なほど情報が多かったため, とりあえずしばらくC#系で攻めてみようと思って改めて一から勉強しています. 勉強会でもC#/F#

それはそれとして年末年始は本を含めて久しぶりにいろいろ買いました. それで改めて思ったのは, やはりモノを買うのは楽しいです. 上で書いたようにPacktで本をたくさん買ったのもさることながら, 少なくとも私はまだしばらくリモートワークが続くため, プログラミング環境をよくするためケンジントンのエキスパートを買いました. 前にガジェット好きの先輩がいて, 新しいトラックボールを買ったからとしばらくお古を使わせてもらったことがありました. 大きなディスプレイ二枚で作業していたため, トラックボールは非常に快適だった記憶があります. 久しぶりに使ってみてやはり快適で楽しいです. ちょっとした作業を楽しく快適にしてくれるモノはやはりよいですね.

トラックボール以外に本を買い込むのも楽しいですね. そして久しぶりにたくさん買って雑にざっと眺めるタイプの読書をしました. ここ数年, 気合を入れて読むタイプの数学の本ばかりで雑な読書をしていませんでした. 乱読の意味でも久しぶりのことをいろいろやっています.

何はともあれ, 年末年始は久しぶりにたくさん本やモノを買って異様にワクワクしていました. プログラミングの再勉強でもASP.NET Coreが思ったよりもいい感じで, Web開発関係でも久しぶりのワクワク感を感じています. いま次の通信講座の案内を練り込んでいますが, こういうワクワク感をもっと感じてもらえるようになったいただろうかという反省があります.

次の通信講座

仕事が立て込んでいて作業がなかなか進んでいないのですが, とりあえずは「量子力学のための線型代数」の続きです.

今回もまだ引き続き数学の話です. もちろん物理, 特に量子力学的なモチベーションの話は随時入れる予定です.

近況でも書いたように, 年末年始のプログラミング環境整備と本の買い込み・勉強で久しぶりにワクワク感のある勉強をしました. どうしても勉強するのが大変な数学・物理という点で, つらさをやわらげるためにもゆるく長く続けようというばかりで, 楽しもうという話を積極的にしてこなかったのを反省しました. まだ量子力学のための線型代数編さえ終わっていないのにこんな話をするのもアレですが, 物理系の人の楽しみに応えきれていないというのも前からずっと思っているため, そろそろもっと物理に踏み込みたいと思っています. もちろん数学レベルを揃える必要もあるため数学的な補足もいろいろ入れないといけません.

熱力学や(特殊)相対性理論の講座もやりたいのですが, これはまだ私の準備が追いつきません. そこで数学色が強めかつ物理にももっと触れやすい方向性として, ベクトル解析や具体的な偏微分方程式の解法といったあたりをやろうかと思っています. もしかしたら一月ごとに「今月はラプラス方程式」「来月は熱方程式」みたいな形にするかもしれません. そしてもう一つポイントにしたいのは, 既存のプログラミング講座のコンテンツを無料でつけようと思っています. すごくいいコンテンツと思っているものの, ちょっと孤立していてうまく活用しきれていない反省もあります.

簡単な計算でも実際眺めると面白い計算がたくさんあります. 例えば熱方程式の時間無限大極限でラプラス方程式の境界値問題の解が得られます. 一次元だと実装も比較的簡単です. しかし指数定理の著名なルートの一つ, 熱核の方法でも一つのキーになる振る舞いです. 直観的にも厳密解としても簡単に解ける一方, 数値的にも解けて眺めていて楽しい問題で, この辺を数学・物理・プログラミングの三方向から攻めるのもかなり楽しいのではないかと思っていて, いい加減これもきちんと形にしたいところです.

まだきちんとコンテンツの形にまでは練り上げられていないものの, まさに量子力学用の線型代数学習コンテンツ整備時に使ったSymPyによる行列計算プログラムなどもあり, プログラミングコンテンツにはSymPyの使い方も載せているため, その点でも意味があると思います. 次回の量子力学の通信講座にもプログラミング講座のコンテンツを無料でセットにする予定です. もしプログラミング講座を買おうと思っている人がいれば, ぜひもう少し待って通信講座に参加する形で購入してください.

荒木先生の訃報

01/10: 荒木不二洋先生が昨年12月に亡くなられたとのことです.大変お世話になりました.ご冥福をお祈りします.

場の量子論・量子統計力学の数理物理の草分けであった荒木不二洋先生がなくなったそうです. 分野がもろかぶりの大巨人です. 話したことこそないものの学会で見かけたこともあります. 最近, 現代数学探険隊の集合論の再整備をしていたら, 作用素環から大量に例を引っ張っていて, その中でも荒木先生の話を何度なく紹介していました. 作用素環は学生時代の紙のノートはあり, 一時期TeX化しようかと思いつつ, あまりに面倒で断念した記憶があります.

荒木-Woods, 荒木-Wyss表現, 相対エントロピーなど直接使ったり考えたりしたモノもたくさんあります. 私の大学院時代を彩る強烈な思い出がたくさんあります.

佐藤幹夫の訃報

2023年1月9日、京都大学名誉教授・佐藤幹夫氏が亡くなられました。94歳でした。超函数の理論、超局所解析、概均質ベクトル空間、ソリトン理論など幅広い分野で世界の数学をリードされ、代数解析を現代に甦らせました。

荒木先生がなくなったのか, と思った矢先に佐藤幹夫もなくなったという衝撃ニュース.

Twitterでも呟いたのですが, 荒木先生も佐藤幹夫もためらいなく呼び捨てにできるほど二人とも偉いものの, 荒木先生は分野まるかぶりの上, 直接見たこともあって自然と先生呼びになっています.

学生時代の憧れも遠くなりつつあるのかという感慨に浸っています.

IAMPのセミナー

場の量子論のフォック空間上での散乱理論の研究を代表する先駆者は2人なのですが、そのうちの一人 は Jan Dereziński 先生です。そのDereziński先生のセミナーがあるそうで、 講演題目は Dirac-Coulomb Hamiltonians となっています。

The 2023 season of the One World IAMP Mathematical Physics Seminar starts tomorrow with Jan Dereziński's talk. I hope to see many of you at the seminar! https://www.youtube.com/watch?v=oRtT9r085AA

YouTube channel もかなり充実してきました。 https://youtube.com/@iamp_seminars 是非ご活用ください。

YouTubeで講演の動画が公開されています. 他にもいろいろあるようなので興味がある方はぜひ眺めてみてください.

高江洲さんのコメントにもあるようにDerezińskiは巨人です. 私の場合だと非平衡統計での平衡への回帰, それに関わる荒木-Woods表現・荒木-Wyss表現に関するまとめPDFでかなりお世話になりました. 平衡への回帰問題ではDerezinski-Jaksic-Pilletのレビューの論文で, 荒木の相対エントロピーを勉強した思い出があります. 短いもののよくまとまっていて非常に勉強になりました.

プレプリント版と思いますが, 次のところに置いて(?)ありました.

学生時代の, ゴリゴリに不等式処理の腕力もあった私と同レベルにないと読めたものではありませんが, さすがに証明はないものの, 冨田-竹崎理論の大事な定理もカバーされています. 20年前ではあるものの, 少なくともその時点での量子統計・場の量子論での作用素環の応用の様子が見えるよい論文です. 興味があればぜひ眺めてみてください.

まだ燃えるかけ算の順序問題

あと本の帯に「大学生の10人に1人が40-16÷4÷2を間違えた!」とでかでかと書いてるけど、こんなん思考力の問題でも何でもなくて、ただの数学の世界のシンタックスの問題でしょ?文法が覚えられてるかどうかだけじゃん。こんな基本的な解釈ができないのはそれは大変な問題だけど、論調にまるで合わないぞ

この手の「÷記号を含む計算式の解釈」をめぐっては同工異曲の煽りが頻繁に出てくる。そんなの分数式で書くなり括弧を使うなり解釈のブレをなくすように書くのが当然で、解釈にブレが生じてる時点でそんな式はゴミ箱にブチ込むべき。 芳沢氏の論には総論賛成ではあるけどねぇ。。。

これを見て改めて思ったので自分用メモ: 確かにかけ算の順序で「割り算で困る」という人に対して, そもそも割り算の小学校での記法自体が問題で, 全て分数表記と積に揃えれば困らないのはそれはそう.

競技プログラマーハンドブック

「競技プログラマーハンドブック(Antti Laaksonen氏著)を翻訳・公開しました 基本的テーマから発展的テーマが300ページ超に渡って記載されており目次を見るだけでも興味深いハンドブックです。 「こんなのあるんだ!」という皆様のわくわくの助けになれば幸いです。 https://raw.githubusercontent.com/recuraki/cphb-ja/master/book.pdf

解けるのはわかったがどう解説を書いていいかわからない問題に出くわしたため, 競プロも毎日解いているものの最近解説を作っていません. 鉄則本を買った方がいいのでしょう. いまの.NET学習が一段落したら買って読みたいですね.

野海正俊, 「Macdonald多項式入門」の講義録

以前言っていた, 野海 正俊さんの集中講義「Macdonald 多項式入門」の講義録が公開されました. https://omu.ac.jp/orp/ocami/publications/preprint-series/2022/ よろしくお願いします.

自分用メモ+シェア.

論計舎, 自然演繹100題ノック

自然演繹100題ノックという教材を作りました。論計舎web shop https://quawai.stores.jp より無料にてDLいただけます。 証明可能な論理式に関する自然演繹の証明図を100個書いていただこうという趣旨です。 ぜひ挑戦してください。 https://quawai.stores.jp/items/62f22a41

解析系数理物理100本ノックみたいなコンテンツほしいですね.

pythonで学ぶ計算物理

物理 pythonで調べて一番上にかかるのが、岡大のサイトなんだけど、やはりレベルが高い http://physics.okayama-u.ac.jp/~otsuki/lecture/CompPhys2/index.html

何となくC#/F#系の数値計算コンテンツも作ってみたいとは思っていますが, そもそも数値計算がとにかくつらいので二の足を踏んでいます. PythonだとMatplotlibがあり, Juliaもデファクトでいろいろある一方, お絵描き系をどうするかでかなり困ります. 一応SciSharpでMatplotlibラッパーもあるのですが.

PDEはつらいものの, 格子系ならもう少し楽にやれそうな気もします. 時間がなかなか取れませんが, やはりいつかきちんとコンテンツを整備したい野望だけはあります.

雑誌「数学」の過去の記事の電子版

雑誌「数学」の過去の記事の電子版がたくさん公開されていることに気づいた https://mathsoc.jp/publication/dbase/sugaku/index.html

これも自分用メモ+シェア.

いろいろなAI活用

日本企業でAI導入が進まない・効果が出ない理由として、「データ基盤がないからAIも作れない」もありつつ、単純に「AIを使ったユースケースを(世の中には事例があるのに)思いつけていない、思いつける人がいない」もそれなりに支配的と思います。

ChatGPTの使い道を思いつけてない、思いつける人が少ないのも日本で普及が進まない理由だと思う。世界でChatGPTに対する関心度が64%に対し日本では17%しかない。順位で見ると64位。同じアジア圏でも台湾や韓国がそれぞれ30位と33位になってるのを考えると日本での関心がどれくらい低いのかがわかる。 ChatGPTは公開から5日で利用者数100万人を突破して、ニューヨーク市では学習に対する悪影響を理由として学校での利用を禁止してる。裏を返せば、それほど多くの子供たちがChatGPTを使っていること。一方で日本ではほとんどの子供たちがChatGPTの存在すら知らないと思う。

確かに遊んでみたいと思いつつ, 実際に何でどう遊ぶといいか何も思いつけていません.

日々の自分用メモ

いろいろな教育

いつだったか堀江貴文さんが寿司屋で10年修行なんて無駄、学校やYouTubeで学べば1ヶ月でできるとおっしゃていました。 彼の様に頭が良く、行動力がある人にとってはその通りかもしれませんが、世の中には家庭に問題があったり、本人が逃げてばかりで15.16歳くらいからカタギ社会からはみ出してしまいそうな若者を真っ当な大人に育てる器が社会にあったんです。 だから就業でなく修行と言ったわけです。 優秀な人間を前提とした行き過ぎた労働者保護や労働環境の効率化はこういったダメ人間矯正施設である商売を尽く潰し、大資本の非正規雇用や使い捨て請負業従事者を大量に生み出し、中年になっても家庭も待たず、家も自分の商売も持てない人間だらけにしました。 寿司屋に限らず、10年修行しろの裏には、商売をする上で必要になる社会の仕組みや周りの人たちとの接し方を教え、本人に社会的信用をつけてあげる為に必要な期間なのであり、修行を終えた時、大将の口利きがあれば多様な業者との繋がりを持て、独立資金等も借りる事ができたのです。 卑近な例ですが、15歳でウチの店に来て、複雑な家庭環境ゆえに一度高校中退し、夜間高校に通いながら10年ほど働いていた若い子が今は立派に社会人として頑張って働いています。 手前味噌ですが、その子に先日会った時、15の時、社長のところに行かなかったら自分の人生、どうなっていたかわからないと感謝されました。 私は特別なことは何もしてませんが、現場のスタッフが時には厳しく、時には優しく話を聞いてあげたりしてちゃんと育ててくれていたんです。 そんな弊社もこの3年で人を雇うことが難しくなってきました。若い人を育てるには責任が生じますから、続ける事ができるかわからない状態で受け入れられません。 10年なんて無駄と言い、飲食というだけでブラックという前にどうか我々みたいな零細飲食には色々な事情があることを知っておいて下さい。

【ホットサンドメーカーで作る太宰府名物 梅ヶ枝餅】

  • URL
  • 1.お餅2つを短冊切りにしてお皿をつくる
  • 2.お皿に入るくらいのあんこを入れる
  • 3.さらにお餅2つを使いあんこに蓋をする
  • 4.弱火で焦げ目が付くまで焼く
  • 5.外パリ! ウマウマ(´ω`)ウマウマ(´ω`)

記者のためのオープンデータ活用ハンドブック

この種のスキルは、体系的に学ぶどころか、調査報道の先細りで組織メディアのOJTですら雲行きがあやしくなっている。 個人的には、取材・調査技法のアップデートが止まってしまう中堅以降の記者こそ手に取ってほしいと思いました。

ゲーミングチェアならぬゲーミング座椅子という新提案。ゲームに仕事に読書に昼寝に最高すぎるんだ

デザイン素人に贈る、UIディレクション10個のポイント

Linux Foundationが「法律専門家のための WebAssembly ~ ライセンス・コンプライアンスにおける現在のパラメータを探る」日本語版ドキュメント公開

人事はテックブログを監視すれば社員の転職活動を見抜けるので、対策を考える