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何が1.1倍になったのかまだ調べていないのですが, もしや数学利用なら外語大にも比較的簡単に入れるようになっているのか, と思い, 大学に行きたい熱が出ています. 特にここ数年は「理系のための総合語学」を謳いはじめた以上, 言語学をもっときっちりやりたいと思っているため, 渡りに船という感じがあります.
もちろん生活を考えながら勉強に集中できる環境を作る必要があり, 勉強以上にこれが問題です. お金もきちんと稼ぎながら言語学まで含めた学習環境を構築し, さらにそれを提供したいですね.
先日書いた中高生向けの(競技)プログラミング学習も乗り気な子がいるらしく, 具体的に話がしたいという話もあります. 英語でエラーメッセージを読む部分でも何かしら語学教育に関係する話が必要で, この辺の具体的なノウハウも必要になってきそうです.
先日募集した通信講座+勉強会が本格的にはじまりました. 記号や用語に関して指摘が入って確かにそれはそうかという指摘があったため, 念のためこちらでも共有します.
特に作用素(演算子)の共役と随伴です. 行列のエルミート共役は英語でHermitian conjugateと書く場合もあれば, Hermitian adjointと書く場合もあります. 前者は日本語で共役と訳す一方で後者はふつう随伴と訳します. さらに英語でself-adjointと呼ばれる概念は作用素論では自己共役だと訳す一方, 直訳は自己随伴です. これに関してself-conjugateは見た記憶がありません. このように英語と対応する日本語がぐちゃぐちゃになっています. 慣れてしまっていてもう何とも思わなくなっていたところに質問が来て, 確かに, と思っていろいろと補足しました.
あと複素共役の記号, 作用素の共役(随伴)の記号, 内積の定義も数学・物理で食い違いがあります. 私は育った文化圏・読んだ本の関係で数学・物理の記号がこれらのチャンポンになっていて, 余計に注意しないといけないのを久し振りに思い出しました.
理論もいいですがやはりここ二年程度の計算練習へのフォーカスもあるため, まずはいろいろな本を参照しつつ計算ノートを作っています.
変分原理を具体的に計算するところで具体的な多変数関数の極値問題を議論する必要があります. これがとにかく面倒です. 多変数だと図に描くのが大変なのもさることながら, 単純な導関数の計算も大変で, 導関数を計算したあとに広義の増減表を書く必要もあります. もちろんグラディエントやヘッシアンの計算・評価です. これがまた大変で辟易しています. いったんプログラムを書いて図示して濁していたのですが, 先程風呂に入りながら考えていたら楽に計算できそうな方法を思いついたため, メルマガを出したあとに計算する予定です.
あと改めてエントロピーに対する制約も眺めていて, 熱力学は本当に強烈だという思いを新たにしています. 一次同次関数の制約があるため, エントロピーに恐ろしく強い制約がかかっています. 計算しやすい問題を自作しようと思ったものの, この制約をみたす範囲で作らねばならず, まずはふつうの本に書いてある典型的な例で肌感覚を育て直そうとしているところです.
この間ファイバー束の話をしてほしいというアンケート回答をもらったので, 私の認識まとめ・復習ついでに簡単な勉強の指針のようなものを書きます.
ファイバー束はある図形の各点に別の図形が連続にぺたっと張られた図形がもともとの動機です. 例えば三次元空間のxy-平面に円周を置いて, 円周の各点からz軸に平行に直線を生やすと無限に伸びた円柱が得られます. これは特に各点から直線(線型空間)が生えているためベクトル束の例です. 直線の代わりに円周の各点を中心にした小さな円板を生やすと中身の詰まったドーナツが得られます. 円板を円周にすればトーラスが得られます. これはファイバー束の例です. 当たり前すぎるからか幾何の本に書いてあるのを見かけた記憶がないのですが, まずはこれをアーキタイプと思うとよいでしょう.
問題は数学の本の一般論とのバトルです. 単純に勉強が足りていない(実際に勉強中)ため, 私自身ファイバー束の一般論は本当にわけがわかっていません. 玉木大さんの「ファイバー束とホモトピー」の講義録版PDFを眺めたとき, ファイバー束の具体的構成が書いてあって, 比較的簡単な例でも構成をきちんと書くと非常に面倒なことがきちんと書いてありました. 一般論も大変なら具体例の構成とそれをきちんと書くのも大変な対象です. 何にせよ数学を勉強するなら絶対に一定以上の気合は必要なので仕方ありません.
もう少し楽な上, いろいろな応用もある主束から攻めるのがよいのではないかと思っています. 主束は同伴するベクトル束もあり, ベクトル束の気分をある程度持ち込めるのが便利です. ベクトル束と言えばもとの多様体の情報を直接持っている接束・余接束があり, 計算し倒せる具体例としてもこれ以上なく便利です. もっと言えば主束もまた楽ではないため, さらにベクトル束から攻めるのがよいと思っています. 実際私が地道に進めているアプローチです. 特にリーマン幾何は接束・余接束の解析と直接関係し, ホッジ理論のような基礎理論とも関係するためちょうどよい目標です. 解析的に(コンパクト)多様体上のソボレフ空間のレベルまできちんと詰めようと思うと大変なので, 進め方と解析学の素養次第で多少調整は必要でしょう. 何にせよ面白い対象ではあります.
ただで幾何部分だけで添字や記号の嵐で大変なところに解析学まで含めると負担は計り知れません. 適当に調整して進めてください. 多様体上の線型代数としてホッジ理論に挑むだけでも本当に骨が折れます. ベクトル束の議論も多様体上の線型代数の側面があるため, やはり線型代数は一定以上の素養が必要です. 単なる計算だけではなく抽象論が必要な点には注意が必要です. いま展開している量子力学のための線型代数では, まさにクロネッカー積による具体的なテンソル計算に入ったところです. これだけでどうにかなるわけではありませんが, 量子系の物理・数理に興味があるなら一つの道としてお勧めできるアプローチです.
松尾豊先生が政府のAI討論会で発表した資料を読んでいて動悸が止まらない。 賽は投げられた。
個人的には安全保障上Aを直ぐに、しかも先ずは100億ででも。計算資源は今直ぐ産総研ABCIを実質割当て、かつ拡張も同時に。理研でも富岳を用いつつ密結合したLLM学習マシンを横に構築しABCIとダークファイバで3.2Tbpsで直結しデータやモデルを共有。AIP, AIRC, NICT, 大学や民間の言語AIコミュ総動員
なるほど。「言語の本質を解明する道が拓ける」とか「宿題が解けるw」とかそういう次元とは全く違うところで重大なことがおきている。
上で外語大に入りたいという話を書きました. この辺, いわゆる文理融合系の話で今後本当に大事になってきそうです. 最早私はこの辺の実務に携われるような人間ではありませんが, この領域を目指す人間の数学的基礎体力向上には役立てる人間にはなりたいと思っていて, 何とかして外語大に入って関連する領域を(再)学習する機運が私の中で高まっています.
東京一工の賢い学生がマッキンゼーだの投資銀行だのに集まる根源的理由は『そこで働くことが自分が賢いという証明になる』、『営業なんてブルーカラーでなく戦略や投資のがホワイトカラー』的価値観だと思うんですが
結局そこに行っても案件取ってくる『営業力』がないと行き詰まるから営業力こそ命
まだマッキンゼーがどこの馬の骨ともつかない頃、大前研一御大なんてリクルート営業方式にビルの上から下まで片っ端からどぶ板営業かけて、頼まれてもないのに勝手に分析レポート作ってプレゼンして案件取ってきてたんだからな? MIT卒の博士がそこまでやってんだぞ? 見習おうぜ?
ああ「特異値分解」は,行列の対角化と比較するよりも,いわゆる「階数標準形」と比較する方が理解しやすいですね.そう思えばまったく自然な考え方.実 (m,n) 行列に対して GL(m,R)×GL(n,R) 軌道を考えるのと O(m)×O(m) 軌道を考えるのとの違いです.複素ならば U(m)×U(n) です. そう考えると,GL(n,R) の極分解,すなわち O(n) 軌道の記述から「特異値分解」が<存在する>ことがしたがいます.つまり,代表元のパラメーターとして r=rank(A) 個の正の実数からなる列がとれます. GL だとベクトルの長さを自由に変えてしまうので階数の情報しか残らないけど「応用」の場面ではノルムは大切な場合が多いので直交群(ユニタリー群)の作用を考える.そうすると「特異値」が意味のある量として残る.そういうことか. すると p 進数体上の「特異値分解」とその応用もあるかな.
p進数体だと開コンパクト群が格子の自己同型群つまり成分がp進整数の行列群で、極分解に対応するのはPID上の格子の標準型ですよね。
階数の計算においても,変換行列を覚えておくと,例えば逆行列が計算できるけど,忘れてしまう場合も結構ある.特異値分解では変換行列(左右の特異値ベクトル)はとても大切な情報で,その先の計算に使う.A =UΣV と書くのと UAV=Σ と書くのでは,ちょっとニュアンスが違うわけ.
例えば『東京大学工学教程 線形代数I, II』(室田一雄、杉原正顯 著)にも,ちゃんと読めばそう書いてあるんだけど「AA を考える」から始まると,計算に目がうばわれて意味をとらえるのに時間かかった💦 「正方行列の対角化を長方形の行列に一般化するのが特異値分解である」という導入(Anthony Bosman さんなど)はなんか変だな〜と思った. だって階数標準形も「対角化」だからね!! ノルムを保つ基底変換のもとでの線型写像の標準形といえばいいだけ. エルミート行列 A を UAU(Uはユニタリー行列)と変換する話を特異値分解の特殊な場合だと説明するのは間違い(誰もそうは言ってないかもしれないけど)で,特異値分解のように U*AV とするのとは別な話と思うのが自然. 特異値分解はさまざまな行列分解の一般最終形ですというのは confusing だ.
なるほど。確かに階数標準形(対角に1を並べて残りは0)は、V→Wで両側空間の基底を独立に選んで、Eに近い形に同値変形(ランク不変変形)するA=PE'Q⁻¹(P, Q は基本変形行列)。この基底を直交に限って対角化すると表現行列が特異値で対角化されるA=UΣV⁻¹(U, Vは直交行列)、ということか。
定数倍を与える関数 $x \mapsto ax$はこのようなものとなっているが, (∗) f (x + y) = f (x) + f (y) を満たす関数で定数倍関数でないものは存在するのだろうか?
一見非常に単純に見える問題であるが,実は,この問題の答は選択公理を認めるかどうかで違ってくる: 選択公理の下ではコーシーの方程式を満たす関数で定数倍関数と異なるものが無数に存在するが,選択公理を認めないときには,「コーシーの方程式を満たすすべての関数は定数倍関数である」という命題が正しいものでありうる.
シャファレビッチ,代数幾何の2冊本もとってもオススメ.これでもか,これでもかっていうくらい驚くべき例が書いてあります.(私が無知なだけですが.) 入門書だけど,こっちも哲学的で好き.↓ 代数学とは何か
この本,Algebraic Geometry I で,II が出てないよなぁと思ってたけど,今回 Mumford の website で II がフリーアクセスで公開されているという驚愕の(?)事実を知った. なんと共著者は小田忠雄さんだぁ.読むべし.(^^;;
Mumford #ComplexProjectiveVarieties¶
Boosting: Quillen's "Homotopical Algebra" has been LateX'd up by the Texromancers group!
Link: http://aareyanmanzoor.github.io/assets/books/homotopical-algebra.pdf
Dyslexic friendly version: http://aareyanmanzoor.github.io/assets/books/homotopical-algebra-dyslexic.pdf
この「売るのは合法だけど、買うのは犯罪」という北欧モデルは、直感的には売る側有利に見えるけれど、実態としては圧倒的な買う側有利をもたらすわ。この法案を2009年に採用したノルウェーも、今では「北欧モデルが売春を買い手市場にした」と認めているくらい。
世界思想の最新版の、成田悠介論説の結論。こいつ、ホントどうしようもないなあ。今さらアルゴリズム全体主義ですか。
このツイートの存在にずっと気付いてなくて、昨晩読んでしまって笑い転げた。 やっぱり「知的レベルが低い」としか言いようがない。 今時の中学生はこの手のことを言うと馬鹿にされることをネットで見てよく知っているので、現代的には中学生にも馬鹿にされるレベルだと思います。 統計学ファンであれば、ゲルマンさんのブログで成田祐輔さんに関するNew York Timesでの記事が話題にされていることをすでに知っているはず。 ゲルマンさんのブログで悪い意味で取り上げられることは統計学方面では相当に怖いことだと思われます。 Yale prof thinks that murdering oldsters is a "complex, nuanced issue"
そもそも p 値は難しすぎるので使うべきでない(過激派) 「コインを 12 回投げたら 3 回表が出た。このコインが偏ってないといえるか」に対する答えが事前にどういうルールでコインを投げることにしたかに依存しちゃうし,事前にどういうルールにしたかなんて本人の申告以外に信用する手段がないんだから原理的に厳しい.(→実験の事前申告性へ) それを乗り越えたとしても,有意だったらなんなのかがよくわかんない.本来欲しいのは p(仮説が正しい | 観測) のはずなのに p(観測 | 仮説が正しい) を測ってるから,例えば p(仮説が正しい) がめっちゃ低くても高い値が出ちゃう.
Ko Honda 教授@UCLA このノートすごいよ.リー群とリー環を2ページで済ませたあとsl2とsl3に.ここまでは普通. KacMoody, Virasoro, 経路積分,WZWモデル,KZ方程式,ブレイド群と結び目,リンクとジョーンズ多項式,Witten不変量,写像類群にChern-Simons理論と続く. https://math.ucla.edu/~honda/math635/notes.pdf これ半期の授業でやるんだ.演習つき. UCLA なかなかきてるな. Ko さんの講演もすごく良かったね.
あんまこれも見せたかないんだけど。
私みたいな生物系の資料とか探している方は バイオダイバーシティ遺産図書館ではさ。
生物系の数十万枚以上の資料あって それが現代ではなく18世紀~19世紀の 航海記録や動物誌、植物誌のまとめ。
で「全部著作権フリー」 自由に使ってええのよ
前々から思っていた「無駄は一度しか削れない」という概念を図にしました。
準備学習(予習・復習)等の内容と分量
そんなことをとやかく指示されては不愉快であろうから任せる. 大学は自由である. 範囲外も立入禁止区域も無い. 本能と闘争心の赴くままに, 演習書と戯れ専門書に手を伸ばしたら好い. ただ物理の読書は, 文字通り『読む』のではなく, 『考え』て『手を動かす』ことであると, 貴重な10代, 20代に叩き込んで欲しい. それから, 志を同じくする身の回りの物理っ子と沢山議論をしよう. そうした中でなお, 自身の理解では不安だったり, 計算に悩んで座礁したり, その時この講義がオアシスや助け舟の役割を果たせたら良いと, 心から思う.
デンマークの天文学者ティコ・ブラーエはヘラジカを飼っていたが、←!? そのヘラジカはあるとき、宴席でビールを飲んで酔っぱらい、階段から転げ落ちて足を折り死んだ←!!!?!? 一言ごとに「!」を挿入したくなる逸話 鍵の方から教わったネタもとを貼っときます
昨日沖縄で開かれた「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」のシンポジウムは現状維持と平和を目指す台湾社会への無理解と侮蔑的な姿勢が重なった。特に沖縄タイムスの宮城栄作編集局長による台湾に対する筋違いの図々しい「要求」は台湾側の神経を逆撫でする対話とは正反対で今後の議論を困難にしかねない衝撃はあった。シンポジウムは昨年10月に行われた「沖縄対話プロジェクト」の発足イベントに続いて行われたもの。台湾側から2名の識者を招き、沖縄の「識者」と議論する形だった。台湾側の2名は一般的にそれぞれ民進党と国民党の立場に近いとされているものの、見識を深く備えた学者である。シンポジウムはまず10月に行われた発足イベントの議論内容の紹介から始まった。10月の内容自体が台湾海峡の現状と構造を全く正しく認識できていないものだったが、今回のシンポはそれを踏まえる形式をとって始めてしまった(10月イベントの詳細は下記ツイートをご参照ください)。
すでに嫌な展開となったがその後の稲嶺恵一元知事の基調講演や招かれた台湾側識者2名のプレゼンは時間やまとめ方などテクニカルな問題を除けば大変有意義だった。これはシンポの流れも改善されるかと失望状態から少しだけ希望を持ちはじめてすらいた。しかし、次に行われた沖縄側の一部識者のコメントや対話セッションでのやりとりで再び失望した。コーディネーター(司会)である前泊博盛氏による台湾への理解が全くないからなのか要領を得ない質問の振り方は失望の象徴である。台湾側の識者は彼らにとって外国語である日本語で台湾有事の引き金を引くのは中国であって、ボールは台湾側になく、有事を招かないよう台湾は抑制的に振る舞っていることを懸命に説明し、有事の可能性についても台湾海峡の情勢を踏まえて冷静に論じた。だが、前泊氏は「どう台湾有事の可能性はないと2人に言わせて帰すか」「戦争はない、有事はないと2人にどう伝えるか」などあたかも両名が好戦的であるかの前提で議論を振り続けた。途中で「台湾が武力衝突を回避してきた知恵は何か」との質問を振っていたが、それこそ「台湾独立」など有事を招きかねない動きを台湾社会全体はバランス感覚を持って抑制してきたとともに、中国を台米日などで淡々と抑止して中国による台湾侵攻を先送りさせてきたからにほかならない。その認識も共有せずにコーディネーターをやっていたのならあまりにも準備不足だったと言わざるをえない。そして沖縄側の識者として出た高嶺朝一氏(元琉球新報社長)は「(有事は)ないでしょう笑」と一笑に付した上で、「あってほしくはありません」と言った。台湾側もあってほしくないと平和を求めているにもかかわらず、嘲笑的態度だったのが前泊氏の振り方も相まって実に失礼に思えた。続けて高嶺氏は台湾側論者が例示した米国高官による2027年までに台湾危機が顕在化するとの警告について「(高官は)次の仕事を探すためにそういう発言をする、煽られないように気をつけないといけない」と反論した。これはシンポで議論する上であまりに雑な扱いだ。求職活動のためという目的が含まれていたとしても政府・軍高官がなぜ公聴会やインタビューなどの公式や公の場でそのような発言をするかといえばシグナルの役割があるわけで、それは何の意味をもつかを着目して分析する必要がある。2027年までに台湾侵攻を中国が整える可能性が言及されているのは、中国の経済力と軍事力の強化に伴い、台米日等による対中抑止力とのギャップが埋まりつつあり、野心的な指導者(習近平氏)の登場で台湾の武力統一の可能性が過去と比較して高まりつつあるからでそれをこれまで通り有事を先送りさせるために防衛強化が必要なことを訴えるためだ。本当に侵攻が起こる可能性はまだ低いものの、有事の目を摘むための防衛強化議論が各国として必要となっているがゆえの発言だ。煽っているのは確かだが、それによってようやく必要な防衛強化議論ができるわけで、その背景を踏まえて台湾側の識者は例示をしている。前提のおかれた専門的な見方を揚げ足をとるように一蹴して議論の発展を期さないのは全く対話の姿勢が感じられない。そしてとどめを刺したのは対話セッション終了後にコメンテーターとして登壇した沖縄タイムスの宮城栄作編集局長の次の発言だ。「台湾の人たちも有事にならないように、あるいは日本や沖縄に迷惑をかけることのないようなしっかりした世論を築いていっていただきたい」。一体何様のつもりであるのか。この発言は台湾で昨年行われた世論調査で台湾有事に自衛隊が参戦するかとの問いに参戦を信じると答えた割合が4割を超えていたことを受けてのものだ。確かに憲法9条をはじめとした制約を理解している人からすれば台湾社会の日本に対する理解不足は目につくが、これは台湾政府や台湾の専門家も危機感を覚えている。日本が有事に際して直接台湾に自衛隊を派遣することはないと台湾の政策担当者は誰もがわかっているし、誤った認識の自国社会に現実を理解してもらい、台湾は台湾自身で守るのが前提で、対中抑止強化をまず自国で高めようと注力している。そもそも自衛隊の参戦期待は一昨年の調査では5割を超えており、日本への過度な期待は落ち着いてる傾向だ。せめて「台湾にも日本の政策や理念への理解を深めてもらいたい」など相互理解を前提にした指摘をすればよかった。台湾社会は70年以上戦争の脅威に直面し続け、大国間に揉まれながらも有事を回避して平和を保とうとバランス感覚を身につけ、それこそ迷惑にならないよう成熟してきた。そんな台湾社会に「迷惑をかけるな!ちゃんとした世論を作れ!」と要求するのは台湾をどこまで愚弄すれば気が済むのかと本当に怒りを覚えた。シンポのアーカイブを見た台湾政府にいる友人はこの発言を受けて「そんなに迷惑な存在だと思われてるということは沖縄の主流民意は台湾が中国に統一されることを望んでいるのか」と私に聞いてきたが、「わからない」と答えることが精一杯だった。ここまでで名前をあげた方々には強い言葉で申し訳ないが次の言葉を贈りたい。恥を知れ、と。それほど今回のシンポには失望を通り越して絶望した。救われたのは山本章子先生(琉球大)が最後に発言されたウィットに富んだ次のコメントである。「議論のスタート地点を明らかにした意味で有意義だった。願望や政治的主張でなく現実として我々が今のどこに立っているのか台湾と沖縄のそれぞれの立場から確認できた。今後も事実として我々が今どこに立っているのか、立たされているのか絶え間なく確認したい」。このコメントに私は全面的に同意するとともに沖縄の識者にこの言葉が通じることを私は期待している。また同じく沖縄側で出席した神谷美由希氏の姿勢もありがたかった。台湾や中台関係についてわからないから知りたいとの姿勢は対話において重要に思えたし、台湾側もそれにうまく応える環境が整っていればよかったのにと悔やまれる。そして、台湾側も同じように沖縄が何を考えているのか自分たちの考えを理解してもらいたいのと同じように知る上で、神谷氏の姿勢は学ぶところがあったと思う。ここまで感情的な点も含めて今回のシンポジウムについて長々と書いてきたが、改めて最大の問題は基本的な知識と理解が欠如して相手に対して敬意ある姿勢を示すことができずに対話にならない点と指摘する。プロジェクト主催者には中国や台湾の専門家を名乗る人物も含まれているが、彼らは明らかに台湾や中台関係に対する認識とそのフレームが20年以上前の状態から更新されず、見方が政治的にも偏ってしまい、現在の台湾の主流民意を理解できていないことが窺える。あと2回のシンポをどのように展開するのかわからないが意義ある対話が今後できるとはとても思えない。プロジェクトを継続して健全に発展させたいなら早急に最も簡単なものでいいから台湾に関する基本書籍を読むか然るべき人からレクチャーを受けてほしい。最後には台湾政府にもプロジェクトのまとめとして意見書を提出するようだが、今回のシンポの内容を見る限りとてもじゃないがまともに内容を相手にしてくれないだろう(出すことが目的化しているなら気にしないだろうが)。今回のプロジェクトがせっかくの機会だったのは間違いない。台湾と沖縄はともに「帝国」の狭間で翻弄された歴史をもち、自分たちの権利や主権が蔑ろにされてきた過酷な運命を背負ってきた。相互理解とともに平和を求める共通の利益も本来あるはずだ。歴史的経験と共同体の記憶の違いから埋めがたい差があるものの、それを乗り越えて大袈裟に言えば東アジアの平和のパートナーの一例になる契機にもなり得た。だから他の人が私に「出席者みたら無意味だとわかる」「沖縄左翼の自己満足」と批判してきても趣旨に賛同して期待もし続けた。対話は相手を尊重し、まずは受け入れることが重要だ。今回、対話を仕掛けた側は本当にその姿勢をもっていたのか。結果を見る限り、それは全く感じられない。何度でも言うが、台湾は有事を起こそうとはしていないし、日本や沖縄を巻き込もうとも思ってない。私を含めて多数の台湾人は日本に参戦しろとも求めていない。過去70年以上、中国による台湾全面侵攻を回避し続けた事実とその経験をもとにこれまで通り一緒に平和を求めていこう、そのために協力することがお互いの利益にもなるはずだとの考えである。それは端的に言えば中国の現状変化にあわせて台米日も対中抑止の度合いを変えるという長年の構造を継続しようというものだ。よく中国は経済関係上重要な相手で対中抑止を行うことはむしろ国益に反するとの主張を聞くし、今回のシンポで前泊氏などが中国との経済関係を例に挙げたが、これまでも対中抑止を続けながら経済関係を発展させてきたわけで尖閣諸島での対立激化時のレアアース禁輸や米中のハイテク覇権争いなど個々の特異な事象を含めて全体として対中抑止と経済活動の両立という構造が大きく変わっているわけではない。中国が軍事拡張を続けているのにそれに対応しない方がこれまでの東アジアの平和と安定の構造を変えようとする新しい動きだ。その結果として中国の台湾侵攻など台湾有事を招けばサプライチェーンは破綻し、抑止強化反対の理由に使われる経済的利益すら守れずに失われる。だからこそ対中抑止は日本の利益でもあるはずだ。現在日米で進む抑止強化の方法に問題や議論の余地があるのは確かで、かつ経済面の抑止力が過小評価されていることも確かだ。それを議論することは重要だし、これまでの平和の方法論に異論があれば、歴史と事実を踏まえた上で新しい平和の形を議論していくこともできる。対話を名乗り、仕掛ける以上は議論に必要なものは何かを理解して臨んでほしい。沖縄対話プロジェクトにもう期待はないが、残りが少しでも実りあるものになればと祈る。
ホリエモンが再三ヤバいと述べている日本の自動車業界について。欧米を中心とする政治的なEV化の動きの中で、内燃機関のアドバンテージを失う日本メーカーがヤバいと言うのはその通りだし、最後の巨大輸出産業を失う日本がヤバいと言うのもその通り。その先について少し思うところを述べたい。(1/n) 米欧中がEV化で日系メーカー封じ込めを図り日系は孤立無援と語られるが、どこに活路を見出すかと言えば、まあ当たり前なんだけど「米欧中以外」なんですよね。この三極はEV化で巻き返しが図れる可能性があるから巨額の政府補助金を投じてEV化を進めてる訳だけど、その他の国にはそれが難しい。(2/n) なので今後も内燃機関が売れるのは中南米、アジアの発展途上国、中東、アフリカ、旧ソ連諸国とかその辺りな訳。ただ今の日系メーカーは北米、英、EUとか結構コストが高い地域で現地生産をやってて、そこから発展途上国に輸出するとか発展途上国に工場移すというのは相当辛いはず。(3/n) 自分もそう言う方向性を聞いた時は驚愕した。今までみたいに稼ぎまくる自動車業界みたいのはもう厳しくなってしまうかも知れない。(4/n) しかも米欧中が国内の全EV化に成功すれば、今度は環境対策をネタに新興国にも全EV化の圧力をかけてくる。環境保護とか温暖化対策を訴える国というのは事実上帝国主義と一緒なので、欧米中を敵に回す日系が内燃機関に拘るなら政治的にもかなり苦しい事になるだろう。(5/n) もう一つの大きな流れは自動運転なんだけど、これは車を使う習慣や街の作り自体を変える大きな変化だから政治的な調整がたくさん必要で各国で国内/域内メーカーが圧倒的に有利になる。そうすると日本メーカーはまずかなり狭い日本市場で仕組みを作って商売する事になる。(6/n) すると国内でタクシー業界とか路線バス業界と激しく利害が対立してくる事になる。タクシーや路線バスに自動車業界ほどの政治力があるようには見えないし、高齢化や地方の過疎化が進む中では自動運転車に優位性があるから、海外で失った売上を国内交通の共食いで感じになるだろう。(7/n) イメージとしては日本のIT業界が国際競争力を失って官公庁向けのシステム開発にシフトしたように、自動車業界も国内インフラへの依存度が高くなっていく。あんまり明るい未来ではないよね。(8/n) そのシステムが構築されれば、あわよくば上に書いた米欧中以外の国に自動運転車をシステムごと売っていくことになる。これは鉄道インフラの輸出と同じで日本が割と得意な分野でもあり上手くいくかも知れない。一方でこれまた国際関係が大事なので自動車業界は政府よりの産業になっていく。(9/n) 自動車産業が失った輸出をどこで挽回するかというのはかなり予測が難しい。一番良いのは需要を失ったメーカーが航空宇宙やロボットなどに技術や技術者を転用することだけどそれに失敗した場合は、最悪一次産業に回帰してより自給自足的な国になっていく可能性もあると思う。(n/n)
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↓は、指定した形式で論文を要約させた動画です。 「考えうる応用方法」として、論文には載っていないポイントを複数挙げてくれた点に、畏怖すら感じました。 この方法で論文を読む時間が仮に半分になれば、単純に情報収取の生産性が2倍になる。 さらに、内容についてインタラクティブに質問することもできるので、生産性は確実にそれ以上になる。 チャットAIを使いこなす能力は、研究者としても必須のスキルになりそうです。 特に今年に入ってから、「最低でも1日1時間は最新の情報やツールを追う時間に当てないと、人工知能の進歩についていくことすらできない」と強く感じます。 「人工知能を活用することで時間を節約し、その時間をキャッチアップに当てる」ことが、研究者としても必須の時代になるかもしれません。 DeepLの登場により、論文を読むのにかかる時間が僕の場合は半分程度になりました。 チャットAIが日本語で内容を要約してくれることにより、かかる時間がさらに半分程度になりそうです。 浮いた時間でチャットAIにインタラクティブに質問することで、従来より短い時間で深い理解ができそうです。 なお、使ったプロンプトは以下です。 " 論文「XXX」の内容を以下の構成で教えてください。
-abstract -background -methods -results -discussion -limitation -possible application "
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