競技プログラミングの鉄則 演習問題集への解説¶
A01 - The First Problem¶
- created: 2022-12-25 sun
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入出力¶
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解説¶
特にコメントはありません. 変数の範囲も問題ないため素直に次のように実装します.
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A02 - Linear Search¶
- created: 2022-12-25 sun
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入出力¶
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解説¶
線型探索だから先頭から調べます. 命令型言語ではfor
で見つかり次第break
します. F#でもほぼ同じように書けるもののbreak
がありません. 見つかり次第break
するには再帰関数で処理を書くしかありません.
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最後まで見つからなかったら"No"
を返すのを忘れないようにしましょう. 上記のように停止条件を忘れないように条件分岐の一番最初に書いておくのがベターです.
A03 - Two Cards¶
- created: 2022-12-26 mon
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入出力¶
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方針¶
素直に全探索します. 見つかり次第打ち切るタイプのfor
ループ(再帰関数)を回しても構いません. ここではもう少しF#らしい書き方にします. 入力をフルスキャンするため必ずしも効率はよくありません.
解説1: 関数型らしい(?)実装¶
シンプルに関数をつなげる¶
何はともあれ全探索用の全ての和を取ります.
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これで配列の配列(int array array
)として和が取れます. これをArray.concat
で整数の配列(int array
)にします.
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あとはK
と一致する値があるかfilter
で確認したあと, 配列が空であれば"No"
, 空でなければ"Yes"
で処理すれば終わりです. まとめると次のように書けます.
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少し凝った関数を使う¶
collect
とchoose
を使って短くします. 特にmap >> concat
がcollect
, map >> filter
がchoose
です. 実際に挙動を確認するのが一番です. 上記リンクからREPLですぐに実行できるようなコードを準備しているため, 必要に応じてそちらから確認してください.
一応こちらにも入力値を用意します.
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具体的に書き換えましょう. まずはmap >> concat
をcollect
にします.
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次はmap >> filter
をchoose
にします. 慣れていないとすぐに自力で書き換えられないかもしれません. これを見て参考にしてください.
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choose
の中の関数はfilter
で残したい値は条件分岐でSome x
を返し, 排除したい値はNone
を返すようにします.
見づらくなると思うならやる必要はありませんが, choose
に与えるラムダを一行にまとめたければlet in
が使えます.
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解説2: 先に添字の配列を作る¶
内包表記の使い方を説明するだけです. 先の処理は本質的にmap
を二つ使います. 必ずしも見やすくありません. どうせ全探索するなら命令型的に配列の添字を作っておく手法もあります.
次の内包表記で走査したい全添字の組のタプルからなる配列((int*int)[]
)が作れます.
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これに対してArray.choose
でmap >> filter
します.
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あとは配列が空かどうかで判定します.
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A04 - Binary Representation 1¶
- created: 2022-12-26 mon
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- 要点: 定型処理・零埋め(ゼロパディング)
入出力¶
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方針¶
よく出てくる定型処理です. 暗記してもいいほどです. 自分用のライブラリを作って記録しておくといいでしょう. 私はArithmetics.fsxに記録しています.
解説1: 再帰¶
大枠¶
今回入力のN
は1
以上の自然数です. しかしN=0
で問題(?)がある実装を紹介するため, 念のため場合分けを明確につけておきます.
結論からいうと再帰関数で0,1
の数値からなるリストとして二進展開を作ります. 最初に書いたようにN=0
の場合を別にして次のように書きます.
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これで[1;1;0;1]
のようなリスト(int list
)ができます. ここから二進展開の文字列を作って文字列を零埋めします. 零埋めのよい方法がいまだによくわかっていないものの, C#の文字列系のメソッドを使えばいいでしょう. リストを文字列に変換して文字列を零埋めします.
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frec [] N
以降は次のように処理しています.
List.map string
でint list
をstring list
に変換する.System.String.concat ""
でstring list
を空文字列で連結する.s.PadLeft
で文字列に対して零埋めする.
再帰関数の構成を考える¶
いきなり二進展開で考えるとわかりにくいでしょう. K=10
として十進数を十進展開し, 最後にK=2
で置き換えると多少なりともわかりやすいはずです.
まず十進展開されたもとの数をN
とします. 特にN = 123456789
として, これの一番下からK
進展開を考えます. 一番下の桁は9
だから何とかしてN
から9
を切り出します. これをN
をK = 10
で割ったあまりとみなせばN%K
で9
が取れます. 次にN/K
を考えると一番下の桁が削れてN1 = 12345678
が得られます. これに対してさらにN1%K
を考えると8
が得られます. これを再帰的に続けてNk = 0
になるまで続ければ求める十進展開が得られます.
箇条書きでは次のように書けます.
K
進展開したい数をN
とする.- 最低桁を取る.
N%K
で最低桁が得られるからこの値を積む.- 次の桁を得るために
N1 = N/K
を次のステップに回す.
- 二桁目を取る.
N1%K
でN1
の最低桁,N
の二桁目が得られるからこの値を積む.- 次の桁を得るために
N2 = N1/K
を次のステップに回す.
- これを
Nk = 0
までくり返す.
再帰関数を書く¶
結論だけ書きます.
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解説2: unfold
¶
F#入門コンテンツでループは再帰の構文糖衣とみなせると書きました. 特にループは配列から配列を作るか, 配列から値を作るか二通りあると書きました. 今回の処理は再帰を使って値から配列(リスト)を生成しています. 特定の場合にはこの逆の処理をしてくれる関数があり, それはunfold
です. 慣れないと難しいため無理に使う必要はありません. しかし関数型言語による処理では時々顔を見せる関数であるため, 念のため紹介します.
本質的には再帰と同じで, 関数についてはリファレンスを見てもらうとして簡潔に結果だけ示します.
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unfold
を使う場合は再帰と違ってArray.rev
で順序を反転する必要があります.
A05 - Three Cards¶
- created: 2022-12-26 mon
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
これもよく出てくる処理です. 単純に三重ループを回すとTLEで時間内に終わりません. 時間内に終わらせる工夫が必要です.
解説¶
単純な処理の累積¶
三つ目のループをどうにかして回避する必要があります. 発想を転換して二つ目までのループで次のような和を作りましょう.
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この配列はN^2
個の要素を持っています. 仮に三つ目のループを回すとしてその変数をx
とすると, x = K-i-j
が所定の範囲である1
からN
におさまっていれば条件をみたします. そこでfilter
を使ってチェックしましょう.
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これで条件をみたす要素だけが抜き出せました. あとはこの配列の長さを取れば終わりです.
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for
の中でフィルターする¶
他の言語と同じくfor
の内包表記の中で次のようにフィルターできます.
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あとは同じく配列の長さを取れば終わりです.
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filter
でN^2
個の配列を再びチェックしなくていい分, こちらの方が二割ほど速いです.
A06 - How Many Guests?¶
- created: 2022-12-27 tue
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
都度入場者数を計算していたら間に合わないため先に計算します. あとの処理を綺麗に書くための計算法もポイントです.
解説¶
i
日目までの入場者数の計算¶
累積的な計算が必要です. もちろんAi
から素直に計算すれば問題ありません. 例えば次のように書けます.
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for
で破壊的に書きました. もう少し関数型らしく書きたければ次のようにfold
で書けます.
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ここでNa0.[i] <- Aa.[i]
などはunit
を返すだけで配列を返さないため, 明示的に配列Na0
を返す必要があります.
少し余談を挟みます. ちなみにfold
の内部で破壊的な計算をしています. しかしこれはfold
の外部には漏れません. 関数プログラミングでもパフォーマンスを求める場合は破壊的な処理を使いますし, 破壊的な操作はできる限り外に漏れないようにします. いまは必ずしもパフォーマンスを求める場面ではないものの, F#の配列に対する仕様によって破壊的な処理が便利な部分です. Haskellでは明示的にモナド環境下で作業するように強制されます.
さて, これを使って計算しても構いません. ただ後の処理がやや面倒になるため, 次のようにscan
を使って累積和を計算しましょう.
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これと先のNa0
が何が違うかは実行するとわかります. 問題で出てきた入力例で確認しましょう.
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後者は先頭に0
がはさまっています. (0,Aa)
とした0
です. 今回はこれを使いますが, もし先頭の0
がほしくない場合は例えば次のように書くといいでしょう.
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クエリへの対応¶
先のNa
を使えば素直に計算できます.
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ここでのポイントはNa.[r] - Na.[l-1]
です. Li
には1
が来る場合もあり, この場合はRi
日目までの全ての入場者を計算する必要があります. 特にNa.[l-1]
の減算なしでNa.[r]
だけを返す必要があって条件分岐が入ります. さらに条件分岐で適切な対処をしなければ, Na.[l-1]
はl-1 = -1
に対する配列外参照の実行時エラーまで起こり得ます. これが先のscan
での初項0
の意義です.
コードがわかりにくくなるためわざわざ書きませんが, scan
による初項0
がなくてももちろん正しいコードは書けます.
A07 - Event Attendance¶
- created: 2022-12-27 tue
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
これも前問A06と同じくどうループを減らすかが問題です. このデータ数で速い言語なら無理を通せるものの, 明らかな無駄は省くべきでもあります. さらにA06と同じくあとの処理を綺麗に書くための前処理もポイントです. もちろん前回と違って今回は各日の出席者数の勘定で, 何日から何日までの指定ではない点も注意が必要です.
結論から言えば入力Ia
を使ってi
日に何人の出入りがあったかを勘定します.
li
を使ってi
日に人が一人入った.ri
を使ってi+1
日に人が一人抜けた.
こう考えて出欠を管理すれば計算できます. 上記のri
の処理でi+1
を考えているため, 配列で処理する場合は配列外参照の実行時エラーを起こさないように注意しましょう. 特にri = D
がありるため, 途中に出てくる配列の要素数はD+1
にしなければいけません. 実際私は提出コードで一回RE
を出してしまいました. テストケースをきちんと考えれば防げた問題でもあり, テストケース生成の重要性もわかります.
解説¶
出欠管理¶
方針で書いた内容を素直に実装します.
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Array.create (D+1)
が重要です. 配列の添字は1
-originではなく0
-originである点にも注意しましょう.
累積和¶
これも単純にscan
で十分です.
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必要な要素の切り出し¶
今回も初項0
が余計です. さらにD+1
で配列を生成したため最終項も余計です. スライスで次のように書けばいいでしょう.
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ここも0
-originの配列で後ろから二つめを取るにはXa.Length-2
であって, Xa.Length-1
ではない点に注意します.
A08 - Two Dimensional Sum¶
- created: 2022-12-27 tue
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
これもやはり典型的な処理です. 結論から言うと, 予め問題中の添字でいう(1,1)
から(i,j)
までの総和を取って配列Sa.[i,j]
にためます. 求める部分長方形領域に対しては余計な要素を削って処理します. 部分総和を取る部分でO(HW)
, 質問のQa
全体をチェックする部分でO(Q)
だから十分間に合います.
方針さえはっきりすれば, 実装で問題になるのは最後の余計な要素を削る部分の添字の指定ミス程度でしょう.
解説¶
総和の配列を計算¶
計算の仕方はいろいろあります. C/C++/Rustのコードを参考にして, 例えば次のような破壊的な書き方をしてもいいでしょう.
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これはSa
の計算の内部で破壊的なコードが閉じているため, 関数プログラミング的な実装とみなして構いません.
しかしここまでと同じくscan
を使うともっとすっきり書けます. 「横を足してから縦に足す」素直な計算が次のように書けます.
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はじめのXa |> Array.map (Array.scan (+) 0)
が横を足しているのはわかりやすいでしょうから, 問題は縦に足す部分です. 公式の入力例に即してどう計算しているか追いかけます. 説明の便宜のため次のように書き換えます.
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まずYa
から書きます.
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これに対してscan
の処理を追いかけましょう.
- 第一巡
Array.create (W+1) 0 = [|0; 0; 0; 0; 0; 0|]
- 二重配列
Ya
の一行目:[|0; 2; 2; 2; 7; 8|]
- これらを
map2 (+)
で足す:[|0; 2; 2; 2; 7; 8|]
- これを
scan
として積み足しつつ次の入力に回す
- 第二巡
scan
の前段:[|0; 2; 2; 2; 7; 8|]
- 二重配列
Ya
の二行目:[|0; 1; 1; 4; 4; 4|]
- これを
map2 (+)
で足す:[|0; 3; 3; 6; 11; 12|]
- これを
scan
として積み足しつつ次の入力に回す
- 第三巡
scan
の前段:[|0; 3; 3; 6; 11; 12|]
- 二重配列
Ya
の三行目:[|0; 0; 8; 13; 13; 15|]
- これを
map2 (+)
で足す:[|0; 3; 11; 19; 24; 27|]
- これを
scan
として積み足しつつ次の入力に回す
- 第四巡
scan
の前段:[|0; 3; 11; 19; 24; 27|]
- 二重配列
Ya
の四行目:[|0; 4; 5; 5; 5; 11|]
- これを
map2 (+)
で足す:[|0; 7; 16; 24; 29; 38|]
- これを
scan
として積み足しつつ次の入力に回す
- 第五巡
scan
の前段:[|0; 7; 16; 24; 29; 38|]
- 二重配列
Ya
の五行目:[|0; 0; 9; 11; 18; 18|]
- これを
map2 (+)
で足す:[|0; 7; 25; 35; 47; 56|]
- これを
scan
として積み足しつつ終了
これで縦の和も計算できました.
求めるクエリに回答¶
先のscan
二発で一行・一列が追加されています. それを前提にすると次のように書けます.
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わかりにくければ図を描いて確認してください.
A09 - Winter in ALGO Kingdom¶
- created: 2022-12-27 tue
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
これもやはり典型的な処理です. 二次元になって積み方にもう一捻り必要になっただけでA07と本質的に同じです. 方針さえはっきりすれば, 実装で問題になるのは最後の余計な要素を削る部分の添字の指定ミス程度でしょう. 正しい実装を導くために入力例をうまく使うと便利です.
解説¶
方針にも書いたように基本はA07と本質的に同じです. ここでは大幅に解説を省略します.
結論から言えば入力の二次元配列への積み方は次の通りです.
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(a-1,d)
と(c,b-1)
に-1
を追加し, (c,d)
に+1
を追加するのがポイントです. (a-1,b-1)
で立てた追加フラグを削除するのがこの二つの指定です. 余計なマイナスを削るためにさらに(c,d)
に+1
を追加します. これで必要な領域にだけ+1
できます.
あとは横に足してから縦を足します.
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これはscan (+) 0
の影響で二つついた余計な項を次のようなスライスで落とします.
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A10 - Resort Hotel¶
- created: 2022-12-28 wed
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- 要点: アルゴリズム, ループを減らす
入出力¶
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方針¶
ふつうに都度計算していたら凄まじい時間がかかるため, やはりクエリ処理の前の事前計算が重要です. 真ん中を抜いた配列に対する最大値の計算は, 左からLi-1
番目までの最大値と, 右からRi+1
番目からの最大値を計算すればよいです. 特に左からi
番目までの最大値と, 右からi
番目までの最大値を比較すればよいため, これを事前に計算しておけば十分です.
この方針さえ立てばあとは素直に実装できます.
解説¶
命令型的にfor
を回す計算でも対応できます. ここでは関数プログラミングらしい処理としてscan max
を使います.
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La
が左からの最大値でRa
が右からの最大値です. それぞれ左右の端からはじめるにはscan
とscanBack
と使えばよいです. 気分としてscanBack
はArray.rev >> Array.scan
だと思ってください. 上のコードを見ればわかるように初期値0
とAa
の引数の順番が入れ替わっています. ちなみにscan
とscanBack
はHaskellだとfoldl
とfoldr
で, このl
とr
はleft
とright
に由来します.
あとはクエリごとに最大値を比較すれば終わりです.
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scan
とscanBack
は初期値0
に由来する「余計な項」が入っている点に注意して添字を指定してください. 公式の入力例でLa
とRa
は次のようになっています.
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scan
では最初に0
が, scanBack
では最後に0
が入ります. REPLを使うと簡単に確認できます.
A11 - Binary Search 1¶
- created: 2022-12-28 wed
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- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
入力の配列が既にソートされていて必ず要素が存在する前提の問題です. 入力のソートは絶対に必要で, 後者は探索処理として適切な仕様決めが必要です. ここでは二分探索の結果をOption
にし, Option.defaultValue (-1)
でモノがない場合は決して存在しない配列の添字-1
を返すとします.
解説¶
命令型の言語ではwhile
で処理する方が多いように思います. ここでは再帰関数で処理します. 二分探索はアルゴリズムのどの本にも載っているため細かい解説は省略します.
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最後のOption.map ((+) 1)
だけ注意します. これは適合する配列の値が得られたelif Ia.[m]=X then Some m
でm
を返した点に対する修正です. 0-originのF#の配列の添字としてはm
である一方, 問題では1-originであるためその分を加算処理しています.
A12 - Printer¶
- created: 2022-12-28 wed
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- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
二つ要点があります. 一つは何回目で実現できるかに関連して二分探索を思いつけるか, 二分探索を思いつけたとしてどう実装するかです.
ここでは後者の二分探索で何をどう調べるか考えましょう. あるm
秒目で必要な枚数が印刷できたかどうかを調べる必要があります. 問題設定からその時間までに各i
番目のプリンターはm/Ai
枚印刷できています. あとはこの総和を取って必要枚数印刷できたか確認します.
解説¶
命令型の言語ではwhile
で処理する方が多いように思います. ここでは再帰関数で処理します. 二分探索はアルゴリズムのどの本にも載っているため細かい解説は省略します.
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問題の制約で答えは 10^9 を超えない
とあるため, 最大値(最初のr
)はr = 10^9
に取ればよいでしょう. もちろん1 \leq Ai
の仮定からも保証されます.
途中の印刷枚数確認はArray.sumBy
でmi/a
の和を積めば計算できます.
A13 - Close Pairs¶
- created: 2022-12-29 thu
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入出力¶
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方針¶
尺取り法で対処します. ここでは尺取り法は解説しません. オンライン上の資料としては例えばここを参考にしてください.
C/C++/Rustなど速い言語, またはHaskellでは問題ないようですが, AtCoder上のF#では単純な探索でTLEしてしまったため, 尺取り法の探索部分を二分探索で書く必要がありました.
2022/12時点の私の実装力だと, 二分探索ではまり倒したために力づくの部分があり, あまり綺麗なコードになっていません. いつかもう少しすっきり書き直したいです.
解説¶
前処理¶
今回は親切に入力の配列がソートされているため不要です. 実際には必要に応じてソートします.
大枠¶
配列の各添字に対して条件をみたす最長の添字を取ればよいため, 各i
ごとに最長の添字を探す関数をsearch
とすれば実装の本体は次のように書けます.
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条件をみたす添字がない可能性があるため, search
の返り値はOption
にしています. 特に条件をみたす添字j
に対してj-i
を積み, そうでない場合は0
にして和を取れば求める組み合わせの総和が得られます. ここで一般に総和の値はint
の範囲を越えるため, j-i
にint64
をかませる必要があります. 実際これでRE
をくらって原因がわからず30分ほどはまり倒しました.
何はともあれあとはsearch
を実装すれば終わりです.
search
の実装¶
二分探索に入る前にまずは条件をみたす添字があるかどうかを判定します. ここでは次のように書きます.
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i=N-1
の場合は後続がありません. また既にソートされているため, 配列の次の添字との差が既にK
を越えていれば条件をみたす添字がありません. したがってこの二者の場合はNone
を返します. あとは探索値が必ず存在する仮定のもとで二分探索します.
二分探索の実装¶
まず真偽計算用の関数を用意します.
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各i
ごとにこれを使って次のように計算します.
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あとはp
またはp i
を使って次のように二分探索を書きます.
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いつも通り終了条件はr <= l
です. 実際に実行してみるとわかるように, 上記の実装ではl
が適切な添字の値になるとは限りません. そこでpi l = p i l
を判定して条件をみたすならl
を, みたさない場合は1
を引いたl-1
にします. (TODO: ここでスカっとl
を返したい.)
次は再帰部分です. これもいつも通りまずは中点を取るべくm = (l+r)/2
を取ります. もしIa.[m]
が条件をみたすならm+1
以上r
以下から新たに添字を探します. もしIa.[m]
が条件をみたさないからl
以上m
以下から新たに添字を探します.
A14 - Four Boxes¶
- created: 2022-12-29 thu
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入出力¶
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方針¶
全て正の数に対する状況下で和を考える前提ではK
以下の要素だけ考えればよいと言ったところで, データによっては全探索が必要です. もちろん単純な計算ではO(N^4)
で全く間に合いません. 今回はN <= 1000
であるためO(N^3)
程度まで計算量を減らす必要があります.
そこで豪快な手に打って出ます. まとめ方は何でも構いませんが, 例えばAa
とBa
, Ca
とDa
に対してそれぞれ和を取ってまとめて要素がN^2
個ある配列を二つ作り, 一方に対しては全探索, 他方に対しては二分探索して計算量を減らします. これで計算量がN^2 * log N
程度にまで落とせます.
解説¶
前処理¶
ここでは和を取ってまとめた配列を二つ作ります. 二分探索用のソートが必要です. さらに全ての要素は1
以上であるため, K
以上の項を見る必要はないためそれもフィルターして外しましょう. つまり次のような量を用意します.
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どちらか一方だけソートすれば十分です. ここではデバッグしやすいように両方ソートしました. 処理速度を求めるなら余計な処理は削りましょう.
ここでフィルター処理の結果, どちらかの配列が空になっている可能性があります. 全ての要素が1
以上である前提下で既に二項の和でK
を越えている以上, どちらかの配列が空なら問答無用でNo
です.
大枠¶
今回のデータの範囲では上記前処理の上で全探索してもそれほど時間は変わりませんでしたが, 命令型言語でのwhile
ループのように見つかり次第すぐに打ち切るべく今回は再帰で書きます. 処理のメインは次のように書けます.
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あとは二分探索を書けば終わりです.
二分探索の実装¶
これはもはや定型処理です.
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この二分探索に対して再帰関数を正確に書くと次のようになります.
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A15 - Compression¶
- created: 2022-12-29 thu
- ご意見・ご要望はissue・プルリク用のGitHubまで
- GitHub上の対応ディレクトリ
- 公式ページ
- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
問題を分解して考えます. まず対処すべきは指定通りの要素の順序づけです. 同じ値を持つ要素があるため一意化した上でソートすればよいでしょう. あとは値と順番に対する辞書を作り, 逆引きして要素に順番を割り当てれば求める結果が得られます.
解説¶
方針で書いた通りに関数を積めば終わりです.
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A16 - Dungeon 2¶
- created: 2022-12-30 fri
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入出力¶
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方針¶
ごく単純な動的計画法で対応できます.
解説1: 配列とfold
¶
問題の通りに前から決めます. はじめは一部屋しか進めないためA
から選ぶしかなく, あとは一部屋前から来るか二部屋前から来るかのどちらかです. 最短時間を取るにはmin
を取ります. 最終的には次のように計算できます.
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解説2: メモ化再帰¶
注意¶
メモ化再帰による動的計画法も有名です. 試したところ, F#のデータ型であるMap
で実装したTLEしてしまいました. 一方.NETのSystem.Collections.Generic.Dictionary
では問題なく通ります. ここでは後者の実装を紹介します.
テンプレート¶
まずメモ化再帰用の次の関数はテンプレートとして自作ライブラリに収録するとよいでしょう. 以下で説明する実装自体も完全にパターンです.
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この関数の中のDictionary
として定めたmemo
が値をためるメモです. この関数の中で再帰関数のfrec
を定義します. TryGetValue
で既にメモ化された値があるか確認します. 既にあればメモ化された値を返し, そうでなければ別途引数として与えた関数f
で値を計算し, メモに積んで計算された値を返します. 最後に返すのもこの再帰関数です.
関数f
の処理¶
F#入門記事で再帰はループで書け, 典型的な処理はmap
やfold
で書けると説明しました. ここではfold
に食わせた関数をほぼそのままf
として採用すればよいです. 具体的には次のように書きます.
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解説を読みやすくするためf
の呼び出し部分まで書いておきました. 上記のテンプレートのmemorec
にf
を食わせ, 配列+fold
でArray.last
として得た「最後の項」を得るためにN-1
を食わせています. 解説1の配列とfold
は添字が小さい方から順に計算した一方, メモ化再帰ではほしいN-1
を食わせて添字が小さい方の降りる形になっています.
さてf
を解説します. これはif j <= 0
を追加した分が解説1のf
と変わっているだけで, fold
版と本質的には同じ関数です. fold
では添字が小さい方から計算していたためXa.[j-1]
, Xa.[j-2]
などとした分が, メモから呼び出すために再帰関数の呼び出しに変わっています. ちなみにこのfrec
はmemorec
の内部で作っているfrec
が入る部分です. 慣れないとこのfrec
がどこから来るのかと混乱するかもしれません. 上記コードのように関数の名前や引数名をきちんと揃えておくと参照しやすいでしょう.
まとめ¶
コードの全体は次のように書けます.
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A17 - Dungeon 2¶
- created: 2022-12-30 fri
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- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
これもA16と同じ動的計画法を少し修正すれば対応できます. 経路を積む処理を明確にするため配列の初期化法が少し変えました.
解説1: 配列とfold
¶
単純に時間の計算に加えて経路の情報を積むだけです. コードを読みやすくするために変数を用意しただけで, 本質的にはA16と変わりません.
具体的にはリターンする配列の各要素をタプルにして, fst
は経路のリスト, snd
は時間にしているだけです.
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解説2: メモ化再帰¶
これも関数の返り値が変わるだけです. このくらい簡単な内容ならどちらも完全に定型処理にはめるだけです. 読み書きしやすい方で対処してください.
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A18 - Subset Sum¶
- created: 2022-12-30 fri
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- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
完全一致する選び方の存在・非存在を調べるために全探索が必要です. 全ての組み合わせを取ると2^{60}
個の組み合わせを確認する必要があるため, この組み合わせの量を減らしつつ, 効率よく適合する要素があるか確認する方法も考える必要があります.
ここでは要素の追加と検索に強いデータ構造として集合(Set
)を採用します. 適合する組み合わせが見つかり次第早期リターンするべく, ここでは再帰で実装します.
解説¶
前処理¶
結論から言えば今回は不要ではあったものの, 考えなくてもよい要素ははじめから削りましょう. 再帰関数には入力の配列と値をためる集合を食わせるとすれば, 再帰関数に食わせる前に次のように書いておけばよいでしょう.
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和がS
になるように考える以上, フィルターでS
以下の要素だけ取ってきます. フィルターした結果, 配列から要素がなくなる可能性があるため, その条件分岐も入れておきます. あとは再帰に注力すれば十分です.
再帰関数¶
再帰的に処理するためはじめに終了条件を書く必要があります. 要素を追加した集合が求めるS
を含んでいればそこでYes
を返して終わりです. 一方で入力の配列を食い尽くしてなお適切な値がなければNo
を返して終わりです. したがって大枠は次のように書けます.
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else
部分を考えましょう. まず入力から一つ食べて残りを再帰で回すと思えば次の大枠が作れます.
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あとは新たな集合を作る処理を考えれば十分です. frec Aa St
のSt
にはそこまでに貯めた組み合わせが入れる必要があります. いまは組み合わせそのものではなく総和だけが問題だから和を積めば十分です. 集合の積まれた各数値に対して新たなに配列から取り出したa
を和で積めば十分です. ここで欲しい和の値であるS
より大きい値を積む必要はないため, その振り分け処理が入ります. つまりループはSt
で回して処理もSt
に積む必要があります. ここでは次のようなfold
で対応できます.
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念のため書いておくと(St,St)
の左が値を積んでいく集合で, 右のSt
がループ用のSt
です. fold
の内部で値を積みましょう. まず配列から取った値a
がS
より大きければ積む必要がないためその条件分岐があります. 次に配列から取った値と積んだ値の和a+v
がS
より小さければ値を積む中で適合した和を構成する可能性があるため, 集合に積みます. これがif S<a+v
の行です. あとはこれで更新した集合を再帰関数に食わせて終わりです. 配列も一つ減らしておきましょう.
A19 - Knapsack 1¶
- created: 2022-12-30 fri
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- 要点: アルゴリズム
入出力¶
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方針¶
典型的な動的計画法で処理する問題です. 重さを添字w
にした配列を作り, 各w
ごとに価値を格納します. あとはこれをひたすらに計算して書き換えます.
解説¶
配列を書き換え続ける処理は積み上げ系の処理で, 特にfold
で次のように実現できます.
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書き換える配列でW+1
個作るのは重さw
をそのまま解釈できるようにするためです.
次にfold
処理の関数を考えます. 動的計画法を考えるとき配列はよくdp
(dynamic programming)で表します. ここでもその慣習を踏襲します. このdp[w]
は重さw
まで荷物を積んだときの価値を表します. ひたすらな書き換えは次のように実現します.
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fold
の内部ではIa
の各要素(w,v)
で更新します. 入力のArray.create (W+1) 0L
と揃えた添字の配列を[|0..W|]
とします. この配列の値を重さ(に関する添字)とみなしてw0
とします. もしw0
がw
より小さい場合, dp[w0]
に重さw
のモノを積めないためdp.[w0]
で素通りします. 逆にw<=w0
のときは価値が大きい方で置き換えます.
A20 - LCS¶
- created: 2022-12-31 sat
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入出力¶
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方針¶
やはりこれも動的計画法で対処する典型的な問題です. 改めて書くと最長の部分文字列を見つけるためには全探索が必要です. それをパターンにはめて書くのがポイントです. さらに文字を積んでいくだけの簡単な修正で最長の部分文字列も取れます. このコードも簡単に紹介します.
命令型的なふつうのコードでも十分に読みやすく書きやすいため, 今回もメインは命令型的なコードです. 関数プログラミングだとどう書くのかと思い, Haskellのコードを漁ってみたところ, 今の私の腕では読みやすくも書きやすくもない状態です. さらにいまの私の腕で対応できるHaskellコードの直移植だとF#ではパフォーマンスも出ません. 念のため関数型コードも紹介しますが, とりあえずは命令型的なコードが読み書きできれば十分です.
解説: 命令型コード¶
文字列長だけ¶
大枠¶
今回は二重配列で状態を管理します. 大枠は次のように書けます.
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あとはfold
の内部を考えます.
fold
¶
それぞれの文字列の長さの配列を作り, ループの添字を(i,j)
としましょう. もしS.[i] = T.[j]
になったら値を足せばよいです. そうでない場合は値が大きい方を適切に取ります.
文章よりもコードを読んだ方が簡単です. 具体的には次のように書きます.
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どうせ破壊的に配列を変更するなら[|0..tLen-1|]
も無理にArray.fold
にせず, Array.iter
で最後にdp
を返す方が読み書きしやすいです.
まとめ¶
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部分文字列も取る¶
積む値を整数と文字のリストのタプルに変えます. こちらは簡素に結論だけにしましょう.
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解説: 関数型コード¶
元にしたのはこのHaskellコードです. 私が味を汲み尽くしきれていない可能性もあります. こちらは文字列長の計算だけ簡潔に紹介します.
関数型コードも本質的には命令型コードと同じです. しかし遅延型リストのHaskellではさっと書ける部分がF#ではもたつきます. List
の代わりにSeq
を使えばさっと書ける部分はあるものの, 今度はSeq.cons
がないためにもたつく部分があります.
補助変数・関数¶
次の二つを準備します.
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後者はF#のList.init
ではなくHaskellのData.List.init
の移植で, リストの最後の項を除いたリストを返します.
大枠¶
次のように書きます.
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ここでメインがfoldBack
になっているのがポイントです. 少なくとも以下で解説する書き方をfold
で書くと, 例えばS = "bceae"
とT = "eddce"
の組で適切な値2
ではなく3
が得られてしまいます. なぜかというとS.[1..2] = "ce"
とT.[3..4] = "ce"
のマッチが最長である一方, 処理の途中でS.[4] = 'e'
とT.[4] = 'e'
のマッチが入って3
が返ってきてしまうからです. これを避けるために右からマッチさせるべくfoldBack
を使っています.
左から順に処理する命令型的なコードと違い, 右から処理するfoldBack
を使わなければいけないのも関数型コードの難しい点です.
fold
¶
次のように書きます.
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F#でもたつく部分がl3
です. Haskellではinit dp
は単にdp
と書けます. あとは命令型コードと比較すると意図は明確でしょう. 命令型dp.[sLen,tLen]
と違い, こちらはリストのcons
で前に最長の値を積んでいるため, 最後に値を取得する部分はList.head
で取ります. リスト処理で値が取りやすいようにしている点にも注意してください.
まとめ¶
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A21 - Block Game¶
- created: 2022-12-31 sat
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入出力¶
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方針¶
いわゆる区間DPです. 改めてHaskellコードもあさったところ, やはり命令型の方が読み書きしやすいように思います.
解説¶
結果コード¶
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Array.iter
を使った部分をArray.fold
に変えたり, もう少し関数型らしく書ける部分はあります. 今の私にとっての読み書きしやすさ, そして多少のパフォーマンスのバランスを取って現状はこのコードを採用しました.
ここで紹介したコードは最終的に対角成分に結果の候補が積まれるため, その中で最大値を取ります.
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メモ¶
score l r Ia.[l]
, score l r Ia.[r-1]
¶
- score 0 1 Ia[0]: 0
- score 0 1 Ia[0]: 0
- score 0 2 Ia[0]: 0
- score 0 2 Ia[1]: 0
- score 0 3 Ia[0]: 0
- score 0 3 Ia[2]: 40
- score 0 4 Ia[0]: 20
- score 0 4 Ia[3]: 10
- score 1 2 Ia[1]: 0
- score 1 2 Ia[1]: 0
- score 1 3 Ia[1]: 30
- score 1 3 Ia[2]: 40
- score 1 4 Ia[1]: 30
- score 1 4 Ia[3]: 0
- score 2 3 Ia[2]: 0
- score 2 3 Ia[2]: 0
- score 2 4 Ia[2]: 0
- score 2 4 Ia[3]: 0
- score 3 4 Ia[3]: 0
- score 3 4 Ia[3]: 0
ありうる特典¶
取り除く順番 | 得点 |
---|---|
1,2,3,4 | 20+30+0+0=50 |
1,2,4,3 | 20+30+0+0=50 |
1,4,2,3 | 20+40+0+0=60 |
1,4,3,2 | 20+30+0+0=50 |
4,3,2,1 | 10+40+0+0=50 |
4,3,1,2 | 10+40+0+0=50 |
4,1,2,3 | 10+30+0+0=40 |
4,1,3,2 | 10+40+0+0=50 |
A45 - Card Elimination¶
- created: 2023-01-08 sun
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入出力¶
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方針¶
文字列間の距離をL^1
距離(マンハッタン距離)で表して考えます. 特に(R,B,W)
で原点からの距離を表すと, 初期値は原点からの距離がN
で, そこからL^1
距離を1ずつ減らして目標地点((1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)
のどれか)に到達できるかが問題です.
次に文字の変換を距離で解釈します. 名前があると便利なため, それぞれの変換に番号をつけます.
WW - W
:W-1
移動WR - R
:W-1
移動WB - B
:W-1
移動RR - B
:R-2,B+1
移動BB - W
:B-2,W+1
移動RB - W
: 立方体の対角線上の移動でR-1, B-1, W+1
いずれにせよステップごとに原点からのL^1
距離は1ずつ減ります. ある時点での距離L
を別に記録して状態を(R,B)
だけで考えると, 注目すべきは上記の2,3,6
です. 特に直線R-B=k
上で考えると, 6
は直線上の移動で, 2,3
はk ± 3
移動します. 三つつのゴールはそれぞれk=1,-1,0
にあたるため, 初期位置からk
を±3
して目標に位置合わせできるなら"Yes"
です. 特に(R-B)%3
の値がそれぞれ1,2,0
のどれになるかが問題です.
解説¶
アルゴリズムさえ考えられれば, あとは各文字を数値に変換して計算すれば終わりです.
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