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2015

2016-01-06 ツイート・文献紹介: 物理に寄り添って幾何が学べるいい本ないだろうか

hiroki_fさん, 物理と幾何まわりで面白そうなことをよく呟いているので参考にしている. 物理と幾何, もっときちんとやりたいのだが, 何で学ぶといいのかいまだにわかっていない. 物理にフォーカスした形でhirokif さんが言っているようなことを きっちり学べるいい本ないだろうか.

2016-01-07 講義中の証明通りにやらないと零点にさせられたことで湯川秀樹は数学への道を断たれたという凄惨な話

あまりにもむごいとしか言い様がない. 後に湯川秀樹がノーベル賞を取ったとかいうのは何ら関係がない.

教わった通りにしなければ駄目という人達, こんな惨い仕打ちをしようというのか.

ただただ許せない.

madnodaさんの次のツイート群を目にした.

私も『旅人』を読んでみなければならないようだ.

コメント

量子力学のハイゼンベルグも数学者に幻滅して、物理に転向したようなことを「部分と全体」に書いてます。πの超越性の証明のリンデマンに会いに行った時のエピソードと関連して語られています。

2016-01-11 時空の物理学と無限集合・連続体の数学に関する異常な質問があったようなので

何かご要望を頂いたので.

まず質問を見やすく編集して引用.

時空の物理学なんかで例えば因果集合アプローチでは時空は離散的で時空の事象の集合も有限であり得るような数理モデルさえ提案されていて寧ろ連続体の方が時空の近似になってきてます。こんな状況にあって無限集合や連続体の存在を扱う公理的集合論の妥当性は揺らいできているとは言えないでしょうか?

まず一言. この言説, 根本的に無価値であり, 物理と数学を半端にかじった愚者の妄言だ.

もちろん質問者は質問者で真摯に学んだ上でこう言っていて, 周囲に聞いたり議論できる人もおらず, 藁にもすがる思いの質問かもしれない. 私自身直接観測したことはない(そもそも物理学会行ったことない)が, 物理学会で有名なトンデモ講演奢をちょっと見に行こうと思ってひやかしで参加したら, 実はとても真摯な人で「私の言っていることは正しいでしょうか. 何かぜひコメントをお願いします」といういわば「素人」で, ひやかしで行った自分がいたたまれなくなった, という話を見かけたことがある.

そういうこともあるので一概にその行動や心意気を否定していいわけでもないが, それでも無価値は無価値と断じる.

その上でコメント.

寧ろ連続体の方が時空の近似になってきてます

とりあえずそれ, 素粒子レベル, 量子重力レベルの時空物理の話であって, 物理全体どころか時空物理の枠内で見てもそんな話ないのでは. 一分野の中でもローカルな話だけ捉えてこいつ何言ってんの, という感じしかしない. 物理全体の潮流というならむしろそういうの教えてほしい.

時空物理の中でもローカルな話題を牽強付会に持ってくる, 極めて視野の狭い無価値な言説だろう. 時空物理, 一般相対性理論を基礎にした古典論レベルの話もあるはずで, その中では当然連続時空が前提のはずだ. 量子重力レベルで時空の離散化, 有限化が確立したとしても, 物理の階層性, 普遍性の問題もあり, そんな綺麗に話が切れるわけがない.

あと, 時空物理の主流になっていたとしても, 杓子定規に言うなら有限な時空上では相転移が存在しないので, その辺どうけりをつけるつもりなのか問い詰めたい. Ising, Heisenberg, Hubbardなど離散化したモデルは物性でも使うし, Hubbardでは有限格子上での相転移を扱いすらするが, Ising, Heisenbergでの強磁性とHubbardでの強磁性の定義が違うし, その定義問題からして物理としては深刻な検討が必要だ.

全く関係ないが, 離散可積分系の話が 最近盛り上がっているとか何とかPaulが言っていた記憶がある.

あとkururu_goedelさんのコメントも.

言えないでしょ。そもそも物理学にそんな動きがなかったとしても、物理学から正当化されてしまうような、そんな生易しいことはやってませんよ集合論は。

数学で物理から正当化できることなどあったらそれこそ一大事だ. 物理から正当化できる数学の存在の証明とかスーパー難しいだろう. Banach-Tarski のような物理的に実現不可能という意味で異常な数学的手段を使って 直観からは全く理解できない結果を出すとかいう例もある. よく選択公理のせいにされるが, (現在の技術水準からして) 物理的に不可能ということと 数学の定理としての正しさとか全くの無関係だし.

まあ私はそうは思わないのだけれども。時空(?)が有限だとしても、無限で近似できるなら十分に利用価値があると思うので。

質問者の言う「連続体」と, 「連続体の物理」とかいう意味での連続体が微妙に混同されているような感じがする. 集合論詳しくないのでそれらを適当な意味で一致させていいのかが本当にわからない. あと有限と無限と離散と連続 (体) がぐちゃぐちゃに混じりあっている感じもする. どこにどうフォーカスあてていけばいいか全くわからないが, とりあえず有限と無限にフォーカスあてておく.

物理だと時間・空間ともに有限なところを無限で近似することは定石だ. 一般相対性理論で宇宙には大きさがある, みたいな話があるが, そんなことを取り出すまでもない.

学部の電磁気で「無限に長い棒」とか無茶なの平気で出てくる. 他にも量子力学や素粒子の散乱をやるとき, 粒子の衝突時刻を 0 として, 衝突させる粒子が無限遠から発射された時刻を時刻 $- \infty$, 無限遠に飛んでいく時刻を時刻 $\infty$ として近似した理論を作っている. またこの時点で空間の無限遠も導入している. 当然だが, 有限の距離と有限の時間で実験した結果と この無限の過去・未来と無限の距離を導入した理論を比較して研究している.

元の質問が意味不明すぎてどう答えればいいのかもわからず, 回答らしきものも内容と流れがめちゃくちゃだが, 面倒になってきたしとりあえずよしとする.

追記

やはりやたべさんからツッコミを頂いた.

「そうにゃんか〜」という感じでさっぱりわからないが, とりあえずメモだ.

追記 その 2

哲学方面から怒られているようだが, 確かにその方面の思慮が欠けているというか, そもそも何も知らない. お叱りはお叱りとして, もとのくるるさんの発言も引用していったん終わりにしよう.

集合論自体はひどく離散的な理論だと思っているからです。

これが何か面白かった. 意味はよくわからないが.

それはそれとして, 知らないところにまで踏み込んで適当なこと書くの, 本当によくないなと超反省している.

2016-01-13 幾何と物理に関するhiroki_fさんとの問答記録

幾何と幾何の物理への応用というあたり, 挫折しっぱなしなのでどこかの時点できちんと時間取りたい.

2016-01-15 重力波が検出されたとの噂? 2016-01-12での阪大教授橋本幸士さんのツイート紹介

真偽のほどは定かではないが, さすがにちょっとびっくりしたので. とりあえずメモだけしておこう.

2016-01-19 Togetter紹介:「垂直抗力は重力の反作用ではない」話

「垂直抗力は重力の反作用ではない」話 というtogetterがあったのでとりあえずメモ. その他上記ページであげられているページ.

あとでもっとしっかり読もう.

大事なのはこれ.

あとで動画作りたい.** 2016-01-29 イベント企画: 「中二病で学ぶ量子力学」

時間が取れるかはともかく, こういう無茶をぶっ込んでいけるのが専門家の長所だ. こういうのができない自分が情けない.

2016-02-11 立川裕二さん筋のツイート

2016-02-11 立川裕二さんのツイートをまとめた Togetter 「場の量子論の数学的定式化」とそこからの堀田さんとのやりとりまとめ

Togetterもまあ気になる. 特にこれ.

追っていないから全くわからないが, 多少気になる.

それはそれとして, 私と堀田さんのやりとりメモ.

研究でもやりたいことがたくさんあるのだ.

2016-05-11 IPMUの立川裕二さんによる「研究と勉強ってどう違うのでしょう」

いくつか引用.

また、理解したかどうか、というのは、心の奥底で深い理解が出来たか、ということではなくて、与えられた問題に対して、手もしくは計算機を動かして、答えが求められるか、ということです。まあ、深い理解が出来れば、計算も出来るでしょうから、計算ができないということは、深く理解していないということでしょうが。

とてもつらい.

また、理論物理をやっていると、使われている論理がいい加減だったり、もしくは、数学の専門書で使われている記法と異なるので、気になる人もいるかと思いますが、そこは(数学者にならないのであれば)我慢して進んで下さい。理論物理屋になって、同僚と会話するには、やはり適度にいい加減で、数学の本でなく理論物理の本で使われている記法を使わないと、話は通じません。物理と数学と勉強しているのは、中国語と英語と勉強しているようなものです。折角両方勉強しているのに、中国にいったときに、英語でばかり話をするのは、困ったひとです。

そんなに記法違うのか.

この場合はちょっと嘘を教わったのを明かされるまで数年ありましたが、似たようなことが繰り返します。半年前に習ったことが、実はちょっと嘘だった、本当はこうなのだ、と言われるようになり、場の量子論の教科書などになると、教科書のはじめの 1/3 ぐらいで学んだことが、つぎの 1/3 で実は嘘で本当はこうだ、と書いてあり、つぎの 1/3 で実はそれもさらに嘘で、本当はこうなのだ、と書いてあることはざらにあります。 なぜこんな事態になったのかはよくわかりませんが、事実なので仕方ありません。兎に角、書いてある議論をあまり鵜呑みにしない、あまり無理に変な議論を納得しようとしない。しかし、そこに書いてあることは計算できるようになる、という鍛錬が必要です。まあ、教科書だって人が書いているのですから、全般的に信頼してはなりません。

数学, 割とこういうことないので, とても勉強しやすい.

また、世間では学際とか、見識が広いことがもてはやされていていることもありますし、皆さん興味の広い人も多いですから、あれもこれも勉強したい、というのはあると思います。大学院に入るぐらいまではそれで全然構わないと思います。しかし、大学院に入ってなにか研究をしたい、という段になると、まずは、何か自分のやりたい研究分野で、最先端の論文が読めるぐらいにならないと始まりません。二つの分野を同時に勉強しようとすると、最先端に辿り着くまでの時間は倍かかります。一つの分野の中でも、さらに特定のことだけ徹底的に勉強することにすれば、先端まで来る時間は短くて済むわけです。

数理物理の厳しいところだ.

さて、この段階で何を具体的に研究したいか、テーマが決まっていなくても、幸い理論物理の論文は案外適当なので、論理にギャップがあることがしばしばありますので、それを埋めようとすることが出来ます。また、既存の論文の設定をすこし弄って、ちょっと違う状況にしてみて、考えるということもできます。これらは、別に大したことではありませんが、上の定義に照らせば研究と言えると思います。

数学だと例・反例を作るという本当に研究マターの仕事もできる.

私もがんばらねば.

2016-05-25 立川裕二さんの講演スライド: 「場の量子論の枠組みは如何あるべきか」

話が相当ずれると思うが, 古典論でも運動方程式が書けて Lagrangian が書けない状況があるらしいのだが, どういう具体例があるのか, それをずっと知りたいと思っている.

2016-06-06 Togetter: IPMUの立川裕二さんのツイートをまとめた『場の量子論の数学的定式化』

IPMUの立川裕二さんのツイートをまとめた場の量子論の数学的定式化というTogetterがあった. Longoや河東先生の論文 From vertex operator algebras to conformal nets and backが引かれていて, これに関するコメントがいろいろ書かれている.

この河東先生の論文も読んでみたいしAQFTももっときちんと勉強したい. やりたいことたくさんある.

2016-07-21 立川さんツイート: 「ある巨大基数の存在に関する (数学基礎論屋的?) 直観から、組み紐群の性質が予言され、実際に証明されたとか」いう話

謎の強烈な仕事だ. 立川さんも謎の情報をいろいろ仕入れてつぶやいてくれるのでとても楽しい.

立川さんの研究室紹介 YouTube がうさんくさくてとても素敵

本文

立川さん, 本当に怪しくていい.

ラベル

数学, 物理, 数理物理, 物理学者

研究者はもっと研究対象に対する個人的な感慨を公にしていってほしい

本文

立川さんのいい話.

人によってまたいろいろ変わるところだが, こういう個人的な感慨はどんどん公にしてほしい.

ラベル

物理, 数学, 数理物理

立川さんツイートメモとツイートから考えたもろもろ: 人間の直観なんて大したことはない

本文

面白かったのでメモ. 次のあたりの立川さんのツイート.

場の理論の勉強をはじめて, いろいろな概念 (仮想粒子等) の物理的意味を悩んでいる学生さんの tweet を見るが, そんな哲学的なことを悩むのは 30 年早いと言いたい. アインシュタインやボーアは偉大だから, 哲学的な考察から物理を引き出せたが, 普通はそうはいかない. (続)

自分は第二のアインシュタインだ, ボーアだ, と思うならそれも構わないが, 人間原理的に考えて, そんな確率はゼロでしょう. だったら, まず, 計算を出来るようになるのが先決でしょう. 年を取って, テクニカルな部分で業界に寄与できなくなったと思ったら, 意味でも考えればいいのだ. と僕は思います.

二十世紀はじめの物理の大革命がそれら哲学的嗜好のある偉人によってなされたせいで, 今にいたるまで相対論, 量子論の教科書のはじめが哲学色が強すぎるのは害悪だと僕は思う. 古典力学はわかりやすいが量子力学はわかりにくいなんてナンセンス! 現時点のデータで未来が全部決まっていると思うなんて

量子力学とおなじぐらい日常生活の常識に反するでしょう. 古典力学だって全然わかりにくい. 古典力学の教科書も哲学色が濃いものが多かったなら, トンデモさんも相対論と量子論だけを狙うのでなくて, 「ニュートン力学は間違っていた! 」とかいう本も沢山出ていた筈.

量子力学と相対論の教科書を, 古典力学の教科書みたいに単に事実を書くものに変えて, 一般向け解説でも, わかりにくいとか不思議だとか書かずに, あたりまえだと書くようにすれば, トンデモさんは撲滅できると僕は思います

@hottaqu プロの研究者や教育者が仮想粒子を量子揺らぎだと教えていればそれも問題だと思いますが. 仮想粒子は理論を摂動論で扱うから出てくるだけで, 全ハミルトニアンの固有状態でみれば単に $e^{itE}$ がかかるだけ, 計算上の手段に過ぎない仮想粒子を揺らぎだというのはナンセンスだ

少し話はずれるが, 古典論 (とりあえず相対論は除いておく) にも 結構面倒な部分はたくさんある. アメリカのマンハッタンへの飛行機突入とそのあとの 物体の落下に関する異常者の言動があるが, アレも非日常的なスケールの物理に対する 直観の効かなさに原因があるというのはよく言われている.

人類レベルで直観が磨き抜かれた専門家ですら 「きちんと調べないとわからない」と言って研究テーマにしていたわけで, 高層ビルレベルで既に人間の感覚は通じなくなる.

ラベル

物理, 古典論, 力学, 量子論

立川さんによる Strings 会議の講演者と講演内容の変遷を追うページ

立川さんによるページがご自身により宣伝されていたのでとりあえず私も便乗してみた.

過去の Strings 会議の講演者と講演内容の変遷と一望できるページをつくりました. http://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/stringsmirrors/statistics.html

どう見ると面白いのだろう. そういうのが少しあるだけでも門外漢には嬉しいのだが, と思ったところで, 自分もそういうのを作っていくべきなのだな, と思う方の市民であった.

2016-02-03 相対論が絡んだときにいきなり虚数が出てきて気持ち悪い件をもっときちんと消化したい

相対論と電磁気がわからなすぎて適当につぶやいたらコメントもらえたので.

その1. ピカチュウさんから.

その2. hiroki_fさんからのコメント.

頼んだわけでもないのにその筋の人がいろいろコメントくれるとか凄過ぎる. 何ていい時代なんだ.

2016-02-05 記事紹介: 『ケルビンの「19世紀物理学の二つの暗雲」に関する誤解』

とても気になる.

またあとできちんと読み込もう. メルマガにも書くのだ.

2016-02-21 東大理学系研究科 佐野雅己教授, 玉井敬一さんによる「乱流発生の法則を発見:130年以上の未解決問題にブレークスルー」という話に関する記事とか批判とか私の感想とか

全くわからないがとりあえず気になったので眺める. まずは理学系研究科のサイトから引用しつつ.

『乱流発生の法則を発見:130年以上の未解決問題にブレークスルー — 東京大学 大学院理学系研究科・理学部』への感想

発表概要でまず「ちょっと待て」感のある記述を見つける.

流体の方程式が非線形性(注2)のため数学的に解けないこと

理学系研究科の広報でこれはどういうことだ, と「数学警察」的に気になって仕方ない. めっちゃ ill-defined 感溢れる「数学的に解けない」というこの文言, 工学系研究科とかならまだしも, よりによって東大の理学系研究科から出るのかと眩暈がした. 実際, これどういう意味で使ったのかを本当に教えてほしい.

出鼻を挫かれまくったが先に進もう.

実験ではそれよりもはるかに小さな速度(レイノルズ数で1000以下)で乱流になることが以前から知られていました。

流体力学に対する感覚が全くないので, レイノルズ数が 1000 以下というのがどんな感じなのかが全く掴めていない.

このことは他の形状の流れでも同様で、層流が乱流になるためには、一定以上の大きな振幅の外乱を加える必要があります。

振幅というのが何なのか, そこからしてわかっていないので, これ以上読んでも概要全くわからないな? 感に満ち満ちてきた.

でもとりあえず全部読もう.

現代のスーパーコンピューターをもってしても、乱流への遷移を調べるためには、大規模な計算を長時間行う必要があり、乱流遷移はシミュレーションが実験を凌駕できない現象の一つとなっています。

シミュレーションが実験を凌駕できる現象, どんなのがあるのだろう. 宇宙関係とか割と綺麗そう (「ノイズ」が少なそう) なので, うまくはまりそうな感じはある. むしろ実験が本当につらい分野だ.

これまでで最大級のチャネル実験装置を製作し

最大というのの比較対象がよくわからない. もう原論文読んだ方が早いのではないか感も出てきた.

上流で外乱を一様に与えて観測を行うとともに、統計的な法則を明らかにするための新たな解析方法を考案しました。

統計的な法則というのが何なのかよくわからない. 何か確率的な話なのこれ.

図1は、チャネル流の一部を可視化した図を示しており、一様な層流中に乱流スポットが見えます。

図をどう見ればいいのか全くわからない.

乱流スポットが空間を占める割合(乱流割合)を測定し、その空間依存性を調べること、さらには、測定場所を固定して乱流スポットが通過する時間間隔などを測定することで、相転移と類似した複数の現象を見いだしました。

これがさっきの統計的な法則というやつか?

注も読む.

注1 中略 しかし、その後、流体の運動を正しく記述しているはずの流体方程式(ナビエストークス方程式)は、外部から微小な摂動を加えても層流は層流のままで乱流にならず、乱流を発生させるためには、一定以上の大きさの外乱が必要なことが明らかとなりました。

この「しかし」が何にどうかかっているのかがわからない. 注入したインクのレイノルズ数が大きくても Navier-Stokes では「外部からの微小な摂動」という扱いにしかならなくて, Navier-Stokes がおかしいという話?

この辺の基本的っぽいところからして 流体を全く理解していないことがわかってしまいつらい.

任意の場合について解を得ることができ、一般的な解法が存在するが、方程式が非線形の場合には一般的な解法は存在しない。

これ, 最初の「数学的に解けない」というやつへの回答っぽい. 解法の定義自体がよくわからないが, 厳密解が出るか出ないかという話なのだろう. 厳密解の有無を「数学的に解ける」というのどうなのだろう. 「解析的に解く」という物理ジャーゴンがあるのは知っているし, そちらの方がいいのでは感もある.

注3 チャネル流 2枚の平行な平板の間の流体の流れのこと。本実験では、長さ6メートル、幅90センチメートル、ギャップ幅5ミリメートルというこれまでで最大級のチャネル流装置を作成した。

これもさっきの疑問に対する回答だった. でかいのどこなのだろう. 長さ 6 メートル, 幅 90 センチメートルというのが大きいのだろうか.

今までこの大きさでの研究がなかった理由とかも気になって仕方ない.

20世紀の後半から、非平衡状態の間の相転移が興味を持たれてきた。

非平衡相転移, 数学的にどういう定義なのだろう.

注6 レイノルズ数 流れを特徴付ける速度をU、長さをL,動粘性率をνとすると、レイノルズ数は、Re=UL/νで与えられる。流体の慣性力と粘性力の比を表す無次元のパラメーターである。

何というかこう, レイノルズ数に関する感覚が全くない.

注9 有向浸透現象(Directed Percolation) 有向浸透現象(Directed Percolation)とは、疫病の伝播や森林火災、砂山のなだれ、細胞内でのカルシウムの伝播など一見確率的な伝播現象を表す数理モデルが示す振る舞いを指します。

いきなり敬体に戻った.

岡山理科大学教授, あらきけいすけさんによる批判記事『130年の放置プレイ?タイトル盛り過ぎでしょう、佐野先生』への感想

Perfect_Insiderさん紹介の記事, 130年の放置プレイ?タイトル盛り過ぎでしょう、佐野先生について.

プレスリリースがかなりミスリーディングで「はでに盛った」解説の書き方になっているのだが*1、立場上センセーションを追いかけざるを得ない大学広報の意向を汲んでいるのではないかと邪推している。

タイトルだけ見るなら「130年以上の未解決問題」であり, 130 年放置プレイとか言っていないので, この批判記事の記事タイトル自体に悪意を感じる.

ただこのプレスリリースの中身を理解するには流体の研究を始めた大学院生程度の知識は必要だし

これはそうだろう.

そうであればこそ大学院に入りそうなくらいの学生向けのカウンター情報は必要だろう。

というわけで読み進める.

流体の運動の研究をややこしくしているのは何も「非線形性」だけではなくて、流体の流れる場所の境界の形状や温度などの「境界条件」によってもコロコロ変わるからだ。流体の絡んでくる自然現象は多様であり、それだけに「境界条件」も「方程式の解」も多様である。

ふだん $\mathbb{R^n}$ でしか考えないので, 境界条件に関する感覚が著しく乏しいのがつらい.

今回の研究で「法則規則性」は見つかって理論物理学者は喜びそうだが、工学的には「予測」「制御」への応用は難しいと思う。

一足飛びの工学的応用, 誰も期待していないのでは感があって, これはさすがにただの難癖では.

乱流の発生は130年間未解決だったか?というと、そうではない。例えば気象現象の基礎となる熱対流による乱流を例に取ると、線形安定性の解析は1960年代の Chandrasekhar の教科書3や、カオス研究の紹介ではおやくそくの題材の Lorenz アトラクタを出す Lorenz モデル4、倍周期分岐 (period-doubling bifurcation) による乱流への遷移5など、1980年代くらいのカオス研究や数値シミュレーション研究の勃興期くらいから、かなりの基礎的なことが実験的にもシミュレーション的にも分かっている(佐野先生も液晶を使って対流のパターンとかの実験をやってらしたはず)6。

「かなり基礎的なことが実験的にもシミュレーション的にもわかっている」というの, 少なくとも理論的にはわかっていないのだろうし, とうぜん根本解決はできていないのだろうから, 未解決というのに間違いはないのでは.

その一方で、壁に挟まれた領域の流れやパイプの中の流れの不安定化の問題は亜臨界分岐 (subcritical bifurcation) であり、理論的にかなりハードであることが知られていた。

今は実験 (とシミュレーション) の話をしているのではなかったか. 話がごちゃごちゃ飛び過ぎていて何が言いたいのかわからない.

まずはじめに「揺さぶり」を記述する方程式が線形だけれども非エルミートになるし(量子力学の固有値問題がなんとうらやましいことか)、さらには分岐の後の解は(乱流まで含めて)数値計算で求めるしかない。

エルミートにするなら 複素数値関数で考えないといけないはずだが, 「壁に挟まれた領域の流れやパイプの中の流れの不安定化」は 2 次元の系というか, 複素数の世界で記述できると思っていいのだろうか.

この辺は大学院レベルの流体力学の基本的なことだから 説明ないのだろうと思っているが, 何にせよ私はよくわからない.

あと量子力学の固有値問題を引き合いに出している理由は全くわからなかった. ちょっとずれるが, 量子力学というか量子統計というか場の理論といえばいいか微妙だが, 学部 3 年でもやる共鳴の話をやるとき, 「準安定状態」の議論をするために非自己共役作用素のスペクトル解析に叩き落としたりする.

相互作用を入れたあとに入れる前の固有値が実数から虚数になるので, その動きを追いかけるために解析接続的なことをするのだが, そこでスペクトルを回転させる処理を入れて調べる. そこで自己共役作用素が非自己共役作用素に変換される.

今回の研究の「研究者向けの目玉」は流れが速くなるにつれて乱流の振るまいがどのように変化するかを丁寧に整理していることなのだ。「乱流の変化」を整理したら「乱流の発生」の振る舞いに臨界現象との類似が見つかったということ。

いままではある意味で「何が問題なのかわからない」という出来の悪い学生のような状態であったところに、「directed percolation で記述できるダイナミクスは何か」という研究目標ができたのだ。もちろんこれが理解のすべてではないと思う。

ポイントポイントではまあそれなりに感じはわかるが, 全体的に何を言いたいのかいまひとつ判然としない批判記事だったという感じがある.

2016-02-24 書籍紹介: 大井 喜久夫, 大井 みさほ, 鈴木 康平, いたや さとし『自転車のなぜ 物理のキホン!』

めちゃくちゃ難しそうだがどう扱っているのかはとても気になる.

とりあえずはメモ. それにしても高い. 値段, もう少し何とかならないか. この価格では子供に買い与えるの大変だろう.

2016-03-04 細谷曉夫先生の「戦後に生まれ, 物理を志して」

本文

東工大の細谷曉夫先生の回顧録のようなものを見つけた. これだ. 「戦後に生まれ, 物理を志して」というタイトルになっている.

細谷先生, 勝手に量子情報の人かと思っていたのだが何か分野を転々として, 色々とはちゃめちゃにやっていた人だった. 何といっていいか分からないが, ほーへー, という感じで面白かった. 内山龍雄先生が豪傑という話は良く聞くが 「龍雄先生の冒険」という自費出版の書物があるという. 是非読みたい. 細谷先生にメールしたところ, 近い内に PDF をアップされるとのこと. 正座待機して待っている.

個人的には数学者関係のエピソードが面白いので, それを引いておこう.

引用

また, 佐藤幹夫先生が京都の数理解軒研究所で月末の土曜日に開いていた可積分系のセミナーに, 阪大の伊達悦郎さん達の紹介で参加した. 一年も立たないうちに, 数学者達の具体例を一般化するパワーに圧倒され落後した. 佐藤先生のエネルギーと食欲だけはよく覚えている.

この頃になると, 数学者との付き合い方が少し分かつて来た. 被らは概ね脇が国く, いい加減なことを言わないように心がけている. 言い換えると波長域が狭いので, こちらの方から波長を合わせる必要がある. しかし, いったん壷にはまると数学の集中力と概念を一般化する方に辻舌を巻く. 黒川信重さんは例外で波長域も広く, 質問には間髪入れず答えてくれて, しかも立ったままペンを走らせてレジュメを紙に書いて下さる. 冗談を 3 分おきに言える能力とともにビックリすることが多かった.

追記

f_hiroki さんからコメント頂いたので.

あとここを見ると, 『龍雄先生の冒険』は再販検討中らしいので, めっちゃ正座待機している.

2016-03-13 早川尚男「流れる砂と流れない砂」 : 京大基礎物理研究所の早川尚男さんの品川セミナー動画

面白い. 勉強してKindleとかに出してみたい小ネタもできた. 頑張ってコンテンツ作るのだ.

2016-03-16 ワニの胆汁が毒?

裏を取れるのは取った方がもちろんいいし, 気にした方がいいのはいいが, それ以上に鰐とか日本で普段見かける対象ではないので, ちょっと面白かったということでメモ.

2016-03-17 SimonsとYangのゲージ場・ファイバー束を見出したときの回想動画

見たい. とりあえずメモ.

2016-03-24 ツイート紹介・記事紹介: 冨田博之, 『ケルビンの「19世紀物理学の二つの暗雲」に関する誤解』, 京都大学

「お寺で宇宙学」というのがまず謎だが面白そうだから何はともあれメモ.

2016-04-04 谷本溶さんによる理論物理学者の衝撃発言と理論物理の本の衝撃的な記述

先輩でもある谷本溶さんの悲しみに満ちたツイート.

前も書いたし物理ではないが, 学部二年の実験のとき, 工学系の教官にレポートの常微分方程式の解き方を見られて 「(はじめに解を$x = A \sin \ometa t$とするなどと書かずにやるのは)数学的にいい加減な書き方だね」とか言われて衝撃を受けたことはいまでも覚えている.

その程度でいい加減という扱いになることが衝撃的だし, そして工学の人間にその程度で数学的にいい加減とか言われるの, 心外以上の何者でもない.

その当時, 私も物理学科だったのでそんなに強く言えたものでもないが, 学部一年のときに必修で実数論, 集合・位相やったし, 二年の常微分方程式の講義も (応用物理学科にいる) 本当に数学として偏微分方程式を研究している教官による厳密な常微分方程式の講義を受けていたし, それで工学の人間にそんなこと言われないといけないの, やるなら解の存在とか一意性からだろう, とかいろいろなことを思った記憶がある.

ふだん「物理で数学的に厳密じゃないのがいやだ」とか言っている学生に 「数学やりたければ数学科に行け」と言っているような性質だが, あれは受け入れられなかった.

そんなことを思い出すツイートだった.

2016-04-06 朝永振一郎教授の「思い出ばなし」

このページだ. あとできちんと全部読みたいが, 割とつらい話ばかりっぽい. 冒頭からしてすごい.

学長をやめて、このごろはいくらかひまである。しかし、どうせまたいろいろ用事を持ち込まれるにちがいないから、そうなる前に昔の思い出などを綴っておこう。 古めかしい煉瓦建築の入口を入ると、灰色に汚れたしっくい壁の暗い廊下に、ほこりくさい空気がよどんでいる。この陰気で沈滞したようなふんいきが京都大学の物理科に入ったときの第一印象であった。 今から思い出してみても、学生時代に楽しかったこと、生きがいを感じたことなど、一つもなかった。一つには健康がすぐれなかったせいもあって、何かわけのわからぬ微熱が続いたり、不眠になやまされたり、冬は必らず二度も三度も風邪をひき、胃弱、ノイローゼ、神経痛、そんなぱっとしない状態がいつまでもつづいた。一方講義はちんぷ平凡に思われ、物理学というものに何となくあこがれのようなものを感じていただけに、それは大変な幻滅であった。

とりあえずあとこれ.

数学演習というのは、毎週十題ぐらいの宿題が出て、次の週に黒板の所で解いてみせるものだが、大いそぎで黒板に出て、やさしい問題に手をつけてしまわないと、乗物にのってまごまごしている間に席をとられてしまうように、あとは手ごわい問題ばかりが残ってしまうものである。しかしすばやく席をとろうなどとすると、胸はどきどきするし、それは何とも浅ましいことのように思われた。そこでいっそのこと、一番むつかしい問題を一つか二つだけやっておくという手を使うことにした。そうしておけば、そんな問題にあまり手をつける者はないので、そうあわてないですむことになる。やってみると、いくらむつかしくても、一題か二題だけに集中して一週間の時間をかければ、何とか解けることがわかった。何日も何日も考えつづけて、むつかしい問題が解けたときのよろこびは、たとい答のすでに出ている練習問題であっても、それは純粋に学問的な創造のよろこびに近い。 岡先生にしても秋月先生にしても、今ではレッキとした大数学者だが、当時はまだ大学を出たての若僧で、われわれにとっては、兄貴のように親しみやすかった。それに、すでに智的好奇心も探究意慾もかれてしまったような老先生の中で、この二人はいかにも若々しく、情熱を研究にささげているらしい空気が学生に伝わってくるように思われた。若い先生というものは、学生にわからせるというよりも、自身の興味に溺れて、話が脱線することもよくあるものだが、そういうとき、わからぬままにかえって好奇心をそそられ数学の新しい動向の片鱗がみえたような気がして、今まで習った古くさいものとくらべて、それは何とも魅力あるもののように感じられるのであった。

京大の数学演習, 修羅の道と聞いている. いま東大工学部にいる, 統計力学の若きスーパースター沙川さんですら, 問題演習の解答を黒板に書いたときに担当の人に散々言われただか何かで, 「自分には数学絶対無理だ」とか思わせたと聞いている. 京大やばい.

あと気になるのはやはりここ.

若い先生というものは、学生にわからせるというよりも、自身の興味に溺れて、話が脱線することもよくあるものだが、そういうとき、わからぬままにかえって好奇心をそそられ数学の新しい動向の片鱗がみえたような気がして、今まで習った古くさいものとくらべて、それは何とも魅力あるもののように感じられるのであった。

これをやりたい. 頑張ろう.

2016-05-16 Maxwellの悪魔に関する学習院の田崎晴明さんの解説

よくわからないがとりあえずメモしておく. 全然わからないのだがこの(実験)結果, 平衡系と解釈できるのだろうか. 沙川さんすごいな, と陳腐な感想だけ残しておく.

2016-06-02 動画紹介: The Magnus effect. No Spin v Spin

よくわからないが動画の威力を強く感じる. 動画とかマンガ, もっとたくさん使いたい.

2016-06-11 アマチュア向け場の量子論の本にはじまる「本書は読者の予備知識は仮定しない云々」という話

元のツイート(の1つ?)が非公開になっていて読めなかったがとりあえず.

発端っぽいツイートの一つ.

才能のない還暦過ぎの感想です。 RyderのQuantum Field Theoryを読み進めたのですが、だんだん式を追うのが難しくなり、p224の散乱振幅の計算でダウンしてしまいました。 そこで試しに購入したのがこの本です。わかりやすくしようと工夫があります。手続きをダイアグラム風に示したり、手書きの図を添えたり、言葉と式を交えて基礎的なレベルから場の量子論の基本概念を説明しようとしています。専門的な本はそれこそ数多く存在するので、こういった非専門家のための本の存在意義はあると思います。しかし、Landauの「場の古典論」のような読みながら興奮することがありません。(才能のない者のぼやきですが) 式のジャングルで遭難し、木々の観察も森の構造も理解できない足腰の弱い者には、「場の量子論」のための数学といった入門書が望まれます。そのうえで式の意味、概念の必然性、歴史的な理論の発展史などが初心者向けに書かれるとうれしいのですが。

「興奮」と非専門家向けの記述がどれほど両立するのかよくわからないが, 恐ろしく挑戦的な要求だ. とりあえず要望はあるらしいし, 自分も地道に世に問うていこう.

2016-06-20 記事紹介: 京大, 重力物理学の国際拠点 米欧大学と相互交流

新聞はすぐリンクが死ぬので, あとでも読めるよう読めるところは(全文)引用しておく.

京大、重力物理学の国際拠点 米欧大学と相互交流

京都大学基礎物理学研究所は、重力に関連する理論物理を幅広く研究する「重力物理学研究センター」を4月に発足する。宇宙の誕生直後に発生した重力波や、重力を含めた様々な力を統合する超弦理論(超ひも理論)などを研究する。海外の研究機関と連携し、国際的な研究拠点とする。

新センターは、同所の「重力波物理学研究センター」を改組して立ち上げる。専任教員2人を含む7~8人で発足。米…

2016-06-27 メモ: 田崎さんの『「ゆらぐ界面」をめぐる実験と理論』: 竹内さんの結果と笹本さん・Spohn が出てくる

竹内さんはもちろんのこと, 文中で出てくるSpohn, 笹本さん, 田崎さんという面子がすごい.

Spohn というと修士のとき, たまたま修論が終わったタイミングで舟木先生のゲストで東大に来ていて, 岡山大の廣川先生から「せっかく日本に来ているから議論しに行ってきた. あなたもせっかくなのだから Spohn に修論を聞いてもらうといい. 来るかもしれないと紹介しておいたから.」という話になったので, Spohnに修論を聞いてもらうという凄まじい機会を得た.

Hubbardとフォノンの相互作用系で引力の発言について話をしたとき, ``Nice observation!''と言ってもらえたのを覚えている.

研究したい.

2016-07-13 記事紹介: 【誰でも分かる】「量子力学」ってなんなの?詳しい人に聞いてきた【入門編】

まだ読めていないが話題だったのでとりあえずメモ.

2016-09-08 日本生物物理学会の学会誌「生物物理」のバックナンバーページがあったので

よくわからないがとりあえずメモしておく.

2016-09-09 郷信弘『過去半世紀から未来を見る』生物物理 52(2), 066-067(2012)

何かつらい.

2016-09-10 堀田昌寛さんのツイート

2016-09-10 「物理学における存在とは?」: 堀田さんのブログの記事, Unruh 効果が面白かったので

堀田さんのブログは本当に面白い.

「存在とは何か?」という問題は、本来実に根が深い。 例えば、相対論的量子場の真空状態|0〉を考えよう。 普通の慣性系での量子化では、真空は粒子数が零の状態だ。 またエネルギー密度の期待値もどこでも零だ。 そして図1のように慣性運動している測定機Aで測っても、粒子は観測されない。 空っぽの「無」の状態そのもののように思える。 しかしFulling-Davies-Unruh効果、通称「ウンルー効果」という面白い現象が知られている。 図1のBのように真空中を一様加速度運動をしている測定機は、あたかもその加速度に比例する温度の熱浴の中にいるように振る舞うのだ。

Unruh効果は元RIMSの小嶋先生の文章によく出てくるので名前だけは知っている.

小嶋先生, 本当に何を言っているのかわからないので, Unruh Unruh言うのはそんなに面白いことがあるのかとずっと思っていたがようやく面白そうなことがあるのだと認識した.

小嶋先生が要求してくるレベルの高さは本当に果てしなく, 私の言動も多くの人に小嶋先生のように見られているのかもしれないと思い, かなり反省した.

Reeh-Schliederの定理の物理的な意義: 堀田さんのツイートまとめ

次のツイートからなるツリーをTeX 化・PDF化した.

ふつうの物理の人がReeh-Schliederの定理に対するコメントをしていて, そんなに知られている定理なのかと驚いた. これは代数的場の量子論の基本定理で, その筋では有名というか基本中の基本の定理でもある. 学部四年年から修士一 年の頃, 必死で勉強した定理でその頃は数学的な証明だけ何とか追いかけられたものの, 物理に踏み込めるほどの力がなかった.

何年越しかさえ忘れてしまったが, Reeh-Schliederの物理に触れられる機会だったので忘れないように記録しておいた. いつか代数的場の量子論ももっときちんとやりたい.

それはそうと黒木さんの連続ツイートもいろいろまとめている. 需要がありそうならそれも公開したい. 連続ツイートだとどうしても式が見づらい.

二重スリット実験からはじまる堀田昌寛さんの量子情報ツイートまとめ

堀田昌寛さんのツイートまとめ.

量子情報, ちゃんとやりたいと思っていながら全くできていない. よく混乱しがちなところをクリアにしてくれる分野だと思っていて, 本当に面白そうなのにとても悲しい.

ほったさんによる量子力学の素敵なトピック集

本文

ほったさんのツイート.

量子力学の教官の方と学生さんに改めて知っておいて欲しいこと. RT で広めて頂けると助かります. http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/28/194922 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/26/061840 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/03/11/155744 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/05/094917

それぞれ次のようなタイトルになっている.

  • トンネル領域で粒子を見つけたら, その足らなかったエネルギーはどこから来たのか?
  • 測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない.
  • 摂動論と, "時間とエネルギーの不確定性関係"という名の幻.
  • 波動関数の収縮はパラドクスではない.

トンネル領域の話, 非常に面白いのでぜひ読んでほしい. それぞれ面白いから, 興味のある記事だけでもぜひ読まれたい.

記事紹介: 「測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない」

本文

ほったさんのツイートから.

ブログ更新しました. 「測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない」. - Quantum Universe http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/26/061840

適当にやってきてしまったところなので, 非常に参考になる. 実にありがたい.

堀田さんのブログ紹介: 弱値, 弱測定に関する記事たち

本文

実に面白そう. そのうち, きちんと腰を据えて読みたい.

2016-09-17 桂法称『量子多体系入門 --格子模型を中心に--』平成28年度 (2016, A) 京都大学 集中講義 サポートページ

『パズドラとHubbard模型 [教室談話会]』が前からずっと気になっている. あとHubbardというかフェルミオン系での相関不等式は議論ないのだろうか. 連続系でのFrohlichおじさんの論文はあるが, 学生のときに読んで全然読めなかった記憶しかない.

宣伝協力も兼ねてとりあえずはメモ.

2016-09-21 算数が『初等魔法学』なら物理は何だろう?

見せ方が大事なことを学んだ. これは教訓としたい.

2016-10-04 2016ノーベル物理学賞「トポロジカル相転移」の公式解説: 専門家から見てもかなり面白いらしいので

自分の専門もかなり近いところだし, 何とか時間を作って読みたい.

2016-11-01 熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを証明, Shiraishi, Saito, Tasaki, Universal trade-off relation between power and efficiency for heat engines

いろいろとアレだが文章引用.

古くから推測されていた熱エンジンと効率向上と出力の大きさとの間にはトレードオフの関係があることが慶應義塾大学理工学部の齊藤圭司准教授と、東京大学大学院総合文化研究科白石直人氏、学習院大学理学部の田崎晴明教授らの研究グループによって証明された。

火力発電所の発電機のように、高温の物体から熱を受け取り、それを電気のような「使えるエネルギー」に変える装置を一般的に「熱エンジン」と呼ぶ。高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ利用できたかの比率を「効率」という。この効率には、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが分かっている。一方、発電機では、効率だけでなく「何Wの電力が発電できるか」という「仕事率」が問題になる。

カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、トレードオフの関係で、同時に仕事率がゼロになることが漠然と予想されていた。しかし、従来の熱力学には動作時間という概念が組み込まれていないため、仕事率を解析できず決定的な答えを得られていなかった。

確かによく言われる準静的過程で説明される話を真に受けて, そしてそれしか最大効率達成法がないのだとすれば気分的には十二分にありうる話だ. 量子論的にはどうなのだろうとかいろいろ気になることはある. 楽しそう

論文(プレプリント)これっぽい. 読んでみよう.

やっぱりちゃんとプレスリリースあった.

2016-11-04 谷村省吾さんのスライド「きちんと理解するのは意外に難しい潮汐力」

確かに面白いのだが, これ, 序盤で次のように出てくる.

地球物理・惑星物理の専門家にとっては完全に解決されている問題なのだが、門外漢たちが何度も誤解を蒸し返しているのである。

この話が中心になるのかと思っていたら, 物理の人間からの考察がメインで, 「いや, 完全に解決された視点で話した方が速くて正確なのでは」という気持ちになった.

こういうコンテンツももっと出した方がいいのだろうな, という気はしている.

2016-11-05 「物理学を買えた二人の男」

科学史系のコンテンツを充実させたいと思っているのでとりあえずメモ.

2016-12-01 元素の存在に関する原理的な限界と物質の安定性

Wikipediaからちょっと引用しておこう.

ウンセプトトリウム(unsepttrium)は、原子番号173にあたる未発見の超重元素に付けられた一時的な仮名(元素の系統名)。理論上存在しうる最後の元素とされている(174番元素以降になると、1s軌道の電子の束縛エネルギーが電子-陽電子の対生成に必要なエネルギーを超えるため。)。

理論上、原子核を点として扱うディラック方程式では陽子数137を超えると虚数解となって式が成り立たなくなる。

これstability of matter事案なのだろうとは思う. Stability of matter, 学部の頃からずっと興味あっていまだにきちんとやりきれていない. 無料講座開講にかこつけてきちんと勉強し直すという最強のライフハックも検討している.

2016-12-02 Kazumasa A. Takeuchi $1/f^{\alpha}$ power spectrum in the Kardar-Parisi-Zhang universality class

KPZ, 名前しか知らないといって前にも調べた気がして, そしてまたすっかり忘れている. とりあえず Wikipedia をぺたり.

最近全然研究していない. 悲しい.

あと何かここで論文が読めるらしい.

いつまで読めるのだろう.

2016-12-02 2016年のノーベル物理学賞のどこがすごいのか? - 田崎晴明|WEBRONZA - 朝日新聞社: 記事紹介

ログインなしでは途中までしか読めなかった.

もう試してすらいないが, 報道各社のログイン, やたらたくさん情報を入力させるので本当に登録が面倒で, それなら記事なんて読めなくて構わないと思わせるのに十分だった.

こういうので情報取るのはいいとして, その情報を有効活用しているのだろうか?

新聞社とかIT死ぬほど弱いイメージしかないが実際のところはどうなのだろう?

物理の話を書こうと思ったのに一瞬で心が折られたことを記録する.

2016-12-11 空が青く見える理由: 物理学と生理学と

太陽光のスペクトルデータも視覚の感度分布もよく知らない(調べていない)ので真偽がよくわからないのだが, とりあえず記録しておきたい.

2016-12-16 このデータで遊びたい: 高エネルギー物理の就職事情

いじりたくなるデータというのがなくて統計学の勉強で困っていたがこれは面白そう. とりあえずメモしておく.

2016-12-16 渡辺澄夫『物理学者でない人にとっての平衡統計力学とは』

後で読もう. とても気になる.