堀田昌寛さんのツイート¶
2016-09-10 「物理学における存在とは?」: 堀田さんのブログの記事, Unruh 効果が面白かったので¶
堀田さんのブログは本当に面白い.
ブログ更新しました。⇒「物理学における存在とは?」 - Quantum Universe http://t.co/Oeg7uhqAzE
— Quantum Universe (@hottaqu) 2014年5月3日
「存在とは何か?」という問題は、本来実に根が深い。 例えば、相対論的量子場の真空状態|0〉を考えよう。 普通の慣性系での量子化では、真空は粒子数が零の状態だ。 またエネルギー密度の期待値もどこでも零だ。 そして図1のように慣性運動している測定機Aで測っても、粒子は観測されない。 空っぽの「無」の状態そのもののように思える。 しかしFulling-Davies-Unruh効果、通称「ウンルー効果」という面白い現象が知られている。 図1のBのように真空中を一様加速度運動をしている測定機は、あたかもその加速度に比例する温度の熱浴の中にいるように振る舞うのだ。
Unruh効果は元RIMSの小嶋先生の文章によく出てくるので名前だけは知っている.
小嶋先生, 本当に何を言っているのかわからないので, Unruh Unruh言うのはそんなに面白いことがあるのかとずっと思っていたがようやく面白そうなことがあるのだと認識した.
小嶋先生が要求してくるレベルの高さは本当に果てしなく, 私の言動も多くの人に小嶋先生のように見られているのかもしれないと思い, かなり反省した.
Reeh-Schliederの定理の物理的な意義: 堀田さんのツイートまとめ¶
次のツイートからなるツリーをTeX 化・PDF化した.
ふつうの物理の人がReeh-Schliederの定理に対するコメントをしていて, そんなに知られている定理なのかと驚いた. これは代数的場の量子論の基本定理で, その筋では有名というか基本中の基本の定理でもある. 学部四年年から修士一 年の頃, 必死で勉強した定理でその頃は数学的な証明だけ何とか追いかけられたものの, 物理に踏み込めるほどの力がなかった.
何年越しかさえ忘れてしまったが, Reeh-Schliederの物理に触れられる機会だったので忘れないように記録しておいた. いつか代数的場の量子論ももっときちんとやりたい.
それはそうと黒木さんの連続ツイートもいろいろまとめている. 需要がありそうならそれも公開したい. 連続ツイートだとどうしても式が見づらい.
二重スリット実験からはじまる堀田昌寛さんの量子情報ツイートまとめ¶
堀田昌寛さんのツイートまとめ.
量子力学の一般解説でほぼ必ず登場する二重スリット実験がありますよね。1個1個の電子をばらばらと図のような2穴スリットを通すと、沢山の電子が衝突した後のスクリーンには波のような干渉縞が起きる実験です。 pic.twitter.com/mOxXCA7XiV
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
一方、どちらの穴を通ったかを測る測定器を置くと、同じように電子を投げても、干渉縞が消えてしまうという実験です。 pic.twitter.com/NXXpyhdyly
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
この実験は、量子論を扱う科学哲学の一般向けの書籍にも仏教学者の佐々木閑さんの「科学するブッダ 犀の角たち」にも出てきます。この現象に対して、電子を観測すると波動関数が収縮して干渉縞が消えるという説明があるのですが、実はこれは正しくない説明なんですね。 世間に流布したよくある誤解。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
佐々木閑さんは特に「意識は波動関数の収縮を起こさない」ことを主張するために、この二重スリット実験を解説されています。しかし測定器が起こすデコヒーレンスが干渉縞を消しているだけで、測定器によってどちらかの穴を通るただ1つの波動関数に収縮しているわけではないのです。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
測定器と電子の相互作用によって、系の波動関数は|Ψ>=|電子は上の穴を通過>|電子が上にいると測定器が記録>+|電子は下の穴を通過>|電子が下にいると測定器が記録>という純粋状態になるだけで、(電子+測定器)の全体としては、波動関数に収縮は起きていないのです。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
この|Ψ>という状態で電子だけの状態に注目すると、上の穴を通った状態としたの穴を通った状態の古典的な混合状態になるので、スクリーン上の干渉縞が消えてしまうのです。波動関数の収縮は起きていないのです。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
より正確にはスクリーンと電子の相互作用も考えるべきでして、何回も実験した最後には(電子+測定器+スクリーン)の全体が純粋状態になってます。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
波動関数の収縮は系に関する知識の増加に過ぎないので、意識をもつ主体がいて初めて起きます。観測者が重ね合わせの中のただ1つの成分を経験することが波動関数の収縮なんです。今の場合、デコヒーレンスで生じた混合状態の中からただ1つの成分だけが抜き出される過程こそが、波動関数の収縮。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
世間に流布している多世界解釈の理解に対する誤解の指摘も含めて、この波動関数の収縮については下記記事を参照してみて下さい。https://t.co/WoW0xfqS9E
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
またこれも一緒にどうぞ。https://t.co/6TM8A4XUxt
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
このまとめもご参考に。https://t.co/AhKbeL2vpH
— Quantum Universe (@hottaqu) 2016年12月4日
量子情報, ちゃんとやりたいと思っていながら全くできていない. よく混乱しがちなところをクリアにしてくれる分野だと思っていて, 本当に面白そうなのにとても悲しい.
ほったさんによる量子力学の素敵なトピック集¶
本文¶
量子力学の教官の方と学生さんに改めて知っておいて欲しいこと. RT で広めて頂けると助かります. http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/28/194922 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/26/061840 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/03/11/155744 http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/05/094917
それぞれ次のようなタイトルになっている.
- トンネル領域で粒子を見つけたら, その足らなかったエネルギーはどこから来たのか?
- 測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない.
- 摂動論と, "時間とエネルギーの不確定性関係"という名の幻.
- 波動関数の収縮はパラドクスではない.
トンネル領域の話, 非常に面白いのでぜひ読んでほしい. それぞれ面白いから, 興味のある記事だけでもぜひ読まれたい.
ラベル¶
物理, 量子力学
記事紹介: 「測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない」¶
本文¶
ブログ更新しました. 「測定時間とエネルギーの測定誤差の間に不確定性関係はない」. - Quantum Universe http://mhotta.hatenablog.com/entry/2014/04/26/061840
適当にやってきてしまったところなので, 非常に参考になる. 実にありがたい.
ラベル¶
物理, 量子力学
堀田さんのブログ紹介: 弱値, 弱測定に関する記事たち¶
本文¶
負の確率、複素数の確率の話のもとになる弱値、弱測定に関しては
http://t.co/hPgGnF8Da3
http://t.co/mBD4KSaDt2
http://t.co/PxourS8KYs
http://t.co/tcbCXCyRkW
に書きました。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2014, 5月 18 実に面白そう. そのうち, きちんと腰を据えて読みたい.
ラベル¶
物理, 量子力学基礎論