純粋状態と熱力学第 2 法則に関する論文 2 本: 田崎さんのと池田さん, 作道さん, 上田先生の共著の論文

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田崎さんの日記で表題に関する文献が紹介されていた. 非常に面白そうなのでシェアしておこう. 何より自分が読みたい. この 2 本だ. 田崎さんのは The second law of thermodynamics for pure quantum states で, 池田さんや作道さん達のが Emergent Second Law in Pure Quantum States. 池田さんや作道さんは一応知り合いなので聞けばいいという説もある.

まだ中身を全く見ていないが, 忘れないうちに読みたい. 田崎さんの日記からこれだけ引用して今回は終わる. 早く読みたい.

タイトルのとおりだが, 「量子力学の純粋状態から出発し, 量子力学の時間発展だけを用い, 熱力学の第二法則を導く」という大胆不敵な論文である. (普通のエネルギースケールでは) もっともミクロな量子力学を, 中間の統計力学の形式をすっ飛ばして, もっともマクロな熱力学と直結させようとしているといえば, 大胆さが伝わるだろうか?

続報: 勉強のための参考文献情報つき

以前, 田崎さんと池田, 作道さんらの純粋状態と熱力学第 2 法則に関する論文に関する田崎さんの日記を紹介した. そのあと Twitter でも教えてもらったのだが, この日の日記で田崎さんのが改訂されたことがアナウンスされた. というわけで早速読んでみた.

物理としては正直, いまだにさっぱり分かっていない. 数学としては非常に簡単なので, 多分学部 2 年 でも読めるだろう. ここで学部 2 年というのはこの 4 月時点での, という意味で書いている. 1 年生と書くとこの春からの新入生と思われてしまう可能性があるので, 2 年生とした.

数学としてはおそらくこれ以上ないほど簡単になってしまっているので特にいうことはなく, 物理としては全くピントが合っていないのでこちらも何も言えることはないが, 1 つタイポを見つけたので, それは田崎さんに報告した. タイポが見つけられる方の市民であった.

この辺, 興味があり折角なので, メールしたときに勉強用の参考文献を教えてもらった. 出しても問題ないと思うのでここでも紹介しておきたい. 田崎さんの The approach to thermal equilibrium and "thermodynamic normality" --- An observation based on the works by Goldstein, Lebowitz, Mastrodonato, Tumulka, and Zanghi in 2009, and by von Neumann in 1929 と Goldstein, Lebowitz, Tumulka, Zanghi らの On the Approach to Thermal Equilibrium of Macroscopic Quantum Systems, Canonical Typicality だ.

微妙に畑違いなので Goldstein は知らなかったのだが, 同じく微妙に畑違いといえども Lebowitz おじさんは知っている. 「おじさん」と書いたが, もう 70 とか行っていた気はする. とりあえず物理寄り数理物理の Ising 界隈では人類最強クラスの人間なので, この辺に興味がある人は名前くらいは覚えておこう.

ちなみに「物理寄り数理物理」と書いたのは, 数学の人が Ising というとき, 可積分系だとかその辺の数学的に格好いい話を想起するかと思うのだが, そういう格好いい綺麗な話ではなく, 死ぬ程泥臭い不等式証明とかそういう話, くらいの意味で使った.

ラベル

数学, 物理, 数理物理, 熱力学, 量子力学