統計力学は相転移を記述できるか: 佐々さんの日記から

本文

いつの間にか佐々さんが京都に移っていた, というくらいその辺の事情に疎い市民の私である. Twitter 上で回ってきて見かけて面白かった記述があったのでメモ代わりに記事を書いておく. 元記事はこれだ.

引用

昼食後の長い話の中で, でた話題はちょっと書ききれないくらい. 僕が知らない話もあった. 「「1937 年の会議で, 「統計力学が相転移を記述するかどうかを公に議論した. 挙手で決めれば, 半々くらいだった. チェアーのくらーまーすは, 熱力学極限の重要性をその時点で指摘していた」とそこに参加したうーれんべっくが言っていた.」.」とこーえんが言った. 他に, 非平衡熱力学をめぐる話, 流体方程式をめぐる話, 非平衡統計の話. . 基本的には, 「最近の研究に期待はするけれど, 警鐘をならしたい」というので一貫していた.

1937年時点での疑義

1937 年の時点でまだ統計力学が相転移を記述できるかが話題になっていたとのこと. (古典) 統計力学自体は 19 世紀最後の 4 半世紀にはあったわけだが, 統計力学と相転移の議論がこんなに最近 (!) まで議論の対象になるほどだったことに単純に驚いた. 南部さんの素粒子での相転移の議論が 60 年代にあったことを考えると, 30 年の時の経過を思う.

つどいでも少し関連する話をするつもりだが, 統計力学 (特にスピン系) でははじめ有界系で諸量を定義して, そのあと熱力学的極限とも呼ばれる無限体積極限を取る. 「連続関数の極限が連続であるとは限らない」という数学的事情を使って, 相転移をつかまえにいく. また相転移の熱力学的な定義は熱力学関数の特異性 (不連続性や微分不可能性) であったことを注意しておこう.

ラベル

数学, 物理, 数理物理, 熱力学, 統計力学, 素粒子