立川裕二さん筋のツイート

2016-02-11 立川裕二さんのツイートをまとめた Togetter 「場の量子論の数学的定式化」とそこからの堀田さんとのやりとりまとめ

Togetterもまあ気になる. 特にこれ.

追っていないから全くわからないが, 多少気になる.

それはそれとして, 私と堀田さんのやりとりメモ.

研究でもやりたいことがたくさんあるのだ.

2016-05-11 IPMUの立川裕二さんによる「研究と勉強ってどう違うのでしょう」

いくつか引用.

また、理解したかどうか、というのは、心の奥底で深い理解が出来たか、ということではなくて、与えられた問題に対して、手もしくは計算機を動かして、答えが求められるか、ということです。まあ、深い理解が出来れば、計算も出来るでしょうから、計算ができないということは、深く理解していないということでしょうが。

とてもつらい.

また、理論物理をやっていると、使われている論理がいい加減だったり、もしくは、数学の専門書で使われている記法と異なるので、気になる人もいるかと思いますが、そこは(数学者にならないのであれば)我慢して進んで下さい。理論物理屋になって、同僚と会話するには、やはり適度にいい加減で、数学の本でなく理論物理の本で使われている記法を使わないと、話は通じません。物理と数学と勉強しているのは、中国語と英語と勉強しているようなものです。折角両方勉強しているのに、中国にいったときに、英語でばかり話をするのは、困ったひとです。

そんなに記法違うのか.

この場合はちょっと嘘を教わったのを明かされるまで数年ありましたが、似たようなことが繰り返します。半年前に習ったことが、実はちょっと嘘だった、本当はこうなのだ、と言われるようになり、場の量子論の教科書などになると、教科書のはじめの 1/3 ぐらいで学んだことが、つぎの 1/3 で実は嘘で本当はこうだ、と書いてあり、つぎの 1/3 で実はそれもさらに嘘で、本当はこうなのだ、と書いてあることはざらにあります。 なぜこんな事態になったのかはよくわかりませんが、事実なので仕方ありません。兎に角、書いてある議論をあまり鵜呑みにしない、あまり無理に変な議論を納得しようとしない。しかし、そこに書いてあることは計算できるようになる、という鍛錬が必要です。まあ、教科書だって人が書いているのですから、全般的に信頼してはなりません。

数学, 割とこういうことないので, とても勉強しやすい.

また、世間では学際とか、見識が広いことがもてはやされていていることもありますし、皆さん興味の広い人も多いですから、あれもこれも勉強したい、というのはあると思います。大学院に入るぐらいまではそれで全然構わないと思います。しかし、大学院に入ってなにか研究をしたい、という段になると、まずは、何か自分のやりたい研究分野で、最先端の論文が読めるぐらいにならないと始まりません。二つの分野を同時に勉強しようとすると、最先端に辿り着くまでの時間は倍かかります。一つの分野の中でも、さらに特定のことだけ徹底的に勉強することにすれば、先端まで来る時間は短くて済むわけです。

数理物理の厳しいところだ.

さて、この段階で何を具体的に研究したいか、テーマが決まっていなくても、幸い理論物理の論文は案外適当なので、論理にギャップがあることがしばしばありますので、それを埋めようとすることが出来ます。また、既存の論文の設定をすこし弄って、ちょっと違う状況にしてみて、考えるということもできます。これらは、別に大したことではありませんが、上の定義に照らせば研究と言えると思います。

数学だと例・反例を作るという本当に研究マターの仕事もできる.

私もがんばらねば.

2016-05-25 立川裕二さんの講演スライド: 「場の量子論の枠組みは如何あるべきか」

話が相当ずれると思うが, 古典論でも運動方程式が書けて Lagrangian が書けない状況があるらしいのだが, どういう具体例があるのか, それをずっと知りたいと思っている.

2016-06-06 Togetter: IPMUの立川裕二さんのツイートをまとめた『場の量子論の数学的定式化』

IPMUの立川裕二さんのツイートをまとめた場の量子論の数学的定式化というTogetterがあった. Longoや河東先生の論文 From vertex operator algebras to conformal nets and backが引かれていて, これに関するコメントがいろいろ書かれている.

この河東先生の論文も読んでみたいしAQFTももっときちんと勉強したい. やりたいことたくさんある.

2016-07-21 立川さんツイート: 「ある巨大基数の存在に関する (数学基礎論屋的?) 直観から、組み紐群の性質が予言され、実際に証明されたとか」いう話

謎の強烈な仕事だ. 立川さんも謎の情報をいろいろ仕入れてつぶやいてくれるのでとても楽しい.

立川さんの研究室紹介 YouTube がうさんくさくてとても素敵

本文

立川さん, 本当に怪しくていい.

ラベル

数学, 物理, 数理物理, 物理学者

研究者はもっと研究対象に対する個人的な感慨を公にしていってほしい

本文

立川さんのいい話.

人によってまたいろいろ変わるところだが, こういう個人的な感慨はどんどん公にしてほしい.

ラベル

物理, 数学, 数理物理

立川さんツイートメモとツイートから考えたもろもろ: 人間の直観なんて大したことはない

本文

面白かったのでメモ. 次のあたりの立川さんのツイート.

場の理論の勉強をはじめて, いろいろな概念 (仮想粒子等) の物理的意味を悩んでいる学生さんの tweet を見るが, そんな哲学的なことを悩むのは 30 年早いと言いたい. アインシュタインやボーアは偉大だから, 哲学的な考察から物理を引き出せたが, 普通はそうはいかない. (続)

自分は第二のアインシュタインだ, ボーアだ, と思うならそれも構わないが, 人間原理的に考えて, そんな確率はゼロでしょう. だったら, まず, 計算を出来るようになるのが先決でしょう. 年を取って, テクニカルな部分で業界に寄与できなくなったと思ったら, 意味でも考えればいいのだ. と僕は思います.

二十世紀はじめの物理の大革命がそれら哲学的嗜好のある偉人によってなされたせいで, 今にいたるまで相対論, 量子論の教科書のはじめが哲学色が強すぎるのは害悪だと僕は思う. 古典力学はわかりやすいが量子力学はわかりにくいなんてナンセンス! 現時点のデータで未来が全部決まっていると思うなんて

量子力学とおなじぐらい日常生活の常識に反するでしょう. 古典力学だって全然わかりにくい. 古典力学の教科書も哲学色が濃いものが多かったなら, トンデモさんも相対論と量子論だけを狙うのでなくて, 「ニュートン力学は間違っていた! 」とかいう本も沢山出ていた筈.

量子力学と相対論の教科書を, 古典力学の教科書みたいに単に事実を書くものに変えて, 一般向け解説でも, わかりにくいとか不思議だとか書かずに, あたりまえだと書くようにすれば, トンデモさんは撲滅できると僕は思います

@hottaqu プロの研究者や教育者が仮想粒子を量子揺らぎだと教えていればそれも問題だと思いますが. 仮想粒子は理論を摂動論で扱うから出てくるだけで, 全ハミルトニアンの固有状態でみれば単に $e^{itE}$ がかかるだけ, 計算上の手段に過ぎない仮想粒子を揺らぎだというのはナンセンスだ

少し話はずれるが, 古典論 (とりあえず相対論は除いておく) にも 結構面倒な部分はたくさんある. アメリカのマンハッタンへの飛行機突入とそのあとの 物体の落下に関する異常者の言動があるが, アレも非日常的なスケールの物理に対する 直観の効かなさに原因があるというのはよく言われている.

人類レベルで直観が磨き抜かれた専門家ですら 「きちんと調べないとわからない」と言って研究テーマにしていたわけで, 高層ビルレベルで既に人間の感覚は通じなくなる.

ラベル

物理, 古典論, 力学, 量子論

立川さんによる Strings 会議の講演者と講演内容の変遷を追うページ

立川さんによるページがご自身により宣伝されていたのでとりあえず私も便乗してみた.

過去の Strings 会議の講演者と講演内容の変遷と一望できるページをつくりました. http://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/stringsmirrors/statistics.html

どう見ると面白いのだろう. そういうのが少しあるだけでも門外漢には嬉しいのだが, と思ったところで, 自分もそういうのを作っていくべきなのだな, と思う方の市民であった.