第026回 第12文の英文読解・第13文の多言語比較・補足

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まず確認

YouTube 公開用: これを読んでいる方への注意・言い訳

これはコンテンツの原稿案であり, 私の勘違いや単純なミスを含めた間違いも含まれた文章・コンテンツです. そのつもりで内容を眺めてください. 勉強会の最中や後で指摘を受けてオリジナルの原稿には修正を入れ続けますが, 多重管理が大変なのでこちらの記録自体はいちいち修正しません. もちろん指摘は歓迎しますし, 個々の md に関して指摘された部分は修正します. 適当なタイミングでコンテンツ・サービスをリリースするので, もしあなたが間違いを潰した (少ない) バージョンのコンテンツで勉強したいなら, それを待ってください.

講義動画と関連リンク

この記事・動画に特化したリンク先は次の通りです。

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(YouTube 動画の説明欄にいつも張るリンク集)

記事公開手順メモ

今日の予定

進捗・TODO・今日のメモ

内容: コンテンツ (案) からの転記

節タイトル: 第12文

対象文

en.12

I. KINEMATICAL PART \S1. Definition of Simultaneity

ja.12

I. 運動学の部 \S1. 同時性の定義

英語解説

全体的な注意

英語では部タイトルは全て大文字, 章タイトルは of は先頭が小文字, それ以外が大文字であることに注意してください. よくある表記です. ドイツ語のように部タイトルと節タイトルの形式が一致しているケースもよくあります. この形式は論文誌ごとの投稿規定などにも依存します.

日本語とも同じくタイトルは必ずしも完全な文の形ではなく, 名詞メインのこともよくあります.

構文

部タイトルは無冠詞 part に補足で kinematical がついた形, 章タイトルも無冠詞の definition に補足で of simultaneity がついています. 強いて注意すれば definition はもとが他動詞の define であり, 動詞の目的語を of simultaneity で添えています.

単語

節終了

第13文

対象文

en.13

Let us take a system of co-ordinates in which the equations of Newtonian mechanics hold good(footnote).

(footnote: i.e. to the first approximation.)

de.13

Es liege ein Koordinatensystem vor, in welchem die Newtonschen mechanischen Gleichungen gelten.

fr.13

Supposons un système de coordonnées dans lequel les équations newtoniennes sont vraies.

it.13

Si assuma un sistema di coordinate, nel quale valgano le equazioni meccaniche di Newton.

sp.13

valen =? (en) valid

Supongamos un sistema de coordenadas en el cual se valen las ecuaciones mecánicas de Newton.

ru.13

Пусть имеется координатная система, в которойill справедливы уравнения механики Ньютона.

sch.13

设有一个牛顿力学方程在其中有效的坐标系.

ja.13

ニュートン力学の方程式がよく成り立つ座標系を取ろう. (すなわち一次近似の精度で考える.)

補足

「ニュートン力学がよく成り立つ」

物理は数学で自然をモデル化し, その数学モデルを解析する分野です. 2020 年時点でいわゆるニュートン力学が成り立つのはそこそこの大きさを持ち, 物体の速度もそれほど大きくない領域, つまり量子力学の世界でもなければ相対性理論の世界でもない(光速より十分小さい速度)範囲でしか使えないことがわかっています. これがモデルの精度や適用限界であり, 「よく成り立つ」の意味です.

実際に電磁気学と連携させて力学を考えるとき, 電磁波が光の速度で伝わる以上, 光の速度の領域で議論する必要があり, 物体の運動学・力学に対してニュートン力学の適用限界を超えてしまっているのです. つまり以下の議論ではニュートン力学の制約下から外れる領域に踏み込まざるを得ないと主張しています.

一次近似

あなたが高校生で物理を勉強しているなら, 波動の分野で$\sqrt{1+x} \fallingdotseq 1 + \frac{1}{2} x$という近似式を使ったことがあるでしょう. これが一次近似です. 特に微分法を使った議論のことで, テイラー展開とも関係があるので, 興味があればぜひ調べてみてください.

節終了