第032回 第16文の多言語比較・読解

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まず確認

YouTube 公開用: これを読んでいる方への注意・言い訳

これはコンテンツの原稿案であり, 私の勘違いや単純なミスを含めた間違いも含まれた文章・コンテンツです. そのつもりで内容を眺めてください. 勉強会の最中や後で指摘を受けてオリジナルの原稿には修正を入れ続けますが, 多重管理が大変なのでこちらの記録自体はいちいち修正しません. もちろん指摘は歓迎しますし, 個々の md に関して指摘された部分は修正します. 適当なタイミングでコンテンツ・サービスをリリースするので, もしあなたが間違いを潰した (少ない) バージョンのコンテンツで勉強したいなら, それを待ってください.

講義動画と関連リンク

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記事公開手順メモ

進捗・TODO・今日のメモ

内容: コンテンツ (案) からの転記

第16文

対象文

en.16

If we wish to describe the motion of a material point, we give the values of its co-ordinates as functions of the time.

de.16

Wollen wir die Bewegung eines materiellen Punktes beschreiben, so geben wir die Werte seiner Koordinaten in Funktion der Zeit.

fr.16

Si nous voulons décrire le mouvement d'un point matériel, les valeurs de ses coordonnées doivent être exprimées en fonction du temps.

it.16

Se vogliamo descrivere il moto di un punto materiale, diamo i valori delle sue coordinate in funzione del tempo.

sp.16

Cuando queremos describir el movimiento de un punto material, especificamos los valores de sus coordenadas en función del tiempo.

ru.16

Желая описать движение какой-нибудь материальной точки, мы задаем значения ее координат как функций времени.

sch.16

如果我们要描述一个质点的运动, 我们就以时间的函数来给出它的坐标值.

ja.16

もし質点の運動を記述したいと思うのなら, その座標の値を時間の関数として与える.

ドイツ語解説

英語解説

文構造

これはシンプルな構造をしています.

単純に見れば主節の基本構造は第三文型SVOで次の通りです.

詳しく見ていきましょう.

If we wish to describe the motion of a material point

主節の説明で困るので if 節からはじめます. 基本構造は we describe the motion で第三文型SVOです. 杓子定規に言えば動詞は wish ですが, これは助動詞で意味としては want to または will くらいに思えばいいでしょう. 主語はいわゆる論文の we で, 動詞 describe は「記述する」です.

目的語は the motion 「(特定の) 運動」で定冠詞 + 単数形の名詞です. 何の運動かは of が導く形容詞句で示していて, of a material point 「ある質点の」と指定されています. これは不定冠詞 + 単数で, 「何でもいいからとにかくひとつ質点を取って, その質点の運動を考えよう」という意図を表しています.

質点に対応する表現はいくつかあります. 例えばファインマン物理では a point mass と呼んでいます. 粒子 a particle と呼ぶこともあります. ついでにいうと素粒子 an elementary particle です.

we give the values of its co-ordinates as functions of the time

先程見た通りメインは we give the values です. 先程と同じく主語は we で論文の we です. 動詞はただの現在形で三単現の s はありません. 目的語は the values で定冠詞 + 複数形の形になっています.

もちろん the values と言われてもわけがわからないので, of の形容詞句で補足説明されています. まず of its co-ordinates で複数形の co-ordinates はこれまでと同じく$x,y,z$で複数なのでしょう. Its については既に言及されている単数の名詞を指しているわけで ここでは if の条件節で言及した質点と思えばいいでしょう. 既に言及したひとつの質点に関わる値なので its で限定できます.

最後に as が導く句があります. 意味としては文全体を give A as B で「A を B として与える」と見ます. これは we think that A is B と思えますし, as には be 動詞のような等価接続の意味があるので, 第五文型 SVOC 「OC の意味を S が V の視点で変える」の視点で見ても構いません. つまり we give A as B は「私達は A を B とみなす」とも訳せ, give の具体的な意味は文型の型に託しても構いません.

これで文全体の意味が確定したので最後に as B の B を詳しく見ましょう. これは functions of the time で, functions 「関数」は無冠詞の複数, the time 「時間」は定冠詞 + 単数です. Functions が複数なのは the values に対応していて, 無冠詞なのは何か特定の関数を想定しているわけではないからです. The time は変数として時空の 4 変数$x,y,z,t$のうちのひとつ$t$を指定しているから time が単数で, the は「皆様ご存知の時間変数です」という意味と思えばいいでしょう.

節終了