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次のツイートに対するPaul のコメントに引き続き黒木さんコメント.
A「線形代数は、和とスカラー倍について保存するような構造である『線形性』を扱う数学です」
「なんだ数学オタクの数遊びか…」
B「線形代数は数の表から重要なデータを取り出したりする、人工知能や統計学にも応用のある数学です」
「人工知能とか日経で読んだ!実用的!」— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
もちろん日経とか出して半分冗談なのですが、ぼくのなかでは「線形代数は数表から重要データを取り出せる」というの、すごい大事な一面な気がしています
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月15日
数の表から重要データを取り出す、嘘はついていないはず(固有値は線形代数の重要概念だし)
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
@ashiato45 人工知能どころか画像処理を含めてロボットの制御等は線形代数を使わずには成立しないので問題無いかと
— OZ-Rick_mover (@J7_Revolution) 2016年9月14日
黒木さんツイートの開始.
#数楽 https://t.co/AExOg70LgB
少し進んだ数学の視点から線形代数について理解しようとしているように見える学生にときどき言うこと→社会的に線形代数という名のもとで教えられている数学の中には「環上の加群の理論」の特別な場合に含まれない大事な項目が含まれている。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 科目名の「線形代数」というラベルに「線形」という単語が含まれていても、実際に教えられる内容には単純に線形とは言えない項目が多数含まれている。佐武一郎著『線型代数学』を見ればそのことは明らか。ラベルに含まれている単語に騙されずに数学的に大事なことを素直に勉強する方がお得。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 「体上の加群」という特殊なアイデアにこだわらずに大事なことを含める努力をしている教科書として、長谷川浩司著『線型代数』もよい(よくすすめている)。「行列の指数函数」「行列式と体積の関係」などなどはとても基本的な話なので線形代数の名のもとで触れておくべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、幾何的な回転を具体的な線形変換で表現できることだけではなく、3次元の回転全体SO(3)が3次元実射影空間に同相であることなども「線形代数」として知っておいて損がない知識。「体上の加群」という見方は1つの特殊な見方に過ぎないという理解はとても大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ラベルが主になって、数学的内容が従になってしまってはつまらない。
少し進んだ数学の存在を普及している「ラベル」経由で知ってしまった人達は注意しないとかなりの時間を無駄にしてしまうので要注意。
ラベル選択は数学的事情ではなく、社会的・歴史的事情で決まっていることが多い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 そうそう、内積の話も「線形代数」では重要。線形代数の名で教えられているまさに「線形」っぽい結果はなんらかの適切な意味で「よい基底が存在する」という形式になることが多いのですが、特殊函数論などでは「よい基底の構成」が「よい内積の構成」を経由することが多い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 教養の一部として教えられている数学については、ひとことでこれだと要約することはちょっと無理だと思う。特に特定の特殊なアイデアのもとで一般化・抽象化された数学の視点からの要約には無理がある。線形代数しかり、微積分しかり、…。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 もっと簡単な話として、3次元空間の回転全体を2×2の複素行列で表現できること(SU(2)の話)とか、SU(2)は3次元球面に同相だとか、SU(2)はハミルトンの四元数体の絶対値が1の元全体と同一視しできるとか、こういう話も線形代数の名のもとで知っておいて損がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、SU(2)の共役類全体の集合とその元のトレースの2分1全体は同一視でき、SU(2)から共役類全体への全射はR^4内の単位3次元球面から1次元部分空間への射影と同一視できるとか、3次元球面上の一様分布の1次元部分空間への射影は佐藤・テイト予想に出て来るとか。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 より進んだ数学の視点からも「線形代数はおおむね環上の加群の理論の特別な場合である」という発想はきちんと「捨てるべき」だと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 個人的な意見→ある特定のアイデアの下で一般化・抽象化された理論に基いて要約できないという状況は教養科目の場合に限らず数学ではむしろ普通であり、数学科での一部の授業の方が「異常」なのだと思う。しかし、「異常」なやり方で情報を選択・圧縮しないと講義で知識を伝えることは困難。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
次のツイートを見ると佐武一郎『線型代数学』を読んでみたくなる.
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
線型代数の攻撃力は高い.
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