Imira と Linares による Gelfand-Mazur の定理を使った代数学の基本定理の証明

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An Application of the Gelfand-Mazur Theorem: the Fundamental Theorem of Algebra Revisited という論文を見つけたので紹介する. まず Gelfand-Mazur の定理の紹介をしよう. 次のような簡明な定理だ.

係数を複素とする単位元つき Banach 環 A の全ての元が可逆だとする. このとき A は複素数体に等距離同型である.

実係数のときは実数と等距離同型になるようだ. Gelfand-Mazur の証明自体は例えば次の本に書いてある.

代数学の基本定理は「代数学の」と銘打っておきながら代数というより むしろ 1 変数多項式の基本定理と言った方が正確だったり,複素解析など 証明に解析学を援用するという特徴がある.
実数の完備性を使うようなので,どこかしらで解析学の結果を使う必要はあるようだ. kyon_math と Paul_Painleve さんのツイートを引用しておこう. 

@Paul_Painleve 堀田先生の「可換環と体」の第2部§2.3には中間値の定理を一回だけ使い, あとはガロア理論に訴えるという証明がありますね. 証明のあとの注意も味わい深い.http://bit.ly/WyxSj8

@kyon_math 今度見てみます。 結局は中間値の定理なりBWの定理なり、実数の連続性を使わないといけない。 私個人は、Winding numberを使う証明が本質をみせてるような気がして好きですが、 140字以内では紹介できそうもない。 

@Paul_Painleve 私も同意します. 堀田先生のは代数的手法で行けるとこまで行き,最後の最後に中間値の定理を使う. それにより「代数学の基本定理」の解析性がどの部分に集約されるかを問うものです. 結局「実係数の奇数次方程式は実数解を持つ」に帰着する.これはラプラスも同じ.

本題に戻ろう. 3 ページしかない論文なので直接読んだ方が速いだろうが,簡単に証明のアイデアは C[z] の既約多項式は 1 次式しかないことを示すことだ. 既約多項式による商環を取ると,既約性からこれが体になる. この商環に適切なノルムを入れることができ,ここから Gelfand-Mazur で証明が終わる.
大した話ではないと言ってしまえばそれまでだが,18-19 世紀から知られている 定理であっても,特に大事な定理は証明の改良や新たな証明が 提案されることがあるということはあまり知られていない気がしたので,紹介した次第だ.
堀田さんの本も読んでみたい.


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