河東研の学部 4 年セミナーに使われる本の紹介ページが出ていたので

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勝手に例年楽しみにしている河東研の学部 4 年セミナーに使われている本の紹介ページが出ていた.

  • 書名: “A Short Course on Spectral Theory” (Graduate Texts in Mathematics 209)
  • 著者: W. Arveson
  • 出版社: Springer
  • 発行年: 2002

作用素のスペクトルの理論を扱いますが, 関数解析の基本的な内容は ある程度知っている必要があります. 作用素環的な雰囲気があちこちに 出ています.

  • 書名: “A Course in Functional Analysis” (Graduate Texts in Mathematics 96)
  • 著者: John B. Conway
  • 出版社: Springer
  • 発行年: 1990

普通の関数解析から始まります. いろいろなことが書いてあり, 最後の方では C*環の話も出てきます.

もっと専門的な本はこちら.

Currently Available Books on Operator Algebras

  1. Mathematical Theory of Quantum Fields by H. Araki, Oxford University Press, 1999.
  2. An Invitation to C*-Algebras by W. Arveson, Springer 1976.
  3. K-theory for Operator Algebras by B. Blackadar, Cambridge University Press, 1998.
  4. Operator Algebras by B. Blackadar, Springer, 2005.
  5. Wavelets through a Looking Glass: The World of the Spectrum by O. Bratteli and P. E. T. Jorgensen, Birkhauser, 2002.
  6. Operator Algebras and Quantum Statistical Mechanics, Volumes III by O. Bratteli and D. W. Robinson, Springer, 1987-2002. (a pdf file supplied by the author) (a pdf file supplied by the author)
  7. Noncommutative Geometry by A. Connes, Academic Press, 1995.
  8. C*-Algebras by Example by K. Davidson, Amer. Math. Soc., 1996.
  9. Quantum Symmerties on Operator Algebras by D. E. Evans and Y. Kawahigashi, Oxford University Press, 1998.
  10. Local Quantum Physics by R. Haag, Springer, 1996.
  11. Fundamentals of the Theory of Operator Algebras, Volumes IIIIIIIV by R. V. Kadison and J. R. Ringrose, Amer. Math. Soc., 1997.
  12. An Introduction to K-Theory for C*-Algebras by M. Rordam, F. Larsen and N. Laustsen, Cambrige University Press, 2000.
  13. Theory of Operator Algebras, Volumes IIIIII by M. Takesaki, Springer, 1979-2003.

Back to the Home Page of Kawahigashi.

Wavelet の本, あれは本当に作用素環の本だったのか. Bratteli のページにあったので名前だけは知っていたが, 分野を変えたという話で, 作用素環ではない話なのかと思っていた. あと, 以前河東先生から「Local Quantum Physics は Haag の哲学を書いた本で勉強用に読む本ではありません」というのを直接聞いた. 実際ある程度読んでみようとしたことがあるが, さっぱり分からなかった. 多分今読んでも無理だろう. 荒木先生の本も省略が多くて読めたものではない. その分短いので, 大体どんな話があるかだけ知りたい場合に眺めるのにはいいだろう. 勉強に使える本ではない.

Davidson の本は例がたくさんあって比較的良いらしいが, 内容にムラがあってやたら適当なところややたら詳しいところがあったりすると, いま東北の助教をしている三村さんに伺ったことがある.

Bratteli-Robinson は作用素環の量子統計におけるバイブルなのでその方面の人は読まざるを得ない. ただ, 必要なことが大体全部書いてある分, 雑多と言ってもよく純粋に作用素環を学びたいという人が読む本ではないだろう. 私も全部は読んでいない.

Connes の本もあれで勉強するのはしんどそう. 色々書いてあるので眺めていると楽しいのは間違いない.

Kadison-Ringrose は私も多少読んだ. 普通の関数解析から始まり, Banach 環の話などをしたあと, 作用素環の話題に入る. 作用素環としては標準的だろう. もう少ししっかり読むべきだったとは思っているが, 早く論文読みたかったので適当に切り上げて Bratteli-Robinson に移った. 富山先生に「教育熱心な彼等が書いた良い本だ」と言われた覚えがある.

一番基礎から本格的なのはやはり我らが竹崎先生の書いた三部作だろう. 私は何かの参考で 1-2 度参照しただけで, 全く読んでいない. 以前九大の増田さんの書評で「良い本だが具体例の扱いがかなり後回しになってしまっているので, 詳しい人の指導を受けて適宜例を補いながら読むととてもとてもよい」というのがあった覚えがある. 同じく増田さんの書評で, 竹崎先生の「作用素環の構造」は滅法面白いというのがあった. こちらも読んでみたい. これは軽く眺めたとき, 零れ話的な話で竹崎先生が大発見を逃がして Connes に先にやられてしまった話などが書いてあったり, そういう部分が楽しかった. 何十年も前の話なのにやはり余程悔しかったようで, ちょっとしたスピーチでも良く話を取り上げるようだ. 同じ話を 3 回くらい聞いたことがある. ちなみに今になっても悔しくなるだろう, というくらい作用素環には決定的な話で, Connes コサイクルとか何かその辺の話.


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