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かもさんのつらいツイートを見た.
勤務先でこういう悩みに出会わなかったのは、優秀な学生に恵まれた幸運なのでしょう。 http://t.co/dQscwPNlzW
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2014, 11月 10
勤務先と関係ないところでは、「定義」の概念をもたない人に話が通じないことはよくあります。それで会話を打ち切ったのを、つい最近、経験しました。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2014, 11月 10
上記かもさんのツイートのリンクからも引用しておこう.
数年前に、東大の大学入試で、
「三角関数の定義を与え、その定義に基いて加法定理を証明せよ」
という内容の問題が出されました。
思いきった出題をされたなあ、と一部の数学の人の間で話題になったのですが、
私は、こういう出題は東大だからこそできたのだろうなあ、と思いました。きちんとした定義を与え、それに基いて論理的に議論を展開することの重要性は、
新井先生が「生き抜くための数学入門」で既に説明されているので、
私が改めてここで話す必要はないのですが、
実際に大学で学生さんと話をしていると、
定義をきちんと押さえることが何よりも大事だということを理解してもらえていないことが、
(自省もこめて)分かります。中略
もうひとつは、受験者数に影響する可能性があるということです。
以下は憶測ですので、私の勘違いであるかも知れないということを前提として頂きたいのですが、
「受験生は入試で課される科目数や入試問題の内容によって、どの大学を受験するかを決める」
ということが暗黙の了解としてあるような印象をもっています。
受験者数(競争率)という分かりやすい数値データは一人歩きします。
それは大学の外部評価ということにつながるかも知れません。
そのようなデータに入試問題の内容が影響しているのだとすれば、
これはかなり微妙な問題になってきます。定義は知らなくても計算はできます。
その計算で何をやっているのかが自分で理解できていなくても、です。
効率を考えれば、とにかく点数につながるようなそれらしい数式を得られれば良し、
というところを目指すのは、必然なのかもしれません。
しかし、数学を勉強することが、ただの必要悪になっているのだとすれば、とても悲しいです。
このあたりのことは、いわゆる文系の方にも伺ってみたいところです。
とてもつらい.
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