田崎さんの東大での集中講義の懇親会の様子: 清水さんから宿題をぶっこまれたので

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12/8 は 田崎さんの東大での集中講義 最終日で,
懇親会もあったので参加してきた.
自己紹介の時間があって市民であることを強調してきたが,
集中講義でいろいろ質問して, 田崎さんからもテンポよく
適切な質問をしてくれたとのコメントを頂いているので,
東大各位に市民の底力を見せつけることができたと思う.

懇親会で清水さんの隣に座ることになったのだが,
ちょっと会話したのでその記録.
多分書いても問題ないと思うので, 自分用のメモでもある.

元から知っている人はともかく, 初めて会った人も
私の動画などを知っていたようで, 東大物理界隈にも
無駄に相転移P 概念が浸透しつつあるようで今日のいい話としたい.

最後のツイート引用のように, 清水さんから田崎さんのレポートよりも
遥かに重い宿題を出された感があるので, それなりに何とか頑張りたい.

あと清水さんからコメントされたというか
要望というか, 次の期待・希望が出た.

  • \(x^{100}\) だとかの期待値も自由に取れるようなクラスで状態を考えたい.
    • 要は急減少関数のように \(x^n\) の期待値が自由に取れるような状態だけで考えたい.
    • \(L^2\) は可積分性だけなのでその点が一般には保証されないので嫌だ.
  • Fourier 変換は緩増加超関数 \(e^{ikx}\) による一般固有値展開なので, そう思った素直な定式化がほしい.

問題を多少数学として多少意味があるように言い換えたので
清水さんの正確な要望とは違っている可能性もあるが,
大体こんな感じだと理解した.

田崎さんからは「\(x^{100}\) とかは定義域をきちんと調べるのが数学的に筋」という
コメントが出ていたし, 私としてもそのスタンスだが,
何か嫌なのだろうな, というのはわかる.
ちなみに (基底) 状態の regularity という議論は,
考えている系の基底状態が \(x^n\) の期待値計算ができるかというような話に対応している.
量子力学だとあまりよく知らないのだが, 場の理論では
廣島先生などが汎関数積分を使って議論している.

私も水素原子の基底状態は微分不可能な点があるので
急減少関数と緩増加超関数を考えた場合の
Gelfand triple では物理として問題があること,
\(x^n\) 上の定義域問題など, 無限遠での減衰が問題というのはよくあって,
その辺は結構議論されているらしい的なことはコメントしてきた.

ただ, 少し調べたみたらこれは私の勘違いだったようで,
数学的には超関数 (相当の数学的対象) を使うようだ.
実験的に準備できる状態としていわゆる試験関数を取るという方向らしい.

量子力学 (の数学) はよく知らないので大変困っている.
あとこの辺, あまりに物理に貢献できるというか
物理的に意義がある気はしないし, 数学的にも面白いのかどうかも
よくわからない.

どうせ業績にならなくても困りはしない身分なので
まず調査をはじめた.
考えてみればこの周辺の話はちょうどいま場の理論に対して
やろうとしているテーマそのものなので多少なりとも参考にしたい.
今の時点でわかっていることについては,
後で適当にまとめて清水さんに連絡したい.

あと田崎さんが「Hermite と自己共役性の区別」だとか,
その辺にもきちんと注意した物理の本がほしいとか何とか言っていた.
例として有界区間で Dirichlet 境界条件をつけた運動量作用素が
Hermite だが自己共役にならないとかそんなのを上げていた.

物理の本というとつらいところはあるが,
その辺の参考になるような資料は math-textbook プロジェクトで
何とか提供していきたいとは思っている.

市民はつらい.

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