Sangyoh_sus さんによる『ゲージ理論入門』の PDF を読んだので

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せっかくなので読んでみた.
前半部分の多様体の基礎を非可換幾何の観点から説明していると思しき
Frohlich, Grandjean, Recknagel の
Supersymmetric Quantum Theory and (Non-Commutative) Differential Geometry
を前から読んで適当にまとめてセミナーしたいと思っているのだが
時間が取れていない悲しみがある.
http://arxiv.org/abs/hep-th/9612205

内容と関係ないが, 学部 2 年くらいでこの辺の勉強をしたとき,
何を言っているのか本当にわけがわからなかったので
多少は成長している感がある.

あとコメント.

P.8
このような連続的変換は, 量子力学において状態ベクトルという概念が見いだされ, 「状態 A と状態 B の中間的状態が連続的に存在する」という状況が現れたことで, 系の状態の変換は連続的にならざるを得なくなった.

量子系とか面倒なこといわなくても,
古典系で回転の表現とか, もっというなら時間・空間の
並進対称性の表現がばりばりに連続だし, そちらの方が
歴史的にも古いからそのレベルで紹介すれば十分だろうが,
一応, 素粒子・場の理論で使うということを意識しての説明なのだろう.
オーバーキル気味の説明という気はする.

ラグランジアン密度に M 上の場=ベクトル束の切断のみが入ることを許すという単純な仮定によって正当化できることは特筆に値すると筆者は考える.

この仮定, (数学的に) どのくらい強いのだろう.

これでは全ての力を統一する理論は無理なのか, と思われたところに, 「超対称性と呼ばれる対称性を考えることで P と内部対称性の群が混ざることができる」という定理が証明された (Haag-Lopuszanski-Sohnius の定理).

もしや, と思って調べてみたら案の定この Haag は AQFT の創始者の
Rudolf Haag だった.
Haag は本当に化け物だ.

関係ないが, これを検索しているときに芝浦工業大の守屋創さんの
C を使った超対称性の研究に関する PDF を発見した.
先日の RIMS での研究集会【量子場の数理とその周辺】で
少し守屋さんの名前が出たので, 勝手におお, と思った.
私の中で守屋さんというと Araki-Moriya の
Equilibrium Statistical Mechanics of Fermion Lattice Systems が
気になっている.
http://arxiv.org/abs/math-ph/0211016

これからがんがん使いたいのにあまりまともに読めていない.
精読したい.

それはそれとして, これを math-textbook にぶっこみたい.
https://github.com/phasetr/math-textbook

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