このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
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ここまでの記事では具体的に勉強法を提示したあと,
特に独学をしなければならない状況にある人達のことを考えながら
独学の意義と重要性を説明しました.
まだご覧になっていない方は こちら からご覧ください.
今回は勉強法を身につけたあとの話をします.
特に私はこれを読んでくださる方に
いわゆるいい大学・難関大に入ってほしいと思っています.
それが何故かをお話していきます.
まず理由を端的に話しておきましょう.
それはいい大学・難関大学には
世界的に優秀な人が教官のみならず学生サイドにも多くいて,
彼ら・彼女らと切磋琢磨しあえる環境があるからです.
ここでも詳しい話は後にして,
まずは簡単な自己紹介を兼ねて背景を説明します.
私は世間でいう尊敬という感情・感覚がよくわかりません.
世の中には優れた業績をあげる人達がいて,
その人たちは素晴らしいと敬う人達がいます.
私にはその感覚がよくわからないのです.
私はそういうすごい人を見ると, 次のように思います.
- この人達と楽しいことがしてみたい!
- この人達ですら面白がらせることができたら楽しいだろうな!
こうした心の動きは,
世間で尊敬と言われる感情や行動ではないようです.
私が特に心動かされるのは数学や物理といった学術的なことです.
その分野で「この人達と面白いことがしたい」と思うなら,
そういう人達が集まる場所に行くのが一番早いでしょう.
私はそれが難関大学だろうと思いました.
それで私は難関大学と呼ばれるところへ行きたかったのです.
特に東大は高校から歩いてでも行ける距離だったため,
高校からの帰り際, 東大に行ってはここで勉強したい,
すごい人達と楽しいことをしてみたいと思って
ワクワクしながら散策していたものです.
いまにして思えば生協の本屋や
学食に潜ってくればよかったとも思いますが,
高校の頃の私はそこまで大胆になる度胸がありませんでした.
今となってはそもそもそんなことは
大胆でも何でもないとわかりますが,
その頃の私には高いハードルでした.
結局学部では現役浪人共に落ち,
専門の関係とはいえ院で入ってようやくそれを叶えたのですが1.
世界あるいは人類クラスのパフォーマンスを誇る人達は
どの分野にもいますし, そのパフォーマンスを見る機会はそれなりにあります.
私にはそんな余裕がありませんでしたし
残念ながら今もないですが, お金を積めるならその機会も増やせはします2.
例えば有名なアーティストのライブです.
しかしそのクラスの人達と日々間近に接すること,
机を並べて共に学び切磋琢磨し合う,
そんな機会に恵まれることはそうありません.
そしてそうやって過ごした同級生が
後々世界的な業績を上げていくという経験もそうはできません.
単に同級生が有名人になったという話ではないのです.
共に同じ夢や理想を追いかけ, 切磋琢磨し,
彼ら・彼女らの知性に少しでも貢献した,
それを通じて人類に貢献したと自負できるかを重要視しています.
そしてそんな経験ができる場所・分野があって,
私はそうした場所・分野の 1 つ,
そして門戸が非常に大きく開かれてすらいるのが大学だと信じています.
教官の優秀さでいうのならいろいろな大学にいろいろな教官がいて,
いわゆる難関大でなくても優秀な人は多いですし,
世界的に有名な人だっています.
しかし日々一番間近で一番時空を共有できる学生サイドに
学術的に世界・人類クラスのパフォーマンスを誇る人達が
いるかどうか, これは難関大学の方が
はるかに可能性が高いのではないでしょうか.
これが私が難関大学を勧める理由です.
私の場合, 東大修士での同級生に現慶応の助教,
佐々田槙子さんがいました.
博士を1年半で終わらせ, すぐに慶応での職を得ています3.
いくつかの幸運があったにせよ,
きちんと世界的な業績があってこその話です.
専門は違うし, 院からの東大進学という関係で
あまりきちんと話したこともなかったのですが,
佐々田さんそこまで優秀だったのかとさすがに驚きました.
もっと仲良くなっておけばよかったと悔やまれてなりません.
修論発表練習会は同じ部屋でやったこともあり,
修論発表も聞いたことも思い出します.
20 分しかないのに 50 枚近く高密度のスライドを用意していて,
そのスライド枚数はないわ, と思ったことも思い出します.
また早稲田の学部 4 年のときに出会って
一方的に知っている人として,
いま東大助教の權業善範さんがいます.
学部 4 年のとき, 大学院での数学的方向性としては
作用素環に行こうと思っていました.
無茶苦茶な異名ですが非可換ガロア理論と
呼ばれることがある分野にも興味があったので,
早稲田の数学科の学部 3 年のガロア理論の講義に潜っていて,
そこで非常に利発な青年として權業さんが目立っていました.
昔の廣中先生のような髪型をした小松先生が
ちょっとした問題を出したとき,
權業さんが「それ自明では」というようなことを言い
「權業君には簡単かもしれないけど
他の人にとっては必ずしもそうではないから」と
あの穏やかな言い方で苦笑していたのを思い出します.
「こいつできるな」と思っていたら本当にできる男でした.
そして大学院での先輩は大体皆優秀で,
やたら学振の採択率が高かったりなどいろいろあって,
世の中すごい人達はいるものだと感心しっぱなしでした,
こういう経験を趣味を同じくする他の人にも
体験して欲しいというのが私の願いです.
もちろん難関大学卒にはその他にもメリットがあること,
特に社会的信用に関わるメリットがあることも否定はしません.
例えば 2015 年 6 月現在,
就活での学歴フィルターという問題があります.
大まかにはいわゆる低ランク大学の学生は
企業説明会にすら参加できないような状況です.
そして実際に社会的信用も変わります.
私自身あえて学部では早稲田, 修士では東大というのを
出して「権威」付けに使っています.
自分の発言を少しでも遠くまで届かせたいし,
そのための強力な武器になってくれるからです.
しかしここではそれはあくまで二次的要素としたいのです.
そうした大学に通うことで出会える人類クラスの化け物,
そして彼ら・彼女らと切磋琢磨できる経験,
それこそを推したいのです.
これに共感してくださる方に
少しでも素敵な出会いが訪れることをただただ祈っていますし,
祈るだけでなく具体的な武器として勉強法をお渡しするべく
活動を展開していきます.
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