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黒木さんのツイートまとめ+感想ということで.
数学の理解度を数学を教える側がどのように判断することがあるか? 一つの判断基準は「簡単な(反)例をノータイムで挙げられるかどうか?」 小難しい証明を黒板に書けていても、ノータイムで簡単な(反)例が出て来ない学生は実質的に何も理解していないことが多い。数学もまた厳しい世界。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
@genkuroki 数学科での教え方と学び方の両方には伝統的に大きな欠陥があるのではないかと感じることがある。この問題意識と「ノータイムで簡単な(反)例を挙げられるか?」という理解度の測り方は直接に関係がある。簡単な(反)例を知らないままで小難しい定義を理解するのは無理。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
@genkuroki たぶん、この問題意識もかなり伝統的なもので、昔から数学科では「定義や定理について習ったら必ず例を3つ以上作りなさい」と教える伝統があると思う。「例を3つ以上」という言い回しを聞いたことがない数学科卒業生は多いと思う。ぼくもどこかで聞いたことがある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
順に雑感を書きたい.
数学の理解度を数学を教える側がどのように判断することがあるか? 一つの判断基準は「簡単な(反)例をノータイムで挙げられるかどうか?」 小難しい証明を黒板に書けていても、ノータイムで簡単な(反)例が出て来ない学生は実質的に何も理解していないことが多い。数学もまた厳しい世界。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
【実質的に何も理解していない】というところがかなり気になる.
最近間口を大きくするために 受験生向けの話 もいろいろ書いていて
そこで改めて思ったことに,
そもそも「理解とは何か」自体がかなり定義の難しい概念という感じがある.
定理の証明がまるで追えなかった,
または一部どうしてもギャップが埋められなかったところを
埋められたというのも理解が進んでいる証なのは間違いない.
五里霧中状態だと (後で見れば) 簡単な例も
本当に作れないことがあるので, とてもつらい.
もちろん五里霧中なので,
少なくとも crystal-clear な理解に至っていないのは自明ではある.
うまいこと言葉にできないのだが,
ただ一言つらいとだけは言っておきたい.
越えるべき壁であることは間違いないので,
簡単な例を作る修行をすべきことに異論はない.
@genkuroki 数学科での教え方と学び方の両方には伝統的に大きな欠陥があるのではないかと感じることがある。この問題意識と「ノータイムで簡単な(反)例を挙げられるか?」という理解度の測り方は直接に関係がある。簡単な(反)例を知らないままで小難しい定義を理解するのは無理。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
そもそも修士の 2 年しか数学科にいなかった上,
教える方の経験が段違いなのでいろいろアレだが,
教え方と学び方のギャップは感じないこともない.
(反) 例を作る大切さに関しては次の DVD を作ったくらいだ.
これも受験生向け情報発信で思ったことだが,
自分自身, 大学に入るまで,
根本的に「学ぶことは誰かに教えてもらうことだ」という姿勢があった.
この辺からして既に問題だと認識している.
早いうちから, それも嫌でも本格的に勉強せざるを得ない機会である
大学受験からそういう姿勢を学んでほしいし,
そのためにブログにまとめた記事を Kindle にもまとめたくらいだ.
最後これ.
@genkuroki たぶん、この問題意識もかなり伝統的なもので、昔から数学科では「定義や定理について習ったら必ず例を3つ以上作りなさい」と教える伝統があると思う。「例を3つ以上」という言い回しを聞いたことがない数学科卒業生は多いと思う。ぼくもどこかで聞いたことがある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
口伝で「3 つ以上例を作れ」というのを聞いた記憶はないが,
院でのゼミ中, 定理の言明に関して「そういう例は何かありますか」と聞かれて
例を挙げられなくてつらかったことはある.
閉作用素に関する話で, もう言明が何だったかも覚えていないが,
いまだに例が作れていないことだけは覚えている.
次週のゼミの準備で手一杯で, という言い訳で
結局さぼって例を作らなかった苦い記憶がある.
一言でまとめると【つらい】.
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