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次の本を元に脳内授業の例, 数学版をたくさん出していきます.
やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ, 河合出版)
勉強法として自学自習・独学・脳内授業をお勧めしています.
また見ていない方は次のページや
Kindle にまとめた書籍を参考にしてください.
- 大学受験まとめ のページ: 関連資料, 記事一覧あり.
- 独学のすゝめ 大学受験勉強法 あなたが大学受験で失敗・後悔しないために: 私はなぜあなたにいい大学・難関大に入ってほしいのか
『やさしい理系数学』は「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.
目次
解説『やさしい理系数学』第 4 章 図形と方程式 例題 11 類題頻出
問題 (類題頻出)
問題 1
\(xy\) 平面上の点 \((1, 2)\) と, 直線
\begin{align} ax – y = 2a – 1 \end{align}との距離の最大値と, そのときの実数 \(a\) の値を求めよ.
問題 2
\(\mathrm{O}\) を原点とする座標平面上の点 \(\mathrm{A} (1, 2)\) を通る直線が
両座標軸の正の部分と \(\mathrm{P}\) と \(\mathrm{Q}\) において交わるとする.
三角形 \(\mathrm{OPQ}\) の面積を最小にするには,
\(\mathrm{P}\), \(\mathrm{Q}\) をどこにとればよいか.
ポイント
【問題 1】のポイントは次の通り.
- 点と直線の距離公式.
- 最大最小問題の処理.
- 実数条件.
- 直線が必ず通る点.
【問題 2】のポイントは次の通り
- 最大最小問題の処理.
最大最小問題については例題 7 を参考にしてほしい.
方針
問題 1
方針は 3 通りくらいある.
それぞれ見ていこう.
愚直な方法は点と直線の距離をそのまま使うことだろう.
求めるべき点と直線の距離を \(d\) とすると,
\begin{align} d = \frac{|a + 1|}{\sqrt{a^2 + 1}}. \end{align}あとはこれの最大最小の処理をするだけ.
理系の人は微分を使えばいい.
他には \(d = \frac{|a + 1|}{\sqrt{a^2 + 1}}\) は絶対値があってうっとうしいので
これを外すこと, \(a\) の実数条件を使うことを考える.
両辺を 2 乗して整理すれば \(a\) の整式ができる.
ここから \(a\) の実数条件に落とし込む.
\(a\) の 2 次式になるとは限らないので場合分けには十分気をつける.
もう 1 つは問題の直線 \(l\) が必ず通る点を調べてみる.
方程式は \(y – 1 = a(x-2)\) と書き直せるからこの直線は \((2, 1)\) を必ず通る.
点と直線の距離の定義から, この距離は点から直線 \(l\) におろした垂線 (線分) の長さだ.
だからこの垂線と \(l\) が直交するときに距離が最小になるはずで,
この直交条件を調べればいい.
問題 2
具体的に \(\mathrm{P} (p, 0)\), \(\mathrm{Q} (0, q)\) (\(p\), \(q > 0\)) と座標を徹底的に使うようにすればいい.
そうすれば \(\triangle \mathrm{OPQ} = pq / 2\) になるから \(p\), \(q\) の動く範囲を調べればその中で最大最小の評価ができる.
その条件が何かだが, 問題文の条件しか使えないので問題文を読む.
すると直線 \(\mathrm{PQ}\) が \(\mathrm{A}\) を通るから直線 \(\mathrm{PQ}\) の方程式を立てて代入して次の制限がつくことがわかる.
\begin{align} \frac{1}{p} + \frac{2}{q} = 1. \end{align}あとは \(\triangle \mathrm{OPQ}\) に突っ込んで調べればいい.
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