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次の本の問題の解説で特にわかりづらい部分や
大切な部分を補足していきます.
物理重要問題集 2015―物理基礎・物理
勉強法として自学自習・独学・脳内授業をお勧めしています.
また見ていない方は次のページや
Kindle にまとめた書籍を参考にしてください.
- 大学受験まとめ のページ: 関連資料, 記事一覧あり.
- 独学のすゝめ 大学受験勉強法 あなたが大学受験で失敗・後悔しないために: 私はなぜあなたにいい大学・難関大に入ってほしいのか
『物理重要問題集 2015―物理基礎・物理』は
「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.
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目次
解説『物理 重要問題集』91 薄膜による光の干渉 (2011 筑波大)
解説
全体
またも前半は完全に教科書だ.
後半の論述が鍵になる.
後半の論述が難関大らしい設問であるとはいえ,
筑波ですら教科書そのままの問題を出してくることに注意しよう.
これは
- 教科書の議論を完全に身につけ,
- 波動分野の思考法を完全に頭にインストールしてほしい,
こういう筑波からの強いメッセージと思ってほしい.
もちろん他の大学の教官だってそう思っている.
後半の論述は【式から現象を論じる】というまさに物理だ.
受験だと「これを計算せよ」「求めよ」がメインなので
なかなか大変だと思うが,
大学に入ったあと, 特に研究フェーズに入ったあとは
計算結果をどう読めばいいのかが特に大切になる.
もちろんそれだけ難しいことだ.
丁寧に身につけてほしい.
(1) ア
屈折の法則から機械的に計算するだけだが,
物理として根本的な原因・イメージは物質中だと光が進むのを邪魔されることにある.
振動数は変わらないが進むのを邪魔されるので光の速度が落ちる.
波の基本式 \(c = f \lambda\) から \(c\) が物質中の光速 \(c’\) になるので波長が変わるのだ.
(2)
教科書レベルの問題だ.
しかし試験本番で
- 教科書の, 物理の思考プロセスを完全に追い切れるか,
- 理解できているか,
- 理解はできていなくてもきちんと覚えているか,
これが問われている.
平面幾何的な導出も教科書に書いてあるはずなので, きちんと身につけておくこと.
教科書や参考書を読んでいるだけでは身につかないので,
こうした問題演習の中で身につけるのがいい.
(4) (5) (6)
いかにも物理, という感じのいい問題.
大学では実際にこうした数値的な感覚を持つように厳しく指導される.
またここで問われているのは具体的な数値というよりも桁 (オーダー, order) に対する感覚だ.
どのくらいの桁でどんなことが起きるかを知っておくことは物理では決定的に大事.
難しいので受験だとなかなか出てこない難関大向け論述問題だ.
積極的にそこを突いてきているあたりに筑波の出題者の意気込みを感じる.
少し難しいのでよほど化け物じみたレベルの受験生でもない限りなかなか頭に入らないだろうが,
何度もくり返してこの思考法を身につけてほしい.
実験できれば一番なのだが, 薄膜の厚さ制御技術が必要で結構大変な気がする.
実験の人に実現法を聞いてみたいくらい.
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大学受験に限らず何か聞きたいことがあれば
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