『NHK 数学ミステリー白熱教室 ラングランズプログラムへの招待』第 1 回に関する東北大助教 黒木玄さんの感想・コメントツイートまとめ+私のコメント少々

この記事は11分で読めます

このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.

中高の数学の復習から専門的な数学・物理までいろいろな情報を発信しています.
中高数学に関しては自然を再現しよう役に立つ中高数学 中高数学お散歩コース
大学数学に関しては現代数学観光ツアーなどの無料の通信講座があります.
その他にも無料の通信講座はこちらのページにまとまっています.
ご興味のある方はぜひお気軽にご登録ください!


先日とりあえず緊急速報を出したが,
時間が取れなくてまだ見られていない.
とりあえず東北大数学の黒木さんが色々言っていたので,
それをいったんまとめておく.
何となくまだ追記されていきそうな感じもするが.

数学者からどう見えているのか,
どんな風に突っ込んでいくと純数学的に面白いのかといったことが
見えて楽しい人には楽しいだろう.
私が子供の頃に知りたかったことでもあるし,
この記事更新を流す Twitter には同じような気持ちを持つ中高生もいる.
少しでも楽しんでもらえれば, ということで.

前書きはこのくらいにして, バンバン張っていく.

こういうのかなり大事で,
もっと前面に出す機会があった方がいいとは思う.
他はどうかは本当にわからないが,
数学者, 異常なくらいフランクな感じがある.
すぐに探し出せないが, Jones の Fields 賞の授賞式に関する河東先生の記録で,
「普段は半袖短パンの Jones がさすがにそれでは
まずいと思ったのか, 授賞式のときは (半袖短パンで) ネクタイをつけていた」
というのがあった気がする.
これ, 私が見たときは河東先生のホームページに置いてあった記録なので,
興味がある人は探してみてほしい.
そして私に教えてほしい.

頂点作用素代数の話が (も) 書いてあった気がするが,
頂点作用素代数は作用素環での代数的場の量子論とも深い関係があり,
上記の河東泰之先生 (私の指導教官) も研究している.
時々「頂点作用素代数の研究集会に行きましたが, 作用素環の研究者は私だけでした」
みたいなことも言っている.

共形場とその周辺は数学だとホットな話題で Fields 賞も割とよく出ている魔界.
Borcherds はまさに頂点作用素代数関係で仕事をしているし,
代数幾何まわりでもいろいろな話題があると聞いている.
Werner も確率論と共形場という話題で重要な仕事があり,
それも含めて Fields 賞を取っている.

頂点作用素代数は恐ろしく複雑な公理を持つ代数系で,
勉強・研究するうちに勝手に覚えるのだろうが
激烈うんざりする.

もちろん共形場は物理の方でも大事 (らしい).
超弦理論での AdS/CFT とかある (名前しか知らない) し,
相転移でも Ising からの接続とかいろいろある.
超弦理論の物理がまだいろいろ議論があるとかそういうのはいったん置いておく.
そもそも全く知らないので触れようがない.

ここの話とはあまり関係がないが,
場の理論から数論の中心的なテーマの 1 つ,
Riemann の \(\zeta\) を導出していろいろ調べるという話がある.
北大の新井朝雄先生の次の論文はとても読みやすい.

読みやすいとは言っても無限次元 Hilbert 空間のテンソル積からなる
無限直和とその上の第二量子化作用素とかそういう数学に耐えられる必要はある.
収束とかその辺はあまり気にしなくてもいいのだが,
こういうのを見て「ウッ」と思うようだとかなりつらい.
要望があるようなら YouTube に動画でも出そうとは思っている.
優先順位の問題があるのでずっと上がってこなかったのだが,
要望があるならもちろん優先度をあげていく.

全く関係ないが, 以前東大の数学科に
論文だか教科書を読んでいてわからないことがあったとかで
Weil に電話した人がいると聞いた.
それも (確か) 大学院くらいのときの話と聞いた気がする.
時代もあるので手紙やメールならわかるが,
電話とかパンチ力高い.

この辺で有名な話だと, やはり徴税人をしていたからという理由で
フランス革命でギロチンで処刑された話題がある.
最近嫌な方向で話題に挙がることも多い La Marseillaise をも想起する.

少し話がずれるが,
von Neumann が有名な『量子力学の数学的基礎』で,
わざわざ \(\delta\) 関数は関数として存在しないことを示した (いま早稲田の小澤徹先生が言っていた) という話を聞いた.
(その当時の) 数学では異常にしか見えないところが
物理では普通に出てくるところで,
そこに切り込んでいくタイプの話, 超好きなのでそういうのがやりたい.

あと Weil に関しても,
相対論的場の量子論での表現論で,
数学的に難し過ぎて Weil ですら太刀打ちできなかったところを
物理でどうしても必要だからということで
Wigner が先鞭をつけ Dirac がさらに切り開いた
Lorenz 群の無限次元ユニタリ表現とかの話も凄く好き.
これについては平井武先生の『線形代数と群の表現 II』P.453-454 とかを読んでみよう.

こういう真っ当な数学者が近寄ってくれなくて,
業を煮やした物理学者が自分達で何とかしたみたいな話がすごく好き.
出てくる名前が Nobel 賞, Fields 賞クラスなので,
爆笑するが, かといって夢は夢だし小さくても自分でも何かしたいし,
大人のそういう姿を子供達にも見せたいとずっと思っている.
(正しい) 努力をやめてはいけない.

トポロジーも数論に負けず劣らずいろいろな数学が交錯する分野という印象がある.
非線型偏微分方程式までぶっこめるとか尋常ではない.
微分幾何関係であるのはそれは普通だろうが,
位相的な性質まで微分方程式で議論するとか無茶にもほどがあると思っている.

全くお勧めしないが,
数学的に何とかなっている Feynman 積分 (経路積分, 汎関数積分) については
例えば
Lörinczi-Hiroshima-Betz の『Feynman-Kac-Type Theorems and Gibbs Measures on Path Space: With Applications to Rigorous Quantum Field Theory』とか
新井-江沢の『場の量子論と統計力学』あたりがある.

前者は非相対論的場の量子論に関する割と最近の発展までをカバーしている.
後者はちょっと古いが相対論的場の量子論レベルの話をカバーしている.
ここで関係のある超弦理論レベルの話には全く追いついていなくて,
その意味では使いものにならない.
両方とも私より数学ができるなら読めるだろう.

上の本で厳しいがもう少し簡単なところを数学的に厳密に見てみたいという
奇特な方は新井朝雄先生の『量子数理物理学における汎関数積分法』を勧めておく.
これなら私と同程度にしか数学ができなくても読める.

何かいかにも後が続きそうだが,
あったらあとで追加する.


中高の数学の復習から専門的な数学・物理までいろいろな情報を発信しています.
中高数学に関しては自然を再現しよう役に立つ中高数学 中高数学お散歩コース
大学数学に関しては現代数学観光ツアーなどの無料の通信講座があります.
その他にも無料の通信講座はこちらのページにまとまっています.
ご興味のある方はぜひお気軽にご登録ください!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 相転移Pの写真
  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

このサイトについて

数学・物理の情報を中心にアカデミックな話題を発信しています。詳しいプロフィールはこちらから。通信講座を中心に数学や物理を独学しやすい環境づくりを目指して日々活動しています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

YouTube チャンネル登録

講義など動画を使った形式の方が良いコンテンツは動画にしています。ぜひチャンネル登録を!

メルマガ登録

メルマガ登録ページからご登録ください。 数学・物理の専門的な情報と大学受験向けのメルマガの 2 種類があります。

役に立つ・面白い記事があればクリックを!

記事の編集ページから「おすすめ記事」を複数選択してください。