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第 2 回どころか第 1 回もまだ見ていないが,
黒木さんのツイートがあったので,
数学者サイドからの数学的面白さへのコメントとしてまとめておく.
文献もいろいろ紹介されているので興味がある人はぜひアタックしてほしい.
まるで畑違いなので答えられることは絶望的に少ないだろうが,
何か疑問があれば私で答えられることは答えていきたいとも思う.
#数学 https://t.co/2AQ5FI4wQD 数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 第1回 11月13日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学 https://t.co/620wq55q3W 全体的に「対称性」の話を強調している感じになるのかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学 おすすめの本。ぼくは学生時代から次の本の大ファン。 https://t.co/sSganP0I5L ガロアの夢―群論と微分方程式 久賀道郎 面白おかしく数学的本質が分かり易く書かれているすんごい本。大学1年生でも十分に読めるように書かれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
この本, 有名だが読んだことがない.
#掛算 https://t.co/620wq55q3W NHK 数学ミステリー白熱教室 第2回目 今晩午後11時からEテレで 第1回目→ https://t.co/tIZf7Rl6Me
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算 https://t.co/ihDulGHVMx 【数学界の“天才ハッカー”とも呼べるガロアの驚異のアイデアを紹介していく。】 数学界の“天才ハッカー”!!!(^_^;) ガロアさんのアイデアは画期的だったよね。その後の数学と物理学を支配する基本アイデアの一つになった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算 ラングランズ・プログラムについて一般大衆に分かり易く説明することは正直「むりげー」だと思う。フレンケルさん、一体どうするつもりなんだろうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算 E.フレンケルさんの数学的仕事を理解するためには2次元量子共形場理論の数学の知識が必須。世界的に見ても最高の教科書である山田泰彦著『共形場理論入門』が絶賛品切れ中(古本で24466円!)。培風館さん、品切れを何とかして! https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
いろいろなしがらみで難しいっぽい感じもするが,
PDF での販売とかできないのだろうか.
印刷だとか取次だとか流通の分を考えなくてもいいから,
その辺のコストは切れると思うのだが,
素人の浅慮は当然あるだろう.
サイエンス社が別冊数理科学で PDF 販売しているし,
できないことはないと思っている.
#掛算 ←このタグ付けは誤り。正しくは→ #数学 面倒なので修正しません。ごめんなさい。指が勝手に。 個人的におもしろおかしく複数の分野をまたぐ形でガロア理論を勉強したいなら久賀さんの有名な名著がおすすめ。 https://t.co/sSganP0I5L
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算 #数学 ラングランズ・プログラムの進展によってどのように不思議な数学的結果が証明されるかについてはSato-Tate予想=佐藤sin^2予想について調べるとよい。佐藤幹夫さんのもとで計算機で計算したのが難波完爾さん。 https://t.co/o5VXAhQqWu
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
この話, 『佐藤幹夫の数学』にも載っている.
#掛算 #数学 数学ミステリー白熱教室関係の連続ツイートは以下の2つのリンク先でまとめて読める。 https://t.co/0dQ1UQYll2 https://t.co/xP4CulVwLF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 どうしてこの件で山田泰彦さんの『共形場理論入門』 https://t.co/KPfnnyP5nz を絶賛しているかについて、数学的にテクニカルな話をします。山田泰彦さんのこの本は数学的内容の圧縮率が高く、しかも細部の定式化や構成に独自の工夫が多数盛り込まれています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんの共著の有名な仕事に任意の単純リー環に関する脇本表現の構成があって、ラングランズ双対性の証明にも本質的に 使われています。フレンケルさんたちの脇本表現の構成ではリー環のある種のコホモロジーの計算が必須なのですが、~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 続き~、山田泰彦さんの本では単なる計算だけで構成できることが示されています。リー代数のコホモロジーの計算を使う方法を共形場理論における常套手段で ある遮蔽カレント(screening current)を用いた計算で置き換える方法が書いてある(p.157)。クリアです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
具体的な内容わからないのでアレだが,
コホモロジーの (面倒そうな) 計算を楽な方法に叩き落とせるの凄そう.
#数学 続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんは一般の単純Lie環に対してW代数を定義して、そのラングランズ双対性を示しました。W代数は結果的に自由ボソン場の実現を持つことがわかり、そして、その実現も遮蔽カレントを用いた解釈が可能です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
自由 boson 場, 物理的にはほとんど何も起こらないから
あまり面白そうに感じないが共形場まわりの数学だと何か面白いことがあるのだろう.
上のように書くとアレなので補足しておくと,
(非相対論的) 統計力学では自由 boson での Bose-Einstein 凝縮 (BEC) が
あるので, その範囲ではめちゃくちゃ面白い.
相対論的 boson を議論するときの BEC というのを
聞いたことがないが, 統計力学の文脈でこういう話しないのだろうか.
今回の話と多分全く関係ないが,
専門に近い話なのでこういうところが自然と気になる.
#数学 そして、自由ボソン場で書かれた遮蔽カレントが、あるパラメーターκについて、κとその逆数に対応するものがペアになって現われ、どちらを使っても同じW 代数が得られることをVirasoro代数の表現論を使って証明できます。κとその逆数の関係がラングランズ双対性になっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 そういう事情になっているので、E.フレンケルさんたちのW代数のラングランズ双対性の仕事を理解するための近道は遮蔽カレントの使い方を習得することだ ということになるわけです。山田泰彦さんの本ではちょうどそういうことを説明してくれています。品切れなのでとても残念です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 自由ボソン場ですでに実現されているW代数のラングランズ双対性については→ https://t.co/4qeGgfRi1k
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 ラングランズ・プログラムおよびその幾何学版(D加群版)との関連に関する文献については→ https://t.co/t3jUziIewU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
解析数論と場の量子論関係に関して
去年の RIMS の構成的場の量子論の会議の休憩中にも少し話題が出たが,
自由 boson でこれだけ面白いことがあるなら
相互作用がついたときにはどうなのだろう, という問題がある.
共形場まわりの相対論界隈ではどういう話があるのだろうか.
少なくとも物理の人が自由 boson で満足するとは思えない.
#数学 W代数に付随する共形場理論はRiemann面上の線形常微分方程式論の量子化だと考えてよい。W代数には2つの古典極限の取り方がある。κ→0と 1/κ→0の2種類。パラメーターκの逆数を取る操作でW代数のラングランズ双対性が得られ、その古典極限でも双対性が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 続き。古典極限での双対性を使うと、Riemann面X上のG主束のモジュライ空間上のある種のD加群(保型形式の類似物)とX上のD加群(線形常微分方程式)が得られます。この対応が期待されるラングランズ対応になっていると考えられているわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学 Riemann面の場合のラングランズ双対性にきちんと数学的証明がつけられているかどうかは知らない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
@genkuroki 最近は、Gaitsgory の周辺の人たちの活躍が目立つように思います。 https://t.co/jzsbxL4dxo 私個人的には、技術的に新しいことを勉強してついていく時間がないので、かなり遠い印象です。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
@genkuroki 遠くから眺めている印象ですが、圏論的なGLの定式化のためには、G^\vee平坦束のモジュライ空間上の連接層の導来圏を「正しく」定義することが必要で、そのために技術的な準備に時間がかかっているようです。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
全然関係ないが, 連接層に関しては日本人数学者の岡潔の大きな業績がある.
そもそも定義して使い込んで,
多変数関数論の大きな問題を解決したというレベルの根本的な業績だ.
読みたいと思って細部まで読み切れていない,
野口先生の本『多変数解析関数論 学部生へおくる岡の連接定理』がある.
ハードなところまできっちり解説されていつつ,
複素多様体の話もところどころで盛り込まれていて,
学部生が読めば好奇心をかきたてられるだろう.
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