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#保育園落ちたの私だ 、について思うこと|畠山勝太/サルタック|note(ノート) https://t.co/7CLrxdsuUx
よく整理された論稿。さすがは専門家。— ystk (@lawkus) 2016年3月11日
ちょっと読んでみた.
内容, 私には難しくあまりピンと来ていない.
社会学系に対する私の基礎事項への理解・見識の欠如のひどさを実感した.
いくつか引用しながら感想を書く.
「Crowding-Out Effect of Publicly Provided Childcare: Why Maternal Employment Did Not Increase」というペーパーが日本の保育所の利用可能性と女性の労働参加について分析をしていて、結果をかいつまんで書くと保育所が拡大しても女性の労働参加はあまり進まない、なぜなら祖父母によるインフォーマルなケアが、フォーマルな保育園に置き換わるだけだからだ、という物です。
この保育所の利用可能性が増しても女性の労働参加は促進されないというのは、私がシノドスの記事で紹介した他の先進国での研究結果とも一致しているので
この辺のメカニズム (?) 的なところがわからない.
私がきちんとバッググラウンドを理解していないことを
如実に示している.
関係ないが, 自分が数学とか物理に関する文章を書いて,
それを読んでいる人たちにはこう見えているのだろう感もある.
この時点で明らかに私はこの記事の対象読者ではない
(そのレベルに逹していない) ことがわかるが,
せっかくなので読んでいこう.
詳しくはこちらの「母子世帯の多くがなぜ貧困なのか?」に目を通してもらうと分かるのですが、日本のシングルマザーは教育水準が低いものの、就労率はOECD諸国でもトップクラスで、つまりワーキングプアー状態にある母親が多いのが特徴です。
「教育水準が低いものの」からの
「就労率はOECD諸国でもトップクラスで」への連携がよくわからない.
OECD 諸国では教育水準と就労率に正の相関がある (というのは常識扱い) のだろうか.
私は常識なさすぎるな? 感を強く感じる.
貧困層と富裕層の子供の学力差は、小学校に入学した時点で既に顕著であり、教育機会を通じてそれが縮小することはない、と考えられています。なぜ小学校入学時点で既に学力差がついてしまっているかというと、貧困層の親と富裕層の親に語彙力の差があってこれが子供の脳の発達にインパクトしてしまっているというのと、親自身のケア力とケアの購入力に差があってこれが非認知能力の差に影響を及ぼす、という少なくとも二つの経路があると考えられています。
社会学のこういう殺伐としたところ,
本当に愛してやまない.
良質な就学前教育が未来の貧困対策になるなら、家計が自発的にお金を出すだろうから別に政府が補助金を出さなくても良いんじゃないか?、と思う人もいるかもしれません。しかしこれは誤りで、教育には外部性がある分だけ、家計に教育投資を任せると最適な水準よりも教育投資額が下回ってしまうからです。
具体例を用いて説明すると、政府が何もしなければ将来生活保護の対象になっていたであろう子供が、良質な就学前教育によって逆に所得税を納められるぐらいの大人になった場合、政府は生活保護のために支払わなければならなかったお金をセーブできるどころか、その人から税金を受け取ることができます。しかし、こんなことは子供にも親にも関係ない話なので、この分だけ政府が介入しないと教育に対して過少投資になってしまいます。まあ、教育水準の低い親は教育の価値を認識できない傾向があって、それによっても子供の教育に対して過少投資になりやすいのですし、流動性制約に直面していて教育投資どころではないのが実情でしょうが。
流動性制約というのが何なのかわからないという論外の問題に直面した.
ググったら Yahoo! 知恵袋にこんなのがあった.
あまり細かいことはわからなくていいので、わかりやすく教えてください。
売買の成立後、何らかの事情により売買相手方から予定された証券や代金を受け取ることができないと、
その結果として、自らが他の相手方に渡すべき証券や代金に不足が生じることがあります。このような、相手方の決済不履行により、
当座の資金や証券に不足が生じて他の調達手段に頼らざるを得なくなったり
自らが決済不履行に陥ったりする危険を流動性リスクといい、
これらに陥らないように制約したものです。
この説明わかりやすいの,
これで理解できるなんてどれだけ基礎知識豊富で理解力高いの,
という感想しかない.
とりあえず Wikipedia 先生から流動性.
経済学における流動性(英: Market Liquidity)は、交易上の商品などの資産が、いかに容易に交換できるかを示す性質を言う。貨幣経済が主流となった今日では、貨幣そのものをさす場合もある。
例えば、貨幣と商品を交換するのは容易だが、トマトを他の商品と直に交換しようとすると、破損や腐敗などのリスクや運搬のコスト、交換相手を探す手間などが余計にかかってしまう。このような資産と資産を交換する行動において、資本が損失する度合いを指して、損失の少ないものを「流動性が高い」、多いものを「流動性が低い」と定義している。これらは、資産の価値がどの程度確実性を保持しているか、資産がどの程度の規模の市場を形成しているかに依存する。
制約の方がよくわかっていない.
とりあえずここ.
「流動性制約」とは、多くの家計や企業について、手もとにもっている支払手段(現金や換金性の高い金融資産など)の量で、支出が制限されることである。家計や企業がなんらかの理由のために資金を借り入れることが困難な状況にあるとき、手もとに現金(あるいは現金に類似した支払手段)をもっていなければ、家計や企業は財やサービスを買うことができず、結果的に消費も投資もできない。
何となくふわっと感覚がわかったような気がしないでもない.
無知無学無教養だとちょっと何か考えるだけときに
こんなに困るのかと痛感している.
気が滅入ってきたし,
流動性制約が何なのかよくわからないまま元の話に戻る.
日本はなぜ少子化なのか?日本の合計特殊出生率は約1.4と、人口を維持するのに必要な2.1を大きく割り込み、既に人口減少社会へと突入しています。しかし一方で、完結出生児数(カップル一組当たりが産む子供の数)は約1.9と、日本の少子化は非婚化が主要因となっているのが現状です。特に年収300万以下の男性の未婚率が高く、この層へのアプローチ無くして少子化の解決なし、といった感じです。
そうにゃんか〜という感じだ.
注が入っているのでこれは一般的ではないから補足しないと感のある
「完結出生児数」という言葉, 案の定はじめて聞いた方の無学な市民だった.
保育園の需要に対して供給が少ないのだから、教科書的に価格を上げるか、自由化を通じて価格を上げるかの二つが模範解答になりそうに見えます。確かに超過需要に対して低価格を維持したままというのは、共産主義圏のパンと同じ話かもしれません。
公共政策大学院ぐらいでこのように回答したら合格かもしれませんが、教育政策・教育経済学の院でこの回答なら不合格間違いなしです。それはなぜか?それはパンが消費行動なのに対して、教育にももちろん消費的な側面があるのですが、それだけではなく外部性を伴う投資的側面が存在するからです。
社会学, 難しい.
(女性の労働参加の問題については、シノドスさんの「日本の女子教育の課題ははっきりしている」で論じています)
あとで読もう.
とりあえず高校の地歴公民からきちんとやり直す必要を感じている.
たぶん経済学とかもろもろの社会学基礎教養,
学部初年度くらいのきちんとしたことしないとまずい.
何かいい本あったら教えてほしい.
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