このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
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よくわからないが何となく気になるのでメモしておく.
他の人もこういうのをどんどん出してくれると嬉しいが,
こういろいろ厳しいのだろうとも思う.
#数楽 無限次元化すると、プリュッカー関係式は外積代数版の微分作用素のΣ_i ∂/∂v_i⊗v_iの作用でw⊗w消えるという条件で書き直せるのですが、外積代数版の微分作用素がすべてt_i達の微分作用素で書き直せるので、結果的にt_i達の函数τひとつだけですべての条件を書き下せる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽 肝腎のボゾン=フェルミオン対応の証明は単なる計算なので簡単なのですが、どうしてそのように具合のよい理論が可能になっているかについて実は数十年間ずっと理解できていない。理解していそうな人の名前を挙げよと言われても挙げることができないくらいわかっていない。誰か教えて。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽 Σ_i ∂/∂v_i⊗v_i がVの基底v_iによらないことは、v_iに関する偏微分∂/∂v_iたちがv_iたちの双対基底の変換性を持つことを使えば容易に証明できます。もしくは外微分df=Σ∂f/∂x_i dx_iの座標不変性を知っていても証明できるはず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽 τ函数の理論をリーマン面の幾何と相性が良いように綺麗に定式化するには共形場理論の言葉が必須だと思う。τ函数は共形ブロック(アデール的な定式化の話の共形場理論の言葉での実現)の特別な場合であり、BA函数(波動函数)はフェルミオンを1つ挿入した相関函数になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
@genkuroki #数楽 で、τ函数としてのSchur多項式の話。部分空間の基底の外積を作る話と、exp(t_1 z+t_2 z^2+…)型の時間発展を組み合わせれば自然にSchur多項式が出て来る。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 1,z,z^2,…を基底とする1/zの形式ローラン級数全体の空間の部分空間は最も簡単な佐藤グラスマン多様体の点。その基底の先頭の有限個のzのべき指数をずらしたものからも佐藤グラスマン多様体の点が得られる。それらに対応するτ函数がSchur多項式。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 続き。たとえば、1/z,z,z^2,…に対応するSchur多項式はヤング図形が箱1つのやつ。
1/z^2,1,z^2,z^3,…は箱が3つのL型のヤング図形が対応。
佐藤ゲームでのマヤ図形とヤング図形の対応の話を知っていれば、その話になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 佐藤グラスマン多様体の点(部分空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z+…)=Σp_m z^m をかけて、全部の外積をとったときの、1∧z∧z^2∧…の係数が佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数の定義です。定数倍を除いて一意に定まる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 @genkuroki #数楽 先の例1/z^2,1,z^2,z^3,…のような基底を持つ佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数はp_mたちを成分に持つ行列式で書けます。その式がSchur多項式のヤコビ・トゥルディ公式による表示そのものになっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 以上の話はSchur多項式の行列式表示(ヤコビ・トゥルディ公式)を知っていれば自明。知らない人はそうやって出て来た行列式をSchur多項式の定義だと思って問題無し。単なる計算なので何も深い話はありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 単なる計算としては自明な以上の話の中に一ヶ所だけ「え?そんなことをしたら、グラスマン多様体の点(部分空間)の情報が失われるでは?」と疑ってしかるべきステップが含まれています。それは1∧z∧z^2∧…の係数だけを拾って他の項の情報を捨てるステップ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 一般に部分空間Wに対して、その基底w_1,w_2,…を取って外積w_1∧w_2∧…を作っても、もとのWの情報は失われません。τ函数を作るときにはそれだけとは違うことをやっているように見えます。しかし実際にはそうではないのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 佐藤グラスマン多様体を埋め込む先の外積の空間の基底としてz^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…を一般化した単項式達を取れます。これにそのτ函数=Schur多項式を対応させる写像は一次独立性を保ちます(∵Schur多項式達は対称多項式環の基底)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki #数楽 半無限外積空間と無限変数の対称多項式の空間のあいだの同型が得られた!ボゾン・フェルミオン対応が得られた!τ函数を作る手続きで佐藤グラスマン多様体の点とその時間発展の情報は失われていないので、すべてをτ函数から作り直すことができる。たったこれだけの話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽 https://t.co/meTH2VXs6R の補足。
ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおく。
z^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…に対応するτ函数の定義は(e^ξz^{-2})∧e^ξ∧(e^ξz^2)∧(e^ξz^3)∧…における1∧z∧z^2∧…の係数。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽 補足続き。x_iの対称多項式の関係は1/Π(1-x_i z)=e^{Σt_m z}の両辺をzについてベキ級数展開で得られます(t_m=Σx_i^m/m)。iもmも正の整数全体を動きます。この辺のことは対称多項式について色々計算の経験を積めばピンと来る話になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽 中学高校でx,yの対称式が基本対称式x+y,xyの式で書けたり、ベキ和x+y, x^2+y^2の式で書けたりすることを実質的に習っていて、そういうみんなよく知っている話を無限変数まで広げるだけで、KPやKdVのようなソリトン方程式が代数的に解けてしまうわけ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽 ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月9日
ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
こういう話, 適当に開いて
中高生向けの現代数学入門みたいな
小冊子にまとめて Kindle とかに載せていきたい.
一般の中高生はもちろん受け付けないだろうが,
受け付けるというか大喜びする中高生, 存在はするはずだから.
引用は続く.
@genkuroki 深夜の #数楽 https://t.co/iJSbhj8oVD 佐藤グラスマン多様体の点(ある種の1/zの形式ローラン級数の空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかけてそれら全部の外積をとる操作のところで「それでいいの?」と〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 続き〜思った人は鋭い。コンパクトリーマン面X上の直線束Lの貼合せ方をz=∞の近傍でexp(t_1 z+t_2 z^2+…)で変える操作と、H^0(X,L(*∞))の元のローラン展開にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかける操作は〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 続き〜一致していないように感じられるからである。その謎を解くには、直線束の切断のアデール的な理解とボゾン・フェルミオン対応の合わせ技で解けることになる。リーマン面上の直線束からτ函数を作る方法を復習しよう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 Xはコンパクトリーマン面であるとし、∞はその点でzはz(∞)=∞を満たす局所座標であるとし、LはX上の直線束で∞近傍での自明化があたえられているとする。それによって、W:=H^0(X,L(*∞))⊂C((1/z))とみなす。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 H^0(X,L)=W∩C[[1/z]]は自明。H^1(X,L)=C((1/z))/(W+C[[1/z]])が成立することもわかる。佐藤グラスマン多様体の点の定義はこれらが有限次元にのることなのだで、Wは佐藤グラスマン多様体の点である。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 続き。L^{-1}とΩ^1のテンソル積をL'と書き、H^0(X,L'(*∞))⊂C((1/z))dzとみなす。H^0(X,L(*∞))の元とH^0(X,L'(*∞))の元の積はH^0(X,Ω^1(*∞))の元(1-form)になり〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 続き〜、その∞における留数は留数定理より0になる。実は、留数によるC((1/z))とC((1/z))dzのペアリングに関するH^0(X,L'(*∞))の直交補空間はW=H^0(X,L(*∞))に一致する(アデール的な見方)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 Wの基底f_1,f_2,f_3,…で十分大きなkについてf_k(z)=z^{k-χ}+(zに関する低次の項)をみたすものが取れる。ここでχ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)である。以下こういう基底しか考えない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおき、時間発展w(t):=(e^ξ f_1)∧(e^ξ f_2)∧…を考え、その中のz^{1-χ}∧z^{2-χ}∧…の係数をτ(t)と書きτ函数と呼ぶ。時間発展させる前のwをτ(t)に対応させる線形写像は単射。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 w=f_1∧f_2∧…はf∈W=H^0(X,L(*∞))についてf∧w=0を満たし、g∈W':=H^0(X,L'(*∞))との留数ペアリングによる「微分」でもwは消える:g・w=Res(g f_1)f_2∧…-Res(g f_2)f_1+…=0.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 上のf,gの作用はクリフォード代数(フェルミオン)の作用をWとW'に制限したものになっている。クリフォード代数の作用はτ函数への作用として具体的に書けます(ボゾン・フェルミオン対応、単なる計算問題で証明できる)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
g・τ(t)=Res(g e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))と書ける。g∈W'=H^0(X,L'(*∞))のときその作用の結果は0になる。続く— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 そのことは
e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))
がW=H^0(X,L(*∞))を係数とするt_mたちの形式べき級数になっていることを意味しています。直線束Lのe^ξによる変形が自然に得られたことになります!— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 続き。Baker-Akhiezer函数(波動函数)はΨ(t,z)=e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))/τ(t)によって、τ函数から復元されます。ボゾン・フェルミオン対応の具体的な公式の部分だけが計算を要する場所で他は自明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 2つ前のツイートでは、C((1/z))の部分空間としてのW=H^0(X,L(*∞))が留数ペアリングに関するW'=H^0(X,L'(*∞))の直交補空間になっていることを使いました(1つの点しか参照してないですが、アデール的な話)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 ボゾン・フェルミオン対応の計算は中途半端に以上の記号体系でやるのではなく、山田泰彦著『共形場理論入門』でボゾンとフェルミオンの計算の仕方を学んだ方が良いと思う。しかしその本は絶賛品切れちう😭→ https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 https://t.co/uDqdlFtqCo 訂正。zのべきの部分を忘れていた。g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
g・τ(t)=Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)
と書けます。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 訂正続き。任意のg∈W'に対して
g・w=(Res(g f_1)f_2∧f_3∧…)-(Res(g f_2)f_1∧f_3∧…)+…=0
なので
Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)=0
となります。続く。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 続き。これは z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ がW=H^0(X,L(*∞))係数のt_m達の形式べき級数であることを意味しています。このようにして直線束Lのe^ξによる変形が出て来る。BA函数はそれをτ(t)で割れば得られる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 続き。直線束Lの指数χ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)は0を選ぶことが多いです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 t_m達の多項式F(t)を
e^ξ z^χ F(t_1-1/z, t_2-1/(2z^2), t_3-1/(3z^3),…)
に対応させる写像が共形場理論でψ(z)=:e^{φ(z)}:と書かれるフェルミオンの片割れ。もう一方はψ^*(z)=:e^{-φ(z)):— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽 ψ(z)の一変数版類似
A=e^{zt} e^{-z^{-1}∂/∂t}:F(t)→e^{zt} F(t-z^{-1})
は[∂/∂t,A]=zA, [t,A]=z^{-1}Aで大体特徴付けられます。ボゾン・フェルミオン対応の計算でも同じ計算を実行します。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
@genkuroki #数楽 メモhttps://t.co/IY5Yo0kukG
マンフォード、互いに可換な作用素達および戸田格子やKdV方程式などのソリトン系の特殊解の両方の代数幾何的構成、1977.
なつかしの古典的論文のpdf— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
@genkuroki #数楽 メモhttps://t.co/EF9G3KaMXg
GAGA, formal GAGA, rigid GAGA にちょっと詳しい。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
@genkuroki #数楽 メモhttps://t.co/4hwvo9Uhvw
Brylinskiさんの「中心拡大と相互法則」コンパクトにまとまっていて読みやすい。佐藤グラスマン多様体によるtame symbolの解釈についても解説あり(pp.202-203)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 ベクトル空間の複体0→A→B→0の行列式はA,Bが有限次元なら
Λ^{top}A⊗(Λ^{top}B)^*
で作れますが、無限次元でもコホモロジー(この場合には核Kと余核C)が有限次元なら
Λ^{top}K⊗(Λ^{top}C)^*
で作れる。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 典型例はコンパクトRiemann面X上の直線束Lのコホモロジーの開被覆X=(X-P)∩Dによる計算(PはXの点でDは点Pを中心とする無限小開円盤Spec C[[z]])。得られる複体A→BはA=C[[z]]⊕H^0(X-P,L)、B=C((z))。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 やっぱ、行列式も含めた線形代数は大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 https://t.co/4hwvo9Uhvw このBrylinskiさんの論文のpp.202-203を読むときには以上の複体の行列式とか佐藤グラスマン多様体などに関する背景を知らないとアイデアの出処がわかりにくいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 ソリトン系を作るための基本パターンや共形場理論に類には無限次元群Gに二つの部分群G_±でGが無限次元多様体として「ほぼ」(ぴったりでなくてよい)直積G_-×G_+に一致する状況がうまく使われています。正方行列の下三角×上三角へのガウス分解の一般化。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 数論では、Gがアデール群で、G_+がそのほぼ極大なコンパクト部分群で、G_-が大域体から来る離散部分群の場合が典型的。Lie群とコンパクト部分群と離散部分群の三つ組は数論における基本的対象。
以上はどれも1次元の話。高次元版はよくわからない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 類対論の方は高次元化されている(数論側)。C((z))((w))のタイプの局所体が出て来る場合に佐藤理論を拡張するという試みもあったが、現在どうなっているかは知らない。色々バラバラになってしまった話を現代の視点からまとめ直すことが必要かも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 1984-1985佐藤幹夫講義録を見直して思ったのだが、代数幾何のような非線形偏微分方程式の代数的一般論を建設するというプログラムは現在どうなっているのだろうか?30年前より使える道具が相当に増えていると思うのですが。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 メモhttps://t.co/DgDhaT0QuW
数理研講究録No.694
非線型積分可能系の代数解析学
1989/01/17~1989/01/20— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 メモ 一つ前のツイートの講究録よりhttps://t.co/XjnqkAfb0Z
高次元可積分系のhierarchyについて
大山 陽介ソリトン方程式の佐藤理論の高次元化のある設定での可能な時間発展の形が非常に限られるという話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 その限られた型の時間発展について解説しよう。まず最もシンプルな場合の佐藤グラスマン多様体の設定の復習。Rは時間変数t_i,s_iと変形パラメーターyの「函数」の環であるとする。実際にはそれらの変数による偏微分が作用しているC上の環ならなんでもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 時間変数t_1だけは特別でxと書くことがある。D=R[∂/∂x]とおく。スペクトルパラメーターと呼ばれる変数zを用意し、V=R((z^{-1}))exp(ξ)とおく。ここでξ=t_1 z+t_2 z+…。Vは自然にD加群とみなされる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #掛算 exp(ξ)はコンパクトRiemann面上の設定では直線束の変形を記述しているのであった。佐藤グラスマン多様体のR上の点はVのあるR部分加群として定義される。ここでは簡単のためgenericな場合だけを扱うことにする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 ここでは簡単のため、佐藤グラスマン多様体の点Wとして、あるΨ=(1+w_1 z^{-1}+w_2 z^{-2}+…)e^ξ∈VからD加群として生成されるW=DΨのみを考える。WのVの中での「サイズ」はR[z]と同じになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 佐藤グラスマン多様体上の点のKP階層と呼ばれる時間発展は「∂/∂t_iの作用でWが閉じている」という条件で定義される。この条件は、ある微分作用素B_i∈D=R[∂/∂x]が存在して、∂Ψ/∂t_i=B_iΨとなることと同値になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 以上の設定は極めて簡明。こんなことでKP方程式(2次元KdV)のような非線形偏微分方程式を理解できてしまっていいのかと感じられるくらいです。KdVの時間発展の定義はKPの時間発展をB_2Ψ=z^2Ψという条件で特殊化したものです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 B_2はB_2=(∂/∂x)^2-uの形をしているので、B_2Ψ=z^2Ψはエネルギーがシュレーディンガー作用素の固有値問題の形をすており、λ=z^2がそのスペクトルになります。このようにしてKdVとシュレーディンガー作用素の〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 続き〜の関係がKP階層に関する佐藤理論から自然に復元される。最も単純な場合の復習終。以上の話の「高次元化」(2次元化)はKdVに次の時間発展の条件を課すだけで得られます→「Wは∂/∂s_i+λ^i∂/∂yの作用で閉じている」。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 続き。その条件は、ある微分作用素C_i∈Dで∂Ψ/∂s_i+λ^i∂Ψ/∂y=C_iΨとなることと同値になります。このタイプの時間発展がどうも基本的らしい。この話とは違うバージョンの本質的に同じ話が『1984-1985佐藤幹夫講義録』にあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki 数楽 続き。例えばそのp.403を見て下さい。そこでは自己双対Yang-Millsを例に使ったに説明があります。KP階層やKdV階層には変種がたくさんあります。(変種の作り方にもシンプルな代数幾何的原理があるのですが余り知られていないという印象がある。)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 https://t.co/IY5Yo0kukG
Mumfordさんによる互いに可換な作用素の作り方の方法を使えば、具体的な表式に頼らずに曲線の代数幾何を用いたシンプルな方法でKPやKdVの特殊解(応用上重要な多ソリトン解を含む)を大量生産できます。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 先の私が説明した2次元化の例でも同様。ただし、出発点になるのは単体の代数曲線ではなく、パラメーターy関する曲線族になる。時間変数t_iは直線束の変形パラメーターになるのでした。時間変数s_iは曲線の族の変形パラメーターになります。大して難しくない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 単体の曲線は1次元(変数zは曲線のある点での局所座標)。曲線の(変数yに関する)1パラメーター族は曲面なので2次元。こういう意味で2次元化と言っていたわけです。私の立場だとzとyで2次元ということになります。yの個数は自明なやり方で幾らでも増やせる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
佐藤幹夫京大講義録については、(1)京大レポジトリで公開するのが筋 (2) 講義録を出版する計画がある という2点がありためらっています。佐藤さんと記述者の梅田さんからの許諾は得てますので私がもうWebで公開しても良いのですが https://t.co/ZpZXcL9UNI
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2016年2月10日
@genkuroki #数楽 佐藤幹夫講義録を読み直したら、やっぱりめちゃくちゃ面白かった。https://t.co/60meuLNyue
公開希望。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki #数楽 Contou-Carrere symbol(CC記号)は符号部分を除けば共形場理論のボソン自由場表示を持つのですが(これは簡単な計算問題)、符号部分はどうなっているのでしょうかね?知っている人がいれば教えて下さい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 CC記号についてはググるもしくは私が最近公開したノート https://t.co/b3DqlCEflP を見てください。
ボソン頂点作用素の計算でlog(1-x)のTaylor展開を使ったことがある人には符号部分を除いたCC記号の自由場表示は自明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 CC記号のよくある説明では、f=z^λ b_0 Π_{i≠0}(1-b_i z^i) という表示から出発しますが、ボソン自由場表示と結びつけるには f=exp(λ log z+Σ β_i z^i) という表示から出発した方が楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 もう1つのgをg=exp(μ log z+Σ γ_i z^i) と書く。交換関係[a_i,a_j]=iδ_{i+j,0}、[a_i,q]=δ_{i0}を仮定し、i≧0に対するa_iを右に持って行く積を: :で表す(正規順序積)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 続き。たとえば:a_1 a_{-1}:=a_{-1}a_1や:a_0 q:=q a_0とa_1やa_0を右側に持って行く。この場合には非可換なので掛算の順序を気にしなければいけない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 先のf,gの中のlog zを-qで、z^iをa_iで置き換えて、全体を正規積にしたものをそれぞれΦ,Ψと書く。すなわち、Φ=:exp(-λq+Σβ_i a_i):、Ψ=:exp(-μq+Σγ_i a_i):とおく。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 このとき、CC記号〈f,g〉のよくある定義をf,gの先の表示に基づいて書き直すと、〈f,g〉=exp(πiλμ+μβ_0-λγ_0-Σ_{m≠0}β_m γ_{-m}).ゆえに容易な計算によって(ΦΨ)^{-1}ΨΦ=(-1)^{λμ}〈f,g〉.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 以上の計算を"well-defined"にするためには色々細かい注意が必要なのですが、「うまく行く計算」を正当化する作業に慣れていれば大したことはないです。もちろん正当化の場面では抽象的一般論を程度知っていた方が圧倒的に楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 以上の話も先のノートに追加しておいた方がよいかな。以上で説明したような計算の仕方については山田泰彦著『共形場理論入門』(培風館)の第2章が定番の解説だと思うのですが、その本は絶賛品切れ中。正直、とても不便している。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 もっと「抽象的に」ボソン自由場の共形場理論とtame記号やCC記号の関係を明瞭にした方が良さそうな感じ。Lie代数の範疇で「加法的」記述に関する共形場理論の仕組みはよく整備されていますが、「乗法的」な場合はそうじゃないと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki #数楽 tame記号やCC記号は曲線だけではなく、高次元の場合についてもたくさんの仕事があるのですが、共形場理論の高次元化はまだないと思う。そういう意味でもsymbolsの共形場理論での理解は重要かも。ボソン自由場の高次元化のヒントが得られるかも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
長くて途中で心が折れそうになった.
つらい.
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