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新井紀子氏講演『なぜ高校生は「意味を理解しないAI」に敗れたか』
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「いまのAIは深い“意味”を問われると困る。突然「共通点は?」などと問われると困る。数学で用いられるカンマの意味が and と or と揺れるがどちらか判定できない。「Aの子B」という文から親子関係を理解できない=“Bの親”とAを対応させられない」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「しかし、この程度の解析しかできないAI(東ロボくん)に多くの高校生が破れた。現在の東ロボ君は私大の8割近くでA判定、MARCH・関関同立でも合格するレベル。これはなぜか?」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「AIが人間に勝った理由として簡単に思いつくのは、「計算が苦手だから」や「暗記が苦手だから」だろう。しかし本当にそうか?実際のところは、AIが苦手としているように、中高生も、教科書の文章を文章通り読むということができていないのではないか」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「例えば係り受けの問題:
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに拡がっている。オセアニアに拡がっているものは( )である。」— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「1.ヒンドゥー教 2.キリスト教 3.イスラム教 4.仏教 という4択の問題。答えは問題文中に書いてある。しかし、正解率は中学生で63%、進学校の高校生で73%。進学校の高校生でもなんと3割が間違える。これにはショックを受けた」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
参考:AIで変わる大学教育 学生の読解力こそ重要 国立情報学研究所教授 新井紀子氏 – 日本経済新聞https://t.co/KP8NSxPFsQ
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「たとえば照応解析の問題:
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。Alexanderの愛称は( )である。
4択、これも答えが書いてある。しかし中学生38%、高校生67%の正答率」— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「係り受け解析の問題も照応解析の問題も、中学生の正答率は CaboCha https://t.co/G80cSva5SX 以下。単純に言うと、子供は(“意味”というAIの苦手としている面ですら)教科書を(AIよりも)読めていない」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「中学生も、単にキーワードをピックアップしてマッチングする程度の“読み”をしているのかもしれない(意味を読めていないのかもしれない)。さらに、暗記と計算は東ロボ(AI)よりも劣る」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「さらに推論(含意関係認識)、イメージ同定(文章が表している図表を選択する)、具体例の問題(辞書や事典の定義文を読んで具体的にどのようなモノ・コトがその例になりうるかを判定させる)、といったAIが苦手としている問題は中高生も苦手としている、ということがわかった」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「(機械は暗記や計算が得意、人間は意味が分かる。得意不得意が異なるという)前提が崩れる話。
ここまできて、AIよりも、中高生の読解力を向上させることの方が、国民のひとりとして喫緊の課題なのではないかと、認識を改めた」— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「教科書という狭い話をしているのではない。たとえば原発の運転操作マニュアルを作業員が実際は“読めて”いないとしたらどうなるか。米大統領選でも、新聞を読んで何が焦点なのか理解できない人、同一の候補の発言AとBが矛盾することを判定できない人が多く存在していたとしたらどうか」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「国民の半数が文章を“読めない”と、先日の大統領選の様な事件が起き得ることが分かる。(“読解力”の差が作る、社会階層の)壁であり、分断。日本で同様の分断を起こさないために、中高生の読解力を向上させる必要がある」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「資本主義社会が不可避に生む不公平と格差はリテラシーをもつ市民による民主主義で乗り越えられるはずだった。この前提が崩れてきている(市民はリテラシーを持つという仮定が苦しくなってきている)」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
新井紀子氏「そこで『RSTプロジェクト』をはじめた。「深く正確に文の意味を読み取る力」を測るテスト(RST)の開発・提供、読めない理由の分析、教育方法や教材の開発をおこなう。何よりも、『すべての子供が教科書を読める様になってから中学校を卒業できる社会を目指す』」
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
雑な要約・実況ですが、以上です。書いた内容が新井紀子先生の発言の主旨とズレている箇所があれば、私の“読解力”の問題です。ご指摘いただければすぐに修正します。
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
追記。中学生の30%について「係り受け解析・照応解析の選択問題の正答率が chance rate 以上と言えない」という検定結果となったそうです。つまり、3割の中学生は当てずっぽう以上のことはできていない、とのこと。https://t.co/Jl9ZMMEP9M
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
あと何かやりとり.
@sho_yokoi いくつかの「わかりやすい」たとえ話(選挙結果とか、原発のマニュアルとか)に接していると、AIの研究で明らかになった「読解力」のインプリケーションのところで、ずいぶんと拡大解釈されているように思いました。
— 齊藤 誠 (@makotosaito0724) 2016年11月14日
@makotosaito0724 個々の要素技術(照応解析等)に関するスキルの低さ(調査で明らかになった部分)と、その蓄積としての読解力や意思決定力のようなものの接続には確かに飛躍を感じました。(そもそも「読める」ことは要素技術の蓄積で達成できるのか?という問いが残りますよね)
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
@sho_yokoi 「読む」という行為は、もっと、もっと広い意味合いがあると思いますが…
— 齊藤 誠 (@makotosaito0724) 2016年11月14日
@makotosaito0724 おっしゃる通りだと思います。この場合、接続詞の使い方や、並列や省略など、すごく狭い意味で「論理的に」読むスキルのみを指しているのだと思います。(それでもなお、要素技術の蓄積でたどり着ける世界なのかについては議論があると思います)
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年11月14日
何かコメントできるようなこともないが,
とりあえずは記録していこう.
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