このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
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深夜に起きてしまって、もう朝なんだが、この勢いで「自分のことは棚に上げた話」をしてみたいと思う。それは大学新入生向けの解析学(微分積分学)の講義の内容の話。数学科向けの講義ではなく、理学部他学科や工学部向けの講義の内容を念頭に置いた話をしたいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki よく話題になるのは「ε-δで教えなくなった」という話。私は大学新入生のときに実数論とε-δで微積分を習いました。高木貞治『解析概論』のスタイルを大学新入生向けに完璧に整理してまとめた内容の講義でした。そのときのノートを紛失してしまったことが悔やまれる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 実数論からε-δへという「伝統的」なやり方はスタイルが決まっており、一貫した思想もあり、そういう意味で教養として十分に価値ある内容だったと思います。
問題にしたいのはそのスタイルを止めた後の話です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 続き。ε-δを止めた後の大学新入生向けの微積分の教科書を幾つか眺めると、どこが面白いのかわからない内容になってしまっていると思います。思想と一貫したスタイルは消えているのに、中途半端に昔の伝統的スタイルの影響が残っている感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki ε-δは消えても、中間値の定理→ロルの定理→平均値の定理→…というような進み方はそのまま維持されていたりする。それらの定理を教えることに異存はないのですが、各々の結果の位置付けはどうなっているのかなどがぼやけてわかり難くなっているように見えて仕方がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 大学新入生のときに初歩的な解析学を習ってどのようなメリットがあるのかについて明瞭なビジョンがないまま中途半端に伝統に従っているだけに見えて仕方がないのです。これだと講義をやっている側がつまらなくて仕方がないのではないか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 数学を好きな人がつまらないと思いながら数学の講義を単なるやっつけ仕事としてやることは精神的に不可能に近いことなので、実際の講義は「教科書」とは違って特色のある個性的で面白い内容になっている場合が少なくないと思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki しかしつまらない教科書の問題は深刻かも。ε-δを外した後もε-δ時代の伝統的流れを(中途半端に)維持することは、数学を教わる側にとってのメリットよりも、惰性の方を優先していることにならないだろうかと思うのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 具体的には、工学部などの学生にとって有用な一貫した普遍的な考え方を大学新入生向けの微積分の授業は提供できているのだろうか?
多くの教科書は「シラバスに沿った授業」をこなし易くするために工夫されてしまっていて、そういう感じではなくなってしまっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki それじゃあ代わりに何をやればいいのか、「一貫した普遍的考え方」とやらの具体的中身を教えて欲しい、という疑問にある程度答えないと以上の不満は単なる愚痴で終わってしまいます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki ε-δで解析学を習うと「近似」の概念を様々に精密に考えることの重要性を理解できます。三角不等式のような簡単な不等式の評価方法、Taylor展開に代表される漸近展開、よい等式から有用な不等式が得られること、函数の凸性の利用、などなど。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 新入生以後もまじめに勉強を続けると、新入生のときに習った「計算の例」が普遍的に役に立つツールの入り口になっていることにも理解できる。たとえば ∫_{-∞}^∞ e^{-x^2/2} cos(px) dx は超普遍的ツールのFourier解析の入口。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki こういう話であればいくらでも続けられるのですが、少し仮眠を取りたいので止めておきます。当然知っておくべき基本的な考え方まで戻って、普遍的ツールについて系統的に教えられたらいいだろうなと私は思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 新入生レベルの解析学において、ε-δを外しても、評価したい量を(主要な大きな項)+(無視しても害がない小さな項)に分解することおよびそのように分解したと認識することは重要です。そういう考え方は科学全体でも普遍的に重要であり、強調されてしかるべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 数学の授業の利点は「自分でいじれるおもちゃ」を気軽に提供できることだと思います。「(主要な項)+(無視しても害のない小さな項)に分解すること」の例をいくらでも提供できる。自分の手で色々計算して感じをつかめる例を提供できます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 大学新入生のとき(もしくはそれよりずっと前に)Taylor展開について知ったときには感動するべきだと思う。Taylor展開は、科学全体で普遍的に重要な「(主要な項)+(無視できる項)への分解というものの見方」の数学的な例になっているからです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki 微積分がどう使われているかについて無知だと、中途半端に伝統を引きずった教え方で終わってしまう可能性が高いと思う。教える側は様々なことについてたくさん勉強する必要がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
https://t.co/OA4jBtppKv
今日見つけた!とてもうれしい!— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
https://t.co/x4Sl1uWoDL
私のような大学で数学を教えている人は数学がどのように使われているかについて知らないとまずい、という話をしていた。算数教育についても私はこういうことを言っている。数学を教えるためには応用先についても知らないとダメという当たり前の話。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
大交わす1年のときの微積分のノートが見つかってうれしいという話をしましたが、そのノートは縦に半分折りになって大量のノートの山に挟まっており、山の外から見えなくなっていました。今日、山を全部崩す機会があって偶然見つけた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
私もこういろいろと遊んでみよう.
とりあえずは中高数学駆け込み寺からだ.
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