このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
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今年の大きな収穫の一つは就労移行支援施設でのアナログゲーム療育の実践を通じて、成人の発達障害者の方の行動からは見えない思考面の困難さについて、分析が進んだことである。特にわかってきたことは、ADHDとASDの方で困難の性質が違うことだ。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
たとえば、ゲーム中に、ABCD4つの選択肢の中から適切なものを選ぶという必要があったとき、ADHDの人が誤った選択をしてしまうのはたいてい、4つの選択肢の内容を正確に覚えていないからである。これは最初の説明を聞いていないか、聞いていたけれど忘れてしまったことで起きる。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
ASDの人はABCD4つの選択肢を示された時に、「Aをやったらどうなるか」「Bをやったらどうなるか」「Cは・・・」と、その選択肢を採ったら起きるであろうことを一つ一つ頭の中でシミュレートして最後にその4つの結果を比較してベストの選択をすることが難しい。概念操作の難しさである。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
ASDの人の中には将棋や囲碁などを得意とする人が多い。ここからからは私の仮説だが、将棋や囲碁の場合、指し手の選択肢は無数にあるがこれがASDの人にとって苦にならないのは、その中からどの指し手を選ぶべきか判断するのに必要な情報は全て盤上に明らかになっているからだ。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
これとは対極に、ASDの人が極度に苦手とするのが村人の中に紛れ込んだ狼を暴き出す「人狼」だ。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
この難しさを将棋の上で再現するなら、王の他に女王なるコマを導入して「王か女王かどちらかのコマを取れば勝ち。ただしどちらのコマを取ればよいかは取られる側は知っているが取る側には知らない」というルールにする。このゲームだとASD傾向の方は極端に判断が難しくなると思うがどうか。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
と、ここまで考えたら「ガイスター」があるじゃないかと気付いた。これは、自分が相手から取ったコマが、実際に取ってみるまで有利になるコマかわからないというゲームである。今度試してみる。https://t.co/eCjD3MjxJO
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
さて、これまでゲーム中に見えてきたADHDの方、ASDの方それぞれの思考・判断にまつわる困難を述べてきたが、最後にこうした障害ごとの特性よりも重要なこととして「不安」が判断の正確性を著しく鈍らせることを強調しておきたい。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
不安は、外部情報の取り込みを阻害し、焦りによって冷静な判断を妨げる。これは、複数回のセッションを経てゲームで遊ぶことに楽しさや安心感を感じられるようになり不安が除かれる過程で、判断の正確性が大幅に増してくることによって逆説的にわかるのである。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
と、ここまで来るとお気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、この発達障害のある人のゲームプレイを通じて見えてくる様々な課題、実はAIの開発などにおいても大変有益な知見を提供するものだと思っている。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
たとえば、将棋・囲碁についてはトッププレイヤーを負かす程のAIはあるがカタンや人狼で熟練者を負かすAIは出ていない。後二者は参加人数も多いし、会話というメタ要素が入るから当然ではあるが、もしカタンや人狼で勝てるAIができたらその時こそ人類はAIに支配されるかもしれない。
— 松本太一@アナログゲーム療育 (@gameryouiku) 2016年12月21日
思考法の面では 現状のAI≒ASD ということなのだろうか
— 怒声人 (@toseijing) 2016年12月22日
ADHD も ASD もあまりよくわからないので何とも言えないが,
こう何となく感じ入るものがあったので記録しておく.
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