理論物理学者に市民が数学を教えようの会 第 1 回を終えて

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理論物理学者に市民が数学を教えようの会 第 1 回

先日この記事でアナウンスしたように, 「理論物理学者に市民が数学を教えようの会」を立ち上げ, 2020-09-28 に初回を 1.5h 程度やった. (大したことではないが, 数学者が教えるというのでは面白みが全くない企画なので「誰が教えるか」を明示する企画名に微修正した.) これに関して次のような記録・報告をしてもらったので共有しておく.

内容としてはいつも言っていること, または必ずしも無料・オープンとは限らないいろいろなコンテンツで言ってきたことを改めてまとめたにすぎないが, それなりに喜んでもらえたようで何よりだ.

ここで話したこと・今後やっていくことに関して常々言っている傍証として以前のいくつかの連続ツイートを張りつけておく. 「物理学者はまじめに自学科の物理・数学教育をやる気があるのか」と言っているときに意識している話をこの「理論物理学者に市民が数学を教えようの会」でコンテンツとして具体的に整理していく予定なので, もしあなたがこの内容に興味があるなら継続的にチェックしてほしい. 週 1 回メルマガ形式で YouTube にあげたコンテンツに関するアナウンスをしているので, 自発的にチェックするのが面倒ならぜひメルマガに登録してほしい.

物理学科の数学教育に関する連続ツイート集

数学の本のわかりづらさ

とりわけ物理の人間が勘違いしているのだが、数学科向けの数学の本は適切な水準の数学科の学生に向けて書かれていて、他の誰をも対象にしていない。他学科の身で「わかりづらい」というのはそもそも「お前は対象ではない」事案なので、あるなら物理の人が書いた本を読むか、我慢するしかない。— 相転移P (@phasetrbot) January 29, 2020

数学科の学生が物理の本なり工学の本を読んでいて「数学的に厳密ではない」と言い出したら「国に帰れ」と言わざるを得ないだろう。「お前のための本ではない」と。それと同じなのでさっさと諦めて欲しい。諦めて読むのをやめるか、数学科の数学とダイレクトに戦うしかない。— 相転移P (@phasetrbot) January 29, 2020

もちろんいつだって最終手段の専門家,友人との議論と、自分で本を書く手段は残っている。私のような市民ならともかく、大学生ならもう最終手段を取るしか、ほぼ全ての場合に道はない。はやく諦めて本を書け。— 相転移P (@phasetrbot) January 29, 2020

具体例がほしい問題

具体例が欲しいとかいう話、どのくらいの本をどう読んできてどのくらい数学ができてどんな本を読んでいるかがまず真っ先に問題になる。https://t.co/1Zu7Yygtv4 の話。適切な具体例がたくさん書かれていても「抽象的で意味がわからない」となっている可能性がある。 https://t.co/F30mlA9Opm— 相転移P (@phasetrbot) January 30, 2020

それを読むための基礎体力がないので、諦めて暴力的な基礎体力作りに励むしかない。基礎体力がなければもちろん数学科学生であっても読めない。物理の本でも最低限の計算力を少しずつ鍛えるのであって、いきなり量子力学や電磁波をやると計算量で圧死する。社会は厳しいのでもうどうしようもない。— 相転移P (@phasetrbot) January 30, 2020

https://t.co/5W6CflAxvE このような具体例が構成されている。「線型空間のテンソル積と本質的に同じなので詳細は省略する」と環や加群のテンソルでやられるし、そこから同値条件だと言って普遍性に飛ばされたりする。「集合と写像という数学の基礎だから」と言われても応用系でやらないから即死もある https://t.co/o1L5PREGAZ— 相転移P (@phasetrbot) January 30, 2020

数学を勉強するうえで物理なり工学なりへの応用事例が欲しいというの、端的にその専門家の怠慢だし、数学サイドにそんなものは見えるわけもないので専門家をきちんと突っついてほしい。無理に数学関係者にやらせてもピント外れなものにしかならない。— 相転移P (@phasetrbot) August 12, 2020

こういうことを言う学生なり何なりを見ると、応用サイド、本当に教育をサボり切っているという感覚が強まる。— 相転移P (@phasetrbot) August 12, 2020

数学と物理と具体例と数理物理: 統計力学を例に

統計力学で数学的にまともに解析できているのがスピン系とハバードくらいしかない厳しい事情を考えてもらうと、数学的に具体例を調べるのがどれだけ厳しいか物理の人にも通じるのではないか。そして線型代数と極限くらいしか道具がない世界がある。— 相転移P (@phasetrbot) August 23, 2020

桂法称さんとか割と恰好いいことをやっている印象あるが、一方で原さんのような微分積分と線型代数と極限だけしか使えないハードアナリシスの修羅・権化のようなスピン系周辺の話もある。スピン系ならまだしも原さんのようなところに興味がある物理または数学関係者がどれだけいるか事案もある。— 相転移P (@phasetrbot) August 23, 2020

数理物理といった瞬間に数学としても物理としても微妙だが、数理物理という文脈の中ではれっきとした意味を持つ、とかいう微妙な線も出てくるし、私が割とその辺なので、ほとんど誰とも興味関心が噛み合わないことまで織り込んで書いている。— 相転移P (@phasetrbot) August 23, 2020

勉強するのは楽しくても研究となると本当につらいという気分なので、趣味人以外におすすめできない。— 相転移P (@phasetrbot) August 23, 2020

数学の「具体例」の抽象性

数学で具体例が必要事案、何をもって具体例とみなすかがまず大問題で、多分初めのうちは線型空間に具体例がいるはずなのだが、そのうち別の概念の具体例として(抽象的な)線型空間が出てくるし、初学者にとって抽象的な例がある程度知っている人には手触りのある最高に具体的な例になったりする。— 相転移P (@phasetrbot) January 29, 2020

当然、多段階で具体例を山ほど知っていることが前提になっている。数学的な段階を吹っ飛ばして本を読むと「この本を読む数学の人間ならこのくらい知っているだろう。そうしないとまともなページ数で本かけない」問題もあり、そこを飛ばしてアタックした他学科の学生は地獄を見るだろう。— 相転移P (@phasetrbot) January 29, 2020

https://t.co/cGUaWKhHj6 「この証明ではテンソル積の具体的な構成を用いています」(そして現れる、バカでかい線型空間のバカでかい部分空間による商空間)— MarriageTheorem (@MarriageTheorem) January 29, 2020


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