このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
理系のための総合語学・リベラルアーツの視点から数学・物理・プログラミング・語学 (特に英語) の情報を発信しています. コンテンツアーカイブに見やすくまとめているのでぜひご覧ください.
目次
今週作ったコンテンツのまとめ
いつも通り今週のコンテンツから紹介します.
記事
- 2020-10-09 第 005 回 第 1-2 文の単語の掘り下げ アインシュタインの特殊相対性理論の原論文を多言語で読む会 https://phasetr.com/blog/2020/10/09/studygroup-for-relativity-6/
動画
- 物性の摂動論 自己共役性と摂動 その数理と物理 https://youtu.be/r2-O_XQbDGc
- 幾何のための線型代数 内部積の定義 https://youtu.be/j0YKXInJA40
- 幾何のための線型代数 局所座標と内部積 p=2,3,4 での具体的な計算練習 https://www.youtube.com/watch?v=l0KxB38ZD1Y&feature=youtu.be
- リーマン積分とルベーグ積分の違い 定積分の値の比較 https://www.youtube.com/watch?v=Cj8MHKdRoog
- 語学 第 005 回 単語の素因数分解 第 1-2 文の単語の掘り下げ https://www.youtube.com/watch?v=mIKO_lUX22o&list=PLSBzltjFoprY1UhOvl-wXADKLQR5hkiOc&index=5
- 幾何のための線型代数 外積に対する内部積の性質 https://youtu.be/-fyFMaQNeN8
- なぜ古典的な微分幾何なのか https://youtu.be/swnot0glLO8
理論物理学者に市民が数学を教えようの会
- 理論物理学者に市民が数学を教えようの会 第2回 https://mmatsuo.com/2020/10/05/理論物理学者に市民が数学を教えようの会-第2回/
本文
今週 (先週?), ちょびちょびコンテンツ制作をさぼっていて,
物質の安定性と量子測定理論の動画が作れていません.
勉強会をぶっこんだというのもあります.
ペースが無茶と言えば無茶なので, ちょっと考えた方がいいのでしょう.
理論物理学者に市民が数学を教えようの会の反省
途中アドリブで適当なことを言ったらそれがおかしくて反省しました.
アドリブを効かせられるような頭の回転はないので,
よけいなことは言わないようにします.
また 1:1 での会話と思えばいいかもしれませんが,
YouTube の動画講義に耐えるクオリティではないと思うので,
その改善も大きな課題です.
頭の回転の悪さと吃音がかなり大きな問題になっていて,
本質的なので厳しいところもありますが,
それならそれで何ができるかを考えないといけません.
語学
理工系向けリベラルアーツと称して英語のコンテンツ制作,
勉強会を開いています.
今回は論文の第 1-2 文の単語を 4 つ紹介するだけで終わったのですが,
understand の解説で改めて思ったことがあります.
日本語の理解という言葉, 解像度が低いというか抽象的だなと思うようになりました.
まだきちんと理解しきれていないところがあるのですが,
いまのところ 「理解する」と訳される単語の
understand, apprehend, comprehend は次のような意味のようです.
- understand: 混沌としていた状況から頭をすっきりさせる.
- apprehend: 何か 1 つをがっちり掴まえる.
- comprehend: (apprehend と比較して) 包括的にがっちり掴まえる.
- 「comprehend できてはいないが apprehend はできている」状況がある.
これは数学や物理の勉強の仕方でも大事です.
いろいろな知識は仕入れられたがいまひとつすっきりしない状況は understand できていない状況で,
それなら一般論や抽象論を勉強するといいのでしょうし,
一般論を勉強しているときに曖昧模糊としてよくわからない状況ではまず apprehend を目指し,
具体例を徹底的にいじり倒してみるとか,
自分の理解の様子を詳しく分析するのに使えるでしょう.
私自身, いままで「理解」という単語の解像度が低く,
きちんと説明しきれていなかった気分がありますが,
何か少し掴めた気がしています.
この辺りまで突っ込んでリベラルアーツと呼べるレベルにまで仕上がったコンテンツ作成を目指して勉強会を進めています.
上に載せたように勉強会の動画は YouTube にもあげて,
記事も作っているので, 使える時間に合わせて眺めてみてください.
Mathpedia 運営のいいところ
Twitter でも書いたのですが,
お金の突っ込み方・使い方がいいと思います.
特に理学の人はお金に対する忌避感が高いので,
お金をクリーンに使っているように見せることがとても大事だと思っています.
その辺が本当にうまいので感心しています.
そして「寄付したい」「協力したい」という申し出も自然と出ているようで,
そういうのは私は全くできていないので,
その辺, 私は下手なのだろうと反省しています.
だからといってこれからどうするかという問題があり,
いまの 1 番の課題です.
今後の方針
この間もブログにはあげたと思うのですが,
現代数学探険隊は共通言語として使いたい関係上,
これを無料化する方向でいろいろ探っています.
既にお金を払ってくれた人に対する話もあるので,
当然いろいろ配慮は必要で, それが大事なポイントです.
まずは既に買ってくれた人向けに何かやってみて,
そこから広げていく予定です.
復習的なミニ勉強会をやる方がいいのか,
もっとアドバンストなことをやった方がいいのか,
具体的に聞きつつ進めます.
私もふだんの仕事があって時間が取りきれないこともある中で,
できる限り私自身の負荷もなく,
意味のあることがどれだけできるかが勘所です.
負荷をかけなくてもできる数学みたいな部分をもっと追う必要があると思っていて,
自分に負荷がかかるようなことをやっていてははじめから破綻しているので,
何をどうしようか工夫のしどころです.
現代数学探険隊の無料化からの展開,
既に大量のコンテンツを持っている現在の出版社などにも真似してほしいと思っているので,
きちんとしたビジネスモデルの形にしたいと思っています.
とりあえず今回はこんなところで終わります.
ではまたメールします.
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