多様体論は面白くするのが難しい/メルマガから

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今週作ったコンテンツ

期待値の線型性にフビニを使うという衝撃のツイートを見かけたので,
ごく簡単にコメントした記事です.
確かに言われてみると混乱するのだろうという気分はあります.
勉強ついでに統計のノートはまとまってきているので,
適切なプログラムつきのきちんとしたコンテンツを整備しないとまずいのでしょう.

実際に読んでみて非常によかったので,
とりあえず黒木さんのベイズのノートを勧めておきます.

黒木さんの資料はいろいろあってそれぞれ勉強になるのですが,
いろいろありすぎてどれからどう読み進めるかが問題なので,
それをきちんと整理する必要があります.
勉強会をしつつそれを整理しているところです.

今週の雑感

今週は幾何・リーマン面の勉強よりも,
プログラミングについていろいろやっていました.
ベイズ関係で Julia のコードをよく見ていたのと,
プログラミングの勉強会の次のネタ用に計算機科学系の本を読んでいます.
アンダースタンディングコンピュテーションという本です.

お勧めしてもらった本です.
Ruby で書いてある本で,
この手の本は Haskell で書かれた本が多いとか聞くのですが,
プログラミングというか計算機科学に突っ込んだ本をあまり知らないので,
実際に Haskell で書いてある本も知りたいですね.
それも読んでみたい.

いまは Jupyter notebook があるので出力結果つきの
プログラミングのノートが作りやすくて本当に便利です.
Ruby を入れようと思ったら MSYS2 のインストールではまったので,
Docker で iruby を使えるようにして,
それで動かしています.
まだ全然慣れていないものの,
多少なりとも Docker を使えるようにしておいてよかったです.
Docker があると Windows でも環境構築がだいぶ楽になるように思います.

ただ, これをプログラミングに慣れていない人にインストールして
使ってもらうのは厳しいとも思います.
その辺はやはり Google Colab がある
Python がまだまだ圧倒的に強いです.
一通り勉強し終わったら Python 版と Julia 版を作りたいですね.

幾何の話: 多様体論

今週は他に書くことがなかったので,
久しぶりに幾何の勉強のログというか,
ここまで勉強してきた上での多様体論の勉強のポイント的なところを適当にまとめます.

何度か書いた気もしますが,
とりあえず多様体の話からはじめましょう.
何一つ面白くありませんが,
結論から言うと歯を食いしばってやるしかありません.

以前, 岩波の現代数学の基礎などの付録の小冊子か何かで,
深谷賢治さんが書いていた記憶があるのですが,
多様体論は幾何の舞台整備なので必ずしも面白くありません.
一通り終わってようやく幾何がはじまる趣があります.
その意味で一番楽なのは,
数学科でとにかく無理やり一通りやらされて叩き込まれることです.

私自身, 数学科ではないにせよ,
学部一年で集合・実数・位相を叩き込まれつつ,
物理学科の学生として物理は最低限触れてきたからこそ,
何かを勉強するときにもある程度の感覚が育っていて便利なことがよくあります.

大人になってからの独学・再勉強だとこういう強制力が何もはたらかず,
やりたいことだけやる, もしくはやりたいことしかやれず,
面白くはなくても大事なところが抜けがちになります.

実際に幾何の人と話したことがある話として単位の分割があります.
これは「一回はやらないといけないが二度はやりたくない」ネタです.
微分形式に関わる局所理論は組み合わせ論的な議論は書くのが面倒で,
これもそう何度もやりたくありません.

微分形式やホモロジー・コホモロジーは
「具体的な構成はどうでもよく使い倒せばいい」と言われることがあります.
ただ, ところどころで具体的な構成を使って計算する場面はあり,
そういうときに「やはり基礎から,
構成からきちんとやらないと駄目か」と思わされる面倒さがあります.

よく古典的な曲線論・曲面論をやるといいという話も見かけますが,
これらは多様体論を避けた記述があって,
多様体論の勉強に役立つと思えたことがありません.
むしろ一般的なリーマン幾何をやってから,
その具体例として古典的な曲面論に落とした方が私にはよく気分が掴めました.
そもそも曲面論をきちんと多様体論・一般的なリーマン幾何に
きちんとつなげてくれている本があるのかどうかさえわかりません.
幾何の人または純粋な数学科の人が曲線論・曲面論と
多様体論の接続をどう勉強しているのか知りたいくらいです.

「理論物理学者に市民が数学を教える会」で実際に話したことなのですが,
物理学者が書いた本だといきなり位相空間や多様体の定義だけ出てきて,
数学的な気分は全然わかりません.
あれだと逆に何も書いていなさすぎて本当に無味乾燥で,
逆に何であれで勉強できるのか・わかるのかが不思議です.

そんな感じで何からどう攻めると取り組みやすくなるのか,
いまだによくわかっておらず,
コンテンツ整備も後回しになっています.

それだけで足りるわけはないのですが,
それでもとりあえずはリーマン面から攻めるのがいいのではないかと思っています.
多様体論というか幾何の議論でポイントはいくつかあり,
そのうちの一つは局所座標を取って議論を進める部分です.
やってみるとわかりますが, 実は記号的に非常にやっかいで,
テンソル解析的な議論だけではカバーしきれない部分があります.
その点, リーマン面だと複素一次元なので記号の面倒がだいぶ減っていて,
都合のいい座標系を取るという視点ががだいぶ見やすくなります.
そこだけでもだいぶ変わります.

ここまででも言ってきたように,
リーマン面は学部三年くらいまでの数学の総合格闘技の趣があり,
そう簡単ではありません.
次回以降, 多様体の各論についての概要と,
リーマン面のための基礎知識みたいなところをまとめていこうと思います.

今回はこのくらいにしましょう.
ではまたメールします.


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