なさそうでないコンテンツ/メルマガから

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なさそうでないコンテンツを作りたい

最近あまりできていないのですが,
なさそうでないコンテンツとして「簡単なことを難しく考える」タイプのコンテンツが作りたいと思っています.
実数論やR^nの議論をあえて関数解析の定理で書くとかいうタイプの議論です.
関数解析のモチベーションが云々とか実数論がどうの,
みたいな話を具体的にどういう意図があるのか示す事案です.

これは「理論物理学者に市民が数学を教えようの会」でやっている内容でもあります.
この間, 関数解析の話に絡めて実数論の話をしたとき,
Twitterで少しやりとりした内容です.
まずはそちらの会で試して少しずつ調整していこうと思っています.

関数解析の主定理の強さ

上のネタに関連したツリーを引用しておきます.

関数解析の主要定理の強さを知りたい(仰る通り有難みが分からない)

これに関して次のように返信しています.

返信集

実数論・ユークリッド空間論の拡張の側面を持つ定理がいくつかあって、実数論でのありがたみをわかっていないとそもそも何も感じられない可能性があります。無限次元ダイレクトでもいいのですが、弱位相など余計な要素が入ってきてややこしくなるので。
情報系だと何に当たるのかよくわからないのですが、(実数体・複素数体上での)解析学は物理で言う解析力学のようなもので、各定理だけではなくその証明・論法まで含めて実数論はアーキタイプになっていて、何らかの形で実数論のハートを掴めていないと関数解析・ルベーグは何が嬉しいのか体得大変です
実数論は何というか武道などの型に当たる役割もあり、その型に流し込むと自動的に色々なことができたり、こういう言明が成り立っていてほしいという気分が出てきます。たぶん情報系でも似たような分野や概念があると思うのですが、関数解析では実数がそれです。
ルベーグも同じです。ルベーグ積分も定理や証明自体が実数論の議論の直輸入の部分があり一方でルベーグ積分自体が関数解析のあらゆる基礎にもなっています。私の院の指導教員は募集要項的な資料で「ルベーグ積分を修めていないとうちの(関数解析系の)研究室に行くのは無理」とはっきり書いていました
あくまで数学科で研究ベースで考える上での話ではありますが、それでも数学科では一つの決定的な現実ではあります。細々とした細部の話でありつつ、よく言われる「お気持ち」の部分そのものが実数に関わる諸々に直結しているので、急がば回れで実数をきちんとやるのは一手です。

横からの質問

これに対して次のような質問が来ました.

横からですみませんが、もしよければおすすめの実数論の本を教えていただけないでしょうか? 当方物理出身で、黒田関数解析はひとしきり眺めてやはりお気持ちはよくわからず、無限次元は危ないということくらいしかわからなかったくらいのレベル感です。

これには次のように返しています.

レビュー見る限り新旧でテイストが変わっているらしいですが、学部一年の時に読んだこれは薄い中に一通り集合・実数・位相が書いてあってとりあえずこれを勧めています。(間違いが多く初学者向きではないのでは、とメルマガ読者に言われたこともあります)
http://mmatsuo.com/%e7%90%86%e8%ab%96%e7%89%a9%e7%90%86%e5%ad%a6%e8%80%85%e3%81%ab%e5%b8%82%e6%b0%91%e3%81%8c%e6%95%b0%e5%ad%a6%e3%82%92%e6%95%99%e3%81%88%e3%82%88%e3%81%86%e3%81%ae%e4%bc%9a/
あとは松尾さんとやっていてYouTubeに公開している勉強会の内容でしょうか。作り直したバージョンをいまだ公開していませんが https://phasetr.com/mtlp1/ とか。というか、まずこれを見ろ、という気分で作ったのでこの辺見てください。(いわゆるわかりやすいかどうかは別です)
あと https://phasetr.com/mtex1/https://phasetr.com/mtexpdf1/ は有料コンテンツの案内ページですが、このページの内容だけ読んでも参考になるように書いたのでこの辺も眺めておいてください。

既存の現代数学観光ツアーは整理してあって未リリースなのもありますが,
いまの視点で改めて「簡単なことを難しく」講座が作りたいですね.
最近, 幾何で調和積分までは一通りやり直して,
解析と幾何について改めて頭にロードしたのでそこまで含めてコンテンツ作りたいです.

おおもとの方程式の解と近似方程式の解の比較

これまたTwitterを見ていて思った話ですが,
最近, 黒木さんの統計学のipynbをもとにした勉強会をやっていて,
スターリングの等式の近似の具合を見るプログラムなどがありました.
これをやっていて「定性的・定量的にそうなるのはわかるが,
やはりプログラムを書いて図で実際に確認するのは楽しい」という話が出ました.
私もそう思います.

学部一年の教養の数学で出てくるネタを実際に計算練習として追いかけるのと同時に,
プログラムを書いて遊ぶコンテンツが作りたいと思ぅています.
プログラミング系の勉強会でネタにするかどうするかと思っています.

こういうコンテンツ, 探せばどこかにある気もするのですが,
見つけられないのでやはり自作するしかなさそうで,
作りたいモノはたくさんあっても時間が追いついていない状態です.

語学, 特に単語の話

最近執念深くアインシュタインの原論文を読む会を続けています.
ここ一週間くらいいろいろ諦めて,
ドイツ語の原文を見ることによる無理やりのドイツ語単語暗記に励んでいます.

フランス語やイタリア語は英語との関連が見やすくて割とすぐに頭に入ってくれるのですが,
ドイツ語はちょっと凝った単語になると英語と離れてくるので,
なかなか頭に入りません.

20回くらいくり返し英語と比べつつドイツ語を読んでいると,
ようやく少し頭に入ってきます.
その副産物で, いままでさっぱりわからなかったドイツ語の文構造が少し掴めるようになってきました.
原論文を見るとわかりますが,
一文一文が異様に長く非常に読むのが大変です.

それはさておき単語暗記です.
何度も調べるのに余計な時間を使って読解どころではないので,
やはり単語をきちんと覚えなければと思ってやっています.

いいオンラインコンテンツ・教材がなく,
英語・フランス語だとできる手法が使いづらく困っています.
やりたいのはごく単純で,
語源を掘り込んで単語への印象を強めるというタイプの勉強がしたいのです.

日本語の紙の辞書で語源が書いてあるのはありますが,
紙は時間がかかるのと持ち歩くのが大変なので,
やはりオンラインの資料がほしいです.

英語とフランス語だとWiktionaryがあって,
これがかなり楽しいです.
ドイツ語版もありますが, いまひとつ充実度が足りません.

少し調べたらドイツ語だと http://dwds.de が有名だそうで,
少し眺めてみたら, 完全にドイツ語のサイトで,
語源は書いてあってもドイツ語です.
ドイツ語の文法もザルなのにまともにドイツ語単語を覚えていないので,
全く読めないという厳しさがあります.
Wiktionary は英語サイトなので読めてありがたいのですが.

ちなみに, 語学に関してはきちんと人に教わっていて,
その人から紙の辞書はお勧めされているのですが,
オンラインコンテンツがほしいという我侭を言っています.
運動不足の解消も兼ねて, エアロバイクを漕ぎながら,
ChromebookでPDFを書きつつメモしつつで勉強しているので,
そこに紙の辞書を併用して勉強するのが大変で,
それでオンラインコンテンツがほしい.

http://dwds.de の語源の項を読むためにもドイツ語を覚えないといけなくて,
ドイツ語暗記が進まない悪循環です.
地道に続けて自作するしかないのでがんばってやっていきます.

単語の勉強が楽しいのは, 数学での (群の) 表現論の趣があるからです.
いわゆる印欧祖語とかいうやつですが,
単語にも一応アーキタイプがあって,
そこから各言語での単語が出てくるという話があります.
私の修士の研究テーマは作用素環の表現論でもあり,
表現論にはそれ相応の気分というか憧れがあります.

この起源を辿る部分で表現論の趣があり,
広義の数学・物理をやっている気分があって楽しいのです.
各言語にどう降りてくるかを考えるのがまさに準同型を見ているという感じ.
同型ではないのでいろいろ捻じ曲がっていて,
言語ごとに少しずつ違ううつり方をしている部分を眺めて比較するのも楽しいです.

勉強会で数学科出で翻訳をやっている人が参加してくれていて,
この辺の多言語ネタも話しています.
面白がってくれているので, うまくやれば,
他にも面白く思ってくれる人がもっといるはずで,
その辺の様子見としていろいろやっています.

文法は文法で,
自然を自然法則で読み解くのと似た気分があるので,
この辺の視点を重視した語学コンテンツがほしいのですが,
誰も作ってくれないので一所懸命自作しています.
いま作っているのは一定程度の単語力と読み書き系英語への耐性を仮定してしまっていて,
これだと大元のモチベーションの中高生向けのコンテンツになりません.
なかなか調整が難しいです.
実際に中高生と何かしたいとは思うのですが.

今回もいろいろ書いていたら長くなったので,
とりあえず今回はこんなところで終わります.

ではまたメールします.

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