応用からの中高数学再入門 中高数学駆け込み寺

絵とアニメーションで学ぶ応用数学

数学世界を観光しよう: 遥かなる冒険の旅路の前に

学生時代のリベンジのため数学を勉強・復習・再入門してみたい, 思わぬところで数学が必要になり勉強しなければと慌てている, しかし数学世界の難所は険しく 1 人では踏破できない! そんなあなたに数学のガイドマップをお渡しするとともに, 私自身がガイドとして数学の世界をご案内します.

これは無料のメール通信講座の案内です. 「冒険の前に数学の世界を下見しよう」をコンセプトとして, あなたが数学を勉強するための道案内をしていきます. 私は学部では早稲田の物理学科で物理を, 修士では東大の数学科で数学を学んできました. その経験をもとにして 物理をはじめとした応用の現場で必要な数学の大きな流れを 数学的な正確さも犠牲にせずにご案内していきます.

下見というと固くなりすぎるので, もっと気楽に数学の世界を観光しに行くくらいに考えてください. 数学の世界には危険地帯もあります. その一方で気楽に観光できる部分もたくさんあります. まずはその気楽な部分に触れてもらって数学の世界に親しみを持ってもらおう, そういう趣旨の通信講座です. もちろん将来の本格的な冒険の旅にも役立つしっかりした内容にしています.

冒険の旅には目的地があり, 目的地に辿り着くまでの経路もたくさんあります. 今回の目的地は微分, もっと言うと微分方程式です. 細かいところはこれから説明していきます. まずはこの数学観光を通じて得られることをまとめます.

今回の具体的な観光内容・コースも紹介しておきます. 全 11 回で次のコースを辿っていきます.

最後の勉強の指針では次のような話をします.

いいものはどんどん使うべきだし紹介するべきとも思っているので, 既存の他社サービスも紹介します. 自分で有料の講座もやっているのに他社サービスなんて紹介して大丈夫なの? と言われることもありますが, そもそも自分が作ったわけでもない本やコンテンツをたくさん紹介していますし, 単にその一環です. 何より私の活動の目的は数学の話ができる友達を増やすことであり, あなたに数学を勉強し続けてもらうことです.

さらに観光ガイドとして, 次のような配慮をしながら数学の世界をご案内します.

具体的には下見としての勉強に必要なコンテンツは少しずつ, そして定期的にお送りします. ペース配分はペースメーカーに任せてもらって, 1 回の分量を 10-20 分もあれば目を通し切れるようにおさえます.

目的地にいたるまでに どんな道があって, どんな障害があって, どんな準備をすればその障害が越えられるのか, そしてその全体像を無理なく大きく理解する, これがこの講座の目的です.

あなたが中高数学に再入門したい大人ならもちろんのこと, 学校で勉強する以上の内容に興味がある中高生でも OK です. ぜひ気軽に登録してください. 気に入らなければワンクリックで解除できます.

「私も数学を楽しんでみたい!」

ふだん私は数学や物理に関する大学・大学院レベルの専門性の高い情報発信をしています. 関連する有料・無料の通信講座も提供しています. 参加された方の話を伺っていると「自分も数学を楽しんでみたい!」, 「数学が苦手でも楽しめる方法はないのか?」, という期待を強く感じます. そしてアンケートを取ってみるとよく出てくる要望は次の 2 つです.

本当によくこう言われますし, あなたもそう思っているかもしれません. 実際, あなたの要望に沿った教材・コンテンツを あなたが見つけられないのも事実なのでしょう.

しかし最近はわかりやすい本や教材も増えてきています. 計算が丁寧図もふんだんに使われているコンテンツもたくさんあります. 特にインターネット上では図があるどころか, グリグリ動かせるインタラクティブなコンテンツまで出てきています. 一昔前からは想像もできないほど爆発的に改良され発展し続けています.

こうした既存のコンテンツをうまく使わない手はないので, 私以外の人が作ったコンテンツも積極的にお勧めしています.

しかしそんなことをしていてもどうも反応が悪いのです. 勉強が続かない人ばかりです.

よくよく話を聞いてみると, 実際に困っているのは次の点でした.

こんな話もありました.

「数学」の勉強の仕方を知ろう

ここでの「数学」は必ずしも「小中高と学んできた数学」ではありません. これまでの人類の歴史の中で連綿と紡いできた, 人々の営みとしての数学です.

あなたは「そんな高尚なご託はどうでもいいからさっさとわかりやすいことやって」 「素人にもわかりやすいコンテンツ作って」と思ったかもしれません. しかしいまの世にあるコンテンツはそうした要望を受けて作られています. それを使って勉強した上で全然うまく行っていない方も多く, もちろんあなたもそれで困っているわけです.

数学史をひもといてもらえればわかるように, 数学の発展の順序と教科書に書かれた理論の展開の順序は一致していません. 真逆である場合すらあります. 極端な場合, 教科書の最後に書かれた定理が成立することだけはわかっていて, それを追求する過程で大きな理論が発展してきた事例もあります.

この結論の定理やその周辺のアイデアは直観的でわかりやすいことも多いです. しかしそれを追求する過程で元のアイデアが修正を迫られます. その結果として致命的なほどにわかりづらくなることもよくあります. 大学の数学がわかる方向けに具体例を出すと, 悪名高き \(\varepsilon\)-\(\delta\) 論法はその代表でしょう.

この逆もありえます. 最初はごちゃごちゃしていたおかげで 逆にとっかかりがたくさんあってわかりやすかったのに, 学ぶべき大きな理論の中では過激なほどに一般化・抽象化され綺麗に整理されています. そしてその分ツルツルでとっかかりがなくなって全く意味がわからなくなることもよくあります. 大学の数学がわかる方向けに言えばこちらの代表例は位相空間論でしょうか.

教科書や参考書に書かれているのは, 適用範囲が極端に広がったかわりにそれを考えるモチベーションや, わかりやすい発想の原点がまるで見えなくなったモノです. 既存の中高数学向けコンテンツの多くはまさにこういう姿をしています. 中高数学の視界の中でしか考えられていないことが多いのです. もちろんそれでも役には立つのですが明らかに全体像を理解した玄人向けの構成です. あなたが 1 人で読んでどうにかなるような構成にはなっていません.

イメージとしては窓もエレベーターもない超高層の建築物です. 最上階から見える景色は絶景です. しかし途中で挫折したら何も得られません. 極端な言い方ですがそう的外れでもないでしょう.

こうした事情を無視して中高の数学の世界に閉じこもっているからこそ 突破口が見えないのではないか, これがこの講座を作った理由です.

実際大学の講義や研究に関する講演や論文では, 理論の見通しに関する説明が必ずあります. そういう説明なしに綺麗に整理された理論だけ見せられても, 専門家ですらそれが何なのか全く理解できないからです. 理論の気持ちさえおさえられれば細かい話はどうでもいいことすらあります.

既存の丁寧でわかりやすいコンテンツは個別具体的な丁寧さを重視しすぎて, 数学の全体像がまるで見えなくなっています. 既存のそうしたコンテンツは絶対に必要ですし価値もあります. しかし車の両輪として全体像を見せてくれるコンテンツも必要なのです. 前者のコンテンツでしか勉強していないあなたは 専門家ですら苦しむ勉強スタイルだけを採用して勉強しているわけです. それはただの茨の道です.

この通信講座で目指すのは人間が数学を理解する上で自然なスタイルです. 個別具体的な説明のわかりやすさではなく, 数学に対する 1 つの世界観を伝えることです.

冒険の旅の前に下見に行こう

先の話のポイントをまとめましょう. 数学の勉強を続けていると必ず乗り越えるべき難所に出くわします. この難所をどうくぐり抜けるかがキモであり, そこに無理なく勉強を続ける秘訣があります.

まずはこれを認めてください. 数学科の学生にとってさえ数学の中に乗り越えるべき難所がたくさんあるのです.

その難所をくぐり抜けて冒険の旅を続けるにはいろいろな工夫が必要です. ただ数学の教科書を順に読んでいても全く理解できる気がしません. それどころか教科書を順に読むことそれ自体が戦いです.

冒険の過程で現われる難所を乗り越えるべく, 冒険の旅を共に歩んでいってくれる仲間がいて, 支えとなる環境があります.

そして教官陣は広く深い数学の世界のガイドになってくれます. 将来危険地帯にも踏み込むことも前提に, 危機回避方法も教えてくれます.

少し考えればこれは至ってふつうのことです. 何か新しいことをやろうというとき, やることは初心者用の本を読むだけではありません. 名所案内ガイドブックを読んでみたり, 詳しい人に面白そうなところを聞いてみて実際にそこに行ってみたり, 実際に実技指導をしてもらったりするでしょう.

しかし実際にこれをやっている人を見たことがありません. 「ただ単に挫折したところから数学を復習しはじめる」, 「地道に入門書だけを読んでいく」, 「1 人で孤独に勉強を進めていく」, ほとんどそうです. 数学の全体像を掴めていない状態で, 適切なスタート地点からはじめられるはずがありません.

教科書の理論の順番通りに進めていくだけが勉強ではないし, 教科書の最初だけがスタート地点ではありません. この講座ではまず目的地として微分, 特に微分方程式を設定しています. そこでどんな道具が活躍してくれるかを見ます. そしてある 1 つの経路を選び, その経路の様子や道具同士の関連を見ながら, 理論の大きな姿を掴んでもらいます.

数学でもガイドマップを読み, ガイドと一緒に旅行しよう

一言で言うなら数学の旅をするときにも 数学世界のガイドマップを読んでください. ガイドマップを読んだ上で自分の目的を設定し, その目的に合った経路を選んで目的地に向かいましょう.

目的に合わせて装備を検討する必要もあります. 極寒の地に向かうなら防寒具が必要だし, 密林に向かうならサバイバルセットが必要です. 目的地に応じて必要な装備は変わるので, 事前に調べておく必要があります. 下見をして自分の装備が十分か, そしてその装備を使いこなせるかを点検する必要があります.

そして勉強を続ける上で大事なのはモチベーションです. 憧れと言っても構いません. そしてその憧れを体現している具体的な人がいればなおよいです. その人を参考にすればいいのですから.

私は数学者というわけではありません. しかし学部は物理, 大学院は数学科を出ています. 大学の教官のように明らかに私を超えた能力や知見を持つ人はいます. しかし私も世間一般の水準を超えているとは言えるでしょう.

私に具体的に憧れを感じるかどうかはあなた次第ですし, 必ずしも憧れを感じる必要はありません. しかし数学科の人間が持つ数学に対する土地勘や世界観はお伝えできますし, あなたが数学を勉強したいなら参考になるところは必ずあるはずです. もともと物理学科なので物理への応用から見た数学についても一定の知見があります.

真似をするという発想がなければ視野が広がりません. これまでのあなたの思考・行動パターンにない世界を体感してもらいたいと思っています. 見よう見真似で試してみて合わなければやめる, 合えば続ける, その程度の気楽な感じで付き合ってもらえれば OK です. 少なくとも中高生の頃の自分がこんな世界観を知れたら絶対喜んだろう, そういう内容にしています.

今回の観光旅行のポイントまとめ

最後にポイントをまとめます.

ご興味があればぜひ登録してみてください. 登録も受講も無料です. 面白い書籍や教材も含めて, 随時いろいろな案内や情報もお伝えしていきます. ワンクリックで解除もできます.

最後に

私の出身の関係もあって物理に関する情報発信が多いため, 私のところに集まってくる方の趣向としても物理が多く, 今回は物理のための数学というテイストを強めにして微分方程式を取り上げています.

しかし今後もいろいろなトピックを扱っていく予定です. この無料メール通信講座では適宜新たなトピックも案内していきます. 「こんなことを扱ってほしい」というトピックがあれば気軽に要望してください. すぐに対応できるかはともかく, 今後の情報発信でも特に気にかけていきます. そして私が作ったかどうかに限らず, 既によいコンテンツがあればそれも随時紹介していきます. 不要になったらワンクリックで解除できるので気楽に登録してください.