こうやって大学受験を乗り越えろ

目次

1 注意

  • 吃音 (どもり) があるので話が聞きづらい可能性があります.
  • 予めご了承ください.
  • 大事なことは繰り返し何度も言います.

2 ここで話すこと

  • 宿題.
  • 大学入試で何が要求されているのか?
  • それをどう鍛えればいいのか?
  • 大学, それ以降でも役に立つ勉強法とは?

3 宿題

  • 今日の話を脳内授業すること.
    • 脳内授業についてはあとで説明.
  • 友達にも授業すること.
  • 説明を自分にとってわかりやすく変えること.
    • 特にゲームで例えた部分は別の自分が好きなゲームで例えたり, 部活のメニューで例えたり自分にわかりやすい例に置き換えること.
  • わかりやすく変えた説明を phasetr@gmail.com まで提出すること.
    • 提出先は LINE でも可: @phasetr.
    • スライドがほしければ上の連絡先まで請求.

4 大学入試では何が要求されているのか?

4.1 まずは考えよう

  • 何を勉強すればいいかは明快.
    • 受験校で課される科目.
    • 高校の学習内容.
  • それをどうやって勉強するのか?
  • そもそも大学入試で要求される能力は何か?
  • 当然大学, 学部で要求される能力.
  • 先に行く前に少し考えてみよう.

4.2 大学入試で問われるのはこれ!

  • 大量の情報を的確に記憶する能力.
  • 大量のタスクを的確に処理する能力.
  • 自らの能力を示す能力.
    • 要は制限時間内にきちんと解答を書ききる能力.
    • アウトプットする力.
  • 何故これらの能力が必要なのか?

4.3 何故これらの能力が必要なのか?

  • 情報化社会で大量の情報に埋もれないように云々というのは確かにある.
    • しかしそれはむしろ院・研究の話.
  • 今はあくまで学部の話.
  • 結論は単純.
    • 実際にそれをやってもらわないと困るから.
  • なぜこの能力がないと困るのか?
  • まずは考えてみよう.

4.4 例を挙げる

  • 物理学科卒なので, 確実に知っている例として物理.
  • 大学での物理は近代に始まったガリレオ以降, ニュートンの話, 特に力学からはじまる.
  • 歴史的には 16-17 世紀: 今から 400 年前.
  • ここから現代物理に到達しないといけない.

4.5 卒業研究の壁

  • 学部 4 年で卒業研究があって, 建前としては本当に新しい成果を出す.
    • 理論物理や数学だとなかなかそうもいかないのだがそれはそれ.
  • 400 年分の勉強を 4 年どころか, 学部 4 年での研究スタートのために 3 年と少しでやりきる.
    • それも世の天才が死に物狂いで築いた成果を 3 年間で.
  • とんでもない量になることはわかるだろう.

4.5.1 物理はまだいい

  • 物理の他には数学が必要なくらい.
    • 高校の物理でも, 必要だからとまだ数学でやってもいないベクトルの話が先に出てきたかもしれない.
  • 基本は物理だけしていればいい.

4.5.2 化学では

  • 化学となると基礎となる物理が必要で, さらにそのための数学がいる.
  • 化学教育のために必要なら先に物理をやる.
  • 例えば早稲田の化学だと電磁気を 1 年からやる.
    • 物理学科では 2 年次からやる.
  • そのために必要な数学があってそれも大急ぎでやる.
    • 多変数の微積分が必要でかなり大変.

4.5.3 応用化学では

  • 早稲田の応用化学だと 1 年から量子化学をやる.
    • 化学科でも 2 年, 物理では 3 年からやる内容.
  • それでもやらなければ 3 年間でまともなところまでいけない.

4.5.4 その他工学

  • 応用の度合いが高まると, 今度は工学的に関連する法律の勉強も必要になる.
  • 電気技術者試験とかそういう資格の話.
  • この膨大なベースがあってその上に何かが乗っていく.
    • 仕事になる.
    • 役に立つ.

4.6 文系でも同じ

  • これはいわゆる文系でも同じ.
  • 社会学の大学院でのリーディングアサインメント.
    • 数百ページの英語の文献を数冊渡されて来週までにこれらを読んでレポートしてまとめて意見を述べろ, という課題.
    • こうなると研究レベルで最初の情報化社会が云々的な話になってくるが, やはり求められる能力は似ている.

4.7 まとめ

  • これを身につけろ.
    • 大量の情報を的確に記憶する能力.
    • 大量のタスクを的確に処理する能力.
    • 自らの能力を示す能力.
      • アウトプットする力.
  • 受験の時にも当然これらを鍛えないといけない.

4.8 どうやるの?

  • これからその勉強法を紹介する.

5 こうやって勉強しよう

5.1 受験のイメージ

  • ここからゲームの例えでいろいろ説明する.
    • 例に出すゲーム古いかも?
    • そういう場合は適当にいいゲームを想像する.
  • 受験には中ボスがたくさんいて, それを倒すための武器や道具, 魔法などがたくさんあるというイメージで臨もう.
  • 魔法が使えなくて武器しか使えないところに行くには武器レベルを上げないといけない.
  • 上級魔法しか効かない相手には上級魔法を覚えないといけない.
  • 部活とか自分にわかりやすい例を考えてみよう.

5.2 実際に勉強していく時のポイント

  • インプットとアウトプットのバランスを取る.
    • 大抵アウトプットが少ない.
  • ただはじめはインプット多めでいい.
    • 要は早いうちから種をたくさん蒔く.
    • 蒔く種が少なければ収穫量も少ないし, 収穫時期も遅れる.
  • 細かいところを気にし過ぎず全体像のぼんやりした把握に注力.
  • 本は解答・解説をどんどん読んでいく.
  • 脳内授業でアウトプット練習: 書かずに話す.
  • 馬鹿みたいに繰り返して精度を少しずつ上げていく.
  • 適当なレベルの本を読んでいるのなら, その本を何十回と繰り返す.
  • その本を丸々一冊何も見ずに解説しきれるのが理想.

5.2.1 はじめから解答解説を読むことへの補足

  • 知らなければ始まらないことがたくさんある.
  • 例えば放物線の接線を求めよと言われて微分を知らずに制限時間内に解ききれるか.
  • いわゆる閃きで解かないといけなくなることはあるが, 全部閃かなければいけないとしたら不安定なことこの上ない.
  • 最低限はきちんと知らないといけない.
  • ある程度の問題の型と解法はきちんと記憶する必要がある.
  • 難しい問題はどうやって知っている所に落とし込むかが勝負.
  • 基礎知識もないのに問題が解けるわけがない.

5.2.2 「本一冊まるまる解説」への補足

  • これは数学科でいう「理解」の水準.
  • 本には目標となる定理・理論がある.
  • そのためにどんな定理が必要か, どんな方法で証明していけばいいか.
  • 全体像が分かっていればそのための流れも勝手に決まっていく.
  • 「神の視点」で細かいところまできちんと見渡せているか.
  • そうすればきちんと本が書けるし, そのくらいでないと理解したとはいえない.
  • 私も到達できていない遠い理想.

5.2.3 英語の勉強補足

  • 英語と思うから紛らわしいので韓国語やアラビア語と思って考える.
    • ハングルやアラビア語は文字が読めないからまず文字と読み方.
    • 単語と熟語: これで最低限のやりとりができる.
    • 次は文法.
      • 長いやりとりをするにも一文一文の理解が大事.
      • 一文書くには単語をルールに沿って配置する必要がある: それが文法.
  • 必然的に順番が決まる.
    • 単語を大量にセット.
    • 文法を大量にセット.
    • 一文一文の正確な理解.
    • それらを繋げた全体の理解.

5.2.4 忘れがちなポイント

  • アウトプットの少なさ問題.
    • 今日この時間, 2 時間ほぼ聞きっぱなし.
    • 2 時間のインプットに対してアウトプットどのくらい?
  • 話を聞いて「ふーんそうか」で終わっては絶対にだめ。
    • 必ず馬鹿みたいに反復・復習する.
    • 今日帰る間も頭の中で脳内授業で復習+アウトプット練習すること.
  • 概要理解の大切さ.
    • 細かいことを覚えてもどんどん忘れていく.
    • 大雑把なことはなかなか忘れない.
    • 歴史で「何年に誰が何をした」は忘れても「奈良, 平安, 鎌倉, 室町, 戦国」という時代の流れは忘れない.

5.3 基本はこれだけ

  • ここからいろいろな形・内容で細かい補足をしていく.

5.4 数学科秘伝, 散歩数学

  • 参考書
  • 要は散歩・ハイキングしながら数学のセミナー (授業) をする.
  • 次の点で大事.
    • 細部が犠牲になるのは仕方ない.
    • 大切なアイデアや鍵となる議論のポイントを捉える.
    • 証明や議論の全体の流れをつかむ.
  • 実際, 私もセミナー前は 2 時間くらい歩き回りながら頭を整理した.
    • やってみるとわかる.

5.5 自分に向けて脳内授業

  • 要は脳内で授業しながら散歩する.
    • お風呂の中とか各自適当にやりやすく調整しよう.
  • セミナーという形式自体, 学部上級から大学院で定番の優れた方法.
    • 大学院の勉強法の先取り.
  • 運動は健康にもいいし気分転換にもなる.
  • 人に教える時には頭の使い方が変わり, 自身の理解も深まる.
  • 訓練としてまず自分に対して説明する.
  • アウトプットを増やす.
  • 写経: 受験ではあまりやらなくていいが, これも定評ある方法.
    • ハードな計算を追うにはこれ.

5.6 とにかく行動する

  • よくわからなくてもとにかく続ける.
  • そのうちわかるように・できるようになる.
  • 下手なりにやっていればそのうちうまくなる.
    • ゲームでも部活でも.
    • 子供のお箸の使い方とか.
  • ただし上達のために考え続けていれば.

5.7 細部よりも全体像から: ゲームで考えよう

  • ゲームの二週目のイメージ.
  • 全体像が見えているから大事なところがわかる.
  • こんな経験ないですか?
    • 途中まで行ったが, お気に入りの鍛えたキャラが途中で外れてしまいパーティ弱体化.
    • 取るべきアイテムを取っていなくて前に戻る.
    • つらい.

5.7.1 ゲームで考えよう 2

  • 何を・いつ・どこで・どのくらいのレベルにしておけばいいか.
  • どんなスキルを優先して身につければいいか.
  • 世界樹の迷宮 1 のメディック.
    • 凄まじいアタックスキルを持つ.
    • 補助・回復役としてではなくアタッカーとして育てる.
    • ニコニコにそういう動画も上がっている.

5.7.2 ゲームで考えよう 3

  • 効率よく進めるには全体像を大雑把でいいから把握する.
  • 細部を詰めていくのは攻略の醍醐味.
  • 「前回以上のタイム, ハイスコアが出た!」

5.8 テキスト斜め読みの反復

  • ゲームがうまくなるまで何度繰り返した?
  • 斜め読みについて.
    • 実際にはきちんと考えながら読むこと.
    • 大事なのは 完璧主義にならない こと.
    • 適度に穴を残したままでいい.
    • その代わり深い理解に到達するまで繰り返す.

5.9 歴史で考えよう

  • 歴史の概要を把握してから細部を埋めていく.
  • 奈良で平安で鎌倉で室町で戦国で, メインキャラが何したか分かれば話の筋はわかる.
  • 個別の事象は不整合がないように流れに入れておけばいいだけ.
    • 武士に関する話が縄文時代にあるわけない.

5.10 まずは得点源を作ろう

  • 選択と集中が必要.
  • 月曜は剣, 火曜は火の魔法とか効率悪すぎ.
  • 剣なら剣をある程度鍛えてしまう.
  • 頭の切り替えをするだけでも大変ということをきちんと理解する.

5.11 短期集中の具体例

  • 単語を 3 日で 1500 語覚えるには?
  • まずはどうすればいいか考えてみよう.

5.11.1 こうやって進めよう: 目標を明確に

  • まずは目標を明確にする.
    • とにかく単語の意味を 1 つだけ覚える.
    • 多義語の意味はとにかく主な 1 つだけ.
    • 類語とか例文なんて知ったことか.

5.12 選択と集中

  • 「した方がいい」ことはたくさんある.
  • それにいちいち構っていられない.
  • 絶対しなければいけないことをあげてそれを実行する.
  • 「何をするか」よりも「何をしない」のか.
    • 研究でもよくこう言われる.
  • FF3 のジョブチェンジとかドラクエの転職でのレベルダウン.
    • 戦士で LV50 でも魔法使いになるとまた LV1 からのスタートになってしまう.
    • 頭の切り替えコストは馬鹿にならない.
  • 一気に基本をやり終えて, あとはひたすら繰り返し.

5.13 経験からも考えよう

  • 考えながら一生懸命やっていれば, そのうちやっていないことまでよくなっていく.
  • 集中して一気にあるスキルだけ強化するのは大事.
  • 戦う中でレベルアップして全体的にも底上げされていく.
  • 格ゲーでのコンピュータとの対戦.
    • このキャラはこんなパターンで動く.
    • こう来たらこの技, この方法ではめる.
    • 技入力の正確さ・タイミングを取る技術があがる.
    • 総合的なゲームの技術が上がり, 対人戦の技術も上がる.
    • 初めて出会う人が相手でも倒せるようになる.
    • 部活の試合と一緒.

5.14 組み合わせの妙

  • 難関校合格とは.
    • 難しい技を決めたい, 覚えたい.
  • 基礎になる簡単な技を複数しっかり身につける.
    • ロマサガでの派生技・合成術.
  • 受験では?
    • 対応するのは単語の意味を一つでいいからまず 1500 語を覚えてしまう.

5.14.1 組み合わせの具体例

  • 「あれとあれ, 関係あるかも!」
    • そもそも元となる知識がなければ発想が生まれない.
  • 否定の接頭辞 in (im)
    • impossible, infinite
    • 覚えようとしなくても複数例を見れば勝手に思いつく.
    • 語源や接頭辞や類語は数をこなすと自然に身につく.
  • 英単語を知らなければ英文読めないのと同じく, 最低限の問題の解法を全て知らなければ数学や物理もわからない.
    • ベクトル抜きで物理ができるか?
    • 微分を知らずに接線が求められるか?

5.15 鍛えて磨き抜く

  • 必要な知識はたくさんある.
  • 本当に簡単なことをまずはたくさん身につける.
  • レベルが低くていいから身につける.
  • 基本はだいたい地味で面白くないのでさっさと終わらせる.
    • スポーツをしていれば筋トレとかランニング.
    • 面白くないけど大事というのもまたつらい.
  • 長くやっているとモチベも下がるし効率も落ちる.
  • あとは死ぬほど使い込む.
  • プロ選手でも素振りやリフティングの練習をし続ける意味を考える.

5.16 アウトプットの仕方: 脳内授業

  • 書くとスピードが落ちて量が減るから基本は書かない.
    • 例外は例外で処理.
    • 受験終盤, 答案作成練習や初見の問題演習フェーズではきちんと書く.
    • 書くのにかかる時間の把握も必要だから.
    • 数学・物理の細かい計算の練習はあとできっちりやればいい.
    • 小論文の文字数調整だとかもそう.
  • アウトプットに関してはまず自分に対して脳内授業.
    • 一通り定着したと思ったら今度は友達に話す.
    • 友達からのフィードバックを受けてよりよい解説に修正.
  • この勉強法の話自体も自分で調整してみる.
    • 脳内授業・友達に授業してみよう.

5.17 脳内授業の効用

  • 書くよりもアウトプットのスピード・量が増える.
  • 脳内授業すると話すことに集中して余計なことを考える暇がなくなる.
    • 集中力の意味でもおすすめ.
  • 歩きながら, 風呂に入りながらなど紙やペンがなくても勉強できる.

5.18 まとめ

  • 大枠をぼんやり掴んでシャープにしていく.
  • 基礎は短期集中でさっさと固める.
  • 絶え間ない反復練習.
  • まずは全体をロードして断片化を避ける.
    • ハードディスク読み取り.
  • 脳内授業は超大事.

6 宿題

  • 今日の話を脳内授業すること.
  • 友達にも授業すること.
  • 説明を自分にとってわかりやすく変えること.
    • 特にゲームで例えた部分は別の自分が好きなゲームで例えたり, 部活のメニューで例えたり自分にわかりやすい例に置き換えること.
  • わかりやすく変えた説明を phasetr@gmail.com まで提出すること.
    • 提出先は LINE でも可: @phasetr.
    • スライドがほしければ上の連絡先まで請求.

著者: 関根良紹 (相転移P)

Email: phasetr@gmail.com

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