カテゴリー: 相転移プロダクション

  • はじめに: 全体の大枠を掴もう/中高数学駆け込み寺 第一回

    こちらに PDF が置いてあります.
    サイトでは見づらい方は PDF をご覧ください.

    講座の目的: 微分方程式のシミュレーション

    今回はイントロとして説明することがいくつかあります.
    私が作っている他の講座と同じように,
    この中高数学駆け込み寺では細かいことを詳しくやっていくよりも,
    数学を勉強するモチベーションになるように数学の大きな姿をお見せしていきます.
    で, 実際に何をするのかというと,
    微分方程式のシミュレーションを通じて中高数学の大枠を掴んでいきます.
    もっと具体的に言うと微分方程式のシミュレーションには中高でやる数学がほとんど全て出てきます.

    • この数学はこんなところでこういう風に使うのか!

    使われているシーンを具体的に見てもらってモチベーションにしてもらおう,
    そんな講座です.
    この講座では文字計算には慣れていることを前提にしています.

    微分方程式って何?

    • 微分方程式はどこでどんな風に使われているの?
    • この講座では具体的にどんなことをするの?

    あなたが中高生なら微分は聞いたこともないかもしれません.
    あなたが中高の数学の復習をしたいと思っている大人なら,
    「自分にはまだ微分なんて早いんじゃ?」と思っているかもしれません.
    メインの微分方程式が何だかわからないんじゃ読み進めるのはきついですよね?
    というわけでまずは微分方程式の説明をします.

    微分方程式は理工系の基礎です.
    いわゆる自然法則は微分方程式で表現されることが多いのです.
    これがどこで使われるかというと,
    例えば洪水が起きたときの被害予測に使われます.
    どんな規模で起きた洪水が市街地のどこまで進入してくるか?
    こういうシミュレーションをテレビで見たことがないでしょうか.
    このシミュレーションに使われているのが微分方程式です.

    微分方程式は何に使うの?

    他にも微分方程式はありとあらゆるところで使われています.
    ゲームの CG を自然に見せるためにはまさに自然法則に則って風や水の動きを表現しないといけません.
    だから微分方程式がその背後に隠れています.
    天気予報はいまの気象条件から未来の様子を予測する必要があります.
    この予測にも微分方程式を使っています.
    機械を動かしていると熱くなることがありますね?
    あまりにも熱くなりすぎると機械が暴走してしまうので熱を効率よく逃がす必要があります.
    そのためには熱の流れを考えてその流体の動きをきちんと制御する必要があります.
    ここでは熱の流れの微分方程式を考えてそれをシミュレーションします.
    車を作るとき空気抵抗を調べるためにも流体力学が必要で,
    シミュレーションも使ってモノづくりにも活かしています.
    他にもいちいち挙げきれないくらい身の回りに微分方程式のシミュレーションを使っているモノがあります.

    微分方程式自体をきちんと調べようと思うと大学の数学が必要です.
    でもシミュレーションを中心に考えれば中高の数学でかなりいろいろなことがわかります.
    わかるだけじゃなくて実際に微分方程式を解いて遊んでみることだってできます.
    この自分でも遊べるところまで持っていけるのが大事じゃないかと思っていて.
    それが微分方程式のシミュレーションを選んだ理由の 1 つです.

    さて, ここまでで微分方程式が何で大事かはわかってもらえたでしょうか?
    これをやれば数学をいろいろ遊び倒せそうと思ってもらえたら嬉しいです.
    ちゃんとがんばれば自分でゲームを作ったりもできますしね.
    次はもう少し数学的な内容に踏み込みましょう.

    何はともあれ微分に関する話をやるわけです.
    そして微分は高校でやる内容です.
    あなたは微分に対して嫌な思い出を持っているかもしれません.
    あなたは「中学レベルからやり直したいのにそんなの無理だ!」と思っているかもしれません.
    もっと簡単なところからやってほしいと思っているかもしれません.

    でもこの講座では中高数学の大枠を掴んでもらう講座です.
    そして今回はこの講座の大枠を掴んでもらう講座です.
    どうかもうしばらく辛抱して読み進めてください.

    シミュレーションの実際

    まず何をするのかを見てもらいたいので,
    次のページを開いて 1 番下までスクロールしてください.
    動画の再生ボタンがありますから動画を再生してみましょう.

    これは 1 次元移流方程式のシミュレーション結果です.
    プログラムを書いてコンピュータに計算させ,
    その結果をアニメーションさせています.
    移流方程式は微分方程式なのでそこで微分を使っています.

    コンピュータは数学的に厳密に微分を計算できません.
    極限を取れないからです.
    そうかといって全く何もできないわけじゃなくて.
    実は微分の定義にしたがって微分を近似して計算しています.
    微分を近似すると実はただの引き算 (と割り算) になります.

    さっきのページの上の方,
    式 (2)-(4) を見てください.
    こっちにも同じ式を書いておきますね.

    \begin{align}
    \frac{\partial u}{\partial x}
    \approx
    \frac{u(x+\Delta x)-u(x)}{\Delta x}.
    \end{align}

    \begin{align}
    \frac{u_i^{n+1}-u_i^n}{\Delta t} + c \frac{u_i^n – u_{i-1}^n}{\Delta x}
    =
    0.
    \end{align}

    \begin{align}
    u_i^{n+1}
    =
    u_i^n – c \frac{\Delta t}{\Delta x}(u_i^n-u_{i-1}^n). \label{math_refuge00001}
    \end{align}

    見ての通り加減乗除の四則演算しかしていません.
    特に上のページの (4) にあたる式 \eqref{math_refuge00001} に注目してください.
    実はこの式にしたがって計算した結果をアニメーションでお見せしたのがさっきの動画です.

    細かいことは追々やっていくとして何をしているか大雑把にいうと,
    ベクトルなり数列なりの計算です.
    また式 \eqref{math_refuge00001} を見てください.
    右上にある添字 $n$ に注目すれば左辺は $n+1$ で右辺は $n$ です.
    これは数列の漸化式とも思えますね?

    数列も高校でやる内容です.
    あなたが中学生ならちんぷんかんぷんでしょう.
    でも実際に高校でやることがモノづくりなり何なりで
    役に立っていることが感じてもらえればとりあえず OK です.
    ちなみに移流方程式は上でもちょっと出てきた流体力学で出てくる微分方程式です.

    もっと言うなら文字式の計算がゴリゴリ出てきていることも注意した方がいいでしょうか?
    文字式できないとこの計算全く追えないですからね.
    細かいことを言い出すときりがないので,
    いったん今回はこのくらいにしておきましょう.
    まとめると今回は次のポイントを掴んでもらえば十分です.

    今回のポイント

    • 微分方程式のシミュレーションをやっていく.
    • シミュレーションは実社会でいろいろな応用がある
    • 微分といっても近似を使うから結局は加減乗除しか使わない.
    • シミュレーションでは文字式の計算, ベクトル, 数列など中高の数学をバリバリ使っている.

    今回くらいのレベルでもベクトルで言うと
    100 次元ベクトルとかそういうレベルの計算が必要です.
    手計算ではやってられないのでプログラムを書いて計算して,
    さらにプログラムを書いて図にしたりアニメーションにしたりしています.
    このプログラミングについてはどこまで深掘りするかは未定です.
    要望が多いなら別にきちんとやろうかとも思っています.

    今回お見せしたのは変数が 2 つある偏微分方程式でちょっと難しいです.
    変数が 2 つあるとややこしいので次回以降,
    しばらく変数が 1 つしかない常微分方程式というのを見ていく予定です.

    最後にアンケートをお願いしています.
    改善に繋げていきたいのでぜひコメントをお願いします.

    では次回をお楽しみに!

  • 数列とは何か?プログラム解説 中高数学駆け込み寺

    1 階の線型常微分方程式

    復習でもう 1 回.

    一番単純でしかも実際に使われる微分方程式としてまずは 1 階の線型常微分方程式を考えよう.
    ちょっと不吉な例であるが放射性物質の崩壊の方程式を紹介する.
    導出をしたければちゃんと物理を勉強してもらう必要がある.
    ここでは物理は省略して数学に集中する.

    \begin{align}
    \frac{dx}{dt} = – c x.
    \end{align}
    厳密解は $x = C_0 e^{-ct}$ だ.
    初期値を設定すれば $C_0$ はそこから決まる.

    微分を単純に離散化すると次のようになる.

    \begin{align}
    \frac{x_{n+1} – x_{n}}{\Delta t}
    =
    -c x_{n}.
    \end{align}

    $\Delta t$ は $h$ と書くこともある.
    整理すると次の通り.

    \begin{align}
    x_{n+1}
    =
    x_{n} – c (\Delta t) x_{n}.
    \end{align}

    これに沿って計算したのがいわゆるオイラー法.
    次のセルではこれをコードに落としている.

    
    %matplotlib inline
    import numpy as np
    import matplotlib.pyplot as plt
    
    import base64
    img_file = "tmp/image.tmp.png"
    
    def radioactive_euler(nt, init = 10):
        dt = 2 / (nt - 1)
        # 初期条件設定
        x = np.zeros(nt)
        x[0] = init
    
        for i in range(1, nt):
            x[i] = x[i-1] - c * dt * x[i-1]
    
        # ベクトル計算で書き直したい
    
        return x
    
     # 近似解
    c = 1
    nt = 101
    init = 5
    x1 = radioactive_euler(nt, init)
    plt.plot(np.linspace(0, 2, nt), x1)
    
     # 厳密解
    t = np.linspace(0, 2, nt)
    x2 = init * np.exp(- c * t)
    plt.plot(t, x2)
    
     # 凡例
    plt.legend(['approximation', 'exact'])
    plt.show()
     # 描画
    #plt.savefig(img_file)
    #b64 = base64.encodestring(open(img_file, 'rb').read()).decode('utf-8')
    #img_str = "" % (b64)
    #print(img_str)
    

    RESULT

    2 階の常微分方程式

    こちらが単振動.

    次に 2 階の常微分方程式を紹介しよう.
    高校の物理で出てくるばねの振動(単振動)がまさにこの例だ.
    項を増やすと減衰振動になったり、外力をつけたりといろいろなケースがある.
    まずは一番単純な式を考えよう.

    \begin{align}
    \frac{d^2 x}{dt^2}
    =
    – \omega^2 x.
    \end{align}

    さっきのオイラー法なりルンゲ-クッタ法なりは 1 階の方程式に対する計算法なので直接は使えない.
    この場合は中間処理として $v = dx/dt$ を置いて計算すればいい.
    これは単なる数値計算の便法ではない.
    速度の意味もあるから, という表面的な理由ではなくもっと深く解析力学の文脈で物理としても大事な視点だ.
    もっといえばシンプレクティック計算法などもっといい計算法にも発展する.

    とりあえずオイラー法で計算したい.
    まずは微分方程式自体を書き直す.

    \begin{align}
    \frac{dx}{dt}
    =
    v, \quad
    \frac{dv}{dt}
    =
    – \omega^2 x.
    \end{align}

    これをオイラー法で近似しよう.

    \begin{align}
    x_{n+1}
    =
    x_{n} + h v_{n}, \quad
    v_{n+1}
    =
    v_{n} – h \omega^{2} x_{n}.
    \end{align}

    オイラー法をコードに落とす.

    
    %matplotlib inline
    import numpy as np
    import matplotlib.pyplot as plt
    from matplotlib import animation
    
    def harmonic_euler(nt, init = (5, 0)):
        dt = t_range / (nt - 1)
        # 初期条件設定
        x = np.zeros(nt)
        v = np.zeros(nt)
        x[0] = init[0]
        v[0] = init[1]
    
        for i in range(1, nt):
            x[i] = x[i-1] + dt * v[i-1]
            v[i] = v[i-1] - dt * (omega ** 2) * x[i-1]
    
        # ベクトル計算で書き直したい
    
        return (x, v)
    
    
    omega = 2 * np.pi
    nt = 101
    t_range = 2
    init = (5, 0)
    harm = harmonic_euler(nt, init)
    t = np.linspace(0, 2, nt)
    
     # 厳密解
    x_exact = init[0] * np.cos(- omega * t)
    v_exact = - omega * init[0] * np.sin(omega * t)
    
     # グラフ描画
    plt.subplot(3, 1, 1)
    plt.title('x-t graph')
    plt.plot(np.linspace(0, 2, nt), harm[0])
    plt.plot(t, x_exact)
    plt.legend(['x approximation', 'x exact'])
    
    plt.subplot(3, 1, 2)
    plt.title('v-t graph')
    plt.plot(np.linspace(0, 2, nt), harm[1])
    plt.plot(t, v_exact)
    plt.legend(['v approximation', 'v exact'])
    
    plt.subplot(3, 1, 3)
    plt.title('phase space')
    plt.plot(harm[0], harm[1])
    
     # 描画
    plt.tight_layout()
    plt.show()
    #plt.savefig(img_file)
    #b64 = base64.encodestring(open(img_file, 'rb').read()).decode('utf-8')
    #img_str = "" % (b64)
    #print(img_str)
    

    RESULT

    オイラー法では近似の精度が悪い

    見ての通り時間が進むごとに誤差が大きくなる.
    nt を大きくすると少しはましになる.
    実際に上のコードで nt を大きくして再計算してみてほしい.

    あとまずいのは phase space の図だ.
    この系はエネルギーが保存する系だから相空間内の軌道が閉じてほしいのにそうなっていない.
    シンプレクティックにやれば解消できるようだが, とにかくここではよろしくない.

    この方程式でオイラー法はよろしくないことがわかった.
    とりあえずルンゲ-クッタでやってみよう.

    ルンゲ-クッタ法

    とりあえず近似式を書く.

    \begin{align}
    x_{n+1}
    &=
    x_{n} + \frac{h}{6} (k_{1} + 2 k_{2} + 2 k_{3} + k_{4}), \
    t_{n+1}
    &=
    t_{n} + h, \
    k_{1}
    &=
    v_{n}, \
    k_{2}
    &=
    v_{n} + \frac{h}{2} k_{1}, \
    k_{3}
    &=
    v_{n} + \frac{h}{2} k_{2}, \
    k_{4}
    &=
    v_{n} + h k_{3}.
    \end{align}

    次が $v$ の式.

    \begin{align}
    v_{n+1}
    &=
    v_{n} + \frac{h}{6} (k_{1} + 2 k_{2} + 2 k_{3} + k_{4}), \
    t_{n+1}
    &=
    t_{n} + h, \
    k_{1}
    &=
    – \omega^2 x_{n}, \
    k_{2}
    &=
    x_{n} – \frac{h}{2} \omega^2 k_{1}, \
    k_{3}
    &=
    x_{n} – \frac{h}{2} \omega^2 k_{2}, \
    k_{4}
    &=
    x_{n} – h \omega^2 k_{3}.
    \end{align}

    
    %matplotlib inline
    import numpy as np
    import matplotlib.pyplot as plt
    from matplotlib import animation
    
    def harmonic_rk(nt, init = 10):
        dt = t_range / (nt - 1)
        # 初期条件設定
        x = np.zeros(nt)
        v = np.zeros(nt)
        x[0] = init[0]
        v[0] = init[1]
    
        def fx(t, x, v):
            return v
    
        def fv(t, x, v):
            return - (omega ** 2) * x
    
        # ベクトル計算で書き直したい
        for i in range(1, nt):
            xk1 = fx(dt * (i - 1), x[i-1], v[i-1])
            vk1 = fv(dt * (i - 1), x[i-1], v[i-1])
    
            xk2 = fx(dt * (i - 1/2), x[i-1] + xk1 * dt / 2, v[i-1] + vk1 * dt / 2)
            vk2 = fv(dt * (i - 1/2), x[i-1] + xk1 * dt / 2, v[i-1] + vk1 * dt / 2)
    
            xk3 = fx(dt * (i - 1/2), x[i-1] + xk2 * dt / 2, v[i-1] + vk2 * dt / 2)
            vk3 = fv(dt * (i - 1/2), x[i-1] + xk2 * dt / 2, v[i-1] + vk2 * dt / 2)
    
            xk4 = fx(dt * (i - 1),   x[i-1] + xk3 * dt,     v[i-1] + vk3 * dt)
            vk4 = fv(dt * (i - 1),   x[i-1] + xk3 * dt,     v[i-1] + vk3 * dt)
    
            x[i] = x[i-1] + dt / 6 * (xk1 + 2 * xk2 + 2 * xk3 + xk4)
            v[i] = v[i-1] + dt / 6 * (vk1 + 2 * vk2 + 2 * vk3 + vk4)
    
        return (x, v)
    
    
    omega = 2 * np.pi
    nt = 101
    t_range = 2
    init = (5, 0)
    harm = harmonic_rk(nt, init)
    t = np.linspace(0, 2, nt)
    
    
    x_exact = init[0] * np.cos(- omega * t)
    v_exact = - omega * init[0] * np.sin(omega * t)
    
    
    plt.subplot(3, 1, 1)
    plt.title('x-t graph')
    plt.plot(np.linspace(0, 2, nt), harm[0])
    plt.plot(t, x_exact)
    plt.legend(['x approximation', 'x exact'])
    
    plt.subplot(3, 1, 2)
    plt.title('v-t graph')
    plt.plot(np.linspace(0, 2, nt), harm[1])
    plt.plot(t, v_exact)
    plt.legend(['v approximation', 'v exact'])
    
    plt.subplot(3, 1, 3)
    plt.title('phase space')
    plt.plot(harm[0], harm[1])
    
     # 描画
    plt.tight_layout()
    plt.show()
    #plt.savefig(img_file)
    #b64 = base64.encodestring(open(img_file, 'rb').read()).decode('utf-8')
    #img_str = "" % (b64)
    #print(img_str)
    

    RESULT

    ルンゲ-クッタ短評

    今度の一致具合はなかなかよさそう.
    あくまで見た目の感じではあるけれども.

    良くなったのは一番下の図, 相空間軌道だ: ちゃんと閉じてくれた.

  • 2016-12-11 ベクトルとは何か?/中高数学駆け込み寺

    次の URL から PDF をダウンロードしてください.

    前回までは微分方程式のシミュレーションや
    それで実際にできることをお話してきました.

    今回からは数学の話に
    踏み込んでいきます.

    大きな流れを掴んでほしいので,
    微分方程式のシミュレーションからの
    ベクトルの見方に集中して説明しています.

    まずはこんなものかと大掴みにしてください.

    今回のアンケートはこちらです.

    ここまで出したコンテンツは次の通りです。

    サイトにも上げてあるので
    必要ならそこからも辿ってみてください.
    数学や物理をはじめとした
    専門的な情報もいろいろ載っています.

    プログラムについては次のページにまとめてあります.
    追加もしていくのでぜひ確認してください.

    各回ごとにアンケートもあります.
    ぜひそちらの回答もお願いします.
    アンケートの URL は PDF の最後に貼ってあります.

    全体的に作り上げたら整理して
    まとめ直して最初から配信し直そうと思います.
    復習も兼ねてぜひそちらもしっかり見てください.

    この文章はサイトにも上げているのでそちらを見た方へ

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  • 微分方程式シミュレーションのまとめ/中高数学駆け込み寺

    次の URL から PDF をダウンロードしてください.

    A5 で 2 ページと短いので,
    通勤通学の途中にでも読んでください.

    今回はここまでのまとめです.
    微分方程式がどこでどんなふうに使われているか,
    微分方程式をどう解くか,
    その中でどんな数学が出てくるか.

    そんな話を改めてまとめました.

    次回からは数学的な話をはじめます.
    短い話で要点をまとめます.
    5-10 分で読める分量なので
    ちょっとした空き時間を見つけて
    ぜひ読んでみてください.

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  • 2016-12-04 経済や生物で使う微分方程式/中高数学駆け込み寺

    次の URL から PDF をダウンロードしてください.

    今回は経済や生物のように,
    数学とあまりご縁がなさそうな分野で
    出てくる微分方程式を紹介します.

    高校の教科書でも出てくる有名な
    マルサスの人口論の話です.

    今回もシミュレーションの結果を
    プログラムにして計算させています.
    そっちもぜひ見てみてください.

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    今回のアンケートはこちらです.

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  • 数学科に関するとんでもない嘘まみれの情報を見つけたので 大学受験勉強法

    このブログ・記事では大学受験・大人の学び直し支援に関するサービスを展開しています.
    私自身白血病で体力がなく,
    治療で家計が圧迫されていて
    塾・予備校・受験サプリなどのオンラインスクール・通信教育といった
    教育サービスが受けづらい状況にありました.

    そうした方でも無理なく勉強でき,
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    大学受験だけでなく, 大学での学業, 大学院での研究,
    さらには社会人になりビジネスをするときにまで
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    数学科に関するとんでもない嘘まみれの情報を見つけたので 大学受験勉強法

    Twitter で次の,
    地獄の底から湧き出てきたかのような
    ひどい情報を見かけました.

    http://tinyurl.com/nsfwlms
    文章も引用しておきましょう.

    ====引用はじまり
    何、これ?「「数学」で学べる事は?
    情報の基礎であるWord、Excel、PowerPointで、
    レポートやプレゼンテーション資料を作成する技術。
    (以下略)」
    http://tinyurl.com/pt622bu
    ====引用終わり

    「この文章を書いた馬鹿はどこのどいつだ.
    連れてこい」と言いたくなるレベルのひどさです.
    大急ぎで引用しつつ, いくつかコメントします.

    ====引用はじまり
    「数学」とはどんな分野か?
    ●会計や情報処理プログラミングなど多岐に渡って研究
    ====引用終わり

    数学の専門の話が一切ない時点で
    何だこの説明は, と思いますが,
    会計の話をするというのは聞いたことがありません.
    統計学は専門にやっている人がいますが,
    会計と統計は全く違います.

    世間的な意味で「情報処理」というと,
    情報処理技術者とかそういう方向を想定するでしょう.
    そんなことは数学科ではしませんし,
    どの学部学科でもやらないでしょう.

    情報科学科・情報工学科ですることも
    全く違うことです.
    もちろん関係はありますし,
    情報工学ならもっと関係は深くなりますが,
    Word や Excel の使い方なんてやりません.

    ====引用はじまり
    情報化社会には欠かすことの出来ない分野。
    ====引用終わり

    Amazon や楽天などネットで買い物をしたことがある人は
    多分使っています.
    暗号の理論や, それ以外にも符号理論,
    Google の検索で有名なページランクの基礎原理など
    いくつか情報関係の応用はありますが,
    数学それ自体ではなくあくまで応用です.

    この辺がやりたければ数理工学科などに
    進学するのがいいでしょう.
    名前が多少違くても近いことをやっている学科はあります.
    数理工学そのものずばりなら,
    東大と京大にはあったはずです.

    応用数学科もそれなりに
    近いことをしている人はいますが,
    この「近いこと」は暗号の理論だとか
    そういう意味での近さです.

    情報化社会に深く関わりがある部分はありますが,
    あくまで数学の一部です.

    ====引用はじまり
    数学は情報科学の基礎となるもので、
    コンピューターのプログラミングなどにも直接的に関係している。
    ====引用終わり

    基礎の 1 つではありますが,
    あくまでそれだけです.
    数学科で情報科学関係のことを学べると思ってはいけません.
    大抵ほとんど全くやりません.

    そういうことがしたければ,
    情報科学・情報工学などそのものずばりの
    ところに行くようにしてください.
    数理工学とか応用数学でもまあいいですが,
    それだとあまり深く突っ込んでやらない可能性も高くなります.
    もちろん自分で勝手に独学すればいいだけですが.

    話がずれますが,
    こういうときにどうしても独学しないといけなくなるので,
    受験のときから独学の習慣と方法を身につけるように
    勧めています.

    ====引用はじまり
    情報技術は各種学校や企業でも、日常的に使われるもので、
    その技術は日々進歩しているので、常に学ぶ姿勢が必要とされている。
    ====引用終わり

    ここでいう情報技術が何を指しているのか,
    まずそこからが問題です.
    情報関係の技術が日進月歩というのも正しいですが,
    ハード面での進歩からソフト面での進歩まであり,
    全部やるのも到底不可能ですし,
    数学が直接関係ないのもたくさんあります.

    非常に誤解を生む文章というか,
    書いた人が何を考えて書いたのか,
    正気かどうかを疑わざるをえない文章で,
    頭が痛いです.

    ====引用はじまり
    また、情報科学の基礎として必要な数学を、入門から数値解析まで
    体系的に修得することにより数学の専門家としての要素を身に付けることができる。
    ====引用終わり

    情報科学の基礎となる数学以外にも
    数学はたくさんあります.

    また数値解析はあったとしても選択の講義でしょう.
    数値解析自体を専門にしている人もいますが,
    体系的にやるかと言われると微妙です.
    数学として体系的にはやりますが,
    数値計算の実務に使うようにやるかというと
    また別なので.

    あと数学で数値計算する人,
    そんなに多くないというか少ない印象があります.

    情報科学の基礎と思って数学をしているわけでもないですし,
    情報まわりの数学をやったところで
    数学としての数学を体系に学ぶことはできません.
    情報関係の数学だけで
    数学の専門家としての素養は身につきません.

    本当にこの文章が何を言っているのか
    全くわからず混乱しまくっています.

    ====引用はじまり
    「数学」で学べる事は?

    情報の基礎であるWord、Excel、PowerPointで、
    レポートやプレゼンテーション資料を作成する技術。
    また、情報の誤りを自動的に検出・訂正する符号の仕組みを理解し習得できる。
    コンピューターの本質を理解し、幅広くプログラミングを作成する能力を養える。
    ====引用終わり

    嘘もいいところです.
    何をどうすればこんなひどいことを書けるのか,
    全く理解できません.

    まず Word, Excel はほとんど使いません.
    発表のときに PowerPoint を使うのではないか,
    そう思う人がいるかもしれませんが,
    数学科ではあまり使いません.

    式を書くのが弱いからです.
    もっというと式混じりの文章,
    特に論文を書くのに使う TeX というソフトがあって,
    それで発表に使うスライドを作れるので,
    そちらで発表用の資料を作ることがほとんどでしょう.

    数学科の文化からすると,
    スライドすら使わず
    黒板に板書することも多いです.

    符号の仕組みうんぬんというのは
    上でも少し書いた符号理論のことでしょう.
    符号理論は代数幾何という数学が
    関係していますが, (代数幾何が) 破滅的に難しいです.

    学部 3 年くらいから専門にわかれはじめるところで
    学ぶことなので, 皆がやるわけではありません.
    大学院からとはいえ数学を出ている私も,
    代数幾何はほとんど全くわかりません.
    実際, 専門が違う場合,
    私のように代数幾何は全くわからないという人も多いです.

    そして数学をやっていても
    コンピュータの本質など全くわかりません.
    そもそもそういうことをやらないからですが.

    プログラミングも必修ではありません.
    やる人は勝手にやっています.
    それ自体専門で, 企業と共同研究している人もいますが,
    それはそういう専門だからです.

    それにしても数値計算が主体で,
    幅広くプログラムすることはありません.
    文章書いた人が幅広いプログラムというので
    何を考えているのかもわかりませんが.

    どうでもいいですが,
    【プログラミングを作成する】という言葉おかしいですね.
    【プログラムを作成する】ならわかりますが.

    ====引用はじまり
    「数学」に関連する仕事は?

    企業でコンピューターを使ったプレゼンテーションなどの資料の作成や、
    情報処理や在庫管理・会計などにも幅広く役立つ知識。
    また企業や各種研究機関などでも、
    それぞれの内容に応じたコンピューターのプログラミングに活用できる。
    各種学校でも指導者として活躍できる仕事だ。
    ====引用終わり

    これもよくここまで嘘八百書けるなと
    怒りすら覚える内容です.

    プレゼンテーションの資料作成など
    誰でもやるので, 数学科とか全く関係ありません.
    在庫管理はロジスクティスあたりで
    無関係とは言いませんが,
    応用数学の OR (Operations Research) で対応すべき話でしょう.

    会計というのは何を意図して言っているのか
    本当に全くわかりません.

    基本的にプログラミングは
    自分で勝手にやるもので,
    教わるものではありません.
    講義はいくつかありますが,
    それで身につくなら何の苦労もありません.

    最後の【学校でも指導者として】とかいう一文も,
    本当に気が狂っているとしか思えない
    紹介文で意味がわかりません.

    せっかくなので,
    具体的な話としては 2008 年頃の東大数学科,
    修士課程の話しか知りませんが,
    少しお話しておきます.

    就職先として多いのは,
    小中高の教員, 金融・保険関係,
    その次にメーカーの技術職あたりだったはずです.
    あと半分くらいが博士課程にまで行きます.

    金融関係って何で?
    と思うかもしれませんが,
    クオンツという専門職があり,
    この人達は確率微分方程式という数学を
    使ったりする (学部 4 年くらいでやる内容) ので,
    ある程度数学がいるのです.
    興味がある人は『物理学者、ウォール街を往く。』とかを
    読んでみてください.

    http://tinyurl.com/occ437b

    保険関係でもアクチュアリーというのがあり,
    料率計算をする専門家がいます.
    そこを目指して行く人がいるわけです.
    卒業生にもたくさんいます.
    OB 会に行ったらやたらたくさんいたので驚きました.

    メーカーだと数値計算まわりで
    いろいろあるようです.
    受験生には有名でないでしょうが,
    化学系のメーカーで昭和電工という有名な会社があります.

    そこに行ったとき, 数学関係の人は
    数値計算まわりでとても求められている
    という話を社員の方から伺ったことがあります.
    その方は生物出身と仰っていました.

    メーカー関係だとデザインにも関係します.
    デザインは格好いいだけでは話になりません.
    風の抵抗をおさえたり,
    燃費などとも関わるからです.

    試作品を作って風洞実験すればいいのですが,
    いちいち作っていたらその分のお金と
    時間がかかります.
    それを削るために数値実験をするのです.
    流体力学など物理の基礎知識もいりますが,
    それはチームで専門の人が他にいれば,
    本当に細かい部分はカバーしてもらえます.

    数学の就職というと,
    私はこういうイメージが強いです.
    情報関係もないわけではないですし,
    実際にいますが,
    メインとは言い難いのが実情と思います.

    あとついでに書いておくと,
    最初にツイートを紹介した人は
    奈良女子大, 情報科学科の鴨浩靖先生です.

    情報科学科所属ではありますが,
    正確には数学者と言った方がいいでしょう.
    http://tinyurl.com/nza3jp7

    高校生の皆さんには意外かもしれませんが,
    時々「本来の所属とは違う学部学科にいる教官」もいます.
    例えば東工大から京大の大学院に行った知人がいるのですが,
    彼は物理から情報に行きました.

    情報系の研究に専攻を変えたと
    思うかもしれませんが,
    あくまで教官は物理の人で,
    何故か所属が情報だから
    そこに行ったということです.

    工学部の中にバリバリの数学をやっている人がいたりもします.
    大阪大学の基礎工学部にそういう人がいます.

    この辺は大学院のときに考えるべきことで
    大学受験で考える必要はないことですが,
    せっかくなので少し説明しておきました.

    本題に戻りますが,
    とりあえず自分が所属していた学科でもあり,
    はっきりと知っていることなのでコメントしました.
    しかし受験界隈にはこのような大嘘が
    意外と蔓延しているのかもしれません.

    ネットの情報を鵜呑みにしないで,
    信頼できる人から情報を取ることも
    忘れないようにしてください.

    最後に: 気軽に質問してください

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