カテゴリー: 教育

  • 数学科に関するとんでもない嘘まみれの情報を見つけたので 大学受験勉強法

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    数学科に関するとんでもない嘘まみれの情報を見つけたので 大学受験勉強法

    Twitter で次の,
    地獄の底から湧き出てきたかのような
    ひどい情報を見かけました.

    http://tinyurl.com/nsfwlms
    文章も引用しておきましょう.

    ====引用はじまり
    何、これ?「「数学」で学べる事は?
    情報の基礎であるWord、Excel、PowerPointで、
    レポートやプレゼンテーション資料を作成する技術。
    (以下略)」
    http://tinyurl.com/pt622bu
    ====引用終わり

    「この文章を書いた馬鹿はどこのどいつだ.
    連れてこい」と言いたくなるレベルのひどさです.
    大急ぎで引用しつつ, いくつかコメントします.

    ====引用はじまり
    「数学」とはどんな分野か?
    ●会計や情報処理プログラミングなど多岐に渡って研究
    ====引用終わり

    数学の専門の話が一切ない時点で
    何だこの説明は, と思いますが,
    会計の話をするというのは聞いたことがありません.
    統計学は専門にやっている人がいますが,
    会計と統計は全く違います.

    世間的な意味で「情報処理」というと,
    情報処理技術者とかそういう方向を想定するでしょう.
    そんなことは数学科ではしませんし,
    どの学部学科でもやらないでしょう.

    情報科学科・情報工学科ですることも
    全く違うことです.
    もちろん関係はありますし,
    情報工学ならもっと関係は深くなりますが,
    Word や Excel の使い方なんてやりません.

    ====引用はじまり
    情報化社会には欠かすことの出来ない分野。
    ====引用終わり

    Amazon や楽天などネットで買い物をしたことがある人は
    多分使っています.
    暗号の理論や, それ以外にも符号理論,
    Google の検索で有名なページランクの基礎原理など
    いくつか情報関係の応用はありますが,
    数学それ自体ではなくあくまで応用です.

    この辺がやりたければ数理工学科などに
    進学するのがいいでしょう.
    名前が多少違くても近いことをやっている学科はあります.
    数理工学そのものずばりなら,
    東大と京大にはあったはずです.

    応用数学科もそれなりに
    近いことをしている人はいますが,
    この「近いこと」は暗号の理論だとか
    そういう意味での近さです.

    情報化社会に深く関わりがある部分はありますが,
    あくまで数学の一部です.

    ====引用はじまり
    数学は情報科学の基礎となるもので、
    コンピューターのプログラミングなどにも直接的に関係している。
    ====引用終わり

    基礎の 1 つではありますが,
    あくまでそれだけです.
    数学科で情報科学関係のことを学べると思ってはいけません.
    大抵ほとんど全くやりません.

    そういうことがしたければ,
    情報科学・情報工学などそのものずばりの
    ところに行くようにしてください.
    数理工学とか応用数学でもまあいいですが,
    それだとあまり深く突っ込んでやらない可能性も高くなります.
    もちろん自分で勝手に独学すればいいだけですが.

    話がずれますが,
    こういうときにどうしても独学しないといけなくなるので,
    受験のときから独学の習慣と方法を身につけるように
    勧めています.

    ====引用はじまり
    情報技術は各種学校や企業でも、日常的に使われるもので、
    その技術は日々進歩しているので、常に学ぶ姿勢が必要とされている。
    ====引用終わり

    ここでいう情報技術が何を指しているのか,
    まずそこからが問題です.
    情報関係の技術が日進月歩というのも正しいですが,
    ハード面での進歩からソフト面での進歩まであり,
    全部やるのも到底不可能ですし,
    数学が直接関係ないのもたくさんあります.

    非常に誤解を生む文章というか,
    書いた人が何を考えて書いたのか,
    正気かどうかを疑わざるをえない文章で,
    頭が痛いです.

    ====引用はじまり
    また、情報科学の基礎として必要な数学を、入門から数値解析まで
    体系的に修得することにより数学の専門家としての要素を身に付けることができる。
    ====引用終わり

    情報科学の基礎となる数学以外にも
    数学はたくさんあります.

    また数値解析はあったとしても選択の講義でしょう.
    数値解析自体を専門にしている人もいますが,
    体系的にやるかと言われると微妙です.
    数学として体系的にはやりますが,
    数値計算の実務に使うようにやるかというと
    また別なので.

    あと数学で数値計算する人,
    そんなに多くないというか少ない印象があります.

    情報科学の基礎と思って数学をしているわけでもないですし,
    情報まわりの数学をやったところで
    数学としての数学を体系に学ぶことはできません.
    情報関係の数学だけで
    数学の専門家としての素養は身につきません.

    本当にこの文章が何を言っているのか
    全くわからず混乱しまくっています.

    ====引用はじまり
    「数学」で学べる事は?

    情報の基礎であるWord、Excel、PowerPointで、
    レポートやプレゼンテーション資料を作成する技術。
    また、情報の誤りを自動的に検出・訂正する符号の仕組みを理解し習得できる。
    コンピューターの本質を理解し、幅広くプログラミングを作成する能力を養える。
    ====引用終わり

    嘘もいいところです.
    何をどうすればこんなひどいことを書けるのか,
    全く理解できません.

    まず Word, Excel はほとんど使いません.
    発表のときに PowerPoint を使うのではないか,
    そう思う人がいるかもしれませんが,
    数学科ではあまり使いません.

    式を書くのが弱いからです.
    もっというと式混じりの文章,
    特に論文を書くのに使う TeX というソフトがあって,
    それで発表に使うスライドを作れるので,
    そちらで発表用の資料を作ることがほとんどでしょう.

    数学科の文化からすると,
    スライドすら使わず
    黒板に板書することも多いです.

    符号の仕組みうんぬんというのは
    上でも少し書いた符号理論のことでしょう.
    符号理論は代数幾何という数学が
    関係していますが, (代数幾何が) 破滅的に難しいです.

    学部 3 年くらいから専門にわかれはじめるところで
    学ぶことなので, 皆がやるわけではありません.
    大学院からとはいえ数学を出ている私も,
    代数幾何はほとんど全くわかりません.
    実際, 専門が違う場合,
    私のように代数幾何は全くわからないという人も多いです.

    そして数学をやっていても
    コンピュータの本質など全くわかりません.
    そもそもそういうことをやらないからですが.

    プログラミングも必修ではありません.
    やる人は勝手にやっています.
    それ自体専門で, 企業と共同研究している人もいますが,
    それはそういう専門だからです.

    それにしても数値計算が主体で,
    幅広くプログラムすることはありません.
    文章書いた人が幅広いプログラムというので
    何を考えているのかもわかりませんが.

    どうでもいいですが,
    【プログラミングを作成する】という言葉おかしいですね.
    【プログラムを作成する】ならわかりますが.

    ====引用はじまり
    「数学」に関連する仕事は?

    企業でコンピューターを使ったプレゼンテーションなどの資料の作成や、
    情報処理や在庫管理・会計などにも幅広く役立つ知識。
    また企業や各種研究機関などでも、
    それぞれの内容に応じたコンピューターのプログラミングに活用できる。
    各種学校でも指導者として活躍できる仕事だ。
    ====引用終わり

    これもよくここまで嘘八百書けるなと
    怒りすら覚える内容です.

    プレゼンテーションの資料作成など
    誰でもやるので, 数学科とか全く関係ありません.
    在庫管理はロジスクティスあたりで
    無関係とは言いませんが,
    応用数学の OR (Operations Research) で対応すべき話でしょう.

    会計というのは何を意図して言っているのか
    本当に全くわかりません.

    基本的にプログラミングは
    自分で勝手にやるもので,
    教わるものではありません.
    講義はいくつかありますが,
    それで身につくなら何の苦労もありません.

    最後の【学校でも指導者として】とかいう一文も,
    本当に気が狂っているとしか思えない
    紹介文で意味がわかりません.

    せっかくなので,
    具体的な話としては 2008 年頃の東大数学科,
    修士課程の話しか知りませんが,
    少しお話しておきます.

    就職先として多いのは,
    小中高の教員, 金融・保険関係,
    その次にメーカーの技術職あたりだったはずです.
    あと半分くらいが博士課程にまで行きます.

    金融関係って何で?
    と思うかもしれませんが,
    クオンツという専門職があり,
    この人達は確率微分方程式という数学を
    使ったりする (学部 4 年くらいでやる内容) ので,
    ある程度数学がいるのです.
    興味がある人は『物理学者、ウォール街を往く。』とかを
    読んでみてください.

    http://tinyurl.com/occ437b

    保険関係でもアクチュアリーというのがあり,
    料率計算をする専門家がいます.
    そこを目指して行く人がいるわけです.
    卒業生にもたくさんいます.
    OB 会に行ったらやたらたくさんいたので驚きました.

    メーカーだと数値計算まわりで
    いろいろあるようです.
    受験生には有名でないでしょうが,
    化学系のメーカーで昭和電工という有名な会社があります.

    そこに行ったとき, 数学関係の人は
    数値計算まわりでとても求められている
    という話を社員の方から伺ったことがあります.
    その方は生物出身と仰っていました.

    メーカー関係だとデザインにも関係します.
    デザインは格好いいだけでは話になりません.
    風の抵抗をおさえたり,
    燃費などとも関わるからです.

    試作品を作って風洞実験すればいいのですが,
    いちいち作っていたらその分のお金と
    時間がかかります.
    それを削るために数値実験をするのです.
    流体力学など物理の基礎知識もいりますが,
    それはチームで専門の人が他にいれば,
    本当に細かい部分はカバーしてもらえます.

    数学の就職というと,
    私はこういうイメージが強いです.
    情報関係もないわけではないですし,
    実際にいますが,
    メインとは言い難いのが実情と思います.

    あとついでに書いておくと,
    最初にツイートを紹介した人は
    奈良女子大, 情報科学科の鴨浩靖先生です.

    情報科学科所属ではありますが,
    正確には数学者と言った方がいいでしょう.
    http://tinyurl.com/nza3jp7

    高校生の皆さんには意外かもしれませんが,
    時々「本来の所属とは違う学部学科にいる教官」もいます.
    例えば東工大から京大の大学院に行った知人がいるのですが,
    彼は物理から情報に行きました.

    情報系の研究に専攻を変えたと
    思うかもしれませんが,
    あくまで教官は物理の人で,
    何故か所属が情報だから
    そこに行ったということです.

    工学部の中にバリバリの数学をやっている人がいたりもします.
    大阪大学の基礎工学部にそういう人がいます.

    この辺は大学院のときに考えるべきことで
    大学受験で考える必要はないことですが,
    せっかくなので少し説明しておきました.

    本題に戻りますが,
    とりあえず自分が所属していた学科でもあり,
    はっきりと知っていることなのでコメントしました.
    しかし受験界隈にはこのような大嘘が
    意外と蔓延しているのかもしれません.

    ネットの情報を鵜呑みにしないで,
    信頼できる人から情報を取ることも
    忘れないようにしてください.

    最後に: 気軽に質問してください

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    基本的には Github の math-textbook にまとめる分が本体ですが,
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    また東大数理でセミナーに使われている本の一覧をこのページにまとめています.

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    セミナー・講演・イベントを開催しています.

    数学・物理関係で「こんな話をしてほしい」的なご要望を頂ければ出来る限り対応します.
    専門的な話ばかりではなく, 中学数学のやり直しといったご要望も受けていますし,
    実際そうした話も進めています.
    数学とプログラミングといったテーマもやっていく予定です.
    phasetr@gmail.com までお気軽にお問い合わせ下さい.

    適当に定期開催: 成人女性向け数学カフェ

    数学カフェ, 都心あたりの喫茶店, 月 1 くらいで土曜日予定: 2014/04 から.

    各人が好きなことをやります.
    小数の計算など算数の基本から数学研究レベルの話まで,
    参加者が思い思いの時間を過ごしています.
    月に 1 回数学と戯れる時間を作りましょう.

    Ising モデルのための複素解析

    原・田崎 相転移と臨界現象の数理 査読ゼミ, 東大, 2013/1/18.

    色々な反例で遊ぼう

    第 3 回関西すうがく徒のつどい, 京都大学, 2013/3/16.

    Friedrichs モデルの解析:埋蔵固有値の摂動論

    坊ゼミ, 埼玉大学, 2013/3/24.

    Gaussian superprocess and its application to Quantum Field Theory: Sasakure Seminar

    ささくれセミナー, 東工大, 2013/9/10.

    偏微分方程式の逆問題–拡散方程式の数学と物理と工学

    第 4 回関西すうがく徒のつどい, 大阪大学, 2013/09/21

    関数論ウルトラショートコース: メインストリートを駆け抜けよう

    主に都数のメンバー向けセミナー, 早稲田大学, 2013/10/14

    Lieb-Loss Analysis セミナー: 変分問題と Thomas-Fermi 汎関数

    知り合いの解析系の学生向け+1-2年生向けセミナー, 東工大, 2014/2/17.

    コイン投げからの大数の法則・中心極限定理

    知人向け勉強会, 新宿, 2014/03/22.

    線型代数と微分積分: 大学数学の紹介, そして量子力学の数学に向けて

    • 大学新入生向けセミナー, 東工大, 2014/04/19.
    • 大学新入生向けセミナー, 津田塾, 2014/05/10.

    エルゴード理論の数理物理: 解析力学からの幾何学, 力学系, そして確率論と連分数展開

    大学生向けセミナー, 東工大, 2014/07/20 予定.

    Google ページランクの数理

    第 5 回関西すうがく徒のつどい, 京都大学, 講演のアブストラクト, 2014/09/13-14.

    科学と社会の狭間の一市民の奮闘

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  • お客様の声

    いろいろなサービスを展開する中で頂いた声, 感想, メッセージです.

    トーク 色々な反例で遊ぼう

    第 3 回関西すうがく徒のつどいという
    京大で開催された数学系のイベントで講演しました.

    講演のご感想

    • 命題に対して仮定を外してみるということはよく行うことですが, その大切さをあらためて再認識しました.
    • Counter examples in Analysis がうらやましかった. 買おうと思う. 全有界について知ったのは良かった.
    • もうちょっと密度があがってもよいと思いますが, たいへん楽しくわかりやすかったです.
    • 深くは理解できているかわからないですが, 楽しめました. ありがとうございました.
    • 反例を探すというのは普段意識してやることでなく新感覚でおもしろかった.
    • 前提知識が少なくて, わかりやすい内容だった.
    • 例を作る大事さがわかった.
    • 時間が少なかったせいもあるが, もう少し進んだ内容が聞ければ, と思った.
    • よくわかる例が多くてわかりやすかったです.
    • 数学を学ぶ姿勢なども学ばせてもらいました.
    • 面白かった.
    • ちょうど解析を復習していたので, そのモチベーションや勉強全般への態度を見直すいい機会になりました.
    • ナイス市民講演!
    • 元の本が面白そう.
    • 学ぶ姿勢を考え直すきっかけになりました.
    • 自分で例をつくって遊ぶことの大切さを改めて感じました.
    • 前半の内容は直感的に理解しやすく, 楽しめました.
    • 数学を学ぶ姿勢について改めて考えさせられました.
    • 講演内容も面白かったですが, 講演者の渋い服装がピンポイントでした.
    • 素朴な内容だったように感じましたが, わかりやすくて面白かったです.
    • Counter examples in Analysis ポチりました.
    • 最近仰ってたような反例の作り方をして遊んでいた所なので, 尚更スゴク楽しかったです.
    • 反例, 仮定を変えるのはあらためて重要だと思ったし, とても良い講演でした.
    • 例, 反例の作り方 (思考回路) というのが, これからすごく役立ちそうです.
    • 特に例から例を作るという方法を使っていきたいです.
    • 例の大切さをあらためて感じました.
    • 具体的な例が多くて楽しめました.
    • 最後お話される予定だった内容を聴きたかったです.
    • 分かりやすい話でしっかり聞けてよかったです.
    • 基本的な例でしたが面白かったです.
    • 身近な例でわかりやすかったです.

    『よくわからない数学 色々な反例で遊ぼう』

    上のトーク, 「色々な反例で遊ぼう」の内容を DVD 化し, Amazon で出版しました.

    感想にもあるように, 数学とどう向き合っていくかということを説明している動画です.
    これをご覧になるだけでも数学の勉強の参考になると思います.

    Amazon に寄せて頂いたカスタマーレビューを転載します.

    さわらさんから: 強いられる数学では無く, 楽しめる数学の動画

    数学のゼミを DVD にするという新しい試みであるから,
    この形式についての感想と DVD 自体の内容についての感想を分けて述べたいと思う.
    【内容について】

    本作は「反例をつくる」ということに注目した数学科 1, 2 年生程度の
    「反例を作る」という事は少し数学をやっている人達の中では当たり前に行われている事である.
    しかし, 数学書にはどのようなプロセスでその反例が考えられたのかは載っていないことが多い.
    プロセスが見えやすいものもあれば,
    「どうやったら思いつくんだよ! 」などと思ってしまうものも存在する.
    そのような見えづらい反例を減らすのに必要なことが,
    その問題の”背景”を考えてみることだということをこの DVD はサジェストしてくれる.
    この点は良い勉強になった.
    このような年長者の経験的な部分を学べる機会というのは非常に有益だと思う.
    また, 数理物理が専門の方である事もあり,
    超関数が物理からの要請によって生まれた数学的対象であるという話をされていた.
    この話は聞いたことが無かったため新鮮だった.
    【形式について】

    実際のゼミや発表では, リアルタイムで内容が正確に把握できず,
    かつ確認もできず進んでしまうことが存在する.
    しかし, 一度動画を止めて定義等を自分でゆっくりと確認できるため,
    きちんと話が理解できる層が広がっているのではと感じた.
    そのため, 数学科の 1, 2 年生を想定した内容になっていると作中で述べていたが,
    実際にはもう少し広い範囲が楽しめる内容になっていると思う.
    しかし, 時間の制約というものが少しネックだとは感じた.
    ある程度しっかりとした数学の議論をしようと思うと, 驚くほど時間がかかるものである.
    これは, 実際の大学等の数学の講義を考えていただければ明らかだろう.
    そのため, キッチリとした議論を学ぶのにはあまり向かないのかも知れないと感じた.
    実際的には非常に局所的な話を掘り下げる, その分野を概観する等の内容がこの形式にはあってるのではと思う.

    以上, 特に自分が強く感じた点について述べてみた.
    蛇足であるが, 自分はこのような DVD がでたならば積極的に買っていきたいと思っている.
    作者のように数学に対して愛情を持っている人は強く尊敬している.
    そのような人が数学科内外にもっと増えていけば非常に喜ばしいことだと思う.
    そのためには, 広い範囲の人が数学を楽しめる形式を整えることは重要だと思う.
    そういう意味では DVD という形で数学を広めるこの試みは非常に意味のあるものだと思えた.
    このような新たな試みには積極的に投資していきたい.

    オムライスさんから: 自分で問題を作り, 自分で解く

    この DVD で扱われる内容のレベルであれば,
    大学で学ぶ数学に興味がある高校生から,
    実際に数学を学んでいる教養学年の学部生あたりが適切かと思う. あるいは既に大学を卒業し,
    数学から離れてしまったひとが純粋数学を懐かしむ為に見るという見方もできるかもしれない.

    DVD 冒頭で相転移 P が述べているように,
    小さくてもよいから自分で問題を作り, 自分で解くことが大切だ.
    これは学部生であれ院生であれ何かを研究するという立場にあれば必須ではなかろうか.
    既存のテキストや論文から天下り的に定義や例を学ぶのではなく, 自分で作るという点に意義があるだろう.
    この DVD では相転移 P がそのお手本となるように講演している.

    この DVD を視聴している間も, 「他にこんな反例も作れる」と自分で例を考えてみるとよいだろう.
    あるいは問題の方を自分で改変してみて, その解答を自分で作るというのも訓練になるだろう.

    DVD であるというだけでなく,
    数学の内容よりむしろ「やり方」に着目している点も評価されていい作品ではなかろうか.
    この DVD を視聴した学生が「自分でもやってみたい」と思って研究を深めていってくれることを期待する.

    ザード@さんから: 非常に教育的価値の高い DVD

    対象としては数学科への進学を考えている高校生から理系大学の学部 1,2 年生といった所か.
    あるいは社会人が学生時代を振り返るのにも有効かもしれない.
    ちょうど大学の講義時間である 90 分間数学を楽しむことが出来る.

    前半の 2 題は高校生にも理解できる問題であり, 後半の 3 題は高校生レベルだとやや難しいといった印象だ.

    また, 数学 (というか研究活動全般) を勉強する上で非常に大切なトピックが
    随所に散りばめられており, 相転移 P 氏がイントロダクションで述べている
    「自分で問題を設定する」
    「設定した問題は, (出来れば自分の能力の範囲で) 解ける問題である必要がある」
    という部分はかなり大切だと個人的に思う.

    こういった企画は非常に新しい試みだと思う.
    是非とも後続者が現れ, 例えば「よく分からない物理」という DVD を売りに出すような世の中になってほしいと願う.

    岩本理数教室さんから: 理系志望の高校生にも見てほしい

    受験勉強として数学を学習していると, 過去問題の演習が中心となりがちである.
    模試や参考書, 問題集の解答は一昔前と比べれば, 格段に新設になっていると感じるが,
    それでもどのような経緯でその解答に至るのか不明なまま,
    無理矢理に納得して学習している高校生が多いことだろう.
    そんな経験がある高校生にはぜひ, この DVD を見てほしいと思う.

    問題の背景についても詳しく解説があり,
    さらに, 問題を作ることの大切さにまで言及している.
    きっと高校生にとって, 数学に対する見方が大きく変わることになるだろう.

    理系学部を志望している生徒さんに, ぜひ見ていただきたい DVD である.

    Twitter, 柳生たかしさんから

    よくわからない数学, 反例をつくって遊ぼうの DVD 鑑賞した.
    既知のことでも, 反例をつくって考えてみるという普段疎かにしていることへのよい啓発になったし,
    知らない分野では, 数学の豊潤な世界を垣間見させてくれて,
    数学のあのなんともいえない昂揚感みたいなものを改めて想起させられた.
    とくに後者が自分にとって得るところが大きかったので購入して元は取れたというか, 買った価値は十分ありました.
    また気分転換の時にでも何回か見返したいと思う.

    トーク 偏微分方程式の逆問題–拡散方程式の数学と物理と工学

    第 4 回関西すうがく徒のつどいという阪大で開催された数学系のイベントで講演しました.
    近い内に DVD 化しようと思っています.

    講演で頂いたご感想

    • 前提知識がなく聞きやすかった.
    • もっと数学的な内容に踏み込んでもらえたらよかった.
    • 数学でない他分野関連の話で, 私は数学科じゃないので参考になり面白かったです.
    • 内容がとても分かりやすかったです.
    • スピードもちょうどよく, 板書も見やすかったです.
    • 具体例が多く, わかりやすかった.
    • 工学生が持つべき考えを少し知ることが出来たと思います.
    • 逆問題についてもっと聞きたかったです.
    • 自分は工学の人間なのでとても共感できました.
    • 面白かった.
    • 逆問題の話をもっと聞きたかったな.
    • PDE の応用がきけて有意義でした.
    • 物理や工学方面からのアプローチが知れてよかった.
    • 分野ごとの常識, 問題意識の違いなどが面白かったです.
    • 自分はどちらかというと物理・工学側の人間なので,
    • 逆に数学側の人の考え方を知ることが出来て良かった.
    • 物理の話を聞けるとは思っていなかったので興味深かった.
    • 数学の外の世界に触れられてよかったです.
    • 考え方みたいなものが多く面白かった.
    • もう少し数学の話が欲しかった.
    • テクニカルでない「お話」もよいものだと思いました.
    • 個人的にこういう動機づけみたいな話に最近興味があります.
    • PDE を専攻している身としては大変勉強になりました.
    • 普段気にしていない工学・物理の意見が参考になりました.
    • 物理や工学のことを数学の方に話すにはかなり導入の部分から話していかなきゃならないなと思った.
    • 自分が発表するときの指針がすごく得られた.
    • 物理の問題意識のようなものが少しわかって有意義だった.
    • 具体例と話の組み立てがよかった.

    『独学のすゝめ 大学受験勉強法 あなたが大学受験で失敗・後悔しないために: 私はなぜあなたにいい大学・難関大に入ってほしいのか』

    Amazon ページからの転載です.

    AK さん『「独学」に希望を持ちました』

    相転移P(市民)さんは,以前よりTwitter(@phasetr),HP([…])で記事を読まさせていただていましたが,高知工科大学での Youtubeの動画あたりまでは,受験は扱わない,既に,予備校などが扱っているのでとの方針であり,市民講演を「市民が講演者となる」方向性と認識し ていました.
    2015年春ごろからでしょうか?特に「独学」を市民が行っていく方法を提供するようになってきたと思います.
    今回の「独学のすゝめ」では,「独学」の中でも「受験」にターゲットをかなり絞り込み,独学での難関校に合格する方法を提示されています.
    私自身は,受験は終わり,アカデミアに現在は在籍していますが,数年のうちにアカデミアを去り,市民として研究を続けたいと考えています.
    独学での受験勉強に関する具体的な内容がやや乏しい感じはありますが,是非ともこの書籍だけではなく,相転移P(市民)さんのHP・ブログ・Twietterを受験生だけではなく,在野の研究者も読むとモチベーションや勇気が湧いてくると思います.
    しかも,自らが人柱となり,様々なことを試しています.
    書籍の中では,あまり,強調されていませんでしたが,「イジング本」の査読をされていますので,大学・院・その後も相当な努力をされたことが想像されます.
    1つだけ,「脳内授業」に関してもう少し具体的にどのように行ったらよいのかを示していただければと思いましたが,受験生は必読と思います.
    当然,星5つです!

    追記:
    対象読者:

    1. 難関大受験生(特に理系)
    2. 大学初年度学生(特に理系)
    3. 在野の研究者(特に理系)

    「独学」のポイント:

    1. 深く考える.
    2. 「自身の既存の知識」と「新しく学んだ知識の関連付け」ができるかを常に意識する.
    3. 全体を俯瞰し,その後にアウトプットの反復により細部の精度を上げていく.

    その他:

    1. HPから有用な情報(受験だけではなく)を取得することができます,まずは,高知工科大学の講演のYoutubeからがよいのではないかと思います.
    2. 「脳内授業の具体例の乏しさ」に対して,数学については既に対応されています.

    yasuhitoakita さん『シンプルに王道な勉強法の原理原則を伝授してくれるアツい本。』

    シンプルに王道な勉強法の原理原則を伝授してくれるアツい本。
    この本の主張は極めてシンプルだ。勉強とは、反復して、ひたすらアウトプットを繰り返して知識を自分のものとすること。
    別に受験生、学生だけではなくて、社会人にも当然勉強というのは求められている(「この製品お客さんに導入するから、使い方お客さんにレクチャーできるように覚えといてね」みたいな)。
    一冊の本を、はたまたお客さんに製品を導入せんとするエンジニアなら一冊のマニュアルを、自分の中で再構成できたときに初めて理解してると言える。
    なので、この本は勉強をするすべての人にオススメ。詳しいことは本文を読まれよ!

    ザード@さん『何故あなたにこの本を読んで欲しいか』

    本文中に所謂上位大学に行って欲しい旨について相転移P氏が述べる部分がある。
    これは確かにそのとおりであるが、大学名ブランドだけで志望大学を決めてしまうような生徒さんには中々刺激的な情報ではないかと思う。

    私自身は巷に転がっている「受験攻略本」の類にはどうも受験さえ突破できればそれでいい的な内容が多いためか嫌悪感を抱いてしまうのだが、この本において 紹介されているのは”人生で必ず必要になる独学の術”であり、誰も手を差し伸べてくれないような場面で如何に生き抜くかも扱っているのでそういう意味でも ぜひ手にとって欲しい一冊である。

    脳内授業というアプローチは(受験勉強においては)非常に新しいと思う。
    ぜひこの本が受験界に新しい風を巻き起こし、今後の相転移P氏の活動の追い風となることを願う。

    WSさん『学びのうち,独りでやる部分をどうするか』

    相転移Pがいう独学のすすめとは,教師その他の教えてくれる人を無視して我が道を行き死屍累々の一部となれということではありません。理解にもいろいろあ り,できるだけ早く広く大雑把に短期間のうちに種を蒔いといて,反復して,いつも脳内授業しているうちになにかしらのきっかけでなんとなくわかったような 気になることもあって,フィールズ賞受賞者だってそれは同じだということです。