コンパクト自己共役作用素の具体例と確率論, スペクトル理論, 幾何学

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作用素論オタなのでちょっと反応した.

最後の確率論の部分について少し補足しよう.
幾何はよくしらないので私がよく知っている量子力学関係のスペクトル解析で説明する.
\(e^{-tH}\) でまず \(H\) を Laplacian \(- \triangle\) としよう.
Gaussian を \(P_t\) と書こう.
\begin{align} P_t(x, y) = \left( \frac{m}{2 \pi t} \right)^{d/2} e^{-m |x-y|^2}{2t}. \end{align} こうすると次のようになる.
\begin{align} (e^{t \triangle} \psi) (x) = \int_{\mathbb{R}^d} P_t(x, y) \psi (y) dy. \end{align} \(P_t\) は Gaussian なので確率論が使えそうだと思うわけだ. これが実は Brown 運動 \(B_t\) で書ける.
\begin{align} (e^{t \triangle} \psi) (x) = \mathrm{E}_x [\psi(B_t)]. \end{align} 量子力学の設定だと Hamiltonian は \(V\) を適当な関数として \(H = – \triangle + V\) だ.
結果から書くと内積が次のように書ける.
\begin{align} \langle \phi, e^{- t H} \psi \rangle = \int_{\mathbb{R}^d} dx \overline{\phi(x)} \mathrm{E}_x \left[ \psi(B_t) e^{- \int_0^t V(B_s) ds} \right]. \end{align} ここで作用素をもう少し一般化すると,
確率論でも対応して確率積分を使うことになる.
さらに一般に楕円型作用素にしても確率論でも対応した処理ができる (場合がある).
それが実際に指数定理にまで持ち上がるというのが驚異的だが,
詳しいところまでは把握できていない.
また, \(H\) が下に有界な場合は \(e^{-tH}\) は熱半群をなす.
ここから半群理論の制御下に入る.
連続時間の確率過程とも思えるし, この辺でまたいろいろ出てくる.
そして最後にこれ.

また関西行きたいしセミナーしたいのだが,
誰に何話そう.

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